1.2. オーバークラウド
オーバークラウドは、アンダークラウドが構築することで得られる Red Hat OpenStack Platform 環境です。オーバークラウドは、さまざまなロールを持つ複数のノードで構成されます。このノード構成は、希望する OpenStack Platform 環境をベースに定義されます。アンダークラウドには、以下に示すオーバークラウドのデフォルトノードロールセットが含まれます。
- コントローラー
コントローラーノードは、OpenStack 環境に管理、ネットワーク、高可用性の機能を提供します。コントローラーノード 3 台で高可用性クラスターを構成する OpenStack 環境が推奨されます。
デフォルトのコントローラーノードロールは、以下のコンポーネントをサポートします。これらのサービスがすべてデフォルトで有効化されている訳ではありません。これらのコンポーネントの中には、有効にするのにカスタムの環境ファイルまたは事前にパッケージ化された環境ファイルを必要とするものがあります。
- OpenStack Dashboard (horizon)
- OpenStack Identity (keystone)
- OpenStack Compute (nova) API
- OpenStack Networking (neutron)
- OpenStack Image サービス (glance)
- OpenStack Block Storage (cinder)
- OpenStack Object Storage (swift)
- OpenStack Orchestration (heat)
- OpenStack Telemetry Metrics (gnocchi)
- OpenStack Telemetry Alarming (aodh)
- OpenStack Telemetry Event Storage (panko)
- OpenStack Clustering (sahara)
- OpenStack Shared File Systems (manila)
- OpenStack Bare Metal (ironic)
- MariaDB
- Open vSwitch
- 高可用性サービス向けの Pacemaker および Galera
- コンピュート
コンピュートノードは OpenStack 環境にコンピュートリソースを提供します。コンピュートノードをさらに追加して、環境を徐々にスケールアウトすることができます。デフォルトのコンピュートノードには、以下のコンポーネントが含まれます。
- OpenStack Compute (nova)
- KVM/QEMU
- OpenStack Telemetry (ceilometer) エージェント
- Open vSwitch
- ストレージ
ストレージノードは OpenStack 環境にストレージを提供します。以下の一覧で、Red Hat OpenStack Platform のさまざまなストレージノード種別について説明します。
- Ceph Storage ノード: ストレージクラスターを構成するために使用します。それぞれのノードには、Ceph Object Storage Daemon (OSD) が含まれます。また、環境の一部として Ceph Storage ノードをデプロイする場合には、director により Ceph Monitor がコントローラーノードにインストールされます。
Block storage (cinder): 高可用性コントローラーノードの外部ブロックストレージとして使用します。このノードには、以下のコンポーネントが含まれます。
- OpenStack Block Storage (cinder) ボリューム
- OpenStack Telemetry エージェント
- Open vSwitch
Object Storage (swift): これらのノードは、OpenStack Swift の外部ストレージ層を提供します。コントローラーノードは、Swift プロキシーを介してオブジェクトストレージノードにアクセスします。オブジェクトストレージノードには、以下のコンポーネントが含まれます。
- OpenStack Object Storage (swift) のストレージ
- OpenStack Telemetry エージェント
- Open vSwitch