7.8. overcloud-minimal イメージの使用による Red Hat サブスクリプションエンタイトルメントの使用回避
デフォルトでは、プロビジョニングプロセス中 director はルートディスクに QCOW2 overcloud-full
イメージを書き込みます。overcloud-full
イメージには、有効な Red Hat サブスクリプションが使用されます。ただし、overcloud-minimal
イメージを使用して、たとえばベア OS をプロビジョニングすることもできます。この場合、他の OpenStack サービスは使用されないので、サブスクリプションエンタイトルメントは消費されません。
この典型的なユースケースは、Ceph デーモンのみを持つノードをプロビジョニングする場合です。この場合や類似のユースケースでは、overcloud-minimal
イメージのオプションを使用して、有償の Red Hat サブスクリプションが限度に達するのを避けることができます。overcloud-minimal
イメージの取得方法についての情報は、「オーバークラウド ノードのイメージの取得 」を参照してください。
Red Hat OpenStack Platform のサブスクリプションには Open vSwitch (OVS) が含まれますが、overcloud-minimal
イメージを使用する場合には、OVS 等のコアサービスは利用できません。Ceph Storage ノードをデプロイするのに OVS は必要ありません。ovs_bond を使用してボンディングを定義する代わりに、linux_bond を使用します。linux_bond
の詳細は、『オーバークラウドの高度なカスタマイズ』の「 Linux ボンディングのオプション 」を参照してください。
手順
overcloud-minimal
イメージを使用するように director を設定するには、以下のイメージ定義を含む環境ファイルを作成します。parameter_defaults: <roleName>Image: overcloud-minimal
<roleName>
をロール名に置き換え、ロール名にImage
を追加します。Ceph Storage ノードのovercloud-minimal
イメージの例を以下に示します。parameter_defaults: CephStorageImage: overcloud-minimal
-
この環境ファイルを
openstack overcloud deploy
コマンドに渡します。
overcloud-minimal
イメージでは、標準の Linux ブリッジしかサポートされません。OVS は Red Hat OpenStack Platform のサブスクリプションエンタイトルメントが必要な OpenStack サービスなので、このイメージでは OVS はサポートされません。