6.3. コントローラーノードおよびカスタムロールノードのアップグレード
すべてのコントローラーノード、分割されたコントローラーサービス、およびその他のカスタムノードを OpenStack Platform 13 にアップグレードするには、以下のプロセスを使用します。このプロセスでは、--nodes
オプションを指定して openstack overcloud upgrade run
コマンドを実行し、操作を選択したノードだけに制限します。
$ openstack overcloud upgrade run --nodes [ROLE]
[ROLE]
をロール名またはロール名のコンマ区切りリストに置き換えます。
オーバークラウドでモノリシックなコントローラーノードが使用されている場合は、Controller
ロールに対してこのコマンドを実行します。
オーバークラウドで分割されたコントローラーサービスが使用されている場合は、以下のガイドに従ってノードのロールを次の順序でアップグレードします。
-
Pacemaker を使用するすべてのロール。たとえば、
ControllerOpenStack
、Database
、Messaging
、Telemetry
等。 -
Networker
ノード - その他すべてのカスタムロール
以下のノードはまだアップグレード しないでください。
- DPDK ベースまたはハイパーコンバージドインフラストラクチャー (HCI) コンピュートノードなど、あらゆる種別のコンピュートノード
-
CephStorage
ノード
これらのノードは後でアップグレードします。
OpenStack Platform サービスはオーバークラウド上では非アクティブな状態で検証できないため、以下の手順のコマンドでは --skip-tags validation
のオプションを使用しています。
手順
stackrc
ファイルを取得します。$ source ~/stackrc
モノリシックなコントローラーノードを使用している場合は、
Controller
ロールに対してアップグレードコマンドを実行します。$ openstack overcloud upgrade run --nodes Controller --skip-tags validation
-
カスタムのスタック名を使用する場合は、
--stack
オプションでその名前を渡します。
-
カスタムのスタック名を使用する場合は、
複数のロールにわたって分割されたコントローラーサービスを使用している場合の操作は以下のとおりです。
Pacemaker サービスを使用するロールのアップグレードコマンドを実行します。
$ openstack overcloud upgrade run --nodes ControllerOpenStack --skip-tags validation $ openstack overcloud upgrade run --nodes Database --skip-tags validation $ openstack overcloud upgrade run --nodes Messaging --skip-tags validation $ openstack overcloud upgrade run --nodes Telemetry --skip-tags validation
-
カスタムのスタック名を使用する場合は、
--stack
オプションでその名前を渡します。
-
カスタムのスタック名を使用する場合は、
Networker
ロールのアップグレードコマンドを実行します。$ openstack overcloud upgrade run --nodes Networker --skip-tags validation
-
カスタムのスタック名を使用する場合は、
--stack
オプションでその名前を渡します。
-
カスタムのスタック名を使用する場合は、
Compute
ロールまたはCephStorage
ロールを除く、残りすべてのカスタムロールのアップグレードコマンドを実行します。$ openstack overcloud upgrade run --nodes ObjectStorage --skip-tags validation
-
カスタムのスタック名を使用する場合は、
--stack
オプションでその名前を渡します。
-
カスタムのスタック名を使用する場合は、
この段階では、
- ワークロードは引き続き稼働中です。
- オーバークラウドのデータベースが OpenStack Platform 13 バージョンにアップグレードされました。
- コントローラーノードが OpenStack Platform 13 にアップグレードされました。
- すべてのコントローラーサービスが有効化されました。
- コンピュートノードは、まだアップグレードする必要があります。
- Ceph Storage ノードはバージョン 2 のままなので、アップグレードする必要があります。
コントローラーサービスは有効化されていますが、コンピュートノードと Ceph Storage サービスが無効になるまではワークロードの操作は実行しないでください。ワークロードを操作すると、仮想マシンが孤立してしまう可能性があります。環境全体がアップグレードされるまで待ってください。