1.5. Modular Layer 2 (ML2) メカニズムドライバー
Modular Layer 2 (ML2) プラグインは、共通のコードベースを持つメカニズムとして実装されます。このアプローチにより、コードの再利用が可能になる上、コードのメンテナンスとテストにおける複雑性が大幅に軽減されます。
Orchestration サービス (heat) パラメーター NeutronMechanismDrivers
を使用して、メカニズムドライバーを有効にします。heat カスタム環境ファイルの例を以下に示します。
parameter_defaults: ... NeutronMechanismDrivers: ansible,ovn,baremetal ...
メカニズムドライバーを指定する順番が重要です。上記の例で、ベアメタルメカニズムドライバーを使用してポートをバインドする場合は、ansible
の前に baremetal
を指定する必要があります。この順番で指定しないと、ansible ドライバーがポートをバインドします。NeutronMechanismDrivers
の値のリストでは、ansible が baremetal
に優先するためです。
RHOSP 15 以降のすべての新規デプロイメントについて、Red Hat では ML2/OVN をデフォルトのメカニズムドライバーとして選択しました。これは、今日のほとんどのお客様にとって ML2/OVS メカニズムドライバー以上のメリットが即座に得られるためです。継続して ML2/OVN 機能セットの拡張および改善を行っているため、これらのメリットはリリースと共に拡大します。
非推奨の ML2/OVS メカニズムドライバーは、RHOSP 17 リリースでサポートされます。この間、ML2/OVS ドライバーはメンテナンスモードのままで、バグ修正と通常のサポートを受け、ほとんどの新機能開発は ML2/OVN メカニズムドライバーで行われます。
RHOSP 18.0 では、Red Hat は ML2/OVS メカニズムドライバーを完全に削除し、サポートを停止する予定です。
既存の Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) デプロイメントで ML2/OVS メカニズムドライバーを使用している場合は、今すぐメカニズムドライバーへの移行計画の評価を開始してください。移行は RHOSP 16.2 でサポートされており、RHOSP 17.1 でもサポートされる予定です。移行ツールの使用は、RHOSP 17.0 でのテスト目的に限定されています。
ML2/OVS から ML2/OVN への移行を試みる前に、プロアクティブケースを作成する必要があります。プロアクティブケースを作成しない場合、Red Hat では移行をサポートしません。How to open a proactive case for a planned activity on Red Hat OpenStack Platform? を参照してください。
関連情報
- Component, Plug-In, and Driver Support in Red Hat OpenStack Platformの Neutron
- Advanced Overcloud Customization の Environment files
- Advanced Overcloud Customization ガイドの Including environment files in overcloud creation