第7章 基本的なオーバークラウドの設定
基本設定のオーバークラウドには、カスタム機能は含まれません。基本的な Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 環境を設定するには、次のタスクを実行する必要があります。
- オーバークラウドのベアメタルノードを登録します。
- ベアメタルノードのハードウェアのインベントリーをディレクターに提供します。
- 各ベアメタルノードに、ノードを指定されたロールに一致させるリソースクラスでタグ付けします。
この基本的なオーバークラウドに高度な設定オプションを追加して、仕様に合わせてカスタマイズできます。詳細は、Advanced Overcloud Customization を参照してください。
7.1. オーバークラウドノードの登録 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ディレクターには、ノードのハードウェアと電源管理の詳細を指定するノード定義テンプレートが必要です。このテンプレートは、JSON 形式の nodes.json または YAML 形式の nodes.yaml で作成できます。
手順
ノードをリスト表示する
nodes.jsonまたはnodes.yamlという名前のテンプレートを作成します。以下の例に示す JSON および YAML テンプレートを使用して、ノード定義のテンプレートを設定する方法を説明します。JSON テンプレートの例
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow YAML テンプレートの例
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このテンプレートには、以下の属性が含まれます。
- name
- ノードの論理名
- pm_type
使用する電源管理ドライバー。この例では IPMI ドライバー (
ipmi) を使用しています。注記IPMI が推奨されるサポート対象電源管理ドライバーです。サポート対象電源管理ドライバーの種別およびそのオプションに関する詳細は、30章電源管理ドライバー を参照してください。それらの電源管理ドライバーが想定どおりに機能しない場合には、電源管理に IPMI を使用してください。
- pm_user、pm_password
- IPMI のユーザー名およびパスワード
- pm_addr
- IPMI デバイスの IP アドレス
- pm_port (オプション)
- 特定の IPMI デバイスにアクセスするためのポート
- address
- (オプション) ノード上のネットワークインターフェイスの MAC アドレスリスト。各システムのプロビジョニング NIC の MAC アドレスのみを使用します。
- physical_network
- (オプション) プロビジョニング NIC に接続される物理ネットワーク
- local_link_connection
-
(オプション) IPv6 プロビジョニングを使用し、イントロスペクション中に LLDP がローカルリンク接続を正しく反映しない場合は、
local_link_connectionパラメーターのswitch_idおよびport_idフィールドにダミーのデータを含める必要があります。偽のデータを含める方法の詳細は、Using director introspection to collect bare metal node hardware information を参照してください。 - cpu
- (オプション) ノード上の CPU 数
- memory
- (オプション) メモリーサイズ (MB 単位)
- disk
- (オプション) ハードディスクのサイズ (GB 単位)
- arch
(オプション) システムアーキテクチャー
重要マルチアーキテクチャークラウドをビルドする場合には、
x86_64アーキテクチャーを使用するノードとppc64leアーキテクチャーを使用するノードを区別するためにarchキーが必須です。
テンプレートを作成したら、以下のコマンドを実行してフォーマットおよび構文を検証します。
source ~/stackrc
$ source ~/stackrc (undercloud)$ openstack overcloud node import --validate-only ~/nodes.jsonCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 重要マルチアーキテクチャーノードの場合は、
--http-boot /var/lib/ironic/tftpboot/オプションも追加する必要があります。stackユーザーのホームディレクトリーにファイルを保存し (/home/stack/nodes.json)、続いて以下のコマンドを実行してテンプレートを director にインポートします。openstack overcloud node import ~/nodes.json
(undercloud)$ openstack overcloud node import ~/nodes.jsonCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このコマンドにより、それぞれのノードがテンプレートから director に登録されます。UEFI ブートモードを使用する場合は、各ノードでブートモードも設定する必要があります。UEFI ブートモードを設定せずにノードをイントロスペクトすると、ノードはレガシーモードでブートします。詳細は、Setting the boot mode to UEFI boot mode を参照してください。
ノードの登録および設定が完了するまで待ちます。完了したら、ノードが director に正しく登録されていることを確認します。
openstack baremetal node list
(undercloud)$ openstack baremetal node listCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow