第3章 オーバークラウドの作成
IPv6 ネットワークを使用するオーバークラウドを作成するには、openstack overcloud deploy
コマンドに追加の引数が必要です。以下に例を示します。
$ openstack overcloud deploy --templates \ -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/network-isolation.yaml \ -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/net-single-nic-with-vlans.yaml \ -e /home/stack/templates/network-environment.yaml \ --ntp-server pool.ntp.org \ [ADDITIONAL OPTIONS]
上記のコマンドは、以下のオプションを使用します。
-
--templates
: デフォルトの Heat テンプレートコレクションからオーバークラウドを作成します。 -
-e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/network-isolation.yaml
- オーバークラウドデプロイメントに別の環境ファイルを追加します。ここでは、IPv6 向けのネットワーク分離の設定を初期化する環境ファイルを追加します。 -
-e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/net-single-nic-with-vlans.yaml
: オーバークラウドのデプロイメントに別の環境ファイルを追加します。ここでは、IPv6 向けのネットワーク分離の設定を初期化する環境ファイルを追加します。 -e /home/stack/network-environment.yaml
: オーバークラウドのデプロイメントに別の環境ファイルを追加します。この場合は、IPv6 に関するオーバーライドが含まれます。network_data.yaml に
ipv6: true
の設定が含まれるようにします。以前のバージョンの Red Hat OpenStack Platform director には、2 つのデフォルトルートが含まれていました (外部ネットワーク上の IPv6 用ルートおよびコントロールプレーン上の IPv4 用ルート)。両方のデフォルトルートを使用するには、roles_data.yaml のコントローラー定義の default_route_networks に、両方のネットワークが含まれるようにしてください (例:default_route_networks: ['External', 'ControlPlane']
)。-
--ntp-server pool.ntp.org
: NTP サーバーを設定します。
オーバークラウドの作成プロセスが開始され、director によりノードがプロビジョニングされます。このプロセスは完了するまで多少時間がかかります。オーバークラウドの作成のステータスを確認するには、stack
ユーザーとして別のターミナルを開き、以下を実行します。
$ source ~/stackrc $ heat stack-list --show-nested
3.1. オーバークラウドへのアクセス
director は、director ホストからオーバークラウドに対話するための設定を行い、認証をサポートするスクリプトを作成します。director は、このファイル (overcloudrc
) を stack
ユーザーのホームディレクトリーに保存します。このファイルを使用するには、以下のコマンドを実行します。
$ source ~/overcloudrc
これにより、director ホストの CLI からオーバークラウドと対話するために必要な環境変数が読み込まれます。director のホストとの対話に戻るには、以下のコマンドを実行します。
$ source ~/stackrc