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5.2. IBM Power で動作するストレージデバイスまたは障害のあるストレージデバイスの置き換え

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IBM Power でローカルストレージデバイスを使用してデプロイされた OpenShift Data Foundation のオブジェクトストレージデバイス (OSD) を置き換えることができます。

注記

基礎となるストレージデバイスを 1 つ以上置き換える必要がある場合があります。

前提条件

  • Red Hat は、交換用デバイスを、交換するデバイスと同様のインフラストラクチャーおよびリソースで設定することを推奨します。
  • 以前のバージョンから OpenShift Data Foundation バージョン 4.9 にアップグレードし、LocalVolumeDiscovery オブジェクトを作成していない場合は、 ローカルストレージでサポートされるクラスターの更新後の設定の変更について以下の手順に従ってください。
  • データに耐久性があることを確認します。

    • OpenShift Web コンソールで、Storage OpenShift Data Foundation をクリックします。
    • Storage Systems タブをクリックし、ocs-storagecluster-storagesystem をクリックします。
    • Block and File ダッシュボードの Status cardOverview タブで、Data Resiliency に緑色のチェックマークが付いていることを確認します。

手順

  1. 置き換える必要がある OSD と、その OSD がスケジュールされている OpenShift Container Platform ノードを特定します。

    $ oc get -n openshift-storage pods -l app=rook-ceph-osd -o wide

    出力例:

    rook-ceph-osd-0-86bf8cdc8-4nb5t   0/1     crashLoopBackOff   0   24h   10.129.2.26     worker-0     <none>       <none>
    rook-ceph-osd-1-7c99657cfb-jdzvz   1/1     Running   0          24h     10.128.2.46     worker-1     <none>       <none>
    rook-ceph-osd-2-5f9f6dfb5b-2mnw9    1/1     Running   0          24h     10.131.0.33    worker-2     <none>       <none>

    この例では、rook-ceph-osd-0-86bf8cdc8-4nb5t を置き換える必要があり、worker-0 は OSD がスケジュールされる RHOCP ノードです。

    注記

    置き換える OSD が正常である場合、Pod のステータスは Running になります。

  2. 置き換えられる OSD の OSD デプロイメントをスケールダウンします。

    $ osd_id_to_remove=0
    $ oc scale -n openshift-storage deployment rook-ceph-osd-${osd_id_to_remove} --replicas=0

    ここで、osd_id_to_removerook-ceph-osd 接頭辞の直後にくる Pod 名の整数です。この例では、デプロイメント名は rook-ceph-osd-0 です。

    出力例:

    deployment.extensions/rook-ceph-osd-0 scaled
  3. rook-ceph-osd Pod が停止していることを確認します。

    $ oc get -n openshift-storage pods -l ceph-osd-id=${osd_id_to_remove}

    出力例:

    No resources found in openshift-storage namespace.
    重要

    rook-ceph-osd Pod が数分以上 terminating 状態である場合は、force オプションを使用して Pod を削除します。

    $ oc delete -n openshift-storage pod rook-ceph-osd-0-86bf8cdc8-4nb5t --grace-period=0 --force

    出力例:

    warning: Immediate deletion does not wait for confirmation that the running resource has been terminated. The resource may continue to run on the cluster indefinitely.
      pod "rook-ceph-osd-0-86bf8cdc8-4nb5t" force deleted
  4. 新しい OSD を追加できるように、クラスターから古い OSD を削除します。

    1. 置き換える OSD に関連付けられた DeviceSet を特定します。

      $ oc get -n openshift-storage -o yaml deployment rook-ceph-osd-${osd_id_to_remove} | grep ceph.rook.io/pvc

      出力例:

      ceph.rook.io/pvc: ocs-deviceset-localblock-0-data-0-64xjl
          ceph.rook.io/pvc: ocs-deviceset-localblock-0-data-0-64xjl

      この例では、永続ボリューム要求 (PVC) 名は ocs-deviceset-localblock-0-data-0-64xjl です。

    2. PVC に関連付けられた 永続ボリューム (PV) を特定します。

      $ oc get -n openshift-storage pvc ocs-deviceset-<x>-<y>-<pvc-suffix>

      ここで、xy、および pvc-suffix は、直前の手順で特定された DeviceSet の値です。

      出力例:

      NAME                      STATUS        VOLUME        CAPACITY   ACCESS MODES   STORAGECLASS   AGE
      ocs-deviceset-localblock-0-data-0-64xjl   Bound    local-pv-8137c873    256Gi      RWO     localblock     24h

      この例では、関連付けられた PV は local-pv-8137c873 です。

    3. 置き換えるデバイスの名前を特定します。

      $ oc get pv local-pv-<pv-suffix> -o yaml | grep path

      ここで、pv-suffix は、前のステップで特定された PV 名の値です。

      出力例:

      path: /mnt/local-storage/localblock/vdc

      この例では、デバイス名は vdc です。

    4. 置き換える OSD に関連付けられた prepare-pod を特定します。

      $ oc describe -n openshift-storage pvc ocs-deviceset-<x>-<y>-<pvc-suffix> | grep Used

      ここで、xy、および pvc-suffix は、直前の手順で特定された DeviceSet の値です。

      出力例:

      Used By:    rook-ceph-osd-prepare-ocs-deviceset-localblock-0-data-0-64knzkc

      この例では、prepare-pod の名前は rook-ceph-osd-prepare-ocs-deviceset-localblock-0-data-0-64knzkc です。

    5. 古い ocs-osd-removal ジョブを削除します。

      $ oc delete -n openshift-storage job ocs-osd-removal-job

      出力例:

      job.batch "ocs-osd-removal-job" deleted
    6. openshift-storage プロジェクトを変更します。

      $ oc project openshift-storage
    7. クラスターから以前の OSD を削除します。

      $ oc process -n openshift-storage ocs-osd-removal \
      -p FAILED_OSD_IDS=<failed_osd_id> FORCE_OSD_REMOVAL=false | oc create -n openshift-storage -f -
      <failed_osd_id>

      rook-ceph-osd 接頭辞の直後の Pod 名の整数です。コマンドにコンマ区切りの OSD ID を追加して、複数の OSD を削除できます (例: FAILED_OSD_IDS=0,1,2)

      OSD が 3 つしかないクラスター、または OSD が削除された後にデータの 3 つのレプリカすべてを復元するにはスペースが不十分なクラスターでは、FORCE_OSD_REMOVAL 値を true に変更する必要があります。

      警告

      この手順により、OSD はクラスターから完全に削除されます。osd_id_to_remove の正しい値が指定されていることを確認します。

  5. ocs-osd-removal-job Pod のステータスをチェックして、OSD が正常に削除されたことを確認します。

    Completed のステータスで、OSD の削除ジョブが正常に完了したことを確認します。

    # oc get pod -l job-name=ocs-osd-removal-job -n openshift-storage
  6. OSD の取り外しが完了したことを確認します。

    $ oc logs -l job-name=ocs-osd-removal-job -n openshift-storage --tail=-1 | egrep -i 'completed removal'

    出力例:

    2022-05-10 06:50:04.501511 I | cephosd: completed removal of OSD 0
    重要

    ocs-osd-removal-job が失敗し、Pod が予想される Completed の状態にない場合、追加のデバッグのために Pod ログを確認します。

    以下に例を示します。

    # oc logs -l job-name=ocs-osd-removal-job -n openshift-storage --tail=-1
  7. 暗号化がインストール時に有効にされている場合は、それぞれの OpenShift Data Foundation ノードから削除された OSD デバイスから dm-crypt で管理される device-mapper マッピングを削除します。

    1. ocs-osd-removal-job Pod のログから、置き換えられた OSD の PVC 名を取得します。

      $ oc logs -l job-name=ocs-osd-removal-job -n openshift-storage --tail=-1  |egrep -i ‘pvc|deviceset’

      出力例:

      2021-05-12 14:31:34.666000 I | cephosd: removing the OSD PVC "ocs-deviceset-xxxx-xxx-xxx-xxx"
    2. これまでに特定した各ノードに以下を実行します。

      1. デバッグ Pod を作成し、ストレージノードのホストに対して chroot を作成します。

        $ oc debug node/<node name>
        <node name>

        ノードの名前。

        $ chroot /host
      2. 直前の手順で特定された PVC 名に基づいて関連するデバイス名を検索します。

        $ dmsetup ls| grep <pvc name>
        <pvc name>

        PVC の名前です。

        出力例:

        ocs-deviceset-xxx-xxx-xxx-xxx-block-dmcrypt (253:0)
      3. マップ済みデバイスを削除します。

        $ cryptsetup luksClose --debug --verbose ocs-deviceset-xxx-xxx-xxx-xxx-block-dmcrypt
        重要

        権限が十分にないため、コマンドがスタックした場合には、以下のコマンドを実行します。

        • CTRL+Z を押して上記のコマンドを終了します。
        • スタックしたプロセスの PID を検索します。

          $ ps -ef | grep crypt
        • kill コマンドを使用してプロセスを終了します。

          $ kill -9 <PID>
          <PID>
          プロセス ID です。
        • デバイス名が削除されていることを確認します。

          $ dmsetup ls
  8. 削除する必要のある PV を検索します。

    $ oc get pv -L kubernetes.io/hostname | grep localblock | grep Released

    出力例:

    local-pv-d6bf175b           1490Gi       RWO         Delete          Released            openshift-storage/ocs-deviceset-0-data-0-6c5pw      localblock      2d22h       compute-1
  9. PV を削除します。

    $ oc delete pv <pv-name>
    <pv-name>
    PV の名前です。
  10. 古いデバイスを置き換え、新規デバイスを使用して新規の OpenShift Container Platform PV を作成します。

    1. 置き換えるデバイスで OpenShift Container Platform ノードにログインします。この例では、OpenShift Container Platform ノードは worker-0 です。

      $ oc debug node/worker-0

      出力例:

      Starting pod/worker-0-debug ...
      To use host binaries, run `chroot /host`
      Pod IP: 192.168.88.21
      If you don't see a command prompt, try pressing enter.
      # chroot /host
    2. 先に特定したデバイス名 vdc を使用して置き換える /dev/disk の内容を記録します。

      # ls -alh /mnt/local-storage/localblock

      出力例:

      total 0
      drwxr-xr-x. 2 root root 17 Nov  18 15:23 .
      drwxr-xr-x. 3 root root 24 Nov  18 15:23 ..
      lrwxrwxrwx. 1 root root  8 Nov  18 15:23 vdc -> /dev/vdc
    3. LocalVolume CR の名前を見つけ、置き換えるデバイス /dev/disk を削除またはコメントアウトします。

      $ oc get -n openshift-local-storage localvolume

      出力例:

      NAME          AGE
      localblock   25h
      # oc edit -n openshift-local-storage localvolume localblock

      出力例:

      [...]
          storageClassDevices:
          - devicePaths:
         #   - /dev/vdc
            storageClassName: localblock
            volumeMode: Block
      [...]

      CR の編集後に変更を保存するようにしてください。

  11. 置き換えるデバイスで OpenShift Container Platform ノードにログインし、古い symlink を削除します。

    $ oc debug node/worker-0

    出力例:

    Starting pod/worker-0-debug ...
    To use host binaries, run `chroot /host`
    Pod IP: 192.168.88.21
    If you don't see a command prompt, try pressing enter.
    # chroot /host
    1. 置き換えるデバイス名の古い symlink を特定します。この例では、デバイス名は vdc です。

      # ls -alh /mnt/local-storage/localblock

      出力例:

      total 0
      drwxr-xr-x. 2 root root 17 Nov  18 15:23 .
      drwxr-xr-x. 3 root root 24 Nov  18 15:23 ..
      lrwxrwxrwx. 1 root root  8 Nov  18 15:23 vdc -> /dev/vdc
    2. symlink を削除します。

      # rm /mnt/local-storage/localblock/vdc
    3. symlink が削除されていることを確認します。

      # ls -alh /mnt/local-storage/localblock

      出力例:

      total 0
      drwxr-xr-x. 2 root root 6 Nov 18 17:11 .
      drwxr-xr-x. 3 root root 24 Nov 18 15:23 ..
  12. 古いデバイスを新しいデバイスに置き換えます。
  13. 正しい OpenShift Container Platform ノードにログインし、新規ドライブのデバイス名を特定します。同じデバイスを使用しない限り、デバイス名は変更する必要があります。

    # lsblk

    出力例:

    NAME                         MAJ:MIN RM   SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
    vda                          252:0    0   40G  0 disk
    |-vda1                       252:1    0    4M  0 part
    |-vda2                       252:2    0  384M  0 part /boot
    `-vda4                       252:4    0 39.6G  0 part
      `-coreos-luks-root-nocrypt 253:0    0 39.6G  0 dm   /sysroot
    vdb                          252:16   0  512B  1 disk
    vdd                          252:32   0  256G  0 disk

    この例では、新しいデバイス名は vdd です。

  14. 新しい /dev/disk が使用可能になったら、Local Volume CR に新しいディスクエントリーを追加できます。

    1. LocalVolume CR を編集し、新規の /dev/disk を追加します。

      この例では、新しいデバイスは /dev/vdd です。

      # oc edit -n openshift-local-storage localvolume localblock

      出力例:

      [...]
          storageClassDevices:
          - devicePaths:
          #  - /dev/vdc
            - /dev/vdd
            storageClassName: localblock
            volumeMode: Block
      [...]

      CR の編集後に変更を保存するようにしてください。

  15. 新規 PV が Available 状態にあり、正しいサイズであることを確認します。

    $ oc get pv | grep 256Gi

    出力例:

    local-pv-1e31f771   256Gi   RWO    Delete  Bound  openshift-storage/ocs-deviceset-localblock-2-data-0-6xhkf   localblock    24h
    local-pv-ec7f2b80   256Gi   RWO    Delete  Bound  openshift-storage/ocs-deviceset-localblock-1-data-0-hr2fx   localblock    24h
    local-pv-8137c873   256Gi   RWO    Delete  Available                                                          localblock    32m
  16. 新規デバイスの OSD を作成します。

    新しい OSD をデプロイします。Operator の調整を強制的に実行するには、rook-ceph-operator を再起動する必要があります。

    1. rook-ceph-operator の名前を特定します。

      $ oc get -n openshift-storage pod -l app=rook-ceph-operator

      出力例:

      NAME                                  READY   STATUS    RESTARTS   AGE
      rook-ceph-operator-85f6494db4-sg62v   1/1     Running   0          1d20h
    2. rook-ceph-operator を削除します。

      $ oc delete -n openshift-storage pod rook-ceph-operator-85f6494db4-sg62v

      出力例:

      pod "rook-ceph-operator-85f6494db4-sg62v" deleted

      この例では、rook-ceph-operator Pod 名は rook-ceph-operator-85f6494db4-sg62v です。

    3. rook-ceph-operator Pod が再起動していることを確認します。

      $ oc get -n openshift-storage pod -l app=rook-ceph-operator

      出力例:

      NAME                                  READY   STATUS    RESTARTS   AGE
      rook-ceph-operator-85f6494db4-wx9xx   1/1     Running   0          50s

      新規 OSD の作成には、Operator が再起動するまでに数分かかる場合があります。

  17. ocs-osd-removal ジョブを削除します。

    $ oc delete -n openshift-storage job ocs-osd-removal-job

    出力例:

    job.batch "ocs-osd-removal-job" deleted
注記

データ暗号化で外部の鍵管理システム (KMS) を使用する場合は、古い OSD 暗号化キーは孤立したキーであるために Vault サーバーから削除できます。

検証手順

  1. 新しい OSD が実行されていることを確認します。

    $ oc get -n openshift-storage pods -l app=rook-ceph-osd

    出力例:

    rook-ceph-osd-0-76d8fb97f9-mn8qz   1/1     Running   0          23m
    rook-ceph-osd-1-7c99657cfb-jdzvz   1/1     Running   1          25h
    rook-ceph-osd-2-5f9f6dfb5b-2mnw9   1/1     Running   0          25h
  2. 新規 PVC が作成されていることを確認します。

    $ oc get -n openshift-storage pvc | grep localblock

    出力例:

    ocs-deviceset-localblock-0-data-0-q4q6b   Bound    local-pv-8137c873       256Gi     RWO         localblock         10m
    ocs-deviceset-localblock-1-data-0-hr2fx   Bound    local-pv-ec7f2b80       256Gi     RWO         localblock         1d20h
    ocs-deviceset-localblock-2-data-0-6xhkf   Bound    local-pv-1e31f771       256Gi     RWO         localblock         1d20h
  3. (オプション) クラスターでクラスター全体の暗号化が有効な場合には、新規 OSD デバイスが暗号化されていることを確認します。

    1. 新規 OSD Pod が実行しているノードを特定します。

      $ oc get -o=custom-columns=NODE:.spec.nodeName pod/<OSD pod name>
      <OSD pod name>

      OSD Pod の名前です。

      以下に例を示します。

      oc get -o=custom-columns=NODE:.spec.nodeName pod/rook-ceph-osd-0-544db49d7f-qrgqm
    2. これまでに特定した各ノードに以下を実行します。

      1. デバッグ Pod を作成し、選択したホストの chroot 環境を開きます。

        $ oc debug node/<node name>
        <node name>

        ノードの名前。

        $ chroot /host
      2. ocs-deviceset 名の横にある crypt キーワードを確認します。

        $ lsblk
  4. OpenShift Web コンソールにログインし、Storage セクションの Openshift Data Foundation ダッシュボードでステータスカードをチェックします。
注記

データの完全復旧には、復元されるデータ量により、時間がかかる場合があります。

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