6.2.2. roles_data ファイルの作成
カスタムの roles_data
ファイルは、手動で作成することができますが、個別のロールテンプレートを使用して自動生成することも可能です。director は、ロールテンプレートの管理とカスタムの roles_data
ファイルの自動生成を行うためのコマンドをいくつか提供しています。
デフォルトロールのテンプレートを一覧表示するには、openstack overcloud roles list
コマンドを使用します。
$ openstack overcloud roles list BlockStorage CephStorage Compute ComputeHCI ComputeOvsDpdk Controller ...
ロールの YAML 定義を確認するには、openstack overcloud roles show
コマンドを使用します。
$ openstack overcloud roles show Compute
カスタムの roles_data
ファイルを生成するには、openstack overcloud roles generate
コマンドを使用して、複数の事前定義済みロールを単一のロールに統合します。たとえば、以下のコマンドは、Controller
、Compute
、Networker
のロールを単一のファイルに統合します。
$ openstack overcloud roles generate -o ~/roles_data.yaml Controller Compute Networker
-o
は、作成するファイルの名前を定義します。
これにより、カスタムの roles_data
ファイルが作成されます。ただし、上記の例では、Controller
と Networker
ロールを使用しており、その両方に同じネットワークエージェントが含まれています。これは、ネットワークサービスが Controller
から Networker
ロールにスケーリングされることを意味します。オーバークラウドは、コントローラー
ノードと Networker
ノードの間で、ネットワークサービスの負荷のバランスを取ります。
この Networker
ロールをスタンドアロンにするには、独自のカスタム Controller
ロールと、その他の必要なロールを作成することができます。これにより、独自のカスタムロールから roles_data
ファイルを生成できるようになります。
このディレクトリーを、コア Heat テンプレートコレクションから stack
ユーザーのホームディレクトリーにコピーします。
$ cp -r /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/roles ~/.
このディレクトリー内でカスタムロールファイルを追加または変更します。このディレクトリーをカスタムロールのソースとして使用するには、前述したロールのサブコマンドに --roles-path
オプションを指定します。以下に例を示します。
$ openstack overcloud roles generate -o my_roles_data.yaml \ --roles-path ~/roles \ Controller Compute Networker
このコマンドにより、~/roles
ディレクトリー内の個々のロールから、単一の my_roles_data.yaml
ファイルが生成されます。
デフォルトのロールコレクションには、ControllerOpenStack
ロールも含まれます。このロールには、Networker
、Messaging
、および Database
ロールのサービスは含まれません。ControllerOpenStack
は、スタンドアロンの Networker
、Messaging
、Database
ロールと組み合わせて使用することができます。