3.3. Red Hat OpenStack Platform 16.0.2 メンテナンスリリース
本リリースノートには主に、今回リリースされた Red Hat OpenStack Platform のデプロイメント時に考慮すべきテクノロジープレビューの項目、推奨事項、既知の問題、非推奨になった機能について記載します。
3.3.1. 機能拡張
Red Hat OpenStack Platform の今回のリリースでは、以下の機能拡張が提供されています。
- BZ#1653834
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今回の機能拡張により、ブール値パラメーター
NovaComputeEnableKsm
が追加されました。このパラメーターにより、コンピュートノードの ksm サービスおよび ksmtuned サービスが有効になります。それぞれの Compute ロールにNovaComputeEnableKsm
を設定することができます。デフォルト値は False です。 - BZ#1695898
- RADOS ゲートウェイに関連する director の操作では、puppet-ceph との対話が不要になりました。以前のリリースでは、tripleo-heat-templates には RADOS ゲートウェイコンポーネントのデプロイメント用の puppet-ceph の依存関係がありました。tripleo-ansible への移行により、この依存関係がなくなります。
- BZ#1696717
この機能により、Red Hat OpenStack Platform director は外部の Ceph Storage クラスターを使用して Shared File System(manila)をデプロイすることができます。この種のデプロイメントでは、Ganesha は引き続きアクティブ/パッシブ構成を使用して Pacemaker が管理するコントローラーノードで実行されます。
この機能は、Ceph Storage 4.1 以降でサポートされます。
- BZ#1749483
- Red Hat OpenStack Platform 16.0 の 2 つ目のメンテナンスリリースでは、OVS/ML2 の IP ポート転送はテクノロジープレビューから完全にサポートされます。詳細は、『 Command Line Interface Reference 』の「 floating ip port forwarding create command」を参照してください。
- BZ#1777052
Service Telemetry Framework(STF)リリース v1.0 が一般公開として利用可能になりました。STF は、Red Hat OpenStack Platform(RHOSP)の監視アプリケーションフレームワークの中核的なコンポーネントを提供します。これは、OpenShift 4.x にアプリケーションとしてデプロイされたデータストレージコンポーネントであり、Operator Lifecycle Manager によって管理されます。メトリクスおよびイベントのデータトランスポートは、AMQ Interconnect を使用して提供されます。
STF v1.0 のリリースは、テクノロジープレビューバージョンに置き換わります。
- BZ#1790753
- 今回の更新で、Block Storage サービス(cinder)が Ceph RADOS ブロックデバイス(RBD)ボリュームを複数のインスタンスに同時にアタッチできるようになりました。
- BZ#1790754
今回の更新により、Red Hat OpenStack Platform director を使用して Red Hat Ceph Storage Dashboard を有効化できるようになりました。Red Hat Storage Ceph Dashboard は、ビルトインの Web ベースの Ceph 管理および監視アプリケーションであり、クラスター内のさまざまな側面を視覚的に監視します。
Ceph Dashboard には Red Hat Ceph Storage 4.1 以降が必要です。
- BZ#1798917
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新しい Red Hat OpenStack Platform Orchestration サービス(heat)パラメーターは、Block Storage サービス(cinder)がスナップショットから作成される RADOS ブロックデバイス(RBD)ボリュームをフラット化するかどうかを制御します。ボリュームをフラット化すると、スナップショットの依存関係が削除されます。
CinderRbdFlattenVolumeFromSnapshot
の値を true に設定すると、cinder は RBD ボリュームをフラット化します。CinderRbdFlattenVolumeFromSnapshot
のデフォルト値はfalse
です。