第3章 単一バックエンドの定義
本項では、単一のバックエンドのデプロイメントについて説明します。Dell EqualLogic バックエンドの複数のインスタンスをデプロイするには、カスタムのバックエンド設定 が必要です。手順については、Custom Block Storage Back End Deployment Guideを参照してください。
director のデプロイメントでは、単一の Dell EMC PS Series バックエンドを定義する最も簡単な方法は、統合環境ファイルを使用することです。このファイルは、アンダークラウドノードの以下のパスにあります。
/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/cinder-dellps-config.yaml
このファイルを、編集して後で呼び出すことができローカルパスにコピーします。たとえば、~/templates/
にコピーするには、以下のコマンドを実行します。
$ cp /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/cinder-dellps-config.yaml ~/templates/
その後、コピー(~/templates/cinder-dellps-config.yaml
)を開き、必要に応じてこれを編集します。以下のスニペットに、このファイルのデフォルトの内容を示します。
# A Heat environment file which can be used to enable a # a Cinder EMC PS Series backend, configured via puppet resource_registry: OS::TripleO::Services::CinderBackendDellPs: ../puppet/services/cinder-backend-dellps.yaml # 1 parameter_defaults: # 2 CinderEnableDellPsBackend: true # 3 CinderDellPsBackendName: 'tripleo_dellps' CinderDellPsSanIp: '' CinderDellPsSanLogin: '' CinderDellPsSanPassword: '' CinderDellPsSanThinProvision: true CinderDellPsGroupname: 'group-0' CinderDellPsPool: 'default' CinderDellPsChapLogin: '' CinderDellPsChapPassword: '' CinderDellPsUseChap: false
- 1
resource_registry
セクションの OS::TripleO::Services::CinderBackendDellPs パラメーターは、cinder-backend-dellps.yaml
という名前のコンポーザブルサービステンプレートを参照します。director はこのテンプレートを使用して、バックエンドを設定するのに必要なリソースを読み込みます。デフォルトでは、このパラメーターはcinder-backend-dellps.yaml
への相対パスを指定します。そのため、このパラメーターをファイルへの絶対パスで更新します。resource_registry: OS::TripleO::ControllerExtraConfigPre: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/puppet/services/cinder-backend-dellps.yaml
- 2
- parameter_defaults セクションには、バックエンドの定義が含まれます。具体的には、director が
cinder-backend-dellps.yaml
で定義されたリソースに渡す必要があるパラメーターが含まれます。 - 3
- CinderEnableDellPsBackend: true の行は、Dell EMC PS Series バックエンドのデフォルト設定に必要な Puppet マニフェストを使用するように director に指示します。これには、Block Storage サービスが使用する必要のあるボリュームドライバーの定義(具体的には
cinder.volume.drivers.dell_emc.ps.PSSeriesISCSIDriver
)が含まれます。
Dell EMC PS Series バックエンドを定義するには、適宜parameter_defaults セクションの設定を編集します。以下の表は、各パラメーターと、対応する /etc/cinder/cinder.conf
設定の一覧を示します。
パラメーター | /etc/cinder/cinder.conf setting | 説明 |
---|---|---|
CinderDellPsBackendName | volume_backend_name | ボリュームのバックエンドを識別する任意の名前。 |
CinderDellPsSanIp | san_ip | SSH 経由で Dell EMC PS Series Group に到達するのに使用される IP アドレス。 |
CinderDellPsSanLogin | san_login |
SSH 経由でCinderDellPsSanIp の Groupマネージャーにログインするためのユーザー名。デフォルトのユーザー名は |
CinderDellPsSanPassword | san_password |
CinderDellPsSanLogin の対応するパスワード。デフォルトのパスワードは |
CinderDellPsSanThinProvision | san_thin_provision |
この設定に必要な SAN ボリュームのシンプロビジョニングを有効( |
CinderDellPsGroupname | eqlx_group_name |
Block Storage サービスがボリュームとスナップショットを作成するプールに使用されるグループ。デフォルトのグループは |
CinderDellPsPool | eqlx_pool |
Block Storage サービスがボリュームとスナップショットを作成するプール。このオプションは、1 つの Dell EMC PS Series Group の Block Storage サービスが使用する複数のプールには使用できません。デフォルトのプールは |
CinderDellPsChapLogin | eqlx_chap_login |
プール内の各ボリュームの CHAP ログインアカウント。デフォルトのアカウント名は |
CinderDellPsChapPassword | eqlx_chap_password | CinderDellPsChapLogin の対応するパスワード。デフォルトのパスワードは 16 進数で無作為に生成されるので、このパスワードは手動で設定する必要があります。 |
CinderDellPsUseChap | eqlx_use_chap |
CHAP 認証を無効にする(デフォルトでは |