第20章 コントローラーノードのフェンシング
フェンシングとは、クラスターとそのリソースを保護するために、障害が発生したノードを分離するプロセスのことです。フェンシングがないと、障害のあるノードが原因でクラスター内のデータが破損する可能性があります。
director は、Pacemaker を使用して、高可用性のコントローラーノードクラスターを提供します。Pacemaker は、障害の発生したノードをフェンシングするのに STONITH というプロセスを使用します。STONITH はデフォルトでは無効化されているため、Pacemaker がクラスター内の各ノードの電源管理を制御できるように手動で設定する必要があります。
20.1. STONITH および Pacemaker の状態の確認
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director 上の
stack
ユーザーから、heat-admin
ユーザーとして各ノードにログインします。オーバークラウドを作成すると自動的にstack
ユーザーの SSH キーが各ノードのheat-admin
にコピーされます。 実行中のクラスターがあることを確認します。
$ sudo pcs status Cluster name: openstackHA Last updated: Wed Jun 24 12:40:27 2015 Last change: Wed Jun 24 11:36:18 2015 Stack: corosync Current DC: lb-c1a2 (2) - partition with quorum Version: 1.1.12-a14efad 3 Nodes configured 141 Resources configured
STONITH が無効化されていることを確認します。
$ sudo pcs property show Cluster Properties: cluster-infrastructure: corosync cluster-name: openstackHA dc-version: 1.1.12-a14efad have-watchdog: false stonith-enabled: false