第12章 障害のあるディスクの置き換え
Ceph クラスターでいずれかのディスクに障害が発生した場合には、以下の手順を実行してこれを置き換えます。
- デバイス名が変更されているかどうかを判断します。「デバイス名の変更の有無についての確認」を参照してください。
- OSD がダウンし、破棄されていることを確認します。「OSD がダウンし、破棄されていることの確認」を参照してください。
- システムから古いディスクを削除し、交換ディスクをインストールする場合は、「システムから古いディスクを削除し、交換ディスクをインストールします。」を参照してください。
- ディスクの置き換えが正常に行われたことを確認します。「ディスクの置き換えが正常に行われたことの確認」を参照してください。
12.1. デバイス名の変更の有無についての確認
ディスクを置き換える前に、オペレーティングシステムで交換用 OSD の交換ディスクの名前が置き換える必要のあるデバイスの名前とは異なるかどうかを判別します。交換ディスクの名前が異なる場合は、デバイスリストの Ansible パラメーターを更新し、ceph-ansible
のその後の実行 (director が ceph-ansible
を実行する場合を含む) がこの変更が原因で失敗しないようにする必要があります。director を使用する際に変更する必要のあるデバイスリストの例については、「Ceph Storage ノードのディスクレイアウトのマッピング」を参照してください。
デバイス名が変更され、以下の手順に従って ceph-ansible
または director 外でシステムを更新する場合、設定管理ツールは、システム定義ファイルを更新し、設定がエラーなしに再度アサートされるまで管理しているシステムと同期しなくなる可能性があります。
ストレージデバイスの永続的な命名
sd
ドライバーが管理するストレージデバイスは、再起動後も常に同じ名前を持つとは限りません。たとえば、通常は /dev/sdc
で識別されるディスクには /dev/sdb
という名前が付けられる可能性があります。また、交換ディスク /dev/sdc
は、これを /dev/sdc
の置き換えとして使用する必要がある場合でも /dev/sdd
としてオペレーティングシステムに表示される可能性があります。この問題を回避するには、永続的な名前を使用して、/dev/disk/by-*
のパターンに一致させます。詳細は、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 7ストレージ管理ガイドの 永続的な命名 を参照してください。
Ceph のデプロイに使用する命名方法によっては、OSD の置き換え後に devices
リストを更新する必要がある場合があります。デバイスリストを変更する必要があるかどうかを判断するには、以下の命名方法のリストを使用します。
- メジャー番号およびマイナー番号の範囲を使用する方法
sd
を使用ている場合で、新規ディスクのインストール後もこれを引き続き使用する場合、名前が変更されているかどうかを確認します。名前が変更されていない場合、たとえば、同じ名前が/dev/sdd
として正しく表示される場合、ディスク置き換えの手順の完了後に名前を変更する必要はありません。重要この命名方法は、時間の経過と共に名前の一貫性を保てなくなるリスクがあるために推奨されません。詳細は、RHEL 7ストレージ管理ガイドの 永続的な命名 を参照してください。
by-path
方式この方法を使用して、同じスロットに交換ディスクを追加する場合は、パスの一貫性が保たれるため、変更は必要ありません。
重要メジャー番号とマイナー番号の範囲を使用する方法よりもこの命名方法を使用することが推奨されますが、ターゲット番号が変更されないように注意してください。たとえば、ホストアダプターが別の PCI スロットに移動する場合、永続バインディングを使用し、名前を更新します。さらに、SCSI ホスト番号は、HBA がプローブに失敗した場合、ドライバーが別の順序でロードされる場合、または新規の HBA がシステムにインストールされる場合に変更される可能性があります。
by-path
命名方法は、RHEL7 と RHEL8 間で異なります。詳細は、- 記事 [What is the difference between "by-path" links created in RHEL8 and RHEL7?] https://access.redhat.com/solutions/5171991
- RHEL 8ファイルシステムの管理の 永続的な命名属性の概要
by-uuid
方式-
この方法を使用する場合は、
blkid
ユーティリティーを使用して、古いディスクと同じ UUID を持つように新しいディスクを設定できます。詳細は、RHEL 7ストレージ管理ガイドの 永続的な命名 を参照してください。 by-id
方式- この方法を使用する場合は、この識別子がデバイスのプロパティーであり、デバイスは置き換えられているため、デバイスリストを変更する必要があります。
新しいディスクをシステムに追加する際に、RHEL7 ストレージ管理ガイド(永続的な命名 を参照) に従って、デバイス名が変更されないように永続的な命名属性を変更できる場合、デバイスリストを更新して ceph-ansible
を再実行したり、director をトリガーして ceph-ansible
を再実行したりする必要はなく、ディスク交換の手順に進むことができます。ただし、ceph-ansible
を再実行して、変更によって不整合が生じていないことを確認できます。