第3章 OpenStack Compute 用のストレージの設定
本章では、OpenStack Compute (nova) のイメージのバックエンドストレージのアーキテクチャーについて説明し、基本的な設定オプションを記載します。
3.1. アーキテクチャーの概要
Red Hat OpenStack Platform では、OpenStack Compute サービスは KVM ハイパーバイザーを使用してコンピュートのワークロードを実行します。libvirt
ドライバーが KVM とのすべての対話を処理し、仮想マシンが作成できるようにします。
コンピュートには、2 種類の libvirt
ストレージを考慮する必要があります。
- Image サービスのイメージのコピーをキャッシュ済み/フォーマット済みのベースイメージ
-
libvirt
ベースを使用して作成され、仮想マシンインスタンスのバックエンドとなるインスタンスディスク。インスタンスディスクデータは、コンピュートの一時ストレージ (libvirt
ベースを使用) または永続ストレージ (例: Block Storage を使用) のいずれかに保存されます。
Compute は、以下の手順で仮想マシンインスタンスを作成します。
-
Image サービスのバッキングイメージを
libvirt
ベースとしてキャッシュします。 - ベースイメージを Raw 形式に変換します (設定されている場合)。
- 仮想マシンのフレーバーの仕様に一致するようにベースイメージのサイズを調節します。
- ベースイメージを使用して libvirt インスタンスディスクを作成します。
上図では、#1 のインスタンスディスクは一時ストレージを使用し、#2 のディスクは Block Storage ボリュームを使用します。
一時ストレージとは、インスタンスで追加で利用可能な、フォーマットされていない空のディスクのことです。このストレージの値は、インスタンスのフレーバーにより定義されます。ユーザーが指定した値は、フレーバーで定義した一時ストレージの値以下でなければなりません。デフォルト値は 0
です。0 を指定すると、一時ストレージが作成されません。
一時ディスクは、外付けのハードドライブや USB ドライブと同じ方法で表示されます。一時ディスクはブロックデバイスとして利用でき、lsblk
コマンドを使用して確認することができます。ブロックデバイスとして通常使用するように、フォーマット、マウント、使用が可能です。アタッチ先のインスタンス以外では、このディスクの保存や参照をする方法はありません。
ブロックストレージボリュームは、実行中のインスタンスがどのような状態であっても、インスタンスを利用できる一時ストレージです。