3.6. 変更するパラメーターの特定
Red Hat OpenStack Platform director は、設定用のパラメーターを多数提供しています。場合によっては、設定すべき特定のオプションとそれに対応する director のパラメーターを特定するのが困難なことがあります。director でオプションを設定するには、以下のワークフローに従ってオプションを確認し、特定のオーバークラウドパラメーターにマップしてください。
- 設定するオプションを特定します。そのオプションを使用するサービスを書き留めておきます。
このオプションに対応する Puppet モジュールを確認します。Red Hat OpenStack Platform 用の Puppet モジュールは director ノードの
/etc/puppet/modules
にあります。各モジュールは、特定のサービスに対応しています。たとえば、keystone
モジュールは OpenStack Identity (keystone) に対応しています。- 選択したオプションを制御する変数が Puppet モジュールに含まれている場合には、次のステップに進んでください。
- 選択したオプションを制御する変数が Puppet モジュールに含まれていない場合には、そのオプションには hieradata は存在しません。可能な場合には、オーバークラウドがデプロイメントを完了した後でオプションを手動で設定することができます。
director のコア Heat テンプレートコレクションに hieradata 形式の Puppet 変数が含まれているかどうかを確認します。
deployment/*
は通常、同じサービスの Puppet モジュールに対応します。たとえば、deployment/keystone/keystone-container-puppet.yaml
テンプレートは、keystone
モジュールの hieradata を提供します。- Heat テンプレートが Puppet 変数用の hieradata を設定している場合には、そのテンプレートは変更する director ベースのパラメーターも開示する必要があります。
- Heat テンプレートが Puppet 変数用の hieradata を設定していない場合には、環境ファイルを使用して、設定フックにより hieradata を渡します。hieradata のカスタマイズに関する詳しい情報は、「Puppet: ロール用 hieradata のカスタマイズ」を参照してください。
ワークフローの例
OpenStack Identity (keystone) の通知の形式を変更するには、ワークフローを使用して、以下の手順を実施します。
-
設定すべき OpenStack パラメーターを特定します (
notification_format
)。 keystone
Puppet モジュールでnotification_format
の設定を検索します。以下に例を示します。$ grep notification_format /etc/puppet/modules/keystone/manifests/*
この場合は、
keystone
モジュールはkeystone::notification_format
の変数を使用してこのオプションを管理します。keystone
サービステンプレートでこの変数を検索します。以下に例を示します。$ grep "keystone::notification_format" /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/deployment/keystone/keystone-container-puppet.yaml
このコマンドの出力には、director が
KeystoneNotificationFormat
パラメーターを使用してkeystone::notification_format
hieradata を設定していると表示されます。
最終的なマッピングは、以下の表のとおりです。
director のパラメーター | Puppet Hieradata | OpenStack Identity (keystone) のオプション |
---|---|---|
|
|
|
オーバークラウドの環境ファイルで KeystoneNotificationFormat
を設定すると、オーバークラウドの設定中に keystone.conf
ファイルの notification_format
オプションが設定されます。