6.2. セルデプロイメントのアーキテクチャー
それぞれのデプロイメント種別を使用することで、さまざまなユースケースに合わせてオーバークラウドを最適化することができます。
単一セルのデプロイメントアーキテクチャー (デフォルト)
デフォルトの単一セルオーバークラウドの基本的な構成および対話の例を以下の図に示します。
このデプロイメントでは、すべてのサービスが 1 つのコンダクターを使用して Compute API とコンピュートノード間の通信を行うように設定されます。また、1 つのデータベースに動作中の全インスタンスのデータが保管されます。
小規模なデプロイメントであれば、この構成で十分です。ただし、API レベルの (グローバルな) サービスまたはデータベースに障害が発生すると、高可用性の構成かどうかにかかわらず、Compute デプロイメント全体が情報を送受信できなくなります。
マルチセルのデプロイメントアーキテクチャー (カスタム)
カスタムのマルチセルオーバークラウドの基本的な構成および対話の例を以下の図に示します。
このデプロイメントでは、コンピュートノードは複数のセルに分割され、それぞれのセルは専用のコンダクター、データベース、およびメッセージキューを持ちます。グローバルなサービスは、スーパーコンダクターを使用して各セルと通信を行います。また、グローバルデータベースにはオーバークラウド全体に必要な情報だけが含まれます。
セルレベルのサービスは、グローバルなサービスに直接アクセスすることはできません。この分離により、セキュリティーが向上し、セルに障害が発生した場合のフェイルセーフ機能が得られます。
エッジサイトのデプロイメントでは、最初のセルを中央サイトにデプロイする必要があります。したがって、最初のセルはどのエッジサイトにもデプロイしないでください。最初のセルでは、Compute サービスを実行しないでください。その代わりに、コンピュートノードが含まれる各新規セルをエッジサイトに個別にデプロイします。