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9.2. NFV ワークロード向けの RT-KVM の有効化

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本項では、Red Hat OpenStack Platform 向けに Red Hat Enterprise Linux 8.0 Real Time KVM(RT-KVM)をインストールおよび設定する手順を説明します。Red Hat OpenStack Platform は、リアルタイムに Red Hat Enterprise Linux をプロビジョニングするリアルタイムコンピュートノードロールと、追加の RT-KVM カーネルモジュール、およびコンピュートノードの自動設定を提供します。

9.2.1. RT-KVM コンピュートノードのプランニング

RT-KVM コンピュートノードには、Red Hat 認定済みサーバーを使用する必要があります。詳しくは、Red Hat Enterprise Linux for Real Time 7 用認定サーバー を参照してください。

RT-KVM 用の rhel-8-server-nfv-rpms リポジトリーを有効にしてシステムを最新の状態に維持する方法についての詳細は、『director のインストールと使用方法』の「 アンダークラウドの登録と更新」を 参照してください。

注記

このリポジトリーにアクセスするには、別途 Red Hat OpenStack Platform for Real Time SKU のサブスクリプションが必要です。

real-time のイメージのビルド

Real-time コンピュートノード用のオーバークラウドイメージをビルドするには、以下のステップを実行します。

  1. アンダークラウドに libguestfs-tools パッケージをインストールして、virt-customize ツールを取得します。

    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ sudo dnf install libguestfs-tools
    重要

    アンダークラウドに libguestfs-tools パッケージをインストールする場合は、アンダークラウドの tripleo_iscsid サービスとのポートの競合を避けるために iscsid.socket を無効にします。

    $ sudo systemctl disable --now iscsid.socket
  2. イメージを抽出します。

    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ tar -xf /usr/share/rhosp-director-images/overcloud-full.tar
    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ tar -xf /usr/share/rhosp-director-images/ironic-python-agent.tar
  3. デフォルトのイメージをコピーします。

    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ cp overcloud-full.qcow2 overcloud-realtime-compute.qcow2
  4. イメージを登録して、カスタマイズに適切な Red Hat のリポジトリーを有効にします。以下の例の [username] および [password] を有効な認証情報に置き換えてください。

    virt-customize -a overcloud-realtime-compute.qcow2 --run-command \
    'subscription-manager register --username=[username] --password=[password]'
    注記

    コマンドプロンプトで認証情報を使用したら、そのつど履歴ファイルから削除してください。history -d コマンドの後に行番号を指定して、履歴内の個々の行を削除することができます。

  5. アカウントのサブスクリプションからプール ID の一覧を取得し、適切なプール ID をイメージにアタッチします。

    sudo subscription-manager list --all --available | less
    ...
    virt-customize -a overcloud-realtime-compute.qcow2 --run-command \
    'subscription-manager attach --pool [pool-ID]'
  6. Red Hat OpenStack Platform で NFV を使用するのに必要なリポジトリーを追加します。

    virt-customize -a overcloud-realtime-compute.qcow2 --run-command \
    'sudo subscription-manager repos --enable=rhel-8-for-x86_64-baseos-rpms \
    --enable=rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms \
    --enable=rhel-8-for-x86_64-highavailability-rpms \
    --enable=ansible-2.8-for-rhel-8-x86_64-rpms \
    --enable=openstack-15-for-rhel-8-x86_64-rpms \
    --enable=rhel-8-for-x86_64-nfv-rpms \
    --enable=advanced-virt-for-rhel-8-x86_64-rpms \
    --enable=fast-datapath-for-rhel-8-x86_64-rpms'
  7. イメージ上でリアルタイム機能を設定するためのスクリプトを作成します。

    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ cat <<'EOF' > rt.sh
      #!/bin/bash
    
      set -eux
    
      dnf -v -y --setopt=protected_packages= erase kernel.$(uname -m)
      dnf -v -y install kernel-rt kernel-rt-kvm tuned-profiles-nfv-host
      EOF
  8. RT イメージを設定するスクリプトを実行します。

    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ virt-customize -a overcloud-realtime-compute.qcow2 -v --run rt.sh 2>&1 | tee virt-customize.log
    注記

    rt.sh スクリプトの出力に「 grubby fatal error: unable to find a suitable template」というエラー が表示される場合があります。このエラーは無視しても問題ありません。

  9. パッケージが正しくインストールされていることを確認するには、以前のコマンドで作成した virt-customize.log ファイルを調べます。

    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ cat virt-customize.log | grep Verifying
    
      Verifying  : kernel-3.10.0-957.el7.x86_64                                 1/1
      Verifying  : 10:qemu-kvm-tools-rhev-2.12.0-18.el7_6.1.x86_64              1/8
      Verifying  : tuned-profiles-realtime-2.10.0-6.el7_6.3.noarch              2/8
      Verifying  : linux-firmware-20180911-69.git85c5d90.el7.noarch             3/8
      Verifying  : tuned-profiles-nfv-host-2.10.0-6.el7_6.3.noarch              4/8
      Verifying  : kernel-rt-kvm-3.10.0-957.10.1.rt56.921.el7.x86_64            5/8
      Verifying  : tuna-0.13-6.el7.noarch                                       6/8
      Verifying  : kernel-rt-3.10.0-957.10.1.rt56.921.el7.x86_64                7/8
      Verifying  : rt-setup-2.0-6.el7.x86_64                                    8/8
  10. SELinux の再ラベル付けをします。

    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ virt-customize -a overcloud-realtime-compute.qcow2 --selinux-relabel
  11. vmlinuz および initrd を抽出します。

    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ mkdir image
    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ guestmount -a overcloud-realtime-compute.qcow2 -i --ro image
    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ cp image/boot/vmlinuz-3.10.0-862.rt56.804.el7.x86_64 ./overcloud-realtime-compute.vmlinuz
    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ cp image/boot/initramfs-3.10.0-862.rt56.804.el7.x86_64.img ./overcloud-realtime-compute.initrd
    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ guestunmount image
    注記

    vmlinuz および initramfs のファイル名に含まれるソフトウェアバージョンは、カーネルバージョンによって異なります。

  12. イメージをアップロードします。

    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ openstack overcloud image upload --update-existing --os-image-name overcloud-realtime-compute.qcow2

これで、選択したコンピュートノード上の ComputeOvsDpdkRT コンポーザブルロールで使用することのできる real-time イメージの準備ができました。

RT-KVM コンピュートノード上での BIOS 設定の変更

RT-KVM コンピュートノードのレイテンシーを短縮するには、BIOS 設定を変更します。コンピュートノードの BIOS 設定で、以下の機能のオプションをすべて無効にします。

  • 電源管理
  • ハイパースレッディング
  • CPU のスリープ状態
  • 論理プロセッサー

これらの設定に関する説明は、「 BIOS パラメーターの設定」を 参照してください。BIOS 設定の変更方法に関する詳しい情報は、ハードウェアの製造会社のドキュメントを参照してください。

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