7.7. マルチディスククラスターのルートディスクの定義
ノードで複数のディスクが使用されている場合には、director はプロビジョニング時にルートディスクを特定する必要があります。たとえば、ほとんどの Ceph Storage ノードでは、複数のディスクが使用されます。デフォルトのプロビジョニングプロセスでは、director はルートディスクにオーバークラウドイメージを書き込みます。
以下のプロパティーを定義すると、director がルートディスクを特定するのに役立ちます。
-
model
(文字列): デバイスの ID -
vendor
(文字列): デバイスのベンダー -
serial
(文字列): ディスクのシリアル番号 -
hctl
(文字列): SCSI のホスト、チャンネル、ターゲット、Lun -
size
(整数):デバイスのサイズ (GB 単位) -
wwn
(文字列): 一意のストレージ ID -
wwn_with_extension
(文字列): ベンダー拡張子を追加した一意のストレージ ID -
wwn_vendor_extension
(文字列): 一意のベンダーストレージ ID -
rotational
(ブール値): 回転式デバイス (HDD) には true、そうでない場合 (SSD) には false -
name
(文字列): デバイス名 (例: /dev/sdb1)
name
プロパティーは、永続デバイス名が付いたデバイスにのみ使用します。他のデバイスのルートディスクを設定する際に、name
を使用しないでください。この値は、ノードのブート時に変更される可能性があります。
シリアル番号を使用してルートデバイスを指定するには、以下の手順を実施します。
手順
各ノードのハードウェアイントロスペクションからのディスク情報を確認します。以下のコマンドを実行して、ノードのディスク情報を表示します。
(undercloud) $ openstack baremetal introspection data save 1a4e30da-b6dc-499d-ba87-0bd8a3819bc0 | jq ".inventory.disks"
たとえば、1 つのノードのデータで 3 つのディスクが表示される場合があります。
[ { "size": 299439751168, "rotational": true, "vendor": "DELL", "name": "/dev/sda", "wwn_vendor_extension": "0x1ea4dcc412a9632b", "wwn_with_extension": "0x61866da04f3807001ea4dcc412a9632b", "model": "PERC H330 Mini", "wwn": "0x61866da04f380700", "serial": "61866da04f3807001ea4dcc412a9632b" } { "size": 299439751168, "rotational": true, "vendor": "DELL", "name": "/dev/sdb", "wwn_vendor_extension": "0x1ea4e13c12e36ad6", "wwn_with_extension": "0x61866da04f380d001ea4e13c12e36ad6", "model": "PERC H330 Mini", "wwn": "0x61866da04f380d00", "serial": "61866da04f380d001ea4e13c12e36ad6" } { "size": 299439751168, "rotational": true, "vendor": "DELL", "name": "/dev/sdc", "wwn_vendor_extension": "0x1ea4e31e121cfb45", "wwn_with_extension": "0x61866da04f37fc001ea4e31e121cfb45", "model": "PERC H330 Mini", "wwn": "0x61866da04f37fc00", "serial": "61866da04f37fc001ea4e31e121cfb45" } ]
openstack baremetal node set --property root_device=
コマンドを実行して、ノードのルートディスクを設定します。ルートディスクを定義するのに最も適切なハードウェア属性値を指定します。(undercloud) $ openstack baremetal node set --property root_device=’{“serial”:”<serial_number>”}' <node-uuid>
たとえば、ルートデバイスをシリアル番号が
61866da04f380d001ea4e13c12e36ad6
の disk 2 に設定するには、以下のコマンドを実行します。
(undercloud) $ openstack baremetal node set --property root_device='{"serial": "61866da04f380d001ea4e13c12e36ad6"}' 1a4e30da-b6dc-499d-ba87-0bd8a3819bc0
+
各ノードの BIOS を設定して、選択したルートディスクからのブートを含めるようにします。最初にネットワークからのブートを試み、次にルートディスクからのブートを試みるように、ブート順序を設定します。
director は、ルートディスクとして使用する特定のディスクを把握します。openstack overcloud deploy
コマンドを実行すると、director はオーバークラウドをプロビジョニングし、ルートディスクにオーバークラウドのイメージを書き込みます。