12.6. ノードのブラックリスト登録
オーバークラウドノードがデプロイメントの更新を受け取らないように除外することができます。これは、既存のノードがコア Heat テンプレートコレクションから更新されたパラメーターセットやリソースを受け取らないように除外した状態で、新規ノードをスケーリングする場合に役立ちます。つまり、ブラックリストに登録されているノードは、スタック操作の影響を受けなくなります。
ブラックリストを作成するには、環境ファイルの DeploymentServerBlacklist
パラメーターを使います。
ブラックリストの設定
DeploymentServerBlacklist
パラメーターは、サーバー名のリストです。新たな環境ファイルを作成するか、既存のカスタム環境ファイルにパラメーター値を追加して、ファイルをデプロイメントコマンドに渡します。
parameter_defaults: DeploymentServerBlacklist: - overcloud-compute-0 - overcloud-compute-1 - overcloud-compute-2
パラメーター値のサーバー名には、実際のサーバーホスト名ではなく、OpenStack Orchestation (heat) で定義されている名前を使用します。
openstack overcloud deploy
コマンドで、この環境ファイルを指定します。
$ source ~/stackrc (undercloud) $ openstack overcloud deploy --templates \ -e server-blacklist.yaml \ [OTHER OPTIONS]
Heat はリスト内のサーバーをすべてブラックリストし、Heat デプロイメントの更新を受け取らないようにします。スタック操作が完了した後には、ブラックリストに登録されたサーバーは以前の状態のままとなります。操作中に os-collect-config
エージェントの電源をオフにしたり、停止したりすることもできます。
- ノードをブラックリストに登録する場合には、注意が必要です。ブラックリストを有効にした状態で要求された変更を適用する方法を十分に理解していない限り、ブラックリストは使用しないでください。ブラックリスト機能を使うと、スタックがハングしたり、オーバークラウドが誤って設定されたりする場合があります。たとえば、クラスター設定の変更が Pacemaker クラスターの全メンバーに適用される場合には、この変更の間に Pacemaker クラスターのメンバーをブラックリストに登録すると、クラスターが機能しなくなる場合があります。
- 更新またはアップグレードの操作中にブラックリストを使わないでください。これらの操作には、特定のサーバーに対する変更を分離するための独自の方法があります。詳細は、『Red Hat OpenStack Platform のアップグレード』のドキュメントを参照してください。
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サーバーをブラックリストに追加すると、そのサーバーをブラックリストから削除するまでは、それらのノードにはさらなる変更は適用されません。これには、更新、アップグレード、スケールアップ、スケールダウン、およびノードの置き換えが含まれます。たとえば、新規コンピュートノードを使用してオーバークラウドをスケールアウトする際に既存のコンピュートノードをブラックリストに登録すると、ブラックリストに登録したノードには
/etc/hosts
および/etc/ssh/ssh_known_hosts
に加えられた情報が反映されません。これにより、移行先ホストによっては、ライブマイグレーションが失敗する可能性があります。コンピュートノードのブラックリスト登録が解除される次回のオーバークラウドデプロイメント時に、これらのノードは/etc/hosts
および/etc/ssh/ssh_known_hosts
に加えられた情報で更新されます。
ブラックリストのクリア
その後のスタック操作のためにブラックリストをクリアするには、DeploymentServerBlacklist
を編集して空の配列を使用します。
parameter_defaults: DeploymentServerBlacklist: []
DeploymentServerBlacklist
パラメーターを単に削除しないでください。パラメーターを削除しただけの場合には、オーバークラウドデプロイメントには、前回保存された値が使用されます。