1.4. Red Hat OpenStack Platform でのコンテナー化について
アンダークラウドおよびオーバークラウド上の各 OpenStack Platform サービスは、対応するノード上の個別の Linux コンテナー内で実行されます。このコンテナー化により、サービスを分離し、環境を維持し、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) をアップグレードすることができます。
Red Hat OpenStack Platform 16.0 では、Red Hat Enterprise Linux 8.1 オペレーティングシステムへのインストールがサポートされます。Red Hat Enterprise Linux 8.1 には Docker が含まれなくなり、Docker エコシステムに代わる新たなツールセットが用意されています。したがって、OpenStack Platform 16.0 では、Docker に代わるこれらの新しいツールにより、OpenStack Platform のデプロイメントおよびアップグレードを行います。
- Podman
Pod Manager (Podman) はコンテナー管理用のツールです。このツールには、ほとんどすべての Docker CLI コマンドが実装されています。ただし、Docker Swarm に関連するコマンドは含まれません。Podman は、ポッド、コンテナー、およびコンテナーイメージを管理します。Podman と Docker の主な違いの 1 つは、Podman がバックグラウンドでデーモンを実行せずにリソースを管理できることです。
Podman についての詳しい情報は、Podman の Web サイト を参照してください。
- Buildah
Buildah は Open Containers Initiative (OCI) イメージのビルドに特化したツールで、Podman と共に使用します。Buildah コマンドは、Dockerfile の内容と等価です。Buildah は、コンテナーイメージをビルドするための低レベル
coreutils
インターフェースも提供します。したがって、コンテナーをビルドするのに Dockerfile は必要ありません。また、Buildah は他のスクリプト言語を使用してコンテナーイメージをビルドしますが、その際にデーモンは必要ありません。Buildah についての詳しい情報は、Buildah の Web サイト を参照してください。
- Skopeo
- Skopeo により、運用者はリモートコンテナーイメージを検査することができます。これは、director がイメージをプルする際にデータを収集するのに役立ちます。この機能に加えて、コンテナーイメージをあるレジストリーから別のレジストリーにコピーしたり、イメージをレジストリーから削除したりすることもできます。
Red Hat では、オーバークラウド用コンテナーイメージの管理に関して、以下の方法をサポートしています。
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コンテナーイメージを Red Hat Container Catalog からアンダークラウド上の
image-serve
レジストリーにプルし、続いてそのイメージをimage-serve
レジストリーからプルする。イメージをアンダークラウドにプルする際には、複数のオーバークラウドノードが外部接続を通じて同時にコンテナーイメージをプルする状況を避けてください。 - Satellite 6 サーバーからコンテナーイメージをプルする。ネットワークトラフィックは内部になるため、これらのイメージを Satellite から直接プルすることができます。
本ガイドでは、コンテナーイメージレジストリー情報の設定および基本的なコンテナー操作の実施について説明します。