第1章 Open Virtual Network (OVN)
Open Virtual Network (OVN) は、インスタンスにネットワークサービスを提供する、Open vSwitch をベースとするソフトウェア定義ネットワーク (SDN) ソリューションです。OVN はプラットフォームに依存しない、OpenStack Networking API の完全なサポートを提供します。OVN により、ゲストインスタンスのグループを L2 または L3 プライベートネットワークにプログラムで接続することができます。OVN は、Red Hat の他のプラットフォームやソリューションを拡張することのできる仮想ネットワークの標準的な方法を採用しています。
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) の本リリースでは、ML2/OVS メカニズムドライバーから ML2/OVN メカニズムドライバーへの移行はサポートされません。RHOSP の本リリースでは、OpenStack コミュニティーの移行ストラテジーはサポートされません。移行サポートは、RHOSP の今後のリリースで予定されています。
移行サポートの進捗を追跡するには、https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=1862888 を参照してください。
最低限必要な Open vSwitch (OVS) のバージョンは OVS 2.9 です。
OVN はデフォルトで Python 3.6 パッケージを使用します。
本項では、director を使用した OVN のデプロイに必要なステップを説明します。
OVN は HA 環境でのみサポートされます。分散仮想ルーター (DVR) を使用して OVN をデプロイすることを推奨します。
1.1. 簡易ステップ: オーバークラウド上でのコンテナー化された OVN のデプロイ
OVN にすでに精通している場合には、以下の簡易ステップに従って、DVR を使用する OVN を HA 構成でオーバークラウド上にデプロイすることができます。
$ openstack overcloud deploy \
--templates /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates \
...
-e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services/neutron-ovn-dvr-ha.yaml
....