5.3. オーバークラウドのストレージ
任意のドライバーまたはバックエンド種別のバックエンド cinder ボリュームを使用するゲストインスタンスで LVM を使用すると、パフォーマンス、ボリュームの可視性/可用性、およびデータ破損の問題が生じます。このような問題を軽減するには、LVM フィルターを使用します。詳しくは、『 ストレージガイド』 の「 バックエンド 」および KCS アーティクル 「Using LVM on a cinder volume exposes the data to the compute host」を参照してください。
director には、オーバークラウド環境用にさまざまなストレージオプションが含まれています。
- Ceph Storage ノード
director は、Red Hat Ceph Storage を使用して拡張可能なストレージノードセットを作成します。オーバークラウドは、以下のストレージ種別にこのノードを使用します。
- イメージ: glance は仮想マシンのイメージを管理します。イメージを変更することはできません。OpenStack はイメージバイナリーブロブとして処理し、それに応じてイメージをダウンロードします。glance を使用して、Ceph ブロックデバイスにイメージを保管することができます。
- ボリューム: cinder ボリュームはブロックデバイスです。OpenStack では、ボリュームを使用して仮想マシンをブートしたり、ボリュームを実行中の仮想マシンにアタッチしたりします。OpenStack は cinder サービスを使用してボリュームを管理します。イメージの CoW (Copy-on-Write) クローンを使用して、cinder により仮想マシンをブートすることができます。
- ファイルシステム: manila 共有はファイルシステムによりバッキングされます。OpenStack ユーザーは、manila サービスを使用して共有を管理します。manila を使用して、Ceph Storage ノードにデータを保管する CephFS ファイルシステムにバッキングされる共有を管理することができます。
ゲストディスク: ゲストディスクは、ゲストオペレーティングシステムのディスクです。デフォルトでは、nova で仮想マシンをブートすると、仮想マシンのディスクはハイパーバイザーのファイルシステム上のファイルとして表示されます (通常
/var/lib/nova/instances/<uuid>/
内)。Ceph 内にあるすべての仮想マシンは、cinder を使用せずにブートすることができます。これにより、ライブマイグレーションのプロセスを使用して、簡単にメンテナンス操作を実施することができます。また、ハイパーバイザーが停止した場合には、nova evacuate
をトリガーして仮想マシンを別の場所で実行することもできるので便利です。重要サポートされるイメージフォーマットの情報については、『 インスタンス&イメージガイド』の「 Image サービス 」の章を参照し てください。
その他の情報については、『Red Hat Ceph Storage Architecture Guide』を参照してください。
- Swift Storage ノード
- director は、外部オブジェクトストレージノードを作成します。これは、オーバークラウド環境でコントローラーノードをスケーリングまたは置き換える必要があるが、高可用性クラスター外にオブジェクトストレージを保持する必要がある場合に便利です。