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Red Hat OpenShift Serverless 1.29

管理者および開発者メトリクス、クラスターロギング、トレースなどの可観測性機能

Red Hat OpenShift Documentation Team

概要

このドキュメントでは、Knative サービスのパフォーマンスを監視する方法を説明します。また、OpenShift Serverless で OpenShift Logging および OpenShift 分散トレーシングを使用する方法についても詳しく説明します。

第1章 管理者メトリック

1.1. サーバーレス管理者のメトリクス

メトリクスにより、クラスター管理者は OpenShift Serverless クラスターコンポーネントおよびワークロードのパフォーマンスを監視できます。

Web コンソールの Administrator パースペクティブで Dashboards に移動すると、OpenShift サーバーレスのさまざまなメトリックを表示できます。

1.1.1. 前提条件

  • クラスターのメトリクスの有効化に関する詳細は、OpenShift Container Platform ドキュメントの メトリクスの管理 を参照する。
  • クラスター管理者アクセス権 (または OpenShift Dedicated または Red Hat OpenShift Service on AWS の専用管理者アクセス権) が割り当てられたアカウントにアクセスできる。
  • Web コンソールの Administrator パースペクティブにアクセスできる。
警告

サービスメッシュが mTLS で有効にされている場合は、サービスメッシュが Prometheus のメトリクスの収集を阻止するため、Knative Serving のメトリクスがデフォルトで無効にされます。

この問題の解決方法は、mTLS で Service Mesh を使用する場合の Knative Serving メトリクスの有効化 を参照してください。

メトリクスの収集は、Knative サービスの自動スケーリングには影響しません。これは、収集要求がアクティベーターを通過しないためです。その結果、Pod が実行していない場合に収集が行われることはありません。

1.2. Serverless コントローラーメトリック

以下のメトリクスは、コントローラーロジックを実装するコンポーネントによって出力されます。これらのメトリクスは、調整要求がワークキューに追加される調整操作とワークキューの動作に関する詳細を示します。

メトリクス名説明タイプタグ単位

work_queue_depth

ワークキューの深さ。

ゲージ

reconciler

整数 (単位なし)

reconcile_count

調整操作の数。

カウンター

reconcilersuccess

整数 (単位なし)

reconcile_latency

調整操作のレイテンシー。

ヒストグラム

reconcilersuccess

ミリ秒

workqueue_adds_total

ワークキューによって処理される追加アクションの合計数。

カウンター

name

整数 (単位なし)

workqueue_queue_latency_seconds

アイテムが要求される前にワークキューにとどまる時間の長さ。

ヒストグラム

name

workqueue_retries_total

ワークキューによって処理された再試行回数。

カウンター

name

整数 (単位なし)

workqueue_work_duration_seconds

ワークキューからの項目の処理にかかる時間の長さ。

ヒストグラム

name

workqueue_unfinished_work_seconds

未処理のワークキュー項目が進行中であった時間の長さ。

ヒストグラム

name

workqueue_longest_running_processor_seconds

最も長い間未処理のワークキュー項目が進行中であった時間の長さ。

ヒストグラム

name

1.3. Webhook メトリクス

Webhook メトリクスは操作に関する有用な情報を表示します。たとえば、多数の操作が失敗する場合は、これはユーザーが作成したリソースに問題があることを示している可能性があります。

メトリクス名説明タイプタグ単位

request_count

Webhook にルーティングされる要求の数。

カウンター

admission_allowedkind_groupkind_kindkind_versionrequest_operationresource_groupresource_namespaceresource_resourceresource_version

整数 (単位なし)

request_latencies

Webhook 要求の応答時間。

ヒストグラム

admission_allowedkind_groupkind_kindkind_versionrequest_operationresource_groupresource_namespaceresource_resourceresource_version

ミリ秒

1.4. Knative Eventing メトリクス

クラスター管理者は、Knative Eventing コンポーネントの以下のメトリクスを表示できます。

HTTP コードからメトリクスを集計することで、イベントは正常なイベント (2xx) および失敗したイベント (5xx) の 2 つのカテゴリーに分類できます。

1.4.1. ブローカー Ingress メトリクス

以下のメトリクスを使用してブローカー Ingress をデバッグし、どのように実行されているかを確認し、どのイベントが Ingress コンポーネントによってディスパッチされているかを確認できます。

メトリクス名説明タイプタグ単位

event_count

ブローカーによって受信されるイベントの数。

カウンター

broker_nameevent_typenamespace_nameresponse_coderesponse_code_classunique_name

整数 (単位なし)

event_dispatch_latencies

イベントのチャネルへのディスパッチにかかる時間。

ヒストグラム

broker_nameevent_typenamespace_nameresponse_coderesponse_code_classunique_name

ミリ秒

1.4.2. ブローカーフィルターメトリクス

以下のメトリクスを使用してブローカーフィルターをデバッグし、それらがどのように実行されているかを確認し、どのイベントがフィルターによってディスパッチされているかを確認できます。イベントでフィルタリングアクションのレイテンシーを測定することもできます。

メトリクス名説明タイプタグ単位

event_count

ブローカーによって受信されるイベントの数。

カウンター

broker_namecontainer_namefilter_typenamespace_nameresponse_coderesponse_code_classtrigger_nameunique_name

整数 (単位なし)

event_dispatch_latencies

イベントのチャネルへのディスパッチにかかる時間。

ヒストグラム

broker_namecontainer_namefilter_typenamespace_nameresponse_coderesponse_code_classtrigger_nameunique_name

ミリ秒

event_processing_latencies

トリガーサブスクライバーにディスパッチされる前にイベントの処理にかかる時間。

ヒストグラム

broker_namecontainer_namefilter_typenamespace_nametrigger_nameunique_name

ミリ秒

1.4.3. InMemoryChannel dispatcher メトリクス

以下のメトリクスを使用して InMemoryChannel チャネルをデバッグし、それらがどのように実行されているかを確認し、どのイベントがチャネルによってディスパッチされているかを確認できます。

メトリクス名説明タイプタグ単位

event_count

InMemoryChannel チャネルでディスパッチされるイベントの数。

カウンター

broker_namecontainer_namefilter_typenamespace_nameresponse_coderesponse_code_classtrigger_nameunique_name

整数 (単位なし)

event_dispatch_latencies

InMemoryChannel チャネルからのイベントのディスパッチにかかる時間。

ヒストグラム

broker_namecontainer_namefilter_typenamespace_nameresponse_coderesponse_code_classtrigger_nameunique_name

ミリ秒

1.4.4. イベントソースメトリクス

以下のメトリクスを使用して、イベントがイベントソースから接続されたイベントシンクに配信されていることを確認できます。

メトリクス名説明タイプタグ単位

event_count

イベントソースによって送信されるイベントの数。

カウンター

broker_namecontainer_namefilter_typenamespace_nameresponse_coderesponse_code_classtrigger_nameunique_name

整数 (単位なし)

retry_event_count

最初に配信に失敗した後にイベントソースによって送信される再試行イベントの数。

カウンター

event_sourceevent_typenamenamespace_nameresource_groupresponse_coderesponse_code_classresponse_errorresponse_timeout

整数 (単位なし)

1.5. Knative Serving メトリクス

クラスター管理者は、Knative Serving コンポーネントの以下のメトリクスを表示できます。

1.5.1. activator メトリクス

以下のメトリクスを使用して、トラフィックが activator 経由で渡されるときにアプリケーションがどのように応答するかを理解することができます。

メトリクス名説明タイプタグ単位

request_concurrency

activator にルーティングされる同時要求の数、またはレポート期間における平均同時実行数。

ゲージ

configuration_namecontainer_namenamespace_namepod_namerevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

request_count

activator にルーティングされる要求の数。これらは、activator ハンドラーから実行された要求です。

カウンター

configuration_namecontainer_namenamespace_namepod_nameresponse_coderesponse_code_classrevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

request_latencies

実行され、ルーティングされた要求の応答時間 (ミリ秒単位)。

ヒストグラム

configuration_namecontainer_namenamespace_namepod_nameresponse_coderesponse_code_classrevision_nameservice_name

ミリ秒

1.5.2. Autoscaler メトリクス

Autoscaler コンポーネントは、それぞれのリビジョンの Autoscaler の動作に関連する多数のメトリクスを公開します。たとえば、任意の時点で、Autoscaler がサービスに割り当てようとする Pod のターゲット数、安定期間中の 1 秒あたりの要求の平均数、または Knative Pod Autoscaler (KPA) を使用している場合に Autoscaler がパニックモードであるかどうかなどを監視できます。

メトリクス名説明タイプタグ単位

desired_pods

Autoscaler がサービスへの割り当てを試みる Pod 数。

ゲージ

configuration_namenamespace_namerevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

excess_burst_capacity

stable ウインドウで提供される追加のバースト容量。

ゲージ

configuration_namenamespace_namerevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

stable_request_concurrency

stable ウィンドウで監視される各 Pod の要求数の平均。

ゲージ

configuration_namenamespace_namerevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

panic_request_concurrency

panic ウィンドウで監視される各 Pod の要求数の平均。

ゲージ

configuration_namenamespace_namerevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

target_concurrency_per_pod

Autoscaler が各 Pod への送信を試みる同時要求の数。

ゲージ

configuration_namenamespace_namerevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

stable_requests_per_second

stable ウィンドウで監視される各 Pod の 1 秒当たりの要求数の平均。

ゲージ

configuration_namenamespace_namerevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

panic_requests_per_second

panic ウィンドウで監視される各 Pod の 1 秒当たりの要求数の平均。

ゲージ

configuration_namenamespace_namerevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

target_requests_per_second

Autoscaler が各 Pod をターゲットとする 1 秒あたりの要求の数。

ゲージ

configuration_namenamespace_namerevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

panic_mode

この値は、Autoscaler がパニックモードの場合は 1 になります。Autoscaler がパニックモードではない場合は 0 になります。

ゲージ

configuration_namenamespace_namerevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

requested_pods

Autoscaler が Kubernetes クラスターから要求した Pod 数。

ゲージ

configuration_namenamespace_namerevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

actual_pods

割り当てられ、現在準備完了状態にある Pod 数。

ゲージ

configuration_namenamespace_namerevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

not_ready_pods

準備未完了状態の Pod 数。

ゲージ

configuration_namenamespace_namerevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

pending_pods

現在保留中の Pod 数。

ゲージ

configuration_namenamespace_namerevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

terminating_pods

現在終了中の Pod 数。

ゲージ

configuration_namenamespace_namerevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

1.5.3. Go ランタイムメトリクス

各 Knative Serving コントロールプレーンプロセスは、Go ランタイムメモリーの統計を多数出力します (MemStats) 。

注記

各メトリクスの name タグは空のタグです。

メトリクス名説明タイプタグ単位

go_alloc

割り当てられたヒープオブジェクトのバイト数。このメトリクスは heap_alloc と同じです。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_total_alloc

ヒープオブジェクトに割り当てられる累積バイト数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_sys

オペレーティングシステムから取得したメモリーの合計バイト数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_lookups

ランタイムが実行したポインター検索の数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_mallocs

割り当てられるヒープオブジェクトの累積数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_frees

解放されているヒープオブジェクトの累積数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_heap_alloc

割り当てられたヒープオブジェクトのバイト数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_heap_sys

オペレーティングシステムから取得したヒープメモリーのバイト数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_heap_idle

アイドル状態の未使用スパンのバイト数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_heap_in_use

現在使用中のスパンのバイト数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_heap_released

オペレーティングシステムに返された物理メモリーのバイト数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_heap_objects

割り当てられるヒープオブジェクトの数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_stack_in_use

現在使用中のスタックスパンのバイト数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_stack_sys

オペレーティングシステムから取得したスタックメモリーのバイト数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_mspan_in_use

割り当てられた mspan 構造のバイト数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_mspan_sys

mspan 構造のオペレーティングシステムから取得したメモリーのバイト数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_mcache_in_use

割り当てられた mcache 構造のバイト数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_mcache_sys

mcache 構造のためにオペレーティングシステムから取得したメモリーのバイト数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_bucket_hash_sys

バケットハッシュテーブルのプロファイリングにおけるメモリーのバイト数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_gc_sys

ガべージコレクションメタデータのメモリーのバイト数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_other_sys

その他のオフヒープランタイム割り当てのメモリーのバイト数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_next_gc

次のガベージコレクションサイクルのターゲットヒープサイズ。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_last_gc

最後のガベージコレクションが完了した時間 (Epoch または Unix 時間)。

ゲージ

name

ナノ秒

go_total_gc_pause_ns

プログラム開始以降のガベージコレクションの stop-the-world 停止の累積時間。

ゲージ

name

ナノ秒

go_num_gc

完了したガベージコレクションサイクルの数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_num_forced_gc

ガベージコレクションの機能を呼び出すアプリケーションが原因で強制されたガベージコレクションサイクルの数。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

go_gc_cpu_fraction

プログラムの開始以降にガベージコレクターによって使用されたプログラムの使用可能な CPU 時間の一部。

ゲージ

name

整数 (単位なし)

第2章 開発者メトリック

2.1. Serverless 開発者メトリックの概要

メトリクスを使用すると、開発者は Knative サービスのパフォーマンスを監視できます。OpenShift Container Platform モニタリングスタックを使用して、Knative サービスのヘルスチェックおよびメトリクスを記録し、表示できます。

Web コンソールの Developer パースペクティブで Dashboards に移動して、OpenShift Serverless のさまざまなメトリクスを表示できます。

警告

サービスメッシュが mTLS で有効にされている場合は、サービスメッシュが Prometheus のメトリクスの収集を阻止するため、Knative Serving のメトリクスがデフォルトで無効にされます。

この問題の解決方法は、mTLS で Service Mesh を使用する場合の Knative Serving メトリクスの有効化 を参照してください。

メトリクスの収集は、Knative サービスの自動スケーリングには影響しません。これは、収集要求がアクティベーターを通過しないためです。その結果、Pod が実行していない場合に収集が行われることはありません。

2.1.1. OpenShift Container Platform の関連情報

2.2. デフォルトで公開される Knative サービスメトリクス

表2.1 ポート 9090 の各 Knative サービスについてデフォルトで公開されるメトリクス
メトリクス名、単位、およびタイプ説明メトリックのタグ

queue_requests_per_second

メトリックの単位: 無次元

メトリックのタイプ: ゲージ

キュープロキシーに到達する、1 秒あたりのリクエスト数。

式: stats.RequestCount / r.reportingPeriodSeconds

stats.RequestCount は、指定のレポート期間のネットワーク pkg 統計から直接計算されます。

destination_configuration="event-display", destination_namespace="pingsource1", destination_pod="event-display-00001-deployment-6b455479cb-75p6w", destination_revision="event-display-00001"

queue_proxied_operations_per_second

メトリックの単位: 無次元

メトリックのタイプ: ゲージ

1 秒あたりのプロキシー化された要求の数。

式: stats.ProxiedRequestCount / r.reportingPeriodSeconds

stats.ProxiedRequestCount は指定されたレポート期間のネットワーク pkg 統計から直接計算されます。

 

queue_average_concurrent_requests

メトリックの単位: 無次元

メトリックのタイプ: ゲージ

この Pod で現在処理されている要求の数。

平均同時実行性は、ネットワークの pkg 側で次のように計算されます。

  • req の変更が行われると、変更間の時間デルタが計算されます。この結果に基づいて、デルタ上の現在の同時実行数が計算され、現在計算されている同時実行数に追加されます。また、デルタの合計が保持されます。

    デルタでの現在の同時実行処理は、以下のように計算されます。

    global_concurrency × デルタ

  • レポートが実行されるたびに、合計および現在の計算された同時実行性がリセットされます。
  • 平均同時実行値を報告すると、現在の計算処理はデルタの合計で除算されます。
  • 新しいリクエストが出されると、グローバル同時実行カウンターが増えます。リクエストが完了すると、カウンターが減少します。

destination_configuration="event-display", destination_namespace="pingsource1", destination_pod="event-display-00001-deployment-6b455479cb-75p6w", destination_revision="event-display-00001"

queue_average_proxied_concurrent_requests

メトリックの単位: 無次元

メトリックのタイプ: ゲージ

この Pod で現在処理されているプロキシー要求の数。

stats.AverageProxiedConcurrency

destination_configuration="event-display", destination_namespace="pingsource1", destination_pod="event-display-00001-deployment-6b455479cb-75p6w", destination_revision="event-display-00001"

process_uptime

メトリック単位: 秒

メトリックのタイプ: ゲージ

プロセスが起動している秒数。

destination_configuration="event-display", destination_namespace="pingsource1", destination_pod="event-display-00001-deployment-6b455479cb-75p6w", destination_revision="event-display-00001"

表2.2 ポート 9091 の各 Knative サービスについてデフォルトで公開されるメトリクス
メトリクス名、単位、およびタイプ説明メトリックのタグ

request_count

メトリックの単位: 無次元

メトリックのタイプ: カウンター

queue-proxy にルーティングされる要求の数。

configuration_name="event-display", container_name="queue-proxy", namespace_name="apiserversource1", pod_name="event-display-00001-deployment-658fd4f9cf-qcnr5", response_code="200", response_code_class="2xx", revision_name="event-display-00001", service_name="event-display"

request_latencies

メトリックの単位: ミリ秒

メトリックのタイプ: ヒストグラム

応答時間 (ミリ秒単位)。

configuration_name="event-display", container_name="queue-proxy", namespace_name="apiserversource1", pod_name="event-display-00001-deployment-658fd4f9cf-qcnr5", response_code="200", response_code_class="2xx", revision_name="event-display-00001", service_name="event-display"

app_request_count

メトリックの単位: 無次元

メトリックのタイプ: カウンター

user-container にルーティングされる要求の数。

configuration_name="event-display", container_name="queue-proxy", namespace_name="apiserversource1", pod_name="event-display-00001-deployment-658fd4f9cf-qcnr5", response_code="200", response_code_class="2xx", revision_name="event-display-00001", service_name="event-display"

app_request_latencies

メトリックの単位: ミリ秒

メトリックのタイプ: ヒストグラム

応答時間 (ミリ秒単位)。

configuration_name="event-display", container_name="queue-proxy", namespace_name="apiserversource1", pod_name="event-display-00001-deployment-658fd4f9cf-qcnr5", response_code="200", response_code_class="2xx", revision_name="event-display-00001", service_name="event-display"

queue_depth

メトリックの単位: 無次元

メトリックのタイプ: ゲージ

提供および待機キューの現在の項目数。無制限の同時実行の場合は報告されません。breaker.inFlight が使用されます。

configuration_name="event-display", container_name="queue-proxy", namespace_name="apiserversource1", pod_name="event-display-00001-deployment-658fd4f9cf-qcnr5", response_code="200", response_code_class="2xx", revision_name="event-display-00001", service_name="event-display"

2.3. カスタムアプリケーションメトリクスを含む Knative サービス

Knative サービスによってエクスポートされるメトリクスのセットを拡張できます。正確な実装は、使用するアプリケーションと言語によって異なります。

以下のリストは、処理されたイベントカスタムメトリクスの数をエクスポートするサンプル Go アプリケーションを実装します。

package main

import (
  "fmt"
  "log"
  "net/http"
  "os"

  "github.com/prometheus/client_golang/prometheus" 1
  "github.com/prometheus/client_golang/prometheus/promauto"
  "github.com/prometheus/client_golang/prometheus/promhttp"
)

var (
  opsProcessed = promauto.NewCounter(prometheus.CounterOpts{ 2
     Name: "myapp_processed_ops_total",
     Help: "The total number of processed events",
  })
)


func handler(w http.ResponseWriter, r *http.Request) {
  log.Print("helloworld: received a request")
  target := os.Getenv("TARGET")
  if target == "" {
     target = "World"
  }
  fmt.Fprintf(w, "Hello %s!\n", target)
  opsProcessed.Inc() 3
}

func main() {
  log.Print("helloworld: starting server...")

  port := os.Getenv("PORT")
  if port == "" {
     port = "8080"
  }

  http.HandleFunc("/", handler)

  // Separate server for metrics requests
  go func() { 4
     mux := http.NewServeMux()
     server := &http.Server{
        Addr: fmt.Sprintf(":%s", "9095"),
        Handler: mux,
     }
     mux.Handle("/metrics", promhttp.Handler())
     log.Printf("prometheus: listening on port %s", 9095)
     log.Fatal(server.ListenAndServe())
  }()

   // Use same port as normal requests for metrics
  //http.Handle("/metrics", promhttp.Handler()) 5
  log.Printf("helloworld: listening on port %s", port)
  log.Fatal(http.ListenAndServe(fmt.Sprintf(":%s", port), nil))
}
1
Prometheus パッケージの追加。
2
opsProcessed メトリクスの定義。
3
opsProcessed メトリクスのインクリメント。
4
メトリクス要求に別のサーバーを使用するように設定。
5
メトリクスおよび metrics サブパスの通常の要求と同じポートを使用するように設定。

2.4. カスタムメトリクスの収集の設定

カスタムメトリクスの収集は、ユーザーワークロードのモニタリング用に設計された Prometheus のインスタンスで実行されます。ユーザーのワークロードのモニタリングを有効にしてアプリケーションを作成した後に、モニタリングスタックがメトリクスを収集する方法を定義する設定が必要になります。

以下のサンプル設定は、アプリケーションの ksvc を定義し、サービスモニターを設定します。正確な設定は、アプリケーションおよびメトリクスのエクスポート方法によって異なります。

apiVersion: serving.knative.dev/v1 1
kind: Service
metadata:
  name: helloworld-go
spec:
  template:
    metadata:
      labels:
        app: helloworld-go
      annotations:
    spec:
      containers:
      - image: docker.io/skonto/helloworld-go:metrics
        resources:
          requests:
            cpu: "200m"
        env:
        - name: TARGET
          value: "Go Sample v1"
---
apiVersion: monitoring.coreos.com/v1 2
kind: ServiceMonitor
metadata:
  labels:
  name: helloworld-go-sm
spec:
  endpoints:
  - port: queue-proxy-metrics
    scheme: http
  - port: app-metrics
    scheme: http
  namespaceSelector: {}
  selector:
    matchLabels:
       name:  helloworld-go-sm
---
apiVersion: v1 3
kind: Service
metadata:
  labels:
    name:  helloworld-go-sm
  name:  helloworld-go-sm
spec:
  ports:
  - name: queue-proxy-metrics
    port: 9091
    protocol: TCP
    targetPort: 9091
  - name: app-metrics
    port: 9095
    protocol: TCP
    targetPort: 9095
  selector:
    serving.knative.dev/service: helloworld-go
  type: ClusterIP
1
アプリケーション仕様。
2
アプリケーションのメトリクスが収集される設定。
3
メトリクスの収集方法の設定。

2.5. サービスのメトリックの検証

メトリクスとモニタリングスタックをエクスポートするようにアプリケーションを設定したら、Web コンソールでメトリクスを検査できます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
  • OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がインストールされている。

手順

  1. オプション: メトリクスに表示できるアプリケーションに対する要求を実行します。

    $ hello_route=$(oc get ksvc helloworld-go -n ns1 -o jsonpath='{.status.url}') && \
        curl $hello_route

    出力例

    Hello Go Sample v1!

  2. Web コンソールで、ObserveMetrics インターフェイスに移動します。
  3. 入力フィールドに、監視するメトリクスのクエリーを入力します。以下に例を示します。

    revision_app_request_count{namespace="ns1", job="helloworld-go-sm"}

    別の例:

    myapp_processed_ops_total{namespace="ns1", job="helloworld-go-sm"}
  4. 可視化されたメトリクスを確認します。

    サービスのメトリクスの確認
    サービスのメトリクスの確認

2.5.1. キュープロキシーメトリクス

各 Knative サービスには、アプリケーションコンテナーへの接続をプロキシーするプロキシーコンテナーがあります。キュープロキシーのパフォーマンスについて多くのメトリクスが報告されます。

以下のメトリクスを使用して、要求がプロキシー側でキューに入れられているかどうか、およびアプリケーション側で要求を処理する際の実際の遅延を測定できます。

メトリクス名説明タイプタグ単位

revision_request_count

queue-proxy Pod にルーティングされる要求の数。

カウンター

configuration_namecontainer_namenamespace_namepod_nameresponse_coderesponse_code_classrevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

revision_request_latencies

リビジョン要求の応答時間。

ヒストグラム

configuration_namecontainer_namenamespace_namepod_nameresponse_coderesponse_code_classrevision_nameservice_name

ミリ秒

revision_app_request_count

user-container Pod にルーティングされる要求の数。

カウンター

configuration_namecontainer_namenamespace_namepod_nameresponse_coderesponse_code_classrevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

revision_app_request_latencies

リビジョンアプリケーション要求の応答時間。

ヒストグラム

configuration_namenamespace_namepod_nameresponse_coderesponse_code_classrevision_nameservice_name

ミリ秒

revision_queue_depth

serving および waiting キューの現在の項目数。無制限の同時実行が設定されている場合には、このメトリクスは報告されません。

ゲージ

configuration_nameevent-displaycontainer_namenamespace_namepod_nameresponse_code_classrevision_nameservice_name

整数 (単位なし)

2.6. サービスメトリックのダッシュボード

namespace でキュープロキシーメトリクスを集約する専用のダッシュボードを使用してメトリクスを検査できます。

2.6.1. ダッシュボードでのサービスのメトリクスの検証

前提条件

  • OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
  • OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がインストールされている。

手順

  1. Web コンソールで、ObserveMetrics インターフェイスに移動します。
  2. Knative User Services (Queue Proxy metrics) ダッシュボードを選択します。
  3. アプリケーションに対応する NamespaceConfiguration、および Revision を選択します。
  4. 可視化されたメトリクスを確認します。

    ダッシュボードを使用したサービスのメトリクスの確認

第3章 クラスターロギング

3.1. OpenShift Serverless での OpenShift Logging の使用

3.1.1. Red Hat OpenShift の logging サブシステムのデプロイについて

OpenShift Container Platform クラスター管理者は、OpenShift Container Platform Web コンソールまたは CLI コマンドを使用してロギングシステムをデプロイし、OpenShift Elasticsearch Operator および Red Hat OpenShift Logging Operator をインストールできます。Operator がインストールされたら、ClusterLogging カスタムリソース (CR) を作成して、ロギングサブシステム pod およびロギングサブシステムをサポートするために必要なその他のリソースをスケジュールします。Operator は、ロギングサブシステムのデプロイ、アップグレード、および保守を担当します。

ClusterLogging CR は、ログを収集し、保存し、視覚化するために必要なロギングスタックのすべてのコンポーネントを含む完全なロギングシステム環境を定義します。Red Hat OpenShift Logging Operator はロギングシステム CR を監視し、ロギングデプロイメントを適宜調整します。

管理者およびアプリケーション開発者は、表示アクセスのあるプロジェクトのログを表示できます。

3.1.2. Red Hat OpenShift のロギングサブシステムのデプロイおよび設定

Logging システムは、小規模および中規模の OpenShift Container Platform クラスター用に調整されたデフォルト設定で使用されるように設計されています。

以下のインストール方法には、サンプルの ClusterLogging カスタムリソース (CR) が含まれます。これを使用して、ロギングサブシステムインスタンスを作成し、ロギングサブシステムの環境を設定できます。

デフォルトのロギングサビシステムのインストールを使用する必要がある場合は、サンプル CR を直接使用できます。

デプロイメントをカスタマイズする必要がある場合は、必要に応じてサンプル CR に変更を加えます。以下では、OpenShift Logging インスタンスのインストール時に実行し、インストール後に変更する設定を説明します。ClusterLogging カスタムリソース外で加える変更を含む、各コンポーネントの使用方法は、設定に関するセクションを参照してください。

3.1.2.1. ロギングサブシステムの設定および調整

ロギングサブシステムは、openshift-logging プロジェクトにデプロイされる ClusterLogging カスタムリソースを変更することによって設定できます。

インストール時またはインストール後に、以下のコンポーネントのいずれかを変更できます。

メモリーおよび CPU
resources ブロックを有効なメモリーおよび CPU 値で変更して、各コンポーネントの CPU およびメモリーの両方の制限を調整できます。
spec:
  logStore:
    elasticsearch:
      resources:
        limits:
          cpu:
          memory: 16Gi
        requests:
          cpu: 500m
          memory: 16Gi
      type: "elasticsearch"
  collection:
    logs:
      fluentd:
        resources:
          limits:
            cpu:
            memory:
          requests:
            cpu:
            memory:
        type: "fluentd"
  visualization:
    kibana:
      resources:
        limits:
          cpu:
          memory:
        requests:
          cpu:
          memory:
      type: kibana
Elasticsearch ストレージ
storageClass name および size パラメーターを使用し、Elasticsearch クラスターの永続ストレージのクラスおよびサイズを設定できます。Red Hat OpenShift Logging Operator は、これらのパラメーターに基づいて、Elasticsearch クラスターの各データノードについて永続ボリューム要求 (PVC) を作成します。
  spec:
    logStore:
      type: "elasticsearch"
      elasticsearch:
        nodeCount: 3
        storage:
          storageClassName: "gp2"
          size: "200G"

この例では、クラスターの各データノードが gp2 ストレージの 200G を要求する PVC にバインドされるように指定します。それぞれのプライマリーシャードは単一のレプリカによってサポートされます。

注記

storage ブロックを省略すると、一時ストレージのみを含むデプロイメントになります。

  spec:
    logStore:
      type: "elasticsearch"
      elasticsearch:
        nodeCount: 3
        storage: {}
Elasticsearch レプリケーションポリシー

Elasticsearch シャードをクラスター内のデータノードにレプリケートする方法を定義するポリシーを設定できます。

  • FullRedundancy: 各インデックスのシャードはすべてのデータノードに完全にレプリケートされます。
  • MultipleRedundancy: 各インデックスのシャードはデータノードの半分に分散します。
  • SingleRedundancy: 各シャードの単一コピー。2 つ以上のデータノードが存在する限り、ログは常に利用可能かつ回復可能です。
  • ZeroRedundancy: シャードのコピーはありません。ログは、ノードの停止または失敗時に利用不可になる (または失われる) 可能性があります。
3.1.2.2. 変更された ClusterLogging カスタムリソースのサンプル

以下は、前述のオプションを使用して変更された ClusterLogging カスタムリソースの例です。

変更された ClusterLogging リソースのサンプル

apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
kind: "ClusterLogging"
metadata:
  name: "instance"
  namespace: "openshift-logging"
spec:
  managementState: "Managed"
  logStore:
    type: "elasticsearch"
    retentionPolicy:
      application:
        maxAge: 1d
      infra:
        maxAge: 7d
      audit:
        maxAge: 7d
    elasticsearch:
      nodeCount: 3
      resources:
        limits:
          cpu: 200m
          memory: 16Gi
        requests:
          cpu: 200m
          memory: 16Gi
        storage:
          storageClassName: "gp2"
          size: "200G"
      redundancyPolicy: "SingleRedundancy"
  visualization:
    type: "kibana"
    kibana:
      resources:
        limits:
          memory: 1Gi
        requests:
          cpu: 500m
          memory: 1Gi
      replicas: 1
  collection:
    logs:
      type: "fluentd"
      fluentd:
        resources:
          limits:
            memory: 1Gi
          requests:
            cpu: 200m
            memory: 1Gi

3.2. Knative Serving コンポーネントのログの検索

以下の手順を使用して、Knative Serving コンポーネントのログを検索できます。

3.2.1. OpenShift Logging の使用による Knative Serving コンポーネントのログの検索

前提条件

  • OpenShift CLI (oc) をインストールしている。

手順

  1. Kibana ルートを取得します。

    $ oc -n openshift-logging get route kibana
  2. ルートの URL を使用して Kibana ダッシュボードに移動し、ログインします。
  3. インデックスが .all に設定されていることを確認します。インデックスが .all に設定されていない場合は、OpenShift Container Platform システムログのみが一覧表示されます。
  4. knative-serving namespace を使用してログをフィルタリングします。kubernetes.namespace_name:knative-serving を検索ボックスに入力して結果をフィルタリングします。
注記

Knative Serving はデフォルトで構造化ロギングを使用します。OpenShift Logging Fluentd 設定をカスタマイズしてこれらのログの解析を有効にできます。これにより、ログの検索がより容易になり、ログレベルでのフィルターにより問題を迅速に特定できるようになります。

3.3. Knative Serving サービスのログの検索

以下の手順を使用して、Knative Serving サービスのログを検索できます。

3.3.1. OpenShift Logging を使用した Knative Serving でデプロイされたサービスのログの検索

OpenShift Logging により、アプリケーションがコンソールに書き込むログは Elasticsearch で収集されます。以下の手順で、Knative Serving を使用してデプロイされたアプリケーションにこれらの機能を適用する方法の概要を示します。

前提条件

  • OpenShift CLI (oc) をインストールしている。

手順

  1. Kibana ルートを取得します。

    $ oc -n openshift-logging get route kibana
  2. ルートの URL を使用して Kibana ダッシュボードに移動し、ログインします。
  3. インデックスが .all に設定されていることを確認します。インデックスが .all に設定されていない場合は、OpenShift システムログのみが一覧表示されます。
  4. knative-serving namespace を使用してログをフィルタリングします。検索ボックスにサービスのフィルターを入力して、結果をフィルターします。

    フィルターの例

    kubernetes.namespace_name:default AND kubernetes.labels.serving_knative_dev\/service:{service_name}

    /configuration または /revision を使用してフィルタリングすることもできます。

  5. kubernetes.container_name:<user_container> を使用して検索を絞り込み、ご使用のアプリケーションで生成されるログのみを表示することができます。それ以外の場合は、queue-proxy からのログが表示されます。
注記

アプリケーションで JSON ベースの構造化ロギングを使用することで、実稼働環境でのこれらのログの迅速なフィルターを実行できます。

第4章 トレーシング

4.1. リクエストのトレース

分散トレースは、アプリケーションを設定する各種のサービスを使用した要求のパスを記録します。これは、各種の異なる作業単位についての情報を連携させ、分散トランザクションでのイベントチェーン全体を把握できるようにするために使用されます。作業単位は、異なるプロセスまたはホストで実行される場合があります。

4.1.1. 分散トレースの概要

サービスの所有者は、分散トレースを使用してサービスをインストルメント化し、サービスアーキテクチャーに関する洞察を得ることができます。分散トレースを使用して、現代的なクラウドネイティブのマイクロサービスベースのアプリケーションにおける、コンポーネント間の対話の監視、ネットワークプロファイリング、およびトラブルシューティングを行うことができます。

分散トレースを使用すると、以下の機能を実行できます。

  • 分散トランザクションの監視
  • パフォーマンスとレイテンシーの最適化
  • 根本原因分析の実行

Red Hat OpenShift の分散トレースは、2 つの主要コンポーネントで設定されています。

  • Red Hat OpenShift 分散トレースプラットフォーム: このコンポーネントは、オープンソースの Jaeger プロジェクト に基づいています。
  • Red Hat OpenShift 分散トレースデータ収集: このコンポーネントは、オープンソースの OpenTelemetry プロジェクト に基づいています。

これらのコンポーネントは共に、特定のベンダーに依存しない OpenTracing API およびインストルメンテーションに基づいています。

4.1.2. OpenShift Container Platform の関連情報

4.2. Red Hat OpenShift 分散トレースの使用

OpenShift Serverless で Red Hat 分散トレースを使用して、サーバーレスアプリケーションを監視およびトラブルシューティングできます。

4.2.1. Red Hat 分散トレースを使用して分散トレースを有効にする

Red Hat OpenShift 分散トレースは、複数のコンポーネントで設定されており、トレースデータを収集し、保存し、表示するためにそれらが連携します。

前提条件

  • クラスター管理者のアクセスを持つ OpenShift Container Platform アカウントを使用できる。
  • OpenShift Serverless Operator、Knative Serving、および Knative Eventing をインストールしていない。これらは Red Hat OpenShift 分散トレースのインストール後にインストールする必要があります。
  • OpenShift Container Platform の分散トレーシングのインストールのドキュメントに従って、Red Hat OpenShift の分散トレーシングをインストールしている。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。

手順

  1. OpenTelemetryCollector カスタムリソース (CR) を作成します。

    OpenTelemetryCollector CR の例

    apiVersion: opentelemetry.io/v1alpha1
    kind: OpenTelemetryCollector
    metadata:
      name: cluster-collector
      namespace: <namespace>
    spec:
      mode: deployment
      config: |
        receivers:
          zipkin:
        processors:
        exporters:
          jaeger:
            endpoint: jaeger-all-in-one-inmemory-collector-headless.tracing-system.svc:14250
            tls:
              ca_file: "/var/run/secrets/kubernetes.io/serviceaccount/service-ca.crt"
          logging:
        service:
          pipelines:
            traces:
              receivers: [zipkin]
              processors: []
              exporters: [jaeger, logging]

  2. Red Hat 分散トレースがインストールされているネームスペースで 2 つの Pod が実行されていることを確認します。

    $ oc get pods -n <namespace>

    出力例

    NAME                                          READY   STATUS    RESTARTS   AGE
    cluster-collector-collector-85c766b5c-b5g99   1/1     Running   0          5m56s
    jaeger-all-in-one-inmemory-ccbc9df4b-ndkl5    2/2     Running   0          15m

  3. 次のヘッドレスサービスが作成されていることを確認します。

    $ oc get svc -n <namespace> | grep headless

    出力例

    cluster-collector-collector-headless            ClusterIP   None             <none>        9411/TCP                                 7m28s
    jaeger-all-in-one-inmemory-collector-headless   ClusterIP   None             <none>        9411/TCP,14250/TCP,14267/TCP,14268/TCP   16m

    これらのサービスは、Jaeger、Knative Serving、および Knative Eventing を設定するのに使用されます。Jaeger サービスの名前は異なる場合があります。

  4. OpenShift Serverless Operator のインストールのドキュメントに従って、OpenShift Serverless Operator をインストールします。
  5. 以下の KnativeServing CR を作成して Knative Serving をインストールします。

    KnativeServing CR の例

    apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1
    kind: KnativeServing
    metadata:
        name: knative-serving
        namespace: knative-serving
    spec:
      config:
        tracing:
          backend: "zipkin"
          zipkin-endpoint: "http://cluster-collector-collector-headless.tracing-system.svc:9411/api/v2/spans"
          debug: "false"
          sample-rate: "0.1" 1

    1
    sample-rate はサンプリングの可能性を定義します。sample-rate: "0.1" を使用すると、10 トレースの 1 つがサンプリングされます。
  6. 次の KnativeEventing CR を作成して、Knative Eventing をインストールします。

    KnativeEventing CR の例

    apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1
    kind: KnativeEventing
    metadata:
        name: knative-eventing
        namespace: knative-eventing
    spec:
      config:
        tracing:
          backend: "zipkin"
          zipkin-endpoint: "http://cluster-collector-collector-headless.tracing-system.svc:9411/api/v2/spans"
          debug: "false"
          sample-rate: "0.1" 1

    1
    sample-rate はサンプリングの可能性を定義します。sample-rate: "0.1" を使用すると、10 トレースの 1 つがサンプリングされます。
  7. Knative サービスを作成します。

    サービスの例

    apiVersion: serving.knative.dev/v1
    kind: Service
    metadata:
      name: helloworld-go
    spec:
      template:
        metadata:
          labels:
            app: helloworld-go
          annotations:
            autoscaling.knative.dev/minScale: "1"
            autoscaling.knative.dev/target: "1"
        spec:
          containers:
          - image: quay.io/openshift-knative/helloworld:v1.2
            imagePullPolicy: Always
            resources:
              requests:
                cpu: "200m"
            env:
            - name: TARGET
              value: "Go Sample v1"

  8. サービスにいくつかのリクエストを行います。

    HTTPS 要求の例

    $ curl https://helloworld-go.example.com

  9. Jaeger Web コンソールの URL を取得します。

    コマンドの例

    $ oc get route jaeger-all-in-one-inmemory  -o jsonpath='{.spec.host}' -n <namespace>

    Jaeger コンソールを使用してトレースを検証できるようになりました。

4.3. Jaeger 分散トレースの使用

Red Hat OpenShift 分散トレースのすべてのコンポーネントをインストールしたくない場合でも、OpenShift Serverless を使用する OpenShift Container Platform で分散トレースを使用できます。

4.3.1. 分散トレースを有効にするための Jaeger の設定

Jaeger を使用して分散トレースを有効にするには、Jaeger をスタンドアロン統合としてインストールおよび設定する必要があります。

前提条件

  • OpenShift Container Platform に対するクラスター管理者権限があるか、Red Hat OpenShift Service on AWS または OpenShift Dedicated に対するクラスターまたは専用管理者権限がある。
  • OpenShift Serverless Operator、Knative Serving、および Knative Eventing がインストールされている。
  • Red Hat 分散トレースプラットフォーム Operator がインストールされている。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • アプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションが割り当てられたプロジェクトにアクセスできる。

手順

  1. 以下を含む Jaeger カスタムリソース YAML ファイルを作成し、これを適用します。

    Jaeger CR

    apiVersion: jaegertracing.io/v1
    kind: Jaeger
    metadata:
      name: jaeger
      namespace: default

  2. KnativeServing CR を編集し、トレース用に YAML 設定を追加して、Knative Serving のトレースを有効にします。

    Serving の YAML のトレース例

    apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1
    kind: KnativeServing
    metadata:
      name: knative-serving
      namespace: knative-serving
    spec:
      config:
        tracing:
          sample-rate: "0.1" 1
          backend: zipkin 2
          zipkin-endpoint: "http://jaeger-collector.default.svc.cluster.local:9411/api/v2/spans" 3
          debug: "false" 4

    1
    sample-rate はサンプリングの可能性を定義します。sample-rate: "0.1" を使用すると、10 トレースの 1 つがサンプリングされます。
    2
    backendzipkin に設定される必要があります。
    3
    zipkin-endpointjaeger-collector サービスエンドポイントを参照する必要があります。このエンドポイントを取得するには、Jaeger CR が適用される namespace を置き換えます。
    4
    デバッグは false に設定する必要があります。debug: "true" を設定してデバッグモードを有効にして、サンプリングをバイパスしてすべてのスパンがサーバーに送信されるようにします。
  3. KnativeEventing CR を編集して、Knative Eventing のトレースを有効にします。

    Eventing の YAML のトレース例

    apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1
    kind: KnativeEventing
    metadata:
      name: knative-eventing
      namespace: knative-eventing
    spec:
      config:
        tracing:
          sample-rate: "0.1" 1
          backend: zipkin 2
          zipkin-endpoint: "http://jaeger-collector.default.svc.cluster.local:9411/api/v2/spans" 3
          debug: "false" 4

    1
    sample-rate はサンプリングの可能性を定義します。sample-rate: "0.1" を使用すると、10 トレースの 1 つがサンプリングされます。
    2
    backendzipkin に設定します。
    3
    zipkin-endpointjaeger-collector サービスエンドポイントに指定する必要があります。このエンドポイントを取得するには、Jaeger CR が適用される namespace を置き換えます。
    4
    デバッグは false に設定する必要があります。debug: "true" を設定してデバッグモードを有効にして、サンプリングをバイパスしてすべてのスパンがサーバーに送信されるようにします。

検証

jaeger ルートを使用して Jaeger Web コンソールにアクセスし、追跡データを表示できます。

  1. 以下のコマンドを入力して jaeger ルートのホスト名を取得します。

    $ oc get route jaeger -n default

    出力例

    NAME     HOST/PORT                         PATH   SERVICES       PORT    TERMINATION   WILDCARD
    jaeger   jaeger-default.apps.example.com          jaeger-query   <all>   reencrypt     None

  2. ブラウザーでエンドポイントアドレスを開き、コンソールを表示します。

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