7.5. Extreme Exos スイッチの設定
7.5.1. トランクポートについて
OpenStack Networking により、インスタンスを物理ネットワーク上にすでに存在する VLAN に接続することができます。トランク という用語は、単一のポートで複数 VLAN の通過を許可することを意味します。これらのポートを使用することで、VLAN は仮想スイッチを含む複数のスイッチ間にまたがることができます。たとえば、物理ネットワークで VLAN110 のタグが付いたトラフィックがコンピュートノードに到達すると、タグの付いたトラフィックが 8021q モジュールによって vSwitch 上の適切な VLAN に転送されます。
7.5.2. Extreme Networks EXOS スイッチでのトランクポートの設定
X-670 シリーズのスイッチを使用する場合には、以下の例を参考にして、VLAN 110 と 111 のトラフィックがインスタンスに到達できるように設定します。
以下に示す値は、例として提示しています。この例で使用している値を、実際の環境に合わせて変更する必要があります。これらの値を調整せずにコピーしてご自分のスイッチ設定に貼り付けると、予期せぬ機能停止を招く可能性があります。
手順
この設定では、物理ノードの NIC がイーサネットケーブルにより物理スイッチポート (インターフェイス 24) に接続されていることを前提としています。この例では、DATA と MNGT が VLAN 名です。
#create vlan DATA tag 110 #create vlan MNGT tag 111 #configure vlan DATA add ports 24 tagged #configure vlan MNGT add ports 24 tagged
7.5.3. アクセスポートについて
コンピュートノード上の全 NIC がインスタンスのトラフィックを伝送する訳ではないので、すべての NIC で複数の VLAN が通過できるように設定する必要はありません。アクセスポートに必要なのは 1 つの VLAN だけで、管理トラフィックやブロックストレージデータの転送などの、他の運用上の要件を満たす可能性があります。これらのポートは一般的にアクセスポートと呼ばれ、必要な設定は通常、トランクポートよりも簡単です。
7.5.4. Extreme Networks EXOS スイッチでのアクセスポートの設定
この設定では、物理ノードの NIC がイーサネットケーブルにより物理スイッチポート (インターフェイス 10
) に接続されていることを前提としています。
以下に示す値は、例として提示しています。この例で使用している値を、実際の環境に合わせて変更する必要があります。これらの値を調整せずにコピーしてご自分のスイッチ設定に貼り付けると、予期せぬ機能停止を招く可能性があります。
手順
以下の設定例では、Extreme Networks X-670 シリーズでは、
eth1
のアクセスポートとして10
が使用されています。create vlan VLANNAME tag NUMBER configure vlan Default delete ports PORTSTRING configure vlan VLANNAME add ports PORTSTRING untagged
以下に例を示します。
#create vlan DATA tag 110 #configure vlan Default delete ports 10 #configure vlan DATA add ports 10 untagged
7.5.5. LACP ポートアグリゲーションについて
リンクアグリゲーション制御プロトコル (LACP) を使用して、複数の物理 NIC をバンドルし、単一の論理チャネルを形成できます。LACP は 802.3ad (または、Linux ではボンディングモード 4) としても知られており、負荷分散と耐障害性のための動的なボンディングを作成します。LACP は、物理 NIC と物理スイッチポートの両方の物理エンドで設定する必要があります。
関連情報
Advanced Overcloud Customization ガイドの Network Interface Bonding を参照してください。
7.5.6. 物理 NIC 上での LACP の設定
物理 NIC でリンクアグリゲーション制御プロトコル (LACP) を設定できます。
手順
/home/stack/network-environment.yaml ファイルを編集します。
- type: linux_bond name: bond1 mtu: 9000 bonding_options:{get_param: BondInterfaceOvsOptions}; members: - type: interface name: nic3 mtu: 9000 primary: true - type: interface name: nic4 mtu: 9000
Open vSwitch ブリッジが LACP を使用するように設定します。
BondInterfaceOvsOptions: "mode=802.3ad"
関連情報
Advanced Overcloud Customization ガイドの Network Interface Bonding を参照してください。
7.5.7. Extreme Networks EXOS スイッチでの LACP の設定
手順
以下の例では、コンピュートノードに VLAN 100 を使用する NIC が 2 つあります。
enable sharing MASTERPORT grouping ALL_LAG_PORTS lacp configure vlan VLANNAME add ports PORTSTRING tagged
以下に例を示します。
#enable sharing 11 grouping 11,12 lacp #configure vlan DATA add port 11 untagged
注記LACP ネゴシエーションスクリプトでタイムアウトの期間を修正する必要がある場合があります。詳しくは、LACP configured ports interfere with PXE/DHCP on servers を参照してください。
7.5.8. MTU 設定について
特定のネットワークトラフィック種別に対して、MTU サイズを調整する必要があります。たとえば、特定の NFS または iSCSI のトラフィックでは、ジャンボフレーム (9000 バイト) が必要になります。
MTU の設定は、エンドツーエンド (トラフィックが通過すると想定される全ホップ) で変更する必要があります。これには、仮想スイッチが含まれます。
関連情報
7.5.9. Extreme Networks EXOS スイッチでの MTU の設定
手順
以下の例に示すコマンドを実行して、Extreme Networks EXOS スイッチでジャンボフレームを有効にし、9000 バイトでの IP パケット転送のサポートを設定します。
enable jumbo-frame ports PORTSTRING configure ip-mtu 9000 vlan VLANNAME
例
# enable jumbo-frame ports 11 # configure ip-mtu 9000 vlan DATA
7.5.10. LLDP ディスカバリーについて
ironic-python-agent
サービスは、接続されたスイッチからの LLDP パケットをリッスンします。収集される情報には、スイッチ名、ポートの詳細、利用可能な VLAN を含めることができます。Cisco Discovery Protocol (CDP) と同様に、LLDP は、director のイントロスペクションプロセス中の物理ハードウェア検出を補助します。
7.5.11. Extreme Networks EXOS スイッチでの LLDP の設定
手順
-
以下の例では、Extreme Networks EXOS スイッチで LLDP を有効にします。
11
はポート文字列を表します。
enable lldp ports 11