11.3. Red Hat Virtualization ドライバーを使用した仮想コントローラーのプロビジョニング
本項では、RHOSP および Red Hat Virtualization を使用して、オーバークラウドの仮想 RHOSP コントロールプレーンをプロビジョニングする方法について説明します。
前提条件
- Intel 64 または AMD64 CPU 拡張機能をサポートする、64 ビット x86 プロセッサーが必要です。
以下のソフトウェアがすでにインストールされ、設定されている必要があります。
- Red Hat Virtualization。詳しい情報は、Red Hat Virtualization ドキュメントスイート を参照してください。
- Red Hat OpenStack Platform (RHOSP)。詳しい情報は、director のインストールと使用方法 を参照してください。
- 事前に仮想コントローラーノードを準備しておく必要があります。これらの要件は、ベアメタルのコントローラーノードの要件と同じです。詳しい情報は、コントローラーノードの要件 を参照してください。
- オーバークラウドのコンピュートノードおよびストレージノードとして使用するベアメタルノードを、事前に準備しておく必要があります。ハードウェアの仕様については、コンピュートノードの要件 および Ceph Storage ノードの要件 を参照してください。POWER (ppc64le) ハードウェアにオーバークラウドのコンピュートノードをデプロイするには、Red Hat OpenStack Platform for POWER を参照してください。
- 論理ネットワークが作成され、クラスターまたはホストネットワークで複数ネットワークによるネットワーク分離を使用する用意ができている必要があります。詳しい情報は、Red Hat Virtualization Administration Guide の Logical Networks を参照してください。
- 各ノードの内部 BIOS クロックが UTC に設定されている必要があります。タイムゾーンオフセットを適用する前に hwclock が BIOS クロックを同期すると、ファイルのタイムスタンプに未来の日時が設定されていました。この設定により、この問題を防ぐことができます。
パフォーマンスのボトルネックを防ぐために、コンポーザブルロールを使用しデータプレーンサービスをベアメタルのコントローラーノード上に維持します。
手順
undercloud .conf
設定ファイルのenabled_hardware_types
にstaging-ovirt
ドライバーを追加して、director アンダークラウドでこのドライバーを有効にします。enabled_hardware_types = ipmi,redfish,ilo,idrac,staging-ovirt
アンダークラウドに
staging-ovirt
ドライバーが含まれることを確認します。(undercloud) [stack@undercloud ~]$ openstack baremetal driver list
アンダークラウドが正しく設定されていると、コマンドにより以下の結果が返されます。
+---------------------+-----------------------+ | Supported driver(s) | Active host(s) | +---------------------+-----------------------+ | idrac | localhost.localdomain | | ilo | localhost.localdomain | | ipmi | localhost.localdomain | | pxe_drac | localhost.localdomain | | pxe_ilo | localhost.localdomain | | pxe_ipmitool | localhost.localdomain | | redfish | localhost.localdomain | | staging-ovirt | localhost.localdomain |
python-ovirt-engine-sdk4.x86_64
パッケージをインストールします。$ sudo yum install python-ovirt-engine-sdk4
オーバークラウドノードの定義テンプレート (例:
nodes.json
) を更新し、Red Hat Virtualization がホストする仮想マシンを director に登録します。詳しい情報は、オーバークラウドノードの登録 を参照してください。以下のキー/値のペアを使用して、オーバークラウドでデプロイする仮想マシンの特性を定義します。表11.1 オーバークラウド用仮想マシンの設定 キー この値に設定します pm_type
oVirt/RHV 仮想マシン用の OpenStack Bare Metal Provisioning (ironic) サービスドライバー
staging-ovirt
pm_user
Red Hat Virtualization Manager のユーザー名
pm_password
Red Hat Virtualization Manager のパスワード
pm_addr
Red Hat Virtualization Manager サーバーのホスト名または IP
pm_vm_name
コントローラーが作成される Red Hat Virtualization Manager の仮想マシンの名前
以下に例を示します。
{ "nodes": [ { "name":"osp13-controller-0", "pm_type":"staging-ovirt", "mac":[ "00:1a:4a:16:01:56" ], "cpu":"2", "memory":"4096", "disk":"40", "arch":"x86_64", "pm_user":"admin@internal", "pm_password":"password", "pm_addr":"rhvm.example.com", "pm_vm_name":"{vernum}-controller-0", "capabilities": "profile:control,boot_option:local" }, }
Red Hat Virtualization Host ごとに 1 つのコントローラーを設定します。
- Red Hat Virtualization でアフィニティーグループをソフトネガティブアフィニティーに設定し、コントローラー用仮想マシンの高可用性を確保します。詳しい情報は、Red Hat Virtualization Virtual Machine Management Guide の Affinity Groups を参照してください。
- Red Hat Virtualization Manager のインターフェイスにアクセスし、これを使用してそれぞれの VLAN をコントローラー用仮想マシンの個別の論理仮想 NIC にマッピングします。詳しい情報は、Red Hat Virtualization Administration Guide の Logical Networks を参照してください。
-
director とコントローラー用仮想マシンの仮想 NIC で
no_filter
を設定し、仮想マシンを再起動します。これにより、コントローラー用仮想マシンにアタッチされたネットワークで MAC スプーフィングフィルターが無効化されます。詳しい情報は、Red Hat Virtualization Administration Guide の Virtual Network Interface Cards を参照してください。 オーバークラウドをデプロイして、新しい仮想コントローラーノードを環境に追加します。
(undercloud) [stack@undercloud ~]$ openstack overcloud deploy --templates