1.5. Ceph Storage
通常、OpenStack を使用する大規模な組織では、数千単位またはそれ以上のクライアントにサービスを提供します。ブロックストレージリソースの消費に関して、それぞれの OpenStack クライアントは固有のニーズを持つのが一般的です。glance (イメージ)、cinder (ボリューム)、nova (コンピュート) を単一ノードにデプロイすると、数千単位のクライアントがある大規模なデプロイメントでの管理ができなくなる可能性があります。このような課題は、OpenStack をスケールアウトすることによって解決できます。
ただし、実際には、Red Hat Ceph Storage などのソリューションを活用して、ストレージ層を仮想化する必要もでてきます。ストレージ層の仮想化により、Red Hat OpenStack Platform のストレージ層を数十テラバイト規模からペタバイトさらにはエクサバイトのストレージにスケーリングすることが可能です。Red Hat Ceph Storage は、市販のハードウェアを使用しながらも、高可用性/高パフォーマンスのストレージ仮想化層を提供します。仮想化によってパフォーマンスが低下するというイメージがありますが、Ceph はブロックデバイスイメージをクラスター全体でオブジェクトとしてストライプ化するため、大きな Ceph のブロックデバイスイメージはスタンドアロンのディスクよりも優れたパフォーマンスを示します。Ceph ブロックデバイスでは、パフォーマンスを強化するために、キャッシュ、Copy On Write クローン、Copy On Read クローンもサポートされています。
Red Hat Ceph Storage に関する情報は、「Red Hat Ceph Storage」を参照してください。
マルチアーキテクチャークラウドでは、Red Hat は事前にインストール済みの Ceph 実装または外部の Ceph 実装のみをサポートします。詳細は、『 オーバークラウドの既存 Red Hat Ceph クラスターとの統合』 および「 付録B Red Hat OpenStack Platform for POWER 」を参照してください。