第2章 デプロイメントの例: Compute および Ceph サービスを持つ高可用性クラスター
以下のシナリオ例で、OpenStack Compute サービスおよび Red Hat Ceph Storage を持つ高可用性デプロイメントのアーキテクチャー、ハードウェアおよびネットワークの仕様、ならびにアンダークラウドおよびオーバークラウドの設定ファイルについて説明します。
このデプロイメントはテスト環境の参照用として使用することを目的としており、実稼働環境用としてはサポートされません。
図2.1 高可用性デプロイメントアーキテクチャーの例
Red Hat Ceph Storage クラスターのデプロイについての詳しい情報は、『コンテナー化された Red Hat Ceph を持つオーバークラウドのデプロイ』を参照してください。
director を使用した Red Hat OpenStack Platform のデプロイについての詳しい情報は、『director のインストールと使用方法』を参照してください。
2.1. ハードウェアの仕様
以下の表は、デプロイメント例で使用されているハードウェアを示しています。ご自分のテストデプロイメントのニーズに応じて、CPU、メモリー、ストレージ、または NIC を調整することができます。
コンピューターの台数 | 目的 | CPU の数 | メモリー容量 | ディスク容量 | 電源管理 | NIC の数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | アンダークラウドノード | 4 | 6144 MB | 40 GB | IPMI | 2 (外部 x 1、プロビジョニング x 1) + 1 IPMI |
3 | コントローラーノード | 4 | 6144 MB | 40 GB | IPMI | 3 (オーバークラウド上のボンディング x 2、プロビジョニング x 1) + 1 IPMI |
3 | Ceph Storage ノード | 4 | 6144 MB | 40 GB | IPMI | 3 (オーバークラウド上のボンディング x 2、プロビジョニング x 1) + 1 IPMI |
2 | コンピュートノード (必要に応じて追加する) | 4 | 6144 MB | 40 GB | IPMI | 3 (オーバークラウド上のボンディング x 2、プロビジョニング x 1) + 1 IPMI |
ハードウェアの割り当てを計画する際には、以下のガイドラインを確認してください。
- コントローラーノード
- ストレージ以外のほとんどのサービスは、コントローラノード上で実行される。すべてのサービスは 3 つのノードにわたって複製され、アクティブ/アクティブまたはアクティブ/パッシブのサービスとして設定される。HA 環境には、最低でも 3 つのノードが必要である。
- Red Hat Ceph Storage ノード
- ストレージサービスはこれらのノード上で実行され、コンピュートノードに Red Hat Ceph Storage 領域プールを提供する。最低でも 3 つのノードが必要である。
- コンピュートノード
- 仮想マシン (VM) インスタンスは、コンピュートノード上で実行される。能力の要件ならびに移行およびリブート操作に必要な数だけ、コンピュートノードをデプロイすることができる。仮想マシンがストレージノード、他のコンピュートノード上の仮想マシン、およびパブリックネットワークにアクセスできるようにするため、コンピュートノードをストレージネットワークおよびプロジェクトネットワークに接続する必要がある。
- STONITH
- 高可用性オーバークラウドの Pacemaker クラスターの一部である各ノードには、STONITH デバイスを設定する必要があります。STONITH を使用しない高可用性オーバークラウドのデプロイはサポートの対象外です。STONITH および Pacemaker の詳細は、「Fencing in a Red Hat High Availability Cluster」および「Support Policies for RHEL High Availability Clusters - General Requirements for Fencing/STONITH」を参照してください。