8.3. ベアメタルノードのプロビジョニング
新しい YAML ファイル ~/overcloud-baremetal-deploy.yaml
を作成し、デプロイするベアメタルノードの数と属性を定義して、これらのノードにオーバークラウドロールを割り当てます。プロビジョニングプロセスにより heat 環境ファイルが作成され、そのファイルを openstack overcloud deploy
コマンドに追加することができます。
前提条件
- アンダークラウドの正常なインストール。詳細は、「director のインストール」を参照してください。
- イントロスペクション済みで、プロビジョニングおよびデプロイメントに利用可能なベアメタルノード。詳細は、「オーバークラウドノードの登録」 および 「ノードのハードウェアの検査」 を参照してください。
手順
source コマンドで
stackrc
アンダークラウド認証情報ファイルを読み込みます。$ source ~/stackrc
新しい
~/overcloud-baremetal-deploy.yaml
ファイルを作成し、プロビジョニングする各ロールのノード数を定義します。たとえば、コントローラーノード 3 つとコンピュートノード 3 つをプロビジョニングするには、以下の構文を使用します。- name: Controller count: 3 - name: Compute count: 3
~/overcloud-baremetal-deploy.yaml
ファイルで、予測可能なノード配置、カスタムイメージ、カスタム NIC、またはノードに割り当てるその他の属性を定義します。たとえば、以下の例の構文を使用すると、3 つのコントローラーノードがノードnode00
、node01
、およびnode02
に、3 つのコンピュートノードがノードnode04
、node05
、およびnode06
に、それぞれプロビジョニングされます。- name: Controller count: 3 instances: - hostname: overcloud-controller-0 name: node00 - hostname: overcloud-controller-1 name: node01 - hostname: overcloud-controller-2 name: node02 - name: Compute count: 3 instances: - hostname: overcloud-novacompute-0 name: node04 - hostname: overcloud-novacompute-1 name: node05 - hostname: overcloud-novacompute-2 name: node06
デフォルトでは、プロビジョニングプロセスには
overcloud-full
イメージが使用されます。instances
パラメーターでimage
属性を使用して、カスタムイメージを定義することができます。- name: Controller count: 3 instances: - hostname: overcloud-controller-0 name: node00 image: href: overcloud-custom
ノードエントリーごとに手動でノードを定義するのを避けるために、
defaults
パラメーターでデフォルトのパラメーター値を上書きすることもできます。- name: Controller count: 3 defaults: image: href: overcloud-custom instances: - hostname :overcloud-controller-0 name: node00 - hostname: overcloud-controller-1 name: node01 - hostname: overcloud-controller-2 name: node02
ノード定義ファイルで使用できるパラメーター、属性、および値についての詳しい情報は、「ベアメタルノードプロビジョニングの属性」を参照してください。
~/overcloud-baremetal-deploy.yaml
ファイルを指定し、--output
オプションで出力ファイルを定義して、プロビジョニングコマンドを実行します。(undercloud) $ sudo openstack overcloud node provision \ --stack stack \ --output ~/overcloud-baremetal-deployed.yaml \ ~/overcloud-baremetal-deploy.yaml
プロビジョニングプロセスにより、
--output
オプションで指定する名前の heat 環境ファイルが生成されます。このファイルには、ノード定義が含まれます。オーバークラウドをデプロイする際に、このファイルをデプロイメントコマンドに追加します。別のターミナルでノードをモニタリングし、プロビジョニングが正常に行われていることを確認します。プロビジョニングプロセスでは、ノードの状態が
available
からactive
に変わります。(undercloud) $ watch openstack baremetal node list
metalsmith
ツールを使用して、割り当てや neutron ポートなどを含むノードの統合ビューを取得します。(undercloud) $ metalsmith list
また、
openstack baremetal allocation
コマンドを使用して、ノードのホスト名への関連付けを確認し、プロビジョニングしたノードの IP アドレスを取得することもできます。(undercloud) $ openstack baremetal allocation list
ノードが正常にプロビジョニングされると、オーバークラウドをデプロイすることができます。詳細は、9章事前にプロビジョニングされたノードを使用した基本的なオーバークラウドの設定 を参照してください。