7.12. 事前にプロビジョニングされたノードのスケーリング


事前にプロビジョニングされたノードをスケーリングするプロセスは、「12章オーバークラウドノードのスケーリング」に記載する標準のスケーリング手順と類似しています。ただし、事前にプロビジョニングされたノードを新たに追加するプロセスは異なります。これは、事前にプロビジョニングされたノードが OpenStack Bare Metal (ironic) および OpenStack Compute (nova) からの標準の登録および管理プロセスを使用しないためです。

事前にプロビジョニングされたノードのスケールアップ

事前にプロビジョニングされたノードでオーバークラウドをスケールアップする際には、各ノードで director のノード数に対応するようにオーケストレーションエージェントを設定する必要があります。

オーバークラウドノードをスケールアップするには、以下の操作を実施します。

  1. 「事前にプロビジョニングされたノードの要件」 の説明に従って、事前にプロビジョニングされたノードを新たに準備します。
  2. ノードをスケールアップします。手順については「12章オーバークラウドノードのスケーリング」を参照してください。
  3. デプロイメントコマンドを実行した後に、director が新しいノードリソースを作成して設定を開始するまで待ちます。

事前にプロビジョニングされたノードのスケールダウン

事前にプロビジョニングされたノードを持つオーバークラウドをスケールダウンするには、「12章オーバークラウドノードのスケーリング」に記載する通常のスケールダウン手順に従います。

ほとんどのスケーリング操作では、削除するノードの UUID 値を取得し、その値を openstack overcloud node delete コマンドに渡す必要があります。この UUID を取得するには、ロールを指定してリソースの一覧を表示します。

$ openstack stack resource list overcloud -c physical_resource_id -c stack_name -n5 --filter type=OS::TripleO::<RoleName>Server

<RoleName> を、スケールダウンするロールの実際の名前に置き換えます。たとえば、ComputeDeployedServer ロールの場合には、以下のコマンドを実行します。

$ openstack stack resource list overcloud -c physical_resource_id -c stack_name -n5 --filter type=OS::TripleO::ComputeDeployedServerServer

コマンド出力の stack_name 列から、各ノードに関連付けられた UUID を確認します。stack_name には、Heat リソースグループ内のノードインデックスの整数値が含まれます。

+------------------------------------+----------------------------------+
| physical_resource_id               | stack_name                       |
+------------------------------------+----------------------------------+
| 294d4e4d-66a6-4e4e-9a8b-           | overcloud-ComputeDeployedServer- |
| 03ec80beda41                       | no7yfgnh3z7e-1-ytfqdeclwvcg      |
| d8de016d-                          | overcloud-ComputeDeployedServer- |
| 8ff9-4f29-bc63-21884619abe5        | no7yfgnh3z7e-0-p4vb3meacxwn      |
| 8c59f7b1-2675-42a9-ae2c-           | overcloud-ComputeDeployedServer- |
| 2de4a066f2a9                       | no7yfgnh3z7e-2-mmmaayxqnf3o      |
+------------------------------------+----------------------------------+

stack_name 列のインデックス 0、1、または 2 は、Heat リソースグループ内のノード順に対応します。physical_resource_id 列の該当する UUID 値を、openstack overcloud node delete コマンドに渡します。

スタックからオーバークラウドノードを削除したら、それらのノードの電源をオフにします。標準のデプロイメントでは、director のベアメタルサービスがこの機能を制御します。ただし、事前にプロビジョニングされたノードでは、これらのノードを手動でシャットダウンするか、物理システムごとに電源管理制御を使用する必要があります。スタックからノードを削除した後にノードの電源をオフにしないと、稼動状態が続き、オーバークラウド環境の一部として再接続されてしまう可能性があります。

削除したノードの電源をオフにした後に、それらのノードをベースオペレーティングシステムの構成に再プロビジョニングし、意図せずにオーバークラウドに加わらないようにします。

注記

オーバークラウドから以前に削除したノードは、再プロビジョニングしてベースオペレーティングシステムを新規インストールしてからでなければ、再利用しないようにしてください。スケールダウンのプロセスでは、オーバークラウドスタックからノードを削除するだけで、パッケージはアンインストールされません。

Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.