2.4. OVN でのレイヤー 3 高可用性
OVN は、特別な設定なしでレイヤー 3 の高可用性 (L3 HA) をサポートします。OVN は、指定した外部ネットワークで L3 ゲートウェイとして機能することが可能なすべての利用可能なゲートウェイノードに対して、ルーターポートを自動的にスケジューリングします。OVN L3 HA は OVN Logical_Router_Port
テーブルの gateway_chassis
コラムを使用します。大半の機能は、バンドルされた active_passive の出力を使用する OpenFlow ルールによって管理されます。ovn-controller
は Address Resolution Protocol (ARP) リスポンダーとルーターの有効化/無効化を処理します。FIP 用の Gratuitous ARP およびルーターの外部アドレスも ovn-controller
によって定期的に送信されます。
L3HA は OVN を使用してルーターのバランスを取り、元のゲートウェイノードに戻して、ノードがボトルネックとなるのを防ぎます。
BFD モニタリング
OVN は双方向フォワーディング検出 (BFD) プロトコルを使用してゲートウェイノードの可用性をモニタリングします。このプロトコルは、ノード間で確立される Geneve トンネル上でカプセル化されます。
各ゲートウェイノードは、デプロイメント内のスタートポロジーを構成するその他すべてのゲートウェイノードをモニタリングします。ゲートウェイノードは、コンピュートノードもモニタリングして、パケットのルーティングの有効化/無効化および ARP の応答とアナウンスメントを行います。
各コンピュートノードは BFD を使用して、各ゲートウェイノードをモニタリングし、特定のルーターのアクティブなゲートウェイノードを介して送信元および宛先のネットワークアドレス変換 (SNAT および DNAT) などの外部のトラフィックを自動的に誘導します。コンピュートノードは他のコンピュートノードをモニタリングする必要はありません。
ML2-OVS 構成で検出されるような外部ネットワークのエラーは検出されません。
OVN 向けの L3 HA では、以下の障害モードがサポートされています。
- ゲートウェイノードがネットワーク (トンネリングインターフェース) から切断された場合。
-
ovs-vswitchd
が停止した場合 (ovs-switchd
が BFD のシグナリングを行う役割を果たします)。 -
ovn-controller
が停止した場合 (ovn-controller
は登録済みノードとして、それ自身を削除します)。
この BFD モニタリングメカニズムは、リンクのエラーのみで機能し、ルーティングのエラーには機能しません。