第7章 Web UI を使用した基本的なオーバークラウドの設定
本章では、Web UI を使用した OpenStack Platform 環境の基本的な設定手順を説明します。基本設定のオーバークラウドには、カスタム機能は含まれません。ただし、オーバークラウドの高度なカスタマイズ に記載の手順に従って、この基本的なオーバークラウドに高度な設定オプションを追加し、仕様に合わせてカスタマイズすることができます。
本章の例では、すべてのノードが電源管理に IPMI を使用したベアメタルシステムとなっています。これ以外のサポート対象電源管理ドライバーおよびそのオプションに関する詳細は、付録B 電源管理ドライバーを参照してください。
ワークフロー
- ノードの定義テンプレートと手動の登録を使用して、空のノードを登録します。
- 全ノードのハードウェアを検査します。
- director にオーバークラウドプランをアップロードします。
- ノードをロールに割り当てます。
要件
- 4章アンダークラウドのインストールで作成して UI を有効化した director ノード
- ノードに使用するベアメタルマシンのセット。必要なノード数は、作成予定のオーバークラウドのタイプにより異なります (オーバークラウドロールに関する情報は「ノードのデプロイメントロールのプランニング」を参照してください)。これらのマシンは、各ノード種別に設定された要件に従う必要があります。これらの要件については、「オーバークラウドの要件」を参照してください。これらのノードにはオペレーティングシステムは必要ありません。director が Red Hat Enterprise Linux 7 のイメージを各ノードにコピーします。
- ネイティブ VLAN として設定したプロビジョニングネットワーク用のネットワーク接続 1 つ。全ノードは、このネイティブに接続して、「ネットワーク要件」で設定した要件に準拠する必要があります。
- その他のネットワーク種別はすべて、OpenStack サービスにプロビジョニングネットワークを使用します。ただし、ネットワークトラフィックの他のタイプに追加でネットワークを作成することができます。
マルチアーキテクチャークラウドを有効にする場合には、UI ワークフローはサポートされません。6章CLI ツールを使用した基本的なオーバークラウドの設定に記載の手順に従ってください。
7.1. Web UI へのアクセス
director の Web UI には SSL 経由でアクセスします。たとえば、アンダークラウドの IP アドレスが 192.168.24.1 の場合には、UI にアクセスするためのアドレスは https://192.168.24.1
です。Web UI はまず、以下のフィールドが含まれるログイン画面を表示します。
-
Username: director の管理ユーザー。デフォルトは
admin
です。 -
Password: 管理ユーザーのパスワード。アンダークラウドホストのターミナルで
stack
ユーザーとしてsudo hiera admin_password
を実行してパスワードを確認してください。
UI へのログイン時に、UI は OpenStack Identity のパブリック API にアクセスして、他のパブリック API サービスのエンドポイントを取得します。これらのサービスには、以下が含まれます。
コンポーネント | UI の目的 |
---|---|
OpenStack Identity ( | UI への認証と他のサービスのエンドポイント検出 |
OpenStack Orchestration ( | デプロイメントのステータス |
OpenStack Bare Metal ( | ノードの制御 |
OpenStack Object Storage ( | Heat テンプレートコレクションまたはオーバークラウドの作成に使用したプランのストレージ |
OpenStack Workflow ( | director タスクのアクセスおよび実行 |
OpenStack Messaging ( | 特定のタスクのステータスを検索する Websocket ベースのサービス |