2.3. ネットワーク要件
ベアメタルネットワーク:
Bare Metal サービスは、このプライベートネットワークを使用して以下の操作を行います。
- オーバークラウド上のベアメタルマシンのプロビジョニングと管理
- 再デプロイ前のベアメタルノードのクリーニング
- ベアメタルノードへのテナントアクセス
ベアメタルネットワークは、ベアメタルシステムを検出するための DHCP および PXE ブートの機能を提供します。このネットワークは、Bare Metal サービスが PXE ブートと DHCP 要求に対応できるように、トランキングされたインターフェースでネイティブの VLAN を使用する必要があります。
ベアメタルネットワークを設定するには、2 とおりの方法があります。
- Ironic Conductor サービス用にフラットなベアメタルネットワークを使用する。このネットワークは、コントロールプレーン上の Ironic サービスにルーティングする必要があります。分離したベアメタルネットワークを定義すると、ベアメタルノードは PXE ブートすることができません。
- カスタムのコンポーザブルネットワークを使用して、オーバークラウドに Ironic サービスを実装する。
ベアメタルノードは、OpenStack インストール環境のコントロールプレーンネットワークに直接アクセスできるため、オーバークラウドの Bare Metal サービスは、信頼済みのテナント環境向けに設計されています。オーバークラウドの Ironic サービス用にカスタムのコンポーザブルネットワークを実装する場合、ユーザーはコントロールプレーンにアクセスする必要はありません。
ネットワークのタグ付け:
- コントロールプレーンネットワーク (director のプロビジョニングネットワーク) は常にタグなしです。
- ベアメタルネットワークは、プロビジョニングのためにタグなしである必要があり、また Ironic API にアクセスできなければなりません。
- その他のネットワークはタグ付けすることができます。
オーバークラウドコントローラー:
Bare Metal サービスを有効にしたコントローラーノードは、ベアメタルネットワークにアクセス可能である必要があります。
ベアメタルノード:
ベアメタルノードの PXE ブートに使用するように設定されている NIC は、ベアメタルネットワークにアクセス可能である必要があります。
2.3.1. デフォルトのベアメタルネットワーク
このアーキテクチャーでは、ベアメタルネットワークはコントロールプレーンネットワークとは分離されています。ベアメタルネットワークは、テナントネットワークとしても機能するフラットネットワークです。
- ベアメタルネットワークは、OpenStack のオペレーターが作成します。このネットワークには、director のプロビジョニングネットワークへのルートが必要です。
- Ironic ユーザーは、パブリックの OpenStack API とベアメタルネットワークにアクセスすることができます。ベアメタルネットワークは、director のプロビジョニングネットワークにルーティングされるので、ユーザーはコントロールプレーンにも間接的にアクセスできます。
- Ironic は、ノードのクリーニングにベアメタルネットワークを使用します。
デフォルトのベアメタルネットワークアーキテクチャー図