4.5.5. Quality of Service (QoS)
デフォルトでは、QoS (Quality of Service)ポリシーおよびルールはクラウド管理者によって管理されます。これにより、プロジェクトが特定の QoS ルールを作成できず、またポートに特定のポリシーをアタッチすることはできません。管理者が通信するアプリケーションなどの一部のユースケースでは、管理者がプロジェクトを信頼し、独自のポリシーをポートに作成および接続できるようにします。そのためには、policy.json
ファイルを変更します。
Red Hat OpenStack Platform 12 から、neutron は、受信トラフィックと送信トラフィックの両方で、帯域幅を制限する QoS ルールをサポートしています。この QoS ルールは QosBandwidthLimitRule
という名前で、毎秒キロビットで測定される負の整数を 2 つ受け取ります。
-
max-kbps
: 帯域幅 -
max-burst-kbps
: バーストバッファー
QoSBandwidthLimitRule
は、neutron Open vSwitch、Linux ブリッジ、および SR-IOV ドライバーに実装されています。ただし、SR-IOV ドライバーでは、max-burst-kbps
の値が使用されず、設定されている場合は無視されます。
QoS ルール QosDscpMarkingRule
は、Red Hat OpenStack Platform 10 (Newton) リリースで追加されました。このルールは、IPv4 (RFC 2474) のサービスヘッダーのタイプに Differentiated Service Code Point (DSCP) 値を設定し、仮想マシンから出るすべてのトラフィックで、IPv6 のトラフィッククラスヘッダー (ルールが適用されます) を設定します。これは、ネットワークが輻輳に合致するように、パケットのドロップの優先度を示す、有効な値が 21 の 6 ビットヘッダーです。また、ファイアウォールで使用して、アクセス制御リストに対する有効なトラフィックまたは無効なトラフィックを一致させることもできます。
4.5.5.1. 負荷分散
OpenStack Networking には Load-Balancer-as-a-service(LBaaS)が含まれます。LBaaS リファレンス実装は HAProxy をベースにしています。仮想インターフェースポート用に豊富な L4-L7 機能を提供する OpenStack Networking の拡張機能用にサードパーティーのプラグインがあります。LBaaS は、パブリックネットワークからのインスタンスへの ingress 接続を提供する点で Floating IP と似ています。Floating IP とは異なり、LBaaS インスタンスは複数のインスタンスにアタッチして、接続済みのインスタンス上で実行されるサービスの負荷分散および高可用性を提供することができます。
LBaaS の詳細は、https://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_openstack_platform/15/html-single/networking_guide/index#sec-lbaasを参照してください。