2.2. Red Hat OpenStack Platform 16.1 における変更点の概要
Red Hat OpenStack Platform 16.1 へのアップグレード時に、以下に概要を示す変更が行われます。
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OpenStack Platform director 16.1 では、
config-download
と呼ばれる Ansible による手法を使用してオーバークラウドを設定します。これは、標準の heat ベースの設定手法に代わるものです。director は引き続き heat を使用してプロビジョニング操作のオーケストレーションを行います。 -
director のインストールには、オーバークラウドのデプロイメントと同じ手法が使用されます。したがって、アンダークラウドでの各サービスのインストールおよび設定にも、ブループリントとして
openstack-tripleo-heat-templates
が使用されます。 - アンダークラウドでは、OpenStack サービスはコンテナー内で実行されます。
- アンダークラウドは、新たな方法でコンテナーイメージをプルして保管します。オーバークラウドのデプロイ前にコンテナーイメージをプルする代わりに、アンダークラウドはデプロイメントプロセス中に関連するすべてのコンテナーイメージをプルします。
- オーバークラウドのデプロイメントプロセスには、ノードを登録するための Advanced Subscription Management 手法が含まれます。この手法には、OpenStack Platform ノードを登録するための Ansible ロールが組み込まれています。さらに、新しい手法では、必要に応じて異なるノードロールに異なるサブスクリプションを適用します。
- オーバークラウドは、デフォルトの ML2 メカニズムドライバーとして Open Virtual Network (OVN) を使用するようになりました。Open vSwitch (OVS) サービスを OVN に移行することができます。この移行は、アップグレードが正常に完了した後に実施します。
- アンダークラウドおよびオーバークラウドは、共に Red Hat Enterprise Linux 8 上で動作します。
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openstack-tripleo-heat-templates
には、deployment
ディレクトリーに統一されたコンポーザブルサービステンプレートコレクションが含まれています。このディレクトリーに含まれるテンプレートのコンテンツは、コンテナー化されたサービスと Puppet ベースのコンポーザブルサービスの両テンプレートからのコンテンツをマージしたものです。 OpenStack Data Processing サービス (sahara) はサポートされなくなりました。
重要お使いの Red Hat OpenStack Platform 13 環境で sahara を有効にしている場合には、このアップグレードを続行せず、Red Hat Global Support Services にお問い合わせください。
- Service Telemetry Framework (STF) を優先し、OpenStack Telemetry のコンポーネントは非推奨になりました。