12.2. オーバークラウド環境の変更
オーバークラウドを変更して、新たな機能を追加したり、既存の操作を変更したりすることができます。オーバークラウドを変更するには、カスタムの環境ファイルと heat テンプレートに変更を加えて、最初に作成したオーバークラウドから openstack overcloud deploy
コマンドをもう 1 度実行します。たとえば、「デプロイメントコマンド」に記載の手順を使用してオーバークラウドを作成した場合には、以下のコマンドを再度実行します。
$ source ~/stackrc (undercloud) $ openstack overcloud deploy --templates \ -e ~/templates/node-info.yaml \ -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/network-isolation.yaml \ -e ~/templates/network-environment.yaml \ -e ~/templates/storage-environment.yaml \ --ntp-server pool.ntp.org
director は heat 内の overcloud
スタックを確認してから、環境ファイルと heat テンプレートのあるスタックで各アイテムを更新します。director はオーバークラウドを再度作成せずに、既存のオーバークラウドに変更を加えます。
カスタム環境ファイルからパラメーターを削除しても、パラメーター値はデフォルト設定に戻りません。/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates
のコア heat テンプレートコレクションからデフォルト値を特定し、カスタム環境ファイルでその値を手動で設定する必要があります。
新規環境ファイルを追加する場合には、`-e` オプションを使用して openstack overcloud deploy
コマンドにそのファイルを追加します。以下に例を示します。
$ source ~/stackrc (undercloud) $ openstack overcloud deploy --templates \ -e ~/templates/new-environment.yaml \ -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/network-isolation.yaml \ -e ~/templates/network-environment.yaml \ -e ~/templates/storage-environment.yaml \ -e ~/templates/node-info.yaml \ --ntp-server pool.ntp.org
このコマンドにより、環境ファイルからの新規パラメーターやリソースがスタックに追加されます。
オーバークラウドの設定に手動で変更を加えることは推奨されません。director によりこれらの変更が後で上書きされてしまう可能性があるためです。