第6章 保存されている swift オブジェクトの暗号化
デフォルトでは、オブジェクトストレージにアップロードされるオブジェクトは暗号化されずに保存されます。したがって、ファイルシステムからオブジェクトに直接アクセスすることが可能です。このため、ディスクを破棄する前に適切に消去しなかった場合には、セキュリティーリスクとなってしまいます。barbican を有効にすると、Object Storage サービス (swift) は、保管されている (at-rest) オブジェクトを透過的に暗号化および復号化できます。at-rest 暗号化は、in-transit 暗号化とは異なり、ディスクに保管されている間にオブジェクトが暗号化されることを指します。
Swift はこれらの暗号化タスクを透過的に実行し、オブジェクトは swift にアップロードされる際には自動的に暗号化され、ユーザーに提供される際には自動的に復号化されます。この暗号化と復号化は、Barbican に保管されている同じ (対称) キーを使用して処理されます。
データが暗号化された状態で保存されているので、暗号化を有効にし、swift クラスターにデータを追加した後には暗号化を無効にすることはできません。その結果、同じキーで暗号化を再度有効にするまで、暗号化が無効になっている場合は、データは読み取りできなくなります。
6.1. swift 用の at-rest 暗号化の有効化
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環境ファイルに
SwiftEncryptionEnabled: True
を追加し、/home/stack/overcloud_deploy.sh
を使用してopenstack overcloud deploy
を再実行することで、swift 暗号化機能を有効にすることができます。「Barbican のインストール」の章で説明されているように、barbican を有効にする必要があります。 swift が at-rest 暗号化を使用するように設定されていることを確認します。
$ crudini --get /var/lib/config-data/puppet-generated/swift/etc/swift/proxy-server.conf pipeline-main pipeline pipeline = catch_errors healthcheck proxy-logging cache ratelimit bulk tempurl formpost authtoken keystone staticweb copy container_quotas account_quotas slo dlo versioned_writes kms_keymaster encryption proxy-logging proxy-server
結果には、
encryption
のエントリーが含まれている必要があります。