7.15. オーバークラウドデプロイメントへの環境ファイルの追加


オーバークラウドをカスタマイズするための環境ファイルを追加するには、-e オプションを使用します。必要に応じていくつでも環境ファイルを追加することができます。ただし、後で指定する環境ファイルで定義されるパラメーターとリソースが優先されることになるため、環境ファイルの順番は重要です。以下の一覧は、環境ファイルの順序の例です。

  • 各ロールのノード数およびフレーバー。オーバークラウドを作成するには、この情報の追加は不可欠です。
  • コンテナー化された OpenStack サービスのコンテナーイメージの場所
  • 任意のネットワーク分離ファイル。heat テンプレートコレクションの初期化ファイル (environments/network-isolation.yaml) から開始して、次にカスタムの NIC 設定ファイル、最後に追加のネットワーク設定の順番です。詳しい情報は、『Advanced Overcloud Customization』の以下の章を参照してください。

  • 外部のロードバランサーを使用している場合には、外部の負荷分散機能の環境ファイル。詳しい情報は、『 External Load Balancing for the Overcloud 』を参照してください。
  • Ceph Storage、NFS、または iSCSI 等のストレージ環境ファイル
  • Red Hat CDN または Satellite 登録用の環境ファイル
  • その他のカスタム環境ファイル

-e オプションを使用してオーバークラウドに追加した環境ファイルはいずれも、オーバークラウドのスタック定義の一部となります。

以下のコマンドは、本シナリオの初期に定義した環境ファイルを使用してオーバークラウドの作成を開始する方法の一例です。

(undercloud) $ openstack overcloud deploy --templates \
  -e /home/stack/templates/node-info.yaml\
  -e /home/stack/containers-prepare-parameter.yaml \
  -e /home/stack/inject-trust-anchor-hiera.yaml
  -r /home/stack/templates/roles_data.yaml \

上記のコマンドでは、以下の追加オプションも使用できます。

--templates
/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates の heat テンプレートコレクションをベースとして使用し、オーバークラウドを作成します。
-e /home/stack/templates/node-info.yaml
各ロールに使用するノード数とフレーバーを定義する環境ファイルを追加します。
-e /home/stack/containers-prepare-parameter.yaml
コンテナーイメージ準備の環境ファイルを追加します。このファイルはアンダークラウドのインストール時に生成したもので、オーバークラウドの作成に同じファイルを使用することができます。
-e /home/stack/inject-trust-anchor-hiera.yaml
アンダークラウドにカスタム証明書をインストールする環境ファイルを追加します。
-r /home/stack/templates/roles_data.yaml
(オプション) カスタムロールを使用する、またはマルチアーキテクチャークラウドを有効にする場合に生成されるロールデータ。詳細は、「アーキテクチャーに固有なロールの作成」 を参照してください。

director は、再デプロイおよびデプロイ後の機能にこれらの環境ファイルを必要とします。これらのファイルが含まれていない場合には、オーバークラウドが破損する可能性があります。

これ以降の段階でオーバークラウド設定を変更するには、以下の操作を実施します。

  1. カスタムの環境ファイルおよび heat テンプレートのパラメーターを変更します。
  2. 同じ環境ファイルを指定して openstack overcloud deploy コマンドを再度実行します。

オーバークラウドの設定は直接編集しないでください。手動で設定しても、オーバークラウドスタックの更新時に、director が設定を上書きするためです。

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