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ネットワーク機能仮想化 (NFV) のプランニングおよび設定ガイド

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Red Hat OpenStack Platform 16.2

ネットワーク機能仮想化 (NFV) の OpenStack デプロイメントのプランニングと設定

OpenStack Documentation Team

概要

本ガイドでは、Red Hat OpenStack Platform デプロイメントのネットワーク機能仮想化インフラストラクチャー (NFVi) 向け Single Root Input/Output Virtualization (SR-IOV) および Data Plane Development Kit (DPDK) について、プランニングに関する重要な情報を提供すると共に設定の手順を説明します。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。まずは、マスター (master)、スレーブ (slave)、ブラックリスト (blacklist)、ホワイトリスト (whitelist) の 4 つの用語の置き換えから始めます。この取り組みは膨大な作業を要するため、今後の複数のリリースで段階的に用語の置き換えを実施して参ります。詳細は、Red Hat CTO である Chris Wright のメッセージ をご覧ください。

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第1章 Red Hat ネットワーク機能仮想化 (NFV) の理解

ネットワーク機能仮想化 (NFV: Network Functions Virtualization) とは、通信事業者 (CSP) が従来のプロプライエタリーハードウェアの範囲を超えて、運用コストを抑えつつ、効率性および俊敏性を向上させる上で役立つソフトウェアベースのソリューションのことです。

NFV 環境では、スイッチ、ルーター、ストレージなどの標準のハードウェアデバイス上で実行する標準の仮想化技術を使用して仮想化インフラストラクチャーを提供することで、IT およびネットワークの収束が可能になり、ネットワーク機能を仮想化 (VNF) します。管理およびオーケストレーションロジックにより、これらのサービスをデプロイおよび維持します。NFV には、手動操作の必要性を軽減するシステム管理、自動化、ライフサイクル管理も含まれます。

1.1. NFV の利点

ネットワーク機能仮想化 (NFV) を実装する主な利点は以下のとおりです。

  • 新たなネットワークサービスを迅速にデプロイおよびスケーリングすることが可能なので、市場投入までの時間を短縮し、ニーズの変化に対応することができます。
  • サービスの開発者は、実稼動環境で使用する場合と同じプラットフォームを使用して、リソースやプロトタイプを自己管理できるので、イノベーションがサポートされます。
  • セキュリティーやパフォーマンスを犠牲にせず、週/日単位ではなく、時間/分単位で顧客のニーズに対応します。
  • カスタマイズされた高額な設備ではなく、商用オフザシェルフ (COTS) のハードウェアを使用するため、資本支出が削減されます。
  • 運用の合理化と自動化で日常のタスクを最適化することにより、運用コストを削減し、従業員の生産性を向上させます。

1.2. NFV デプロイメントでサポートされている設定

Red Hat OpenStack Platform director のツールキットを使用して、特定のネットワーク種別 (外部、プロジェクト、内部 API など) を分離します。ネットワークは、単一のネットワークインターフェイス上に、または複数のホストネットワークインターフェイスに分散してデプロイすることが可能です。Open vSwitch により、複数のインターフェイスを単一のブリッジに割り当てて、ボンディングを作成することができます。Red Hat OpenStack Platform インストール環境でネットワークの分離を設定するには、テンプレートファイルを使用します。テンプレートファイルを指定しない場合、サービスネットワークはプロビジョニングネットワーク上にデプロイされます。

テンプレートの設定ファイルには、2 つの種類があります。

  • network-environment.yaml

    このファイルには、サブネットおよび IP アドレス範囲などの、オーバークラウドノードのネットワーク情報が含まれます。このファイルには、さまざまなシナリオで使用できるように、デフォルトのパラメーター値を上書きする別の設定も含まれます。

  • compute.yaml および controller.yaml などのホストネットワークテンプレート

    これらのテンプレートは、オーバークラウドノードのネットワークインターフェイス設定を定義します。ネットワーク情報の値は、network-environment.yaml ファイルで指定します。

これらの Heat テンプレートファイルは、アンダークラウドノードの /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/ にあります。NFV 向けのこれらの heat テンプレートファイルの例については、DPDK SR-IOV YAML ファイルのサンプル を参照してください。

ハードウェア要件およびソフトウェア要件の項では、Red Hat OpenStack Platform director を使用した NFV 用 Heat テンプレートファイルのプランニングおよび設定の方法について説明します。

YAML ファイルを編集して NFV を設定することができます。YAML ファイル形式の概要は、YAML in a Nutshell を参照してください。

Data Plane Development Kit (DPDK) および Single Root I/O Virtualization (SR-IOV)

Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) では、OVS-DPDK および SR-IOV 設定の自動化が追加され、NFV デプロイメントがサポートされています。

重要

Red Hat は、非 NFV ワークロードでの OVS-DPDK の使用をサポートしていません。NFV 以外のワークロードに OVS-DPDK 機能が必要な場合は、テクニカルアカウントマネージャー (TAM) に連絡するか、カスタマーサービスリクエストケースを開いて、サポートの例外やその他のオプションについて話し合ってください。カスタマーサービスリクエストケースを作成するには、ケースの作成 に移動し、アカウント > カスタマーサービスリクエスト を選択します。

ハイパーコンバージドインフラストラクチャー (HCI)
Compute サブシステムと Red Hat Ceph Storage ノードを共存させることができます。NFV ユースケースにおいて、このハイパーコンバージドモデルを使用すると、初期コストの軽減、初期デプロイメントのフットプリントの縮小、稼働率の最大化、管理の効率化などが実現されます。HCI の詳細は、ハイパーコンバージドインフラストラクチャーガイド を参照してください。
コンポーザブルロール
コンポーザブルロールを使用して、カスタムのデプロイメントを作成できます。コンポーザブルロールを使用して、各ロールにサービスを追加/削除することができます。コンポーザブルロールの詳細は、コンポーザブルサービスとカスタムロール を参照してください。
Open vSwitch (OVS) と LACP の組み合わせ
OVS 2.9 では、LACP と OVS の組み合わせが完全にサポートされています。この設定は、Openstack のコントロールプレーンのトラフィックには推奨されません。OVS または Openstack Networking で機能の中断が発生すると、管理機能が損なわれるためです。詳細は、Open vSwitch (OVS) ボンディングオプション を参照してください。
OVS ハードウェアオフロード
Red Hat OpenStack Platform では、一部制約はあるものの、OVS ハードウェアオフロードのデプロイメントをサポートしています。ハードウェアオフロードを使用した OVS のデプロイについては、OVS ハードウェアオフロードの設定 を参照してください。
Open Virtual Network (OVN)

RHOSP 16.1.4 では、以下の NFV OVN の設定を使用することができます。

1.3. NFV データプレーンの接続性

NFV が導入され、従来のデバイスを VNF として実装を始めているネットワークベンダーが増えています。これらのネットワークベンダーの大半が仮想マシンに着目していますが、選択した設計に合わせたコンテナーベースのアプローチに注目しているベンダーもあります。OpenStack ベースのソリューションは、主に以下の 2 つの理由からリッチかつ柔軟でなければなりません。

  • アプリケーションの即応性: ネットワークベンダーは現在、デバイスを VNF に変換している段階にあります。VNF 市場では、VNF ごとに成熟度レベルは異なっており、即応性に関する共通の障害として、API での RESTful インターフェイスの有効化、データモデルのステートレスへの進化、自動化管理オペレーションの提供などが挙げられます。OpenStack は、すべてに共通のプラットフォームを提供する必要があります。
  • 幅広いユースケース: NFV には、異なるユースケースに対応する多様なアプリケーションが含まれます。たとえば、Virtual Customer Premise Equipment (vCPE) は、ルーティング、ファイアウォール、仮想プライベートネットワーク (VPN)、ネットワークアドレス変換 (NAT) など多くのネットワーク機能を顧客のサイトで提供することを目的としています。Virtual Evolved Packet Core (vEPC) は、Long-Term Evolution (LTE) ネットワークのコアコンポーネントにコスト効果の高いプラットフォームを提供するクラウドアーキテクチャーで、ゲートウェイやモバイルエンドポイントをダイナミックにプロビジョニングして、スマートフォンやその他のデバイスからの増加するデータトラフィック量に対応できるようにします。

    これらのユースケースは、異なるネットワークアプリケーションとプロトコルを使用して実装され、インフラストラクチャーとは異なる接続性、分離、パフォーマンスの特性を必要とします。また、コントロールプレーンのインターフェイスとプロトコル、実際の転送プレーンを分離することが一般的です。OpenStack には、さまざまなデータパスの接続性オプションを提供できるように十分な柔軟性が必要です。

基本的に、仮想マシンにデータプレーンの接続性を提供する一般的なアプローチは 2 種類あります。

  • ハードウェアへのダイレクトアクセス: PCI パススルー (OpenStack では SR-IOV PF と表記) や、VF (Virtual Function) と PF (Physical Function) の両パススルー向けの Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) などの技術を使用し、Linux カーネルを迂回して物理ネットワークインターフェイスカード (NIC) にセキュアな Direct Memory Access (DMA) を提供します。
  • 仮想スイッチ (vswitch) の使用: ハイパーバイザーのソフトウェアサービスとして実装されています。仮想マシンは、仮想インターフェイス (vNIC) を使用して vSwitch に接続され、vSwitch は仮想マシン間や仮想マシンと物理ネットワーク間のトラフィックを転送することができます。

高速データパスには、以下のようなオプションがあります。

  • Single Root I/O Virtualization (SR-IOV): 単一の PCI ハードウェアデバイスを複数の仮想 PCI デバイスのように見せる標準のことです。これは、Physical Function (PF) を導入して機能します。PF とは、物理ハードウェアポートと Virtual Function (VF: 仮想マシンに割り当てられた軽量機能) の機能を果たすフル装備の PCIe 機能です。仮想マシンは、VF をハードウェアと直接通信する通常の NIC とみなします。NIC は複数の VF をサポートします。
  • Open vSwitch (OVS): 仮想化サーバー環境内で仮想スイッチとして使用されるように設計されたオープンソースのソフトウェアスイッチです。OVS は、通常の L2-L3 スイッチのケーパビリティーだけでなく、ユーザー定義のオーバーレイネットワーク (例: VXLAN) を作成する OpenFlow などの SDN プロトコルもサポートします。OVS は、物理 NIC を使用する仮想マシン間およびホスト全体のパケットの切り替えに、Linux のカーネルネットワークを使用します。OVS は、iptables/ebtables で Linux ブリッジのオーバーヘッドを回避する接続トラッキング (Conntrack) と内蔵のファイアウォール機能をサポートするようになりました。Red Hat OpenStack Platform 環境の Open vSwitch は、カスタマイズなしに OVS と OpenStack Networking (neutron) を統合できます。
  • Data Plane Development Kit (DPDK): 高速なパケット処理に向けてライブラリーセットや Poll Mode Driver (PMD) で設定されます。DPDK はユーザー空間で大半を実行するように設計されており、アプリケーションが NIC から (または NIC へ) 直接独自のパケット処理を実行できるようになります。DPDK は、レイテンシーを減らし、処理するパケット数を増やすことができます。DPDK Poll Mode Drivers (PMDs) はビジーループで実行され、ホストの NIC ポートやゲストの vNIC ポートにパケットが到着していないかを絶えずスキャンします。
  • DPDK accelerated Open vSwitch (OVS-DPDK): Linux カーネルバイパスと物理 NIC への Direct Memory Access (DMA) を用いた高性能のユーザー空間ソリューションに向け DDPK がバンドルされた Open vSwitch。これは、標準の OVS カーネルデータパスを DPDK ベースのデータパスに置き換えて、内部で DPDK をパケット転送に使用するユーザー空間の vSwitch をホストに構築するという発想になります。このアーキテクチャーの利点は、大半がユーザーに透過的である点です。OpenFlow、OVSDB、コマンドラインなどの公開されるインターフェイスは、ほぼ同じ状態のままになります。

1.4. ETSI NFV アーキテクチャー

欧州電気通信標準化機構 (ETSI) は、ヨーロッパの情報通信技術 (ICT: Information and Communication Technology) の標準を開発する独立した標準化組織です。

ネットワーク機能仮想化 (NFV) は、プロプライエタリーのハードウェアデバイスの使用に伴う問題への対処に重点を置いています。NFV を使用すると、ユースケースの要件や経済的な利点によっては、ネットワーク固有の設備をインストールする必要性が軽減されます。ETSI Industry Specification Group for Network Functions Virtualization (ETSI ISG NFV) は、VF を確実にサポートするために必要な要件、リファレンスアーキテクチャー、インフラストラクチャー仕様を設定します。

Red Hat では、通信事業者 (CSP) の IT とネットワークのコンバージェンス実現を支援するオープンソースベースのクラウド最適化ソリューションを提供しています。Red Hat は、Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) や Open vSwitch with Data Plane Development Kit (OVS-DPDK) などの NFV 機能を Red Hat OpenStack に追加します。

1.5. NFV ETSI のアーキテクチャーおよびコンポーネント

通常、ネットワーク機能仮想化 (NFV) プラットフォームには、以下のコンポーネントが含まれます。

図1.1 NFV ETSI のアーキテクチャーおよびコンポーネント

140 OpenStack NFV 製品ガイドの更新 0221 参照アーキテクチャー OVN
  • 仮想ネットワーク機能 (VNF): ルーター、ファイアウォール、ロードバランサー、ブロードバンドのゲートウェイ、モバイルパケットのプロセッサー、サービス提供ノード、シグナリング、位置情報サービスなどのネットワーク機能のソフトウェア実装。
  • ネットワーク機能仮想化インフラストラクチャー (NFVi): インフラストラクチャーを設定する物理リソース (Compute、ストレージ、ネットワーク) および仮想化層。このネットワークには、仮想マシン間およびホスト全体でパケットを転送するためのデータパスが含まれます。これにより、基盤のハードウェアの情報を考慮せずに VNF をインストールできます。NFVi は、NFV スタックの基盤を形成します。NFVi は、マルチテナントをサポートし、Virtual Infrastructure Manager (VIM) で管理されます。Enhanced Platform Awareness (EPA) は低レベルの CPU および NIC アクセラレーション機能を VNF に公開し、仮想マシンのパケット転送のパフォーマンス (スループット、レイテンシー、ジッター) を向上させます。
  • NFV Management and Orchestration (MANO): VNF のライフサイクル全体で必要とされる全サービス管理タスクにフォーカスする管理およびオーケストレーション層。MANO の主要な目的は、オペレーターが顧客に提供するネットワーク機能のサービス定義、自動化、エラーの相関関係、監視、ライフサイクル管理を物理インフラストラクチャーから切り離せるようにすることです。このような切り離しを行うには、Virtual Network Function Manager (VNFM) が提供する管理層が追加で必要になります。VNFM は、直接対話するか、VFN ベンダーが提供する Element Management System (EMS) を使用して、仮想マシンのライフサイクルや VNF を管理します。MANO が定義するコンポーネントでもう 1 つ重要なのは、NFVO として知られるオーケストレーターです。NFVO は、最上部のオペレーション/ビジネスサポートシステム (OSS/BSS) や、最下部の VNFM など、さまざまなデータベースやシステムにインターフェイスを提供します。NFVO は、顧客向けの新規サービスを構築する場合、VNFM に対して VNF のインスタンス化をトリガーするよう頼みます (これにより、複数の仮想マシンが作成される場合があります)。
  • オペレーション/ビジネスサポートシステム (OSS/BSS: Operations/Business Support System): オペレーションサポートや請求など必要不可欠なビジネス機能アプリケーションを提供します。OSS/BSS は、NFV に適応する必要があり、レガシーシステムと新規の MANO コンポーネントを統合しています。BSS システムは、サービスサブスクリプションをベースにポリシーを設定して、レポートと請求を管理します。
  • システム管理、自動化、ライフサイクル管理: システム管理、インフラストラクチャーコンポーネントの自動化、および NFVi プラットフォームのライフサイクルを管理します。

1.6. Red Hat NFV のコンポーネント

Red Hat の NFV 向けのソリューションには、ETSI モデルに含まれる NFV フレームワークの異なるコンポーネントとしてのロールを果たすことのできる各種製品が含まれます。NFV ソリューションには、Red Hat ポートフォリオの以下の製品が統合されます。

  • Red Hat OpenStack Platform: IT および NFV ワークロードをサポートします。Enhanced Platform Awareness (EPA) 機能は、SR-IOV や OVS-DPDK をサポートする CPU ピニング、ヒュージページ、Non-Uniform Memory Access (NUMA) アフィニティー、ネットワークアダプター (NIC) などを使用して、決定的なパフォーマンスの向上を図ることができます。
  • Red Hat Enterprise Linux および Red Hat Enterprise Linux Atomic Host: VNF として仮想マシンやコンテナーを作成します。
  • Red Hat Ceph Storage: サービスプロバイダーのワークロードのすべてのニーズに対応する弾力性があり、統一された高性能なストレージ層を提供します。
  • Red Hat JBoss Middleware および Red Hat 提供の OpenShift Enterprise: オプションで OSS/BSS コンポーネントの最新化に使用することができます。
  • Red Hat CloudForms: VNF マネージャーを提供し、統合された画面に、VIM や NFVI などの複数のソースのデータを表示することができます。
  • Red Hat Satellite および Red Hat 提供の Ansible: オプションでシステムの管理、自動化、ライフサイクル管理を強化します。

1.7. NFV インストールの概要

Red Hat OpenStack Platform director は完全な OpenStack 環境をインストールおよび管理します。director は、アップストリームの OpenStack TripleO プロジェクトをベースとしています。TripleO とは、OpenStack-On-OpenStack の頭文字の O が 3 つあることを意味しています。このプロジェクトは、OpenStack コンポーネントを活用して、完全に機能する OpenStack 環境をインストールします。これには、アンダークラウドと呼ばれる、最小限の OpenStack ノードが含まれます。アンダークラウドは、オーバークラウド (実稼働環境用の OpenStack ノードとして使用される一連のベアメタルシステム) のプロビジョニングと制御を行います。director は、リーンかつ堅牢な Red Hat OpenStack Platform の完全な環境を簡単にインストールできる方法を提供します。

アンダークラウドとオーバークラウドのインストールの詳細は、director のインストールと使用方法 ガイドを参照してください。

NFV 機能をインストールするには、以下の手順を実施します。

  • network-environment.yaml ファイルへの SR-IOV および PCI パススルーのパラメーターの追加、CPU チューニング用 post-install.yaml ファイルの更新、compute.yaml ファイルの変更、そして overcloud_deploy.sh スクリプトの実行により、オーバークラウドをデプロイします。
  • NIC から直接データをポーリングして、高速パケット処理用の DPDK ライブラリーおよびドライバーをインストールします。network-environment.yaml ファイルへの DPDK パラメーターの追加、CPU チューニング用 post-install.yaml ファイルの更新、compute.yaml ファイルの更新による DPDK ポートでのブリッジの設定、controller.yaml ファイルの更新によるブリッジと VLAN が設定されたインターフェイスの設定、そして overcloud_deploy.sh の実行により、オーバークラウドをデプロイします。

第2章 NFV パフォーマンスに関する考慮事項

ネットワーク機能仮想化 (NFV) ソリューションが有用であるためには、VF が物理実装のパフォーマンス以上である必要があります。Red Hat の仮想化技術は、OpenStack およびクラウドのデプロイメントで一般的に使用されている高フォーマンスの Kernel-based Virtual Machine (KVM) ハイパーバイザーをベースにしています。

Red Hat OpenStack Platform director は、ゲスト仮想ネットワーク機能 (VNF) 用にラインレートパフォーマンスを実現するために、リソースの分割および微調整を実施するように Compute ノードを設定します。NFV のユースケースにおける主要なパフォーマンス要素は、スループット、レイテンシー、およびジッターです。

Data Plane Development Kit (DPDK) で高速化した仮想マシンを使用して、物理 NIC と仮想マシン間で高速なパケット切り替えを有効にすることができます。OVS 2.10 は、DPDK 17 に対応しており、vhost-user のマルチキューをサポートしているので、スケーラブルなパフォーマンスを実現できます。OVS-DPDK は、ゲスト VNF 用のラインレートパフォーマンスを提供します。

Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) ネットワークでは、特定ネットワークや仮想マシンのスループット向上など、強化されたパフォーマンスが提供されます。

パフォーマンスチューニングの他の重要な機能には、ヒュージページ、NUMA 調整、ホストの分離、CPU ピニングなどが挙げられます。VNF フレーバーには、パフォーマンス向上のためにヒュージページとエミュレータースレッドの分離が必要です。ホストの分離や CPU ピニングにより、NFV パフォーマンスが向上され、擬似パケットロスが回避されます。

2.1. CPU と NUMA ノード

以前は、x86 システムの全メモリーは、システム内のどの CPU からでも同等にアクセスできていました。これにより、システム内で操作を行う CPU、Uniform Memory Access (UMA) を参照する CPU はどれでも、メモリーのアクセス時間が同じでした。

Non-Uniform Memory Access (NUMA) では、システムメモリーは、特定の CPU またはソケットに割り当てられるノードと呼ばれるゾーンに分割されます。CPU のローカルにあるメモリーには、そのシステムのリモートの CPU に接続されているメモリーにアクセスするよりも高速です。通常、NUMA システム上のソケットにはそれぞれローカルのメモリーノードがあり、別の CPU のローカルにあるノードのメモリーや、全 CPU で共有されるバス上のメモリーよりも、コンテンツに早くアクセスできます。

同様に、物理 NIC は Compute ノードのハードウェア上の PCI スロットに配置されます。これらのスロットは、特定の NUMA ノードに関連付けられる特定の CPU ソケットに接続されます。パフォーマンスを最適化するには、CPU の設定 (SR-IOV または OVS-DPDK) と同じ NUMA ノードにデータパス NIC を接続します。

NUMA を使用しない場合のパフォーマンスへの影響は大きく、一般的に、パフォーマンス の 10 % 以上が影響を受けます。各 CPU ソケットには、仮想化を目的とする個別の CPU として扱われる複数の CPU コアを配置することができます。

ヒント

NUMA の詳細は、What is NUMA and how does it work on Linux? を参照してください。

2.1.1. NUMA ノードの例

以下の図は、2 つのノードからなる NUMA システムの例と、CPU コアとメモリーページが利用可能になる仕組みを示しています。

図2.1 例: 2 ノードの NUMA システム

OpenStack NUMA Topology 39825 0416 ADF
注記

Interconnect 経由で利用可能なリモートのメモリーには、NUMA ノード 0 からの VM1 に NUMA ノード 1 の CPU コアがある場合 のみ、アクセスすることができます。この場合、NUMA ノード 1 のメモリーは、VM1 の 3 番目の CPU コアのローカルとして機能します (例: 上記の図では VM1 は CPU4 が割り当てられています) が、それと同時に、同じ仮想マシンの別の CPU コアに対してはリモートメモリーとして機能します。

2.1.2. NUMA 対応のインスタンス

NUMA アーキテクチャーを持つシステム上で NUMA トポロジー認識を使用するように OpenStack 環境を設定することができます。仮想マシン (VM) でゲストオペレーティングシステムを実行する場合は、NUMA トポロジーが 2 つあります。

  • ホストの物理ハードウェアの NUMA トポロジー
  • ゲストオペレーティングシステムに公開される仮想ハードウェアの NUMA トポロジー

仮想ハードウェアを物理ハードウェア NUMA トポロジーに合わせて調整することで、ゲストオペレーティングシステムのパフォーマンスを最適化することができます。

2.2. CPU ピニング

CPU ピニングは、指定のホスト内にある特定の物理 CPU 上で特定の仮想マシンの仮想 CPU を実行する機能のことです。vCPU ピニングでは、ベアメタルシステムへのピニングタスクと同様の利点が得られます。仮想マシンは、ホストのオペレーティングシステムのユーザー空間タスクとして実行されるので、ピニングすることでキャッシュの効率性が向上します。

CPU ピニングの設定方法の詳細は、インスタンス作成のための Compute サービスの設定 ガイドの Compute ノードでの CPU ピニングの設定 を参照してください。

2.3. ヒュージページ

物理メモリーは、ページと呼ばれる連続した一連のリージョンに分割されます。効率化を図るため、システムは、各メモリーバイトにアクセスするのではなく、ページ全体にアクセスしてメモリーを取得します。このような変換を実行するには、システムは、最近使用されたページまたは頻繁に使用されるページの物理から仮想アドレスへのマッピングが含まれるトランスレーションルックアサイドバッファー (TLB: Translation Lookaside Buffers) をチェックします。検索したマッピングが TLB にない場合には、プロセッサーは全ページテーブルで同じ処理を反復して、アドレスマッピングを判断する必要があります。TLB を最適化し、これらの TLB ミス時に発生するパフォーマンスペナルティーを最小限に抑えます。

X86 システムの通常のページサイズは 4 KB ですが、他の大きなページサイズを利用することもできます。ページサイズが大きいと全体的なページ数が少なくなるので、TLB に仮想から物理アドレスへの変換を保管可能なシステムメモリー量が増えることになります。その結果、TLB ミスの可能性が低くなり、パフォーマンスが向上します。ページサイズが大きいと、プロセスはページに割り当てる必要があるため、メモリーを無駄にする可能性が高くなりますが、すべてのメモリーが必要となることはあまりありません。そのため、ページサイズを選択する際には、より大きいページを使用してアクセス時間を速くするか、より小さいページを使用して最大限にメモリーが使用されるようにするかで、トレードオフが生じます。

2.4. ポートセキュリティー

ポートセキュリティーは、不正なアクセスを防ぐ手段です。発信元ネットワークポートのソース IP およびソース MAC アドレスと一致しない送信トラフィックをブロックします。セキュリティーグループルールを使用して、この挙動を監視または変更することはできません。

デフォルトでは、OpenStack で新たに作成される Neutron ネットワークの port_security_enabled パラメーターは、enabled に設定されます。ネットワーク上で新たに作成されるポートは、そのネットワークから port_security_enabled パラメーターの値をコピーします。

ファイアウォールまたはルーターの構築など一部の NFV のユースケースでは、ポートセキュリティーを無効にしなければならない場合があります。

特定のポートでポートセキュリティーを無効にするには、以下のコマンドを実行します。

openstack port set --disable-port-security <port-id>

ネットワークで作成されるすべての新規ポートで、ポートセキュリティーの有効化を阻止するには、以下のコマンドを実行します。

openstack network set --disable-port-security <network-id>

第3章 NFV のハードウェア要件

本項では、NFV のハードウェア要件について説明します。

Red Hat OpenStack Platform の認定済みハードウェアの完全リストについては、Red Hat OpenStack Platform certified hardware を参照してください。

3.1. NFV 向けのテスト済み NIC

NFV 向けのテスト済み NIC のリストは、Network Adapter Fast Datapath Feature Support Matrix を参照してください。

NVIDIA (Mellanox) ネットワークインターフェイスで OVS-DPDK を設定している場合を除き、サポート対象の NIC のデフォルトドライバーを使用してください。NVIDIA ネットワークインターフェイスの場合は、j2 ネットワーク設定テンプレートで該当するカーネルドライバーを設定する必要があります。

この例では、mlx5_core ドライバーが Mellanox ConnectX-5 ネットワークインターフェイスに設定されています。

members
 - type: ovs_dpdk_port
    name: dpdk0
    driver: mlx5_core
    members:
    - type: interface
      name: enp3s0f0

3.2. ハードウェアオフロードに関するトラブルシューティング

Red Hat Open Stack Platform (RHOSP) 16.2 デプロイメントでは、OVS ハードウェアオフロードは、switchdev対応ポートおよび Mellanox ConnectX5 NIC を備えた VM のフローをオフロードしない場合があります。このシナリオのフローのオフロードに関するトラブルシューティングと設定を行うには、ESWITCH_IPV4_TTL_MODIFY_ENABLE Mellanox ファームウェアパラメーターを無効にします。RHOSP 16.2 での OVS ハードウェアオフロードのトラブルシューティング情報については、Red Hat ナレッジベースのソリューションOVS Hardware Offload with Mellanox NIC in OpenStack Platform 16.2を参照してください。

手順

  1. 設定する Mellanox NIC を備えた RHOSP デプロイメントの Compute ノードにログインします。
  2. mstflintユーティリティーを使用して、ESWITCH_IPV4_TTL_MODIFY_ENABLE Mellanox ファームウェアパラメーターを照会します。

    [root@compute-1 ~]# yum install -y mstflint
    [root@compute-1 ~]# mstconfig -d <PF PCI BDF> q ESWITCH_IPV4_TTL_MODIFY_ENABLE
  3. ESWITCH_IPV4_TTL_MODIFY_ENABLEパラメーターが有効で1に設定されている場合は、値を0に設定して無効にします。

    [root@compute-1 ~]# mstconfig -d <PF PCI BDF> s ESWITCH_IPV4_TTL_MODIFY_ENABLE=0`
  4. ノードを再起動します。

3.3. NUMA ノードのトポロジーについての理解

デプロイメントを計画する際には、最高のパフォーマンスが得られるように、Compute ノードの NUMA トポロジーを理解して CPU およびメモリーのリソースを分割する必要があります。NUMA 情報を確認するには、以下のいずれかのタスクを実行します。

  • ハードウェアイントロスペクションを有効にして、ベアメタルノードからこの情報を取得する。
  • 各ベアメタルノードにログオンして、手動で情報を収集する。
注記

ハードウェアイントロスペクションで NUMA 情報を取得するには、アンダークラウドのインストールと設定が完了している必要があります。アンダークラウド設定の詳細は、director のインストールと使用方法 ガイドを参照してください。

3.4. ハードウェアイントロスペクション情報の取得

Bare Metal サービスでは、オーバークラウド設定の追加ハードウェア情報を取得する機能がデフォルトで有効です。undercloud.conf ファイルの inspection_extras パラメーターに関する詳細については、Configuring director を参照してください。

たとえば、numa_topology コレクターは、追加ハードウェアイントロスペクションの一部で、各 NUMA ノードに関する以下の情報が含まれます。

  • RAM (キロバイト単位)
  • 物理 CPU コアおよびそのシブリングスレッド
  • NUMA ノードに関連付けられた NIC

手順

  • 上記の情報を取得するには、<UUID> をベアメタルノードの UUID に置き換えて、以下のコマンドを実行します。

    $ openstack baremetal introspection data save \
    <UUID> | jq .numa_topology

    取得されるベアメタルノードの NUMA 情報の例を以下に示します。

    {
      "cpus": [
        {
          "cpu": 1,
          "thread_siblings": [
            1,
            17
          ],
          "numa_node": 0
        },
        {
          "cpu": 2,
          "thread_siblings": [
            10,
            26
          ],
          "numa_node": 1
        },
        {
          "cpu": 0,
          "thread_siblings": [
            0,
            16
          ],
          "numa_node": 0
        },
        {
          "cpu": 5,
          "thread_siblings": [
            13,
            29
          ],
          "numa_node": 1
        },
        {
          "cpu": 7,
          "thread_siblings": [
            15,
            31
          ],
          "numa_node": 1
        },
        {
          "cpu": 7,
          "thread_siblings": [
            7,
            23
          ],
          "numa_node": 0
        },
        {
          "cpu": 1,
          "thread_siblings": [
            9,
            25
          ],
          "numa_node": 1
        },
        {
          "cpu": 6,
          "thread_siblings": [
            6,
            22
          ],
          "numa_node": 0
        },
        {
          "cpu": 3,
          "thread_siblings": [
            11,
            27
          ],
          "numa_node": 1
        },
        {
          "cpu": 5,
          "thread_siblings": [
            5,
            21
          ],
          "numa_node": 0
        },
        {
          "cpu": 4,
          "thread_siblings": [
            12,
            28
          ],
          "numa_node": 1
        },
        {
          "cpu": 4,
          "thread_siblings": [
            4,
            20
          ],
          "numa_node": 0
        },
        {
          "cpu": 0,
          "thread_siblings": [
            8,
            24
          ],
          "numa_node": 1
        },
        {
          "cpu": 6,
          "thread_siblings": [
            14,
            30
          ],
          "numa_node": 1
        },
        {
          "cpu": 3,
          "thread_siblings": [
            3,
            19
          ],
          "numa_node": 0
        },
        {
          "cpu": 2,
          "thread_siblings": [
            2,
            18
          ],
          "numa_node": 0
        }
      ],
      "ram": [
        {
          "size_kb": 66980172,
          "numa_node": 0
        },
        {
          "size_kb": 67108864,
          "numa_node": 1
        }
      ],
      "nics": [
        {
          "name": "ens3f1",
          "numa_node": 1
        },
        {
          "name": "ens3f0",
          "numa_node": 1
        },
        {
          "name": "ens2f0",
          "numa_node": 0
        },
        {
          "name": "ens2f1",
          "numa_node": 0
        },
        {
          "name": "ens1f1",
          "numa_node": 0
        },
        {
          "name": "ens1f0",
          "numa_node": 0
        },
        {
          "name": "eno4",
          "numa_node": 0
        },
        {
          "name": "eno1",
          "numa_node": 0
        },
        {
          "name": "eno3",
          "numa_node": 0
        },
        {
          "name": "eno2",
          "numa_node": 0
        }
      ]
    }

3.5. NFV BIOS 設定

以下の表に NFV に必要な BIOS 設定をまとめます。

注記

BIOS で SR-IOV グローバルおよび NIC 設定を有効にする必要があります。そうしないと、SR-IOV Compute ノードを使用した Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) のデプロイメントが失敗します。

表3.1 BIOS 設定
パラメーター設定

C3 Power State

Disabled

C6 Power State

Disabled

MLC Streamer

Enabled

MLC Spatial Prefetcher

Enabled

DCU Data Prefetcher

Enabled

DCA

Enabled

CPU Power and Performance

Performance

Memory RAS and Performance Config → NUMA Optimized

Enabled

Turbo Boost

確定的なパフォーマンスを必要とする NFV デプロイメントでは無効になっています。
他のすべてのシナリオで有効です。

VT-d

Intel カードで VFIO 機能が必要な場合には Enabled

NUMA memory interleave

Disabled

intel_idle ドライバーを使用するプロセッサーでは、Red Hat Enterprise Linux は BIOS 設定を無視し、プロセッサーの C ステートを再度有効にすることができます。

カーネルブートコマンドラインでキーと値のペア intel_idle.max_cstate=0 を指定すると、intel_idle を 無効にし、代わりに acpi_idle ドライバーを使用できます。

current_driver の内容をチェックして、プロセッサーが acpi_idle ドライバーを使用していることを確認します。

# cat /sys/devices/system/cpu/cpuidle/current_driver
acpi_idle
注記

Tuned デーモンの起動に時間がかかるため、ドライバーを変更した後は多少の遅延が発生します。ただし、Tuned のロード後、プロセッサーはより深い C ステートを使用しません。

第4章 NFV のソフトウェア要件

本項では、サポートされている設定とドライバー、および NFV に必要なサブスクリプションの詳細について説明します。

4.1. リポジトリーの登録と有効化

Red Hat OpenStack Platform をインストールするには、Red Hat OpenStack Platform director を Red Hat サブスクリプションマネージャーで登録して、必要なチャンネルをサブスクライブします。アンダークラウドの登録と更新の詳細は、director のインストールと使用方法 ガイドの アンダークラウドの登録とサブスクリプションのアタッチ を参照してください。

手順

  1. コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。

    [stack@director ~]$ sudo subscription-manager register
  2. Red Hat OpenStack Platform director のエンタイトルメントプール ID を確認します (たとえば、以下のコマンド出力の {Pool ID})。

    [stack@director ~]$ sudo subscription-manager list --available --all --matches="Red Hat OpenStack"
    Subscription Name:   Name of SKU
    Provides:            Red Hat Single Sign-On
                         Red Hat Enterprise Linux Workstation
                         Red Hat CloudForms
                         Red Hat OpenStack
                         Red Hat Software Collections (for RHEL Workstation)
    SKU:                 SKU-Number
    Contract:            Contract-Number
    Pool ID:             {Pool-ID}-123456
    Provides Management: Yes
    Available:           1
    Suggested:           1
    Service Level:       Support-level
    Service Type:        Service-Type
    Subscription Type:   Sub-type
    Ends:                End-date
    System Type:         Physical
  3. 次のコマンドにPool IDの値を含めて、Red Hat Open Stack Platform 16.2 のエンタイトルメントをアタッチします。

    [stack@director ~]$ sudo subscription-manager attach --pool={Pool-ID}-123456
  4. デフォルトのリポジトリーを無効にします。

    subscription-manager repos --disable=*
  5. Red Hat OpenStack Platform で NFV を使用するのに必要なリポジトリーを有効にします。

    $ sudo subscription-manager repos \
    --enable=rhel-8-for-x86_64-baseos-eus-rpms \
    --enable=rhel-8-for-x86_64-appstream-eus-rpms \
    --enable=rhel-8-for-x86_64-highavailability-eus-rpms \
    --enable=ansible-2.9-for-rhel-8-x86_64-rpms \
    --enable=openstack-16.2-for-rhel-8-x86_64-rpms \
    --enable=rhel-8-for-x86_64-nfv-rpms \
    --enable=fast-datapath-for-rhel-8-x86_64-rpms
  6. システムを更新して、ベースシステムパッケージが最新の状態になるようにします。

    [stack@director ~]$ sudo dnf update -y
    [stack@director ~]$ sudo reboot
注記

オーバークラウドノードを登録する場合は、オーバークラウドの高度なカスタマイズ ガイドの Ansible ベースのオーバークラウドの登録 を参照してください。

4.2. NFV デプロイメントでサポートされている設定

Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) では、director を使用して以下の NFV デプロイメントがサポートされます。

  • Single Root I/O Virtualization (SR-IOV)
  • Data Plane Development Kit 対応 Open vSwitch (OVS-DPDK)

また、以下いずれかを指定して RHOSP をデプロイすることもできます。

4.2.1. OVS メカニズムドライバーを使用する RHOSP のデプロイ

OVS メカニズムドライバーと共に RHOSP をデプロイします。

手順

  1. containers-prepare-parameter.yaml ファイルを修正し、neutron_driver パラメーターを ovs に設定します。

    parameter_defaults:
      ContainerImagePrepare:
      - push_destination: true
        set:
         neutron_driver: ovs
         ...
  2. /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services ディレクトリーの neutron-ovs.yaml 環境ファイルを、デプロイメント用スクリプトに追加します。

    TEMPLATES=/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates
    
    openstack overcloud deploy --templates \
    -e ${TEMPLATES}/environments/network-environment.yaml \
    -e ${TEMPLATES}/environments/network-isolation.yaml \
    -e ${TEMPLATES}/environments/services/neutron-ovs.yaml \
    -e ${TEMPLATES}/environments/services/neutron-ovs-dpdk.yaml \
    -e ${TEMPLATES}/environments/services/neutron-sriov.yaml \
    -e /home/stack/containers-prepare-parameter.yaml

4.2.2. OVN と OVS-DPDK の組み合わせが SR-IOV と共存する設定のデプロイ

DPDK および SRIOV 仮想マシンを OVN と同じノードにデプロイします。

手順

  1. ComputeOvsDpdkSriov ロールを作成します。

    openstack overcloud roles generate -o roles_data.yaml Controller ComputeOvsDpdkSriov
  2. OS::TripleO::Services::OVNMetadataAgent を Controller ロールに追加します。
  3. resource_registry パラメーターを使用して、OVS-DPDK 用のカスタムリソースを追加します。

    resource_registry:
        # Specify the relative/absolute path to the config files you want to use for override the default.
        OS::TripleO::ComputeOvsDpdkSriov::Net::SoftwareConfig:
          nic-configs/computeovsdpdksriov.yaml
        OS::TripleO::Controller::Net::SoftwareConfig:
          nic-configs/controller.yaml
  4. parameter_defaults セクションで、トンネル種別パラメーターの値を編集して geneve に設定します。

    NeutronTunnelTypes: 'geneve'
    NeutronNetworkType: ['geneve', 'vlan']
  5. オプション: 集中ルーティングモデルを使用する場合は、分散仮想ルーター (DVR) を無効にします。

    NeutronEnableDVR: false
  6. parameters_defaults セクションで、ブリッジマッピングを設定します。

     # The OVS logical-to-physical bridge mappings to use.
      NeutronBridgeMappings: "datacentre:br-ex,data1:br-link0,data2:br-link1"
  7. computeovsdpdksriov.yaml ファイルでネットワークインターフェイスを設定します。

      - type: ovs_user_bridge
        name: br-link0
        use_dhcp: false
        ovs_extra:
         - str_replace:
           template: set port br-link0 tag=_VLAN_TAG_
           params:
            _VLAN_TAG_:
             get_param: TenantNetworkVlanID
        addresses:
         - ip_netmask:
           get_param: TenantIpSubnet
        members:
        - type: ovs_dpdk_port
          name: br-link0-dpdk-port0
          rx_queue: 1
          members:
          - type: interface
            name: eno3
      - type: sriov_pf
        name: eno4
        use_dhcp: false
        numvfs: 5
        defroute: false
        nm_controlled: true
        hotplug: true
        promisc: false
  8. デプロイメントスクリプトに以下の yaml ファイルを追加します。

    • neutron-ovn-dpdk.yaml
    • neutron-ovn-sriov.yaml
注記

Open Virtual Networking (OVN) は、Red Hat OpenStack Platform 16.2 におけるデフォルトのネットワークメカニズムドライバーです。分散仮想ルーター (DVR) で OVN を使用する場合には、openstack overcloud deploy コマンドに environments/services/neutron-ovn-dvr-ha.yaml ファイルを追加する必要があります。DVR なしで OVN を使用する場合は、environments/services/neutron-ovn-ha.yamlファイルをopenstack overcloud deployコマンドに含め、NeutronEnableDVRパラメーターをfalseに設定する必要があります。SR-IOV と OVN を使用する場合は、openstack overcloud deployコマンドの最後の OVN 環境ファイルとしてenvironments/services/neutron-ovn-sriov.yamlファイルを含める必要があります。

4.2.3. OVN と OVS TC Flower オフロードを組み合わせた設定のデプロイ

OVS TC Flower オフロードを OVN と同じノードにデプロイします。

注記

Red Hat Enterprise Linux Traffic Control (TC) サブシステムは、接続追跡 (conntrack) ヘルパーまたはアプリケーション層ゲートウェイ (ALG) をサポートしていません。したがって、ALG を使用している場合は、TC Flower オフロードを無効にする必要があります。

手順

  1. ComputeOvsDpdkSriov ロールを作成します。

    openstack overcloud roles generate -o roles_data.yaml \
    ControllerSriov ComputeSriov
  2. 実際のデプロイメントに応じて physical_network パラメーターを設定します。

    • VLAN の場合には、physical_network パラメーターをデプロイメント後に neutron で作成するネットワークの名前に設定します。NeutronBridgeMappings パラメーターにもこの値を使用します。
    • ロール固有のパラメーター (ComputeSriovOffloadParameters) の下で、OvsHwOffload パラメーターの値が true であることを確認します。

      parameter_defaults:
        NeutronBridgeMappings: 'datacentre:br-ex,tenant:br-offload'
        NeutronNetworkVLANRanges: 'tenant:502:505'
        NeutronFlatNetworks: 'datacentre,tenant'
        NeutronPhysicalDevMappings:
          - tenant:ens1f0
          - tenant:ens1f1
      
        NovaPCIPassthrough:
        - address: "0000:17:00.1"
          physical_network: "tenant"
        - address: "0000:3b:00.1"
          physical_network: "tenant"
        NeutronTunnelTypes: ''
        NeutronNetworkType: 'vlan'
        ComputeSriovOffloadParameters:
          OvsHwOffload: True
          KernelArgs: "default_hugepagesz=1GB hugepagesz=1G hugepages=32 intel_iommu=on iommu=pt isolcpus=1-11,13-23"
          IsolCpusList: "1-11,13-23"
          NovaReservedHostMemory: 4096
          NovaComputeCpuDedicatedSet: ['1-11','13-23']
          NovaComputeCpuSharedSet: ['0','12']
  3. computeovsdpdksriov.yaml ファイルでネットワークインターフェイスを設定します。

     - type: ovs_bridge
      name: br-offload
      mtu: 9000
      use_dhcp: false
      addresses:
      - ip_netmask:
         get_param: TenantIpSubnet
      members:
      - type: linux_bond
        name: bond-pf
        bonding_options: "mode=active-backup miimon=100"
        members:
        - type: sriov_pf
          name: ens1f0
          numvfs: 3
          primary: true
          promisc: true
          use_dhcp: false
          defroute: false
          link_mode: switchdev
        - type: sriov_pf
          name: ens1f1
          numvfs: 3
          promisc: true
          use_dhcp: false
          defroute: false
          link_mode: switchdev
  4. デプロイメントスクリプトに以下の yaml ファイルを追加します。

    • ovs-hw-offload.yaml
    • neutron-ovn-sriov.yaml

       TEMPLATES_HOME=”/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates”
          CUSTOM_TEMPLATES=”/home/stack/templates”
      
          openstack overcloud deploy --templates \
            -r ${CUSTOM_TEMPLATES}/roles_data.yaml \
            -e ${TEMPLATES_HOME}/environments/services/neutron-ovn-sriov.yaml \
            -e ${TEMPLATES_HOME}/environments/ovs-hw-offload.yaml \
            -e ${CUSTOM_TEMPLATES}/network-environment.yaml

4.3. NFV でサポートされているドライバー

サポートされるドライバーの完全なリストは Component, Plug-In, and Driver Support in Red Hat OpenStack Platform を参照してください。

Red Hat OpenStack Platform デプロイメントと NFV の組み合わせ向けにテスト済みの NIC のリストは、NFV 向けのテスト済み NIC を参照してください。

4.4. サードパーティー製のソフトウェアとの互換性

Red Hat OpenStack Platform で機能することを検証、サポート、認定済みの製品およびサービスの完全なリストは、Red Hat OpenStack Platform と互換性のあるサードパーティー製のソフトウェア の情報を参照してください。製品バージョンやソフトウェアカテゴリー別にリストをフィルタリングすることができます。

Red Hat Enterprise Linux で機能することを検証、サポート、認定済みの製品およびサービスの完全なリストは、Red Hat Enterprise Linux と互換性のあるサードパーティー製のソフトウェア の情報を参照してください。製品バージョンやソフトウェアカテゴリー別にリストをフィルタリングすることができます。

第5章 NFV のネットワークに関する考慮事項

アンダークラウドのホストには、最低でも以下のネットワークが必要です。

  • プロビジョニングネットワーク: オーバークラウドで使用できるベアメタルシステムの検出に役立つ DHCP および PXE ブート機能を提供します。
  • 外部ネットワーク: 全ノードへのリモート接続に使用する別個のネットワーク。このネットワークに接続するインターフェイスには、ルーティング可能な IP アドレスが必要です。この IP アドレスは、静的に定義されたアドレスまたは外部の DHCP サービスから動的に生成されたアドレスのいずれかです。

最小限のオーバークラウドのネットワーク設定には、以下の NIC 設定が含まれます。

  • シングル NIC 設定: ネイティブ VLAN 上のプロビジョニングネットワークと、オーバークラウドネットワークの種別ごとのサブネットを使用するタグ付けされた VLAN 用に NIC を 1 つ。
  • デュアル NIC 設定: プロビジョニングネットワーク用の NIC を 1 つと、外部ネットワーク用の NIC を 1 つ。
  • デュアル NIC 設定: ネイティブ VLAN 上のプロビジョニングネットワーク用の NIC を 1 つと、オーバークラウドネットワークの種別ごとのサブネットを使用するタグ付けされた VLAN 用の NIC を 1 つ。
  • 複数 NIC 設定 - 各 NIC は、オーバークラウドネットワークの種別ごとのサブセットを使用します。

ネットワーク要件の詳細は、director のインストールと使用方法 ガイドの アンダークラウドネットワークの準備 を参照してください。

第6章 SR-IOV デプロイメントのプランニング

Compute ノードのハードウェアに応じて個別のパラメーターを設定し、NFV 向けの Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) デプロイメントを最適化します。

SR-IOV パラメーターに対するハードウェアの影響を評価するには、NUMA ノードのトポロジーについての理解 を参照してください。

6.1. SR-IOV デプロイメント向けのハードウェアの分割

SR-IOV で高パフォーマンスを実現するには、ホストとゲストの間でリソースを分割します。

図6.1 NUMA ノードトポロジー

OpenStack NFV Hardware Capacities 464931 0118 SR IOV

標準的なトポロジーでは、デュアルコアソケットの Compute ノード上の NUMA ノードにはそれぞれ 14 のコアが実装されます。HT (ハイパースレッド) および非 HT のコアがサポートされています。各コアには 2 つのシブリングスレッドがあります。1 つのコアは、各 NUMA ノード上のホスト専用です。仮想ネットワーク機能 (VNF) は SR-IOV インターフェイスのボンディングを処理します。すべての割り込み要求 (IRQ) はホストのコア上でルーティングされます。VNF コアは VNF 専用です。これらのコアは、他の VNF からの分離と、ホストからの分離を提供します。各 VNF は単一の NUMA ノード上のリソースを使用する必要があります。VNF によって使用される SR-IOV NIC はその同じ NUMA ノードに関連付ける必要もあります。このトポロジーでは、仮想化のオーバーヘッドはありません。ホスト、OpenStack Networking (neutron)、および Compute (nova) の設定パラメーターは単一のファイルで公開されるので、管理が簡単で、整合性を保つことができます。また、プリエンプションやパケットロスの原因となり、分離を適切に行うにあたって致命的となる一貫性の欠如を回避します。ホストと仮想マシンの分離は、tuned プロファイルに依存します。このプロファイルは、分離する CPU のリストに基づいて、ブートパラメーターや Red Hat OpenStack Platform の変更を定義します。

6.2. NFV SR-IOV デプロイメントのトポロジー

以下の図には、2 つの VNF が示されています。各 VNF には、mgt で示された管理インターフェイスおよびデータプレーンインターフェイスがあります。管理インターフェイスは ssh アクセスなどを管理します。データプレーンインターフェイスは VNF を DPDK にボンディングして、高可用性を確保します。VNF は DPDK ライブラリーを使用してデータプレーンインターフェイスをボンディングするためです。この図には、冗長性を確保するための 2 つのプロバイダーネットワークも示されています。Compute ノードには 2 つの標準 NIC がボンディングされ、VNF 管理と Red Hat OpenStack Platform API 管理の間で共有されています。

図6.2 NFV SR-IOV トポロジー

NFV SR-IOV deployment

この図は、アプリケーションレベルで DPDK を使用し、SR-IOV Virtual Function (VF) および Physical Function (PF) へのアクセスが可能な VNF を示しています。これにより、ファブリックの設定に応じて可用性またはパフォーマンスが向上します。DPDK はパフォーマンスを向上させる一方、VF/PF DPDK のボンディングはフェイルオーバーおよび高可用性に対応します。VNF ベンダーは、DPDK Poll Mode Driver (PMD) による SR-IOV カード (VF/PF として公開されている) のサポートを確実にする必要があります。また、管理ネットワークは OVS を使用するので、VNF は標準の VirtIO ドライバーを使用する mgmt ネットワークデバイスを認識します。VNF への初回の接続にそのデバイスを使用して、DPDK アプリケーションに 2 つの VF/PF をボンディングさせることができます。

6.3. HCI を使用しない NFV SR-IOV のトポロジー

以下の図には、NFV 向けのハイパーコンバージドインフラストラクチャー (HCI) を使用しない SR-IOV のトポロジーを示しています。この環境は、1 Gbps の NIC を搭載した Compute ノードおよびコントローラーノードと、director ノードで設定されます。

図6.3 HCI を使用しない NFV SR-IOV トポロジー

NFV SR-IOV Topology without HCI

第7章 SR-IOV テクノロジーのデプロイ

Red Hat OpenStack Platform NFV デプロイメントでは、仮想リソースを通じたインスタンスから共有 PCIe リソースへの直接アクセスを設定した場合、Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) を使用してより高いパフォーマンスが得られます。

7.1. SR-IOV の設定

Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) と共に Red Hat Open Stack Platform (RHOSP) をデプロイするには、インスタンスが直接アクセスを要求できる SR-IOV 機能を持つ共有 PCIe リソースを設定します。

注記

以下に示す CPU 割り当て、メモリーの確保、および NIC の設定は一例であり、実際のユースケースとは異なる場合があります。

前提条件

  • オーバークラウドのデプロイ前にアンダークラウドをインストールおよび設定する方法の詳細は、director のインストールと使用方法 を参照してください。

    注記

    director heat テンプレートが変更する /etc/tuned/cpu-partitioning-variables.conf の値を、手動で編集しないでください。

  • アンダークラウドホストへのアクセスと stack ユーザーの認証情報。

手順

  1. アンダークラウドに stack ユーザーとしてログインします。
  2. stackrc ファイルを取得します。

    [stack@director ~]$ source ~/stackrc
  3. ControllerComputeSriovのロールを含むroles_data_compute_sriov.yamlという名前の新しいロールデータファイルを生成します。

    (undercloud)$ openstack overcloud roles \
     generate -o /home/stack/templates/roles_data_compute_sriov.yaml \
     Controller ComputeSriov

    ComputeSriov は、RHOSP インストールで提供されるカスタムロールで、デフォルトの Compute サービスに加えて、NeutronSriovAgent サービスと NeutronSriovHostConfig サービスが含まれます。

  4. SR-IOV コンテナーを準備するには、overcloud_images.yaml ファイルを生成するときにneutron-sriov.yamlファイルとroles_data_compute_sriov.yamlファイルを含めます。

    $ sudo openstack tripleo container image prepare \
      --roles-file ~/templates/roles_data_compute_sriov.yaml \
      -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services/neutron-sriov.yaml \
      -e ~/containers-prepare-parameter.yaml \
      --output-env-file=/home/stack/templates/overcloud_images.yaml

    コンテナーイメージの準備に関する詳しい情報は、director のインストールと使用方法 ガイドの コンテナーイメージの準備 を参照してください。

  5. 環境ファイルディレクトリーに/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/network-environment.yamlファイルのコピーを作成します。

    $ cp /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/network-environment.yaml /home/stack/templates/network-environment-sriov.yaml
  6. network-environment-sriov.yamlファイルのparameter_defaultsに次のパラメーターを追加して、クラスターとハードウェア設定の SR-IOV ノードを設定します。

      NeutronNetworkType: 'vlan'
      NeutronNetworkVLANRanges:
        - tenant:22:22
        - tenant:25:25
      NeutronTunnelTypes: ''
  7. 各 PCI デバイスタイプのvendor_idおよびproduct_idを確認するには、PCI カードを備えた物理サーバーで次のコマンドのいずれかを使用します。

    • デプロイされたオーバークラウドからvendor_idproduct_idを返すには、次のコマンドを使用します。

      # lspci -nn -s  <pci_device_address>
      3b:00.0 Ethernet controller [0200]: Intel Corporation Ethernet Controller X710 for 10GbE SFP+ [<vendor_id>: <product_id>] (rev 02)
    • オーバークラウドをまだデプロイしていない場合に Physical Function (PF) のvendor_idproduct_idを返すには、次のコマンドを使用します。

      (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ openstack baremetal introspection data save <baremetal_node_name> | jq '.inventory.interfaces[] | .name, .vendor, .product'
  8. network-environment-sriov.yamlファイルで SR-IOV Compute ノードのロール固有のパラメーターを設定します。

      ComputeSriovParameters:
        IsolCpusList: "1-19,21-39"
        KernelArgs: "default_hugepagesz=1GB hugepagesz=1G hugepages=32 iommu=pt intel_iommu=on isolcpus=1-19,21-39"
        TunedProfileName: "cpu-partitioning"
        NeutronBridgeMappings:
          - tenant:br-link0
        NeutronPhysicalDevMappings:
          - tenant:p7p1
        NovaComputeCpuDedicatedSet: '1-19,21-39'
        NovaReservedHostMemory: 4096
    注記

    NovaVcpuPinSetパラメーターは非推奨になり、専用の固定されたワークロード用にNovaComputeCpuDedicatedSetに置き換えられました。

  9. network-environment-sriov.yamlファイルで SR-IOV Compute ノードの PCI パススルーデバイスを設定します。

      ComputeSriovParameters:
        ...
        NovaPCIPassthrough:
          - vendor_id: "<vendor_id>"
            product_id: "<product_id>"
            address: <NIC_address>
            physical_network: "<physical_network>"
        ...
    • <vendor_id> を PCI デバイスのベンダー ID に置き換えます。
    • <product_id> を PCI デバイスの製品 ID に置き換えます。
    • <NIC_address> を PCI デバイスのアドレスに置き換えます。address パラメーターの設定方法に関する情報は、インスタンス作成のための Compute サービスの設定 ガイドの NovaPCIPassthrough の設定に関するガイドライン を参照してください。
    • <physical_network> を、PCI デバイスが配置されている物理ネットワークの名前に置き換えます。

      注記

      NIC のデバイス名は変更される可能性があるため、PCI パススルーを設定する場合は devname パラメーターを使用しないでください。PF で Networking サービス (neutron) ポートを作成するには、NovaPCIPassthroughvendor_idproduct_id、および PCI デバイスアドレスを指定し、--vnic-type direct-physical オプションでポートを作成します。Virtual Function (VF) に Networking サービスのポートを作成するには、NovaPCIPassthroughvendor_idproduct_idを指定し、--vnic-type directオプションを使用してポートを作成します。vendor_idおよびproduct_idパラメーターの値は、Physical Function (PF) コンテキストと VF コンテキストの間で異なる場合があります。NovaPCIPassthrough の設定方法の詳細は、インスタンス作成のための Compute サービスの設定 ガイドの NovaPCIPassthrough の設定に関するガイドライン を参照してください。

  10. compute.yaml ネットワーク設定テンプレートで、SR-IOV が有効なインターフェイスを設定します。SR-IOV VF を作成するには、インターフェイスをスタンドアロン NIC として設定します。

                 - type: sriov_pf
                    name: p7p3
                    mtu: 9000
                    numvfs: 10
                    use_dhcp: false
                    defroute: false
                    nm_controlled: true
                    hotplug: true
                    promisc: false
    
                  - type: sriov_pf
                    name: p7p4
                    mtu: 9000
                    numvfs: 10
                    use_dhcp: false
                    defroute: false
                    nm_controlled: true
                    hotplug: true
                    promisc: false
    注記

    numvfs パラメーターは、ネットワーク設定テンプレートの NeutronSriovNumVFs パラメーターに代わるものです。Red Hat では、デプロイ後の NeutronSriovNumVFs パラメーターまたは numvfs パラメーターの変更をサポートしません。デプロイメント後にいずれかのパラメーターを変更すると、その PF に SR-IOV ポートを持つ実行中のインスタンスが中断する可能性があります。この場合、これらのインスタンスをハードリブートして、SR-IOV PCI デバイスを再び利用可能にする必要があります。

  11. デフォルトフィルターのリストに、値 AggregateInstanceExtraSpecsFilter が含まれる状態にします。

    NovaSchedulerDefaultFilters:
    ['AvailabilityZoneFilter','ComputeFilter','ComputeCapabilitiesFilter','ImagePropertiesFilter','Serve
    rGroupAntiAffinityFilter','ServerGroupAffinityFilter','PciPassthroughFilter','AggregateInstanceExt
    raSpecsFilter']
  12. overcloud_deploy.sh スクリプトを実行します。

7.2. NIC パーティションの設定

Red Hat OpenStack Platform (RHOSP)管理ネットワークおよびプロバイダーネットワークに Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) Virtual Function (VF) を設定して、各ホストに必要な NIC の数を減らすことができます。1 つの高速 NIC を複数の VF に分割する場合、NIC をコントロールプレーンおよびデータプレーントラフィックの両方に使用することができます。この機能は、Intel Fortville NIC および Mellanox CX-5 NIC で検証されています。

手順

  1. 選択したロールの NIC 設定ファイルを開きます。
  2. インターフェイス種別 sriov_pf のエントリーを追加して、ホストが使用できる Physical Function を設定します。

            - type: sriov_pf
                name: <interface_name>
                use_dhcp: false
                numvfs: <number_of_vfs>
                promisc: <true/false>
    • <interface_name> は、インターフェイスの名前に置き換えます。
    • <number_of_vfs> は VF の数に置き換えます。
    • オプション: <true/false>true に置き換えてプロミスキャスモードを設定するか、false に置き換えてプロミスキャスモードを無効にします。デフォルト値は true です。
    注記

    numvfs パラメーターは、ネットワーク設定テンプレートの NeutronSriovNumVFs パラメーターに代わるものです。Red Hat では、デプロイ後の NeutronSriovNumVFs パラメーターまたは numvfs パラメーターの変更をサポートしません。デプロイ後にいずれかのパラメーターを変更すると、その Physical Function (PF) 上に SR-IOV ポートを持つ実行中のインスタンスが使用できなくなる可能性があります。この場合、これらのインスタンスをハードリブートして、SR-IOV PCI デバイスを再び利用可能にする必要があります。

  3. インターフェイス種別 sriov_vf のエントリーを追加して、ホストが使用できる Virtual Function を設定します。

     - type: <bond_type>
       name: internal_bond
       bonding_options: mode=<bonding_option>
       use_dhcp: false
       members:
       - type: sriov_vf
           device: <pf_device_name>
           vfid: <vf_id>
       - type: sriov_vf
           device:  <pf_device_name>
           vfid: <vf_id>
    
     - type: vlan
       vlan_id:
         get_param: InternalApiNetworkVlanID
       spoofcheck: false
       device: internal_bond
       addresses:
       - ip_netmask:
           get_param: InternalApiIpSubnet
       routes:
         list_concat_unique:
         - get_param: InternalApiInterfaceRoutes
    • <bond_type> を必要なボンディング種別 (例: linux_bond) に置き換えます。ovs_bond 等の他のボンディング種別のボンディングに VLAN タグを適用することができます。
    • <bonding_option> を、以下のサポートされるボンディングモードのいずれかに置き換えます。

      • active-backup
      • Balance-slb

        注記

        LACP ボンディングはサポートされません。

    • members セクションで、ボンディングのインターフェイス種別として sriov_vf を指定します。

      注記

      インターフェイス種別として OVS ブリッジを使用している場合は、sriov_pf デバイスの sriov_vf に OVS ブリッジを 1 つだけ設定することができます。単一の sriov_pf デバイス上に複数の OVS ブリッジがあると、VF 間でパケットが重複し、パフォーマンスが低下する可能性があります。

    • <pf_device_name> を PF デバイスの名前に置き換えます。
    • linux_bond を使用する場合は、VLAN タグを割り当てる必要があります。VLAN タグを設定する場合は、1 つの sriov_pf デバイスに関連付けられた各 VF に一意のタグを設定するようにしてください。同じ VLAN 上の同じ PF の VF を 2 つ指定できません。
    • <vf_id> を VF の ID に置き換えます。適用可能な VF ID の範囲は、ゼロから VF の最大数から 1 を引いた数値までです。
    • スプーフィングチェックを無効にします。
    • VF 上の linux_bondsriov_vf に VLAN タグを適用します。
  4. インスタンスに VF を確保するには、環境ファイルに NovaPCIPassthrough パラメーターを追加します。以下に例を示します。

    NovaPCIPassthrough:
     - address: "0000:19:0e.3"
       trusted: "true"
       physical_network: "sriov1"
     - address: "0000:19:0e.0"
       trusted: "true"
       physical_network: "sriov2"

    director はホストの VF を把握し、インスタンスで利用可能な VF の PCI アドレスを派生します。

  5. NIC の分割が必要なすべてのノードで IOMMU を有効にします。たとえば、Compute ノードに NIC 分割を設定する場合は、そのロールの KernelArgs パラメーターを使用して IOMMU を有効にします。

    parameter_defaults:
      ComputeParameters:
        KernelArgs: "intel_iommu=on iommu=pt"
    注記

    KernelArgs パラメーターをロールの設定に初めて追加すると、オーバークラウドノードが自動的に再起動されます。必要に応じて、ノードの自動再起動を無効にし、代わりに各オーバークラウドのデプロイ後にノードの再起動を手動で実行できます。

    詳細は、インスタンス作成のための Compute サービスの設定 ガイドの KernelArgs を定義するための手動ノード再起動の設定 を参照してください。

  6. その他の環境ファイルと共にロールファイルおよび環境ファイルをスタックに追加して、オーバークラウドをデプロイします。

    (undercloud)$ openstack overcloud deploy --templates \
      -r os-net-config.yaml
      -e [your environment files] \
      -e /home/stack/templates/<compute_environment_file>.yaml

検証

  1. オーバークラウド Compute ノードに heat-admin としてログインし、VF の数を確認します。

    [heat-admin@overcloud-compute-0 heat-admin]$ sudo cat /sys/class/net/p4p1/device/sriov_numvfs
    10
    [heat-admin@overcloud-compute-0 heat-admin]$ sudo cat /sys/class/net/p4p2/device/sriov_numvfs
    10
  2. OVS 接続を表示します。

    [heat-admin@overcloud-compute-0]$ sudo ovs-vsctl show
    b6567fa8-c9ec-4247-9a08-cbf34f04c85f
        Manager "ptcp:6640:127.0.0.1"
            is_connected: true
        Bridge br-sriov2
            Controller "tcp:127.0.0.1:6633"
                is_connected: true
            fail_mode: secure
            datapath_type: netdev
            Port phy-br-sriov2
                Interface phy-br-sriov2
                    type: patch
                    options: {peer=int-br-sriov2}
            Port br-sriov2
                Interface br-sriov2
                    type: internal
        Bridge br-sriov1
            Controller "tcp:127.0.0.1:6633"
                is_connected: true
            fail_mode: secure
            datapath_type: netdev
            Port phy-br-sriov1
                Interface phy-br-sriov1
                    type: patch
                    options: {peer=int-br-sriov1}
            Port br-sriov1
                Interface br-sriov1
                    type: internal
        Bridge br-ex
            Controller "tcp:127.0.0.1:6633"
                is_connected: true
            fail_mode: secure
            datapath_type: netdev
            Port br-ex
                Interface br-ex
                    type: internal
            Port phy-br-ex
                Interface phy-br-ex
                    type: patch
                    options: {peer=int-br-ex}
        Bridge br-tenant
            Controller "tcp:127.0.0.1:6633"
                is_connected: true
            fail_mode: secure
            datapath_type: netdev
            Port br-tenant
                tag: 305
                Interface br-tenant
                    type: internal
            Port phy-br-tenant
                Interface phy-br-tenant
                    type: patch
                    options: {peer=int-br-tenant}
            Port dpdkbond0
                Interface dpdk0
                    type: dpdk
                    options: {dpdk-devargs="0000:18:0e.0"}
                Interface dpdk1
                    type: dpdk
                    options: {dpdk-devargs="0000:18:0a.0"}
        Bridge br-tun
            Controller "tcp:127.0.0.1:6633"
                is_connected: true
            fail_mode: secure
            datapath_type: netdev
            Port vxlan-98140025
                Interface vxlan-98140025
                    type: vxlan
                    options: {df_default="true", egress_pkt_mark="0", in_key=flow, local_ip="152.20.0.229", out_key=flow, remote_ip="152.20.0.37"}
            Port br-tun
                Interface br-tun
                    type: internal
            Port patch-int
                Interface patch-int
                    type: patch
                    options: {peer=patch-tun}
            Port vxlan-98140015
                Interface vxlan-98140015
                    type: vxlan
                    options: {df_default="true", egress_pkt_mark="0", in_key=flow, local_ip="152.20.0.229", out_key=flow, remote_ip="152.20.0.21"}
            Port vxlan-9814009f
                Interface vxlan-9814009f
                    type: vxlan
                    options: {df_default="true", egress_pkt_mark="0", in_key=flow, local_ip="152.20.0.229", out_key=flow, remote_ip="152.20.0.159"}
            Port vxlan-981400cc
                Interface vxlan-981400cc
                    type: vxlan
                    options: {df_default="true", egress_pkt_mark="0", in_key=flow, local_ip="152.20.0.229", out_key=flow, remote_ip="152.20.0.204"}
        Bridge br-int
            Controller "tcp:127.0.0.1:6633"
                is_connected: true
            fail_mode: secure
            datapath_type: netdev
            Port int-br-tenant
                Interface int-br-tenant
                    type: patch
                    options: {peer=phy-br-tenant}
            Port int-br-ex
                Interface int-br-ex
                    type: patch
                    options: {peer=phy-br-ex}
            Port int-br-sriov1
                Interface int-br-sriov1
                    type: patch
                    options: {peer=phy-br-sriov1}
            Port patch-tun
                Interface patch-tun
                    type: patch
                    options: {peer=patch-int}
            Port br-int
                Interface br-int
                    type: internal
            Port int-br-sriov2
                Interface int-br-sriov2
                    type: patch
                    options: {peer=phy-br-sriov2}
            Port vhu4142a221-93
                tag: 1
                Interface vhu4142a221-93
                    type: dpdkvhostuserclient
                    options: {vhost-server-path="/var/lib/vhost_sockets/vhu4142a221-93"}
        ovs_version: "2.13.2"
  3. OVS-DPDK SR-IOV Compute ノードに heat-admin としてログインし、Linux ボンディングを確認します。

    [heat-admin@overcloud-computeovsdpdksriov-1 ~]$ cat /proc/net/bonding/<bond_name>
    Ethernet Channel Bonding Driver: v3.7.1 (April 27, 2011)
    
    Bonding Mode: fault-tolerance (active-backup)
    Primary Slave: None
    Currently Active Slave: eno3v1
    MII Status: up
    MII Polling Interval (ms): 0
    Up Delay (ms): 0
    Down Delay (ms): 0
    Peer Notification Delay (ms): 0
    
    Slave Interface: eno3v1
    MII Status: up
    Speed: 10000 Mbps
    Duplex: full
    Link Failure Count: 0
    Permanent HW addr: 4e:77:94:bd:38:d2
    Slave queue ID: 0
    
    Slave Interface: eno4v1
    MII Status: up
    Speed: 10000 Mbps
    Duplex: full
    Link Failure Count: 0
    Permanent HW addr: 4a:74:52:a7:aa:7c
    Slave queue ID: 0
  4. OVS ボンディングを一覧表示します。

    [heat-admin@overcloud-computeovsdpdksriov-1 ~]$ sudo ovs-appctl bond/show
    ---- dpdkbond0 ----
    bond_mode: balance-slb
    bond may use recirculation: no, Recirc-ID : -1
    bond-hash-basis: 0
    updelay: 0 ms
    downdelay: 0 ms
    next rebalance: 9491 ms
    lacp_status: off
    lacp_fallback_ab: false
    active slave mac: ce:ee:c7:58:8e:b2(dpdk1)
    
    slave dpdk0: enabled
      may_enable: true
    
    slave dpdk1: enabled
      active slave
      may_enable: true

NovaPCIPassthrough を使用して VF をインスタンスに渡した場合は、SR-IOV のインスタンスをデプロイ してテストします。

7.3. NIC パーティションの設定例

VF 上の Linux ボンディング

以下の例では、VF 上で Linux ボンディングを設定して、spoofcheck を無効にし、VLAN タグを sriov_vf に適用します。

- type: linux_bond
  name: bond_api
  bonding_options: "mode=active-backup"
  members:
    - type: sriov_vf
      device: eno2
      vfid: 1
      vlan_id:
        get_param: InternalApiNetworkVlanID
      spoofcheck: false
    - type: sriov_vf
      device: eno3
      vfid: 1
      vlan_id:
        get_param: InternalApiNetworkVlanID
      spoofcheck: false
  addresses:
    - ip_netmask:
      get_param: InternalApiIpSubnet
  routes:
    list_concat_unique:
    - get_param: InternalApiInterfaceRoutes

VF 上の OVS ブリッジ

以下の例では、VF に OVS ブリッジを設定します。

- type: ovs_bridge
  name: br-bond
  use_dhcp: true
  members:
    - type: vlan
      vlan_id:
      get_param: TenantNetworkVlanID
  addresses:
  - ip_netmask:
    get_param: TenantIpSubnet
  routes:
    list_concat_unique:
      - get_param: ControlPlaneStaticRoutes
  - type: ovs_bond
    name: bond_vf
    ovs_options: "bond_mode=active-backup"
    members:
      - type: sriov_vf
        device: p2p1
        vfid: 2
      - type: sriov_vf
        device: p2p2
        vfid: 2

VF 上の OVS ユーザーブリッジ

以下の例では、VF で OVS ユーザーブリッジを設定し、VLAN タグを ovs_user_bridge に適用します。

- type: ovs_user_bridge
  name: br-link0
  use_dhcp: false
  mtu: 9000
  ovs_extra:
    - str_replace:
        template: set port br-link0 tag=_VLAN_TAG_
        params:
          _VLAN_TAG_:
            get_param: TenantNetworkVlanID
  addresses:
    - ip_netmask:
    list_concat_unique:
      - get_param: TenantInterfaceRoutes
  members:
    - type: ovs_dpdk_bond
      name: dpdkbond0
      mtu: 9000
      ovs_extra:
        - set port dpdkbond0 bond_mode=balance-slb
      members:
        - type: ovs_dpdk_port
          name: dpdk0
          members:
            - type: sriov_vf
              device: eno2
              vfid: 3
        - type: ovs_dpdk_port
          name: dpdk1
          members:
            - type: sriov_vf
              device: eno3
              vfid: 3

7.4. OVS ハードウェアオフロードの設定

OVS ハードウェアオフロードを設定する手順と SR-IOV を設定する手順は、多くの部分が共通です。

注記

Red Hat OpenStack Platform 16.2.3 以降、OVS ハードウェアオフロードおよび ML2/OVS を使用して Compute ノードからトラフィックをオフロードするには、openvswitch_agent.ini 設定ファイルで disable_packet_marking パラメーターを true に設定してから、neutron_ovs_agent コンテナーを再起動する必要があります。

+

cat /var/lib/config-data/puppet-generated/neutron/\
etc/neutron/plugins/ml2/openvswitch_agent.ini
  [ovs]
  disable_packet_marking=True

手順

  1. Compute ロールをベースとする OVS ハードウェアオフロード用のオーバークラウドロールを生成します。

    openstack overcloud roles generate -o roles_data.yaml \
    Controller Compute:ComputeOvsHwOffload
  2. オプション: ComputeOvsHwOffload ロール向けの HostnameFormatDefault: '%stackname%-compute-%index%' の名前を変更します。
  3. ロール固有のパラメーターセクションに OvsHwOffload パラメーターを追加し、値を true に設定してます。
  4. neutron が iptables/ハイブリッドのファイアウォールドライバーの実装を使用するように設定するには、NeutronOVSFirewallDriver: iptables_hybrid の行を追加します。NeutronOVSFirewallDriver の詳細は、オーバークラウドの高度なカスタマイズOpen vSwitch ファイアウォールの使用 を参照してください。
  5. ご自分の環境に合わせて、physical_network パラメーターを設定します。

    • VLAN の場合には、physical_network パラメーターをデプロイメント後に neutron で作成するネットワークの名前に設定します。この値は、NeutronBridgeMappings にも設定する必要があります。
    • VXLAN の場合には、physical_network パラメーターを null に設定します。

      以下に例を示します。

      parameter_defaults:
        NeutronOVSFirewallDriver: iptables_hybrid
        ComputeSriovParameters:
          IsolCpusList: 2-9,21-29,11-19,31-39
          KernelArgs: "default_hugepagesz=1GB hugepagesz=1G hugepages=128 intel_iommu=on iommu=pt"
          OvsHwOffload: true
          TunedProfileName: "cpu-partitioning"
          NeutronBridgeMappings:
            - tenant:br-tenant
          NovaPCIPassthrough:
            - vendor_id: <vendor-id>
              product_id: <product-id>
              address: <address>
              physical_network: "tenant"
            - vendor_id: <vendor-id>
              product_id: <product-id>
              address: <address>
              physical_network: "null"
          NovaReservedHostMemory: 4096
          NovaComputeCpuDedicatedSet: 1-9,21-29,11-19,31-39
    • <vendor-id> は、物理 NIC のベンダー ID に置き換えます。
    • <product-id> は、NIC VF のプロダクト ID に置き換えます。
    • <address> は、物理 NIC のアドレスに置き換えます。

      NovaPCIPassthrough の設定方法の詳細は、インスタンス作成のための Compute サービスの設定 ガイドの NovaPCIPassthrough の設定に関するガイドライン を参照してください。

  6. デフォルトフィルターのリストに NUMATopologyFilter が含まれるようにします。

    parameter_defaults:
      NovaSchedulerEnabledFilters:
        - AvailabilityZoneFilter
        - ComputeFilter
        - ComputeCapabilitiesFilter
        - ImagePropertiesFilter
        - ServerGroupAntiAffinityFilter
        - ServerGroupAffinityFilter
        - PciPassthroughFilter
        - NUMATopologyFilter
    注記

    オプション: Mellanox ConnectX5 NIC を使用する RHOSP 16.2 での OVS ハードウェアオフロードに関する問題のトラブルシューティングと設定方法の詳細は、ハードウェアオフロードのトラブルシューティング を参照してください。

  7. compute-sriov.yaml 設定ファイルで、ハードウェアオフロードに使用するネットワークインターフェイスを 1 つまたは複数設定します。

      - type: ovs_bridge
        name: br-tenant
        mtu: 9000
        members:
        - type: sriov_pf
          name: p7p1
          numvfs: 5
          mtu: 9000
          primary: true
          promisc: true
          use_dhcp: false
          link_mode: switchdev
    注記
    • Open vSwitch ハードウェアオフロードを設定する場合には、NeutronSriovNumVFs パラメーターを使用しないでください。Virtual Function の数は、os-net-config で使用されるネットワーク設定ファイルの numvfs パラメーターを使用して指定します。Red Hat では、更新または再デプロイ時の numvfs 設定の変更をサポートしません。
    • Mellanox ネットワークインターフェイスの nic-config インターフェイス種別を ovs-vlan に設定しないでください。ドライバーの制約により、VXLAN 等のトンネルエンドポイントがトラフィックを渡さなくなるためです。
  8. overcloud deploy コマンドに ovs-hw-offload.yaml ファイルを追加します。

    TEMPLATES_HOME=”/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates”
    CUSTOM_TEMPLATES=”/home/stack/templates”
    
    openstack overcloud deploy --templates \
      -r ${CUSTOM_TEMPLATES}/roles_data.yaml \
      -e ${TEMPLATES_HOME}/environments/ovs-hw-offload.yaml \
      -e ${CUSTOM_TEMPLATES}/network-environment.yaml \
      -e ${CUSTOM_TEMPLATES}/neutron-ovs.yaml

検証

  1. PCI デバイスが switchdev モードにあることを確認します。

    # devlink dev eswitch show pci/0000:03:00.0
    pci/0000:03:00.0: mode switchdev inline-mode none encap enable
  2. OVS でオフロードが有効かどうかを確認します。

    # ovs-vsctl get Open_vSwitch . other_config:hw-offload
    “true”

7.5. OVS ハードウェアオフロードの調整例

最適なパフォーマンスを得るには、追加の設定手順を完了する必要があります。

パフォーマンスを向上させるための、各ネットワークインターフェイスチャンネル数の調整

チャンネルには、割り込み要求 (IRQ) および IRQ のトリガーとなるキューのセットが含まれます。mlx5_core ドライバーを switchdev モードに設定すると、mlx5_core ドライバーはデフォルトである 単一の結合チャンネルに設定されます。この設定では、最適なパフォーマンスを得られない可能性があります。

手順

  • PF レプリゼンターで以下のコマンドを入力し、ホストが利用可能な CPU 数を調整します。$(nproc) を利用可能にする CPU 数に置き換えます。

    $ sudo ethtool -L enp3s0f0 combined $(nproc)

CPU ピニング

NUMA をまたがる操作によりパフォーマンスが低下するのを防ぐためには、NIC、そのアプリケーション、VF ゲスト、および OVS を同じ NUMA ノード内に配置します。詳細は、Configuring the Compute Service for Instance CreationガイドのConfiguring CPU pinning on Compute nodes を参照してください。

7.6. OVS ハードウェアオフロードのコンポーネントの設定

Mellanox スマート NIC を使用した OVS HW オフロードのコンポーネントの設定およびトラブルシューティングを行うためのリファレンス。

Nova

NUMATopologyFilter および DerivePciWhitelistEnabled パラメーターで NovaPCIPassthrough フィルターを使用するように Nova スケジューラーを設定します。OVS HW オフロードを有効にすると、Nova スケジューラーはインスタンスの起動に関して SR-IOV パススルーと同じ様に動作します。

Neutron

OVS HW オフロードを有効にする場合は、devlink cli ツールを使用して NIC e-switch モードを switchdev に設定します。Switchdev モードにより、NIC 上にレプリゼンターポートが確立され、VF にマッピングされます。

手順

  1. switchdev が有効な NIC からポートを割り当てるには、admin ユーザーとしてログインし、capabilitiesbinding-profile 値で neutron ポートを作成し、ポートセキュリティーを無効にします。

    $ openstack port create --network private --vnic-type=direct --binding-profile '{"capabilities": ["switchdev"]}' direct_port1 --disable-port-security
  2. インスタンスの作成時にこのポート情報を渡します。

    レプリゼンターポートをインスタンスの VF インターフェイスに関連付け、ワンタイム OVS データパス処理のためにレプリゼンターポートを OVS ブリッジ br-int に接続します。VF ポートのレプリゼンターは、物理パッチパネルフロントエンドのソフトウェアバージョンのように機能します。

    新規インスタンス作成についての詳しい情報は、SR-IOV 用インスタンスのデプロイ を参照してください。

OVS

ハードウェアオフロードが設定された環境では、送信された最初のパケットが OVS カーネルパスを通過し、このパケットの移動によりインスタンスの送受信トラフィックに対する ml2 OVS ルールが確立されます。トラフィックストリームのフローが確立されると、OVS はトラフィック制御 (TC) Flower ユーティリティーを使用してこれらのフローを NIC ハードウェアにプッシュします。

手順

  1. director を使用して、以下の設定を OVS に適用します。

    $ sudo ovs-vsctl set Open_vSwitch . other_config:hw-offload=true
  2. 再起動して HW オフロードを有効にします。

トラフィック制御 (TC) サブシステム

hw-offload フラグを有効にすると、OVS は TC データパスを使用します。TC Flower は、ハードウェアにデータパスフローを書き込む iproute2 ユーティリティーです。これにより、フローがハードウェアデータパスとソフトウェアデータパスの両方でプログラムされるようになり、冗長性が確保されます。

手順

  1. 以下の設定を適用します。明示的に tc-policy を設定していない場合、これがデフォルトのオプションです。

    $ sudo ovs-vsctl set Open_vSwitch . other_config:tc-policy=none
  2. OVS を再起動します。

NIC PF および VF ドライバー

mlx5_core は、Mellanox ConnectX-5 NIC の PF ドライバーおよび VF ドライバーです。mlx5_core ドライバーは以下のタスクを実行します。

  • ハードウェア上にルーティングテーブルを作成する。
  • ネットワークフローの制御を管理する。
  • イーサネットスイッチデバイスドライバーモデル switchdev を設定する。
  • ブロックデバイスを作成する。

手順

  • 以下の devlink コマンドを使用して、PCI デバイスモードのクエリーを行います。

    $ sudo devlink dev eswitch set pci/0000:03:00.0 mode switchdev
    $ sudo devlink dev eswitch show pci/0000:03:00.0
    pci/0000:03:00.0: mode switchdev inline-mode none encap enable

NIC ファームウェア

NIC ファームウェアは以下のタスクを実行します。

  • ルーティングテーブルおよびルールを維持する。
  • テーブルのパイプラインを修正する。
  • ハードウェアリソースを管理する。
  • VF を作成する。

最適なパフォーマンスを得るために、ファームウェアはドライバーと連携します。

NIC ファームウェアは揮発性ではなくリブート後も維持されますが、ランタイム中に設定を変更することができます。

手順

  • インターフェイスおよびレプリゼンターポートに以下の設定を適用し、TC Flower がポートレベルでフロープログラミングをプッシュするようにします。

     $ sudo ethtool -K enp3s0f0 hw-tc-offload on
注記

ファームウェアを更新された状態に維持します。Yum または dnf による更新では、ファームウェアの更新が完了しない可能性があります。詳細は、ベンダーのドキュメントを参照してください。

7.7. OVS ハードウェアオフロードのトラブルシューティング

前提条件

  • Linux カーネル 4.13 以降
  • OVS 2.8 以降
  • RHOSP 12 以降
  • Iproute 4.12 以降
  • Mellanox NIC ファームウェア (例: FW ConnectX-5 16.21.0338 以降)

サポート対象となる前提条件の詳細は、Red Hat ナレッジベースのソリューション Network Adapter Fast Datapath Feature Support Matrix を参照してください。

OVS HW オフロードデプロイメントでのネットワーク設定

HW オフロードのデプロイメントでは、ネットワーク設定として、以下のシナリオのどちらかを要件に応じて使用することができます。

  • ボンディングに接続された同じインターフェイスセットを使用するか、種別ごとに異なる NIC セットを使用して、VXLAN および VLAN 上でゲスト仮想マシンをホストすることができます。
  • Linux ボンディングを使用して、Mellanox NIC の 2 つのポートをボンディングすることができます。
  • Mellanox Linux ボンディングに加えて、VLAN インターフェイス上でテナント VXLAN ネットワークをホストすることができます。

個々の NIC およびボンディングが ovs-bridge のメンバーになるように設定します。

以下のネットワーク設定例を参照してください。

             - type: ovs_bridge
                name: br-offload
                mtu: 9000
                use_dhcp: false
                members:
                - type: linux_bond
                  name: bond-pf
                  bonding_options: "mode=active-backup miimon=100"
                  members:
                  - type: sriov_pf
                    name: p5p1
                    numvfs: 3
                    primary: true
                    promisc: true
                    use_dhcp: false
                    defroute: false
                    link_mode: switchdev
                  - type: sriov_pf
                    name: p5p2
                    numvfs: 3
                    promisc: true
                    use_dhcp: false
                    defroute: false
                    link_mode: switchdev

              - type: vlan
                vlan_id:
                  get_param: TenantNetworkVlanID
                device: bond-pf
                addresses:
                - ip_netmask:
                    get_param: TenantIpSubnet

次のボンディング設定がサポートされています。

  • active-backup: mode=1
  • active-active または balance-xor: mode=2
  • 802.3ad (LACP): mode=4

以下のボンディング設定はサポートされません。

  • xmit_hash_policy=layer3+4

インターフェイス設定の確認

以下の手順で、インターフェイス設定を確認します。

手順

  1. デプロイメント時に、ホストネットワーク設定ツール os-net-config を使用して hw-tc-offload を有効にします。
  2. Compute ノードをリブートするたびに、sriov_config サービスで hw-tc-offload を有効にします。
  3. ボンディングに接続されている NIC について、hw-tc-offload パラメーターを on に設定します。

    [root@overcloud-computesriov-0 ~]# ethtool -k ens1f0 | grep tc-offload
    hw-tc-offload: on

インターフェイスモードの確認

以下の手順で、インターフェイスモードを確認します。

手順

  1. HW オフロードに使用するインターフェイスの eswitch モードを switchdev に設定します。
  2. ホストネットワーク設定ツール os-net-config を使用して、デプロイメント時に eswitch を有効にします。
  3. Compute ノードをリブートするたびに、sriov_config サービスで eswitch を有効にします。

    [root@overcloud-computesriov-0 ~]# devlink dev eswitch show pci/$(ethtool -i ens1f0 | grep bus-info | cut -d ':' -f 2,3,4 | awk '{$1=$1};1')
注記

PF インターフェイスのドライバーが "mlx5e_rep" に設定され、e-switch アップリンクポートのレプリゼンターであることが示されます。これは機能には影響を及ぼしません。

OVS のオフロード状態の確認

以下の手順で、OVS のオフロード状態を確認します。

  • Compute ノードにおいて、OVS のハードウェアオフロードを有効にします。

    [root@overcloud-computesriov-0 ~]# ovs-vsctl get Open_vSwitch . other_config:hw-offload
    "true"

VF レプリゼンターポートの名前の確認

VF レプリゼンターポートの命名に一貫性を持たせるために、os-net-config は udev ルールを使用してポートの名前を <PF-name>_<VF_id> の形式で変更します。

手順

  • デプロイメント後に、VF レプリゼンターポートの名前が正しく付けられていることを確認します。

    root@overcloud-computesriov-0 ~]# cat /etc/udev/rules.d/80-persistent-os-net-config.rules
    # This file is autogenerated by os-net-config
    
    SUBSYSTEM=="net", ACTION=="add", ATTR{phys_switch_id}!="", ATTR{phys_port_name}=="pf*vf*", ENV{NM_UNMANAGED}="1"
    SUBSYSTEM=="net", ACTION=="add", DRIVERS=="?*", KERNELS=="0000:65:00.0", NAME="ens1f0"
    SUBSYSTEM=="net", ACTION=="add", ATTR{phys_switch_id}=="98039b7f9e48", ATTR{phys_port_name}=="pf0vf*", IMPORT{program}="/etc/udev/rep-link-name.sh $attr{phys_port_name}", NAME="ens1f0_$env{NUMBER}"
    SUBSYSTEM=="net", ACTION=="add", DRIVERS=="?*", KERNELS=="0000:65:00.1", NAME="ens1f1"
    SUBSYSTEM=="net", ACTION=="add", ATTR{phys_switch_id}=="98039b7f9e49", ATTR{phys_port_name}=="pf1vf*", IMPORT{program}="/etc/udev/rep-link-name.sh $attr{phys_port_name}", NAME="ens1f1_$env{NUMBER}"

ネットワークトラフィックフローの調査

HW オフロードが設定されたネットワークフローは、特定用途向け集積回路 (ASIC) チップを持つ物理スイッチまたはルーターと同じ様に機能します。スイッチまたはルーターの ASIC シェルにアクセスして、ルーティングテーブルの調査や他のデバッグを行うことができます。以下の手順では、例として Cumulus Linux スイッチの Broadcom チップセットを使用しています。実際の環境に応じて値を置き換えてください。

手順

  1. Broadcom チップのルーティングテーブルの内容を取得するには、bcmcmd コマンドを使用します。

    root@dni-7448-26:~# cl-bcmcmd l2 show
    
    mac=00:02:00:00:00:08 vlan=2000 GPORT=0x2 modid=0 port=2/xe1
    mac=00:02:00:00:00:09 vlan=2000 GPORT=0x2 modid=0 port=2/xe1 Hit
  2. トラフィック制御 (TC) レイヤーを検査します。

    # tc -s filter show dev p5p1_1 ingress
    …
    filter block 94 protocol ip pref 3 flower chain 5
    filter block 94 protocol ip pref 3 flower chain 5 handle 0x2
      eth_type ipv4
      src_ip 172.0.0.1
      ip_flags nofrag
      in_hw in_hw_count 1
            action order 1: mirred (Egress Redirect to device eth4) stolen
            index 3 ref 1 bind 1 installed 364 sec used 0 sec
            Action statistics:
            Sent 253991716224 bytes 169534118 pkt (dropped 0, overlimits 0 requeues 0)
            Sent software 43711874200 bytes 30161170 pkt
            Sent hardware 210279842024 bytes 139372948 pkt
            backlog 0b 0p requeues 0
            cookie 8beddad9a0430f0457e7e78db6e0af48
            no_percpu
  3. この出力で in_hw フラグおよび統計値を調べます。hardware という言葉は、ハードウェアがネットワークトラフィックを処理していることを示しています。tc-policy=none を使用する場合は、この出力または tcpdump を確認して、ハードウェアまたはソフトウェアがパケットを処理するタイミングを調べることができます。ドライバーがパケットをオフロードできない場合は、dmesg または ovs-vswitch.log に対応するログメッセージが表示されます。
  4. Mellanox を例に取ると、ログエントリーは dmesg の徴候メッセージに類似しています。

    [13232.860484] mlx5_core 0000:3b:00.0: mlx5_cmd_check:756:(pid 131368): SET_FLOW_TABLE_ENTRY(0x936) op_mod(0x0) failed, status bad parameter(0x3), syndrome (0x6b1266)

    この例では、エラーコード (0x6b1266) は以下の動作を表します。

    0x6B1266 |  set_flow_table_entry: pop vlan and forward to uplink is not allowed

システムの検証

以下の手順で、ご自分のシステムを検証します。

手順

  1. システムで SR-IOV および VT-d が有効であることを確認します。
  2. たとえば GRUB を使用して、カーネルパラメーターに intel_iommu=on を追加して Linux の IOMMU を有効にします。

制限事項

OVS 2.11 のオフロードパスでは、フローの接続追跡属性がサポートされないため、HW オフロードで OVS ファイアウォールドライバーを使用することはできません。

7.8. ハードウェアオフロードフローのデバッグ

ovs-vswitch.log ファイルに次のメッセージが表示される場合は、以下の手順を使用することができます。

2020-01-31T06:22:11.257Z|00473|dpif_netlink(handler402)|ERR|failed to offload flow: Operation not supported: p6p1_5

手順

  1. オフロードモジュールのロギングを有効にし、この障害に関する追加のログ情報を取得するには、Compute ノードで以下のコマンドを使用します。

    ovs-appctl vlog/set dpif_netlink:file:dbg
    # Module name changed recently (check based on the version used
    ovs-appctl vlog/set netdev_tc_offloads:file:dbg [OR] ovs-appctl vlog/set netdev_offload_tc:file:dbg
    ovs-appctl vlog/set tc:file:dbg
  2. 再度 ovs-vswitchd ログを調べ、問題に関する追加情報を確認します。

    以下に示すログの例では、サポートされない属性マークが原因でオフロードに失敗しています。

     2020-01-31T06:22:11.218Z|00471|dpif_netlink(handler402)|DBG|system@ovs-system: put[create] ufid:61bd016e-eb89-44fc-a17e-958bc8e45fda recirc_id(0),dp_hash(0/0),skb_priority(0/0),in_port(7),skb_mark(0),ct_state(0/0),ct_zone(0/0),ct_mark(0/0),ct_label(0/0),eth(src=fa:16:3e:d2:f5:f3,dst=fa:16:3e:c4:a3:eb),eth_type(0x0800),ipv4(src=10.1.1.8/0.0.0.0,dst=10.1.1.31/0.0.0.0,proto=1/0,tos=0/0x3,ttl=64/0,frag=no),icmp(type=0/0,code=0/0), actions:set(tunnel(tun_id=0x3d,src=10.10.141.107,dst=10.10.141.124,ttl=64,tp_dst=4789,flags(df|key))),6
    
    2020-01-31T06:22:11.253Z|00472|netdev_tc_offloads(handler402)|DBG|offloading attribute pkt_mark isn't supported
    
    2020-01-31T06:22:11.257Z|00473|dpif_netlink(handler402)|ERR|failed to offload flow: Operation not supported: p6p1_5

Mellanox NIC のデバッグ

Mellanox は、Red Hat の SOS レポートに類似したシステム情報スクリプトを提供しています。

https://github.com/Mellanox/linux-sysinfo-snapshot/blob/master/sysinfo-snapshot.py

このコマンドを実行すると、サポートケースで役立つ、関連ログ情報の zip ファイルが作成されます。

手順

  • 以下のコマンドを使用して、このシステム情報スクリプトを実行することができます。

    # ./sysinfo-snapshot.py --asap --asap_tc --ibdiagnet --openstack

Mellanox Firmware Tools (MFT)、mlxconfig、mlxlink、および OpenFabrics Enterprise Distribution (OFED) ドライバーをインストールすることもできます。

有用な CLI コマンド

以下のオプションと共に ethtool ユーティリティーを使用して、診断情報を収集します。

  • ethtool -l <uplink representor>: チャンネル数の表示
  • ethtool -I <uplink/VFs>: 統計値の確認
  • ethtool -i <uplink rep>: ドライバー情報の表示
  • ethtool -g <uplink rep>: リングサイズの確認
  • ethtool -k <uplink/VFs>: 有効な機能の表示

レプリゼンターポートおよび PF ポートで tcpdump ユーティリティーを使用して、同様にトラフィックフローを確認します。

  • レプリゼンターポートのリンク状態に加えた変更は、すべて VF のリンク状態にも影響を及ぼします。
  • レプリゼンターポートの統計値には、VF の統計も表示されます。

以下のコマンドを使用して、有用な診断情報を取得します。

$ ovs-appctl dpctl/dump-flows -m type=offloaded

$ ovs-appctl dpctl/dump-flows -m

$ tc filter show dev ens1_0 ingress

$ tc -s filter show dev ens1_0 ingress

$ tc monitor

7.9. SR-IOV 用インスタンスのデプロイ

ホストアグリゲートを使用して、ハイパフォーマンス Compute ホストを分離します。ホストアグリゲートの作成およびスケジューリング用の関連フレーバーに関する詳細は、ホストアグリゲートの作成 を参照してください。

注記

CPU ピニングを設定したインスタンスと設定していないインスタンスを、同じ Compute ノードに配置することができます。詳細は、Configuring the Compute Service for Instance CreationガイドのConfiguring CPU pinning on Compute nodes を参照してください。

以下の手順を実施して、Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) 用インスタンスをデプロイします。

手順

  1. フレーバーを作成します。

    $ openstack flavor create <flavor> --ram <MB> --disk <GB> --vcpus <#>
    ヒント

    フレーバーに追加スペック hw:pci_numa_affinity_policy を追加して、PCI パススルーデバイスおよび SR-IOV インターフェイスの NUMA アフィニティーポリシーを指定することができます。詳細は、Configuring the Compute Service for Instance CreationFlavor metadata を参照してください。

  2. ネットワークを作成します。

    $ openstack network create net1 --provider-physical-network tenant --provider-network-type vlan --provider-segment <VLAN-ID>
    $ openstack subnet create subnet1 --network net1 --subnet-range 192.0.2.0/24 --dhcp
  3. ポートを作成します。

    • SR-IOV Virtual Function (VF) ポートを作成するには、vnic-type に direct を使用します。

      $ openstack port create --network net1 --vnic-type direct sriov_port
    • ハードウェアオフロードを有効にして Virtual Function を作成するには、以下のコマンドを使用します。--binding-profile を設定するには、管理者ユーザーである必要があります。

      $ openstack port create --network net1 --vnic-type direct --binding-profile '{"capabilities": ["switchdev"]} sriov_hwoffload_port
    • vnic-type に direct-physical を使用して、単一のインスタンス専用の SR-IOV Physical Function (PF) ポートを作成します。この PF ポートは Networking サービス (neutron) ポートですが、Networking サービスによって制御されておらず、インスタンスにパススルーされる PCI デバイスであるため、ネットワークアダプターとして表示されません。

      $ openstack port create --network net1 --vnic-type direct-physical sriov_port
  4. インスタンスをデプロイします。

    $ openstack server create --flavor <flavor> --image <image> --nic port-id=<id> <instance name>

7.10. ホストアグリゲートの作成

パフォーマンスを向上させるために、CPU ピニングおよびヒュージページが設定されたゲストをデプロイします。アグリゲートメタデータをフレーバーメタデータに一致させることで、ホストのサブセット上にハイパフォーマンスインスタンスをスケジュールすることができます。

手順

  1. デプロイメントテンプレートの parameter_defaults セクションで heat パラメーター NovaSchedulerEnabledFilters を使用して、AggregateInstanceExtraSpecsFilter の値およびその他の必要なフィルターを設定することができます。

    parameter_defaults:
      NovaSchedulerEnabledFilters:
        - AggregateInstanceExtraSpecsFilter
        - AvailabilityZoneFilter
        - ComputeFilter
        - ComputeCapabilitiesFilter
        - ImagePropertiesFilter
        - ServerGroupAntiAffinityFilter
        - ServerGroupAffinityFilter
        - PciPassthroughFilter
        - NUMATopologyFilter
    注記

    このパラメーターを既存のクラスターの設定に追加するには、このパラメーターをヒートテンプレートに追加して、元のデプロイメントスクリプトを再度実行します。

  2. SR-IOV 用のアグリゲートグループを作成し、適切なホストを追加します。定義するフレーバーメタデータに一致するメタデータを定義します (例: sriov=true)。

    # openstack aggregate create sriov_group
    # openstack aggregate add host sriov_group compute-sriov-0.localdomain
    # openstack aggregate set --property sriov=true sriov_group
  3. フレーバーを作成します。

    # openstack flavor create <flavor> --ram <MB> --disk <GB> --vcpus <#>
  4. 追加のフレーバー属性を設定します。定義したメタデータ (sriov=true) と SR-IOV アグリゲートで定義したメタデータが一致している点に注意してください。

    # openstack flavor set --property sriov=true --property hw:cpu_policy=dedicated --property hw:mem_page_size=1GB <flavor>

第8章 OVS-DPDK デプロイメントのプランニング

NFV 向けの Data Plane Development Kit 対応 Open vSwitch (OVS-DPDK) デプロイメントを最適化するには、OVS-DPDK が Compute ノードのハードウェア (CPU、NUMA ノード、メモリー、NIC) をどのように使用するかと、Compute ノードに応じた OVS-DPDK の各パラメーターを決定するにあたっての考慮事項を理解しておくべきです。

重要

OVS-DPDK および OVS ネイティブファイアウォール (conntrack に基づくステートフルファイアウォール) を使用する場合、追跡することができるのは ICMPv4、ICMPv6、TCP、および UDP プロトコルを使用するパケットだけです。OVS は、その他すべてのネットワークトラフィック種別を無効と識別します。

重要

Red Hat は、非 NFV ワークロードでの OVS-DPDK の使用をサポートしていません。NFV 以外のワークロードに OVS-DPDK 機能が必要な場合は、テクニカルアカウントマネージャー (TAM) に連絡するか、カスタマーサービスリクエストケースを開いて、サポートの例外やその他のオプションについて話し合ってください。カスタマーサービスリクエストケースを作成するには、ケースの作成 に移動し、アカウント > カスタマーサービスリクエスト を選択します。

8.1. CPU 分割と NUMA トポロジーを使用する OVS-DPDK

OVS-DPDK は、ホスト、ゲスト、およびそれ自体用にハードウェアリソースを分割します。OVS-DPDK Poll Mode Driver (PMD) は、専用の CPU コアを必要とする DPDK アクティブループを実行します。したがって、一部の CPU およびヒュージページを OVS-DPDK に割り当てる必要があります。

サンプルの分割では、デュアルソケットの Compute ノード上の 1 NUMA ノードにつき 16 コアが含まれます。ホストと OVS-DPDK 間で NIC を共有することができないので、トラフィックには追加の NIC が必要です。

図8.1 NUMA トポロジー: CPU パーティショニングを備えた OVS-DPDK

OpenStack NFV Hardware Capacities 464931 0118 OVS DPDK
注記

NUMA ノードに DPDK NIC が関連付けられていない場合でも、両方の NUMA ノードで DPDK PMD スレッドを確保する必要があります。

最高の OVS-DPDK パフォーマンスを得るためには、NUMA ノードにローカルなメモリーブロックを確保します。メモリーと CPU ピニングに使用する同じ NUMA ノードに関連付けられた NIC を選択してください。ボンディングを設定する両方のインターフェイスには、同じ NUMA ノード上の NIC を使用するようにしてください。

8.2. ワークフローと派生パラメーター

この機能は、本リリースでは テクノロジープレビュー として提供しているため、Red Hat では全面的にはサポートしていません。これは、テスト用途にのみご利用いただく機能です。実稼働環境にはデプロイしないでください。テクノロジープレビュー機能についての詳しい情報は、対象範囲の詳細 を参照してください。

Red Hat OpenStack Platform Workflow (mistral) サービスを使用すると、利用可能なベアメタルノードのケイパビリティーに基づいてパラメーターを派生することができます。ワークフローは YAML ファイルを使用して実行するタスクとアクションのセットを定義します。tripleo-common/workbooks/ ディレクトリーにある derive_params.yaml という事前定義済みのワークブックを使用することができます。このワークブックは、ベアメタルのイントロスペクションの結果から、サポートされる各パラメーターを派生するワークフローを提供します。derive_params.yaml のワークフローは、tripleo-common/workbooks/derive_params_formulas.yaml の計算式を使用して、派生パラメーターを計算します。

注記

実際の環境に応じて derive_params_formulas.yaml を変更することができます。

derive_params.yaml ワークブックは、特定のコンポーザブルロール用の全ノードのハードウェア仕様が同じであることを前提としています。ワークフローは、フレーバーとプロファイルの関連付けと、nova の配置スケジューラーを考慮して、ロールに関連付けられたノードを照合し、そのロールと一致する最初のノードのイントロスペクションデータを使用します。

ワークフローの詳細は、ワークフローおよび実行に関するトラブルシューティング を参照してください。

-p または --plan-environment-file オプションを使用して、ワークブックのリストおよび入力値が含まれるカスタムの plan_environment.yaml ファイルを openstack overcloud deploy コマンドに追加することができます。得られるワークフローは派生パラメーターをマージしてカスタムの plan_environment.yaml に戻し、オーバークラウドのデプロイメントに利用できるようになります。

デプロイメントでの --plan-environment-file オプションの使用方法に関する詳しい情報は、プランの環境メタデータ を参照してください。

8.3. OVS-DPDK の派生パラメーター

この機能は、本リリースでは テクノロジープレビュー として提供しているため、Red Hat では全面的にはサポートしていません。これは、テスト用途にのみご利用いただく機能です。実稼働環境にはデプロイしないでください。テクノロジープレビュー機能についての詳しい情報は、対象範囲の詳細 を参照してください。

derive_params.yaml のワークフローは、ComputeNeutronOvsDpdk サービスを使用するロールに関連付けられた DPDK パラメーターを派生します。

ワークフローは、OVS-DPDK の以下のパラメーターを自動的に派生することができます。NovaVcpuPinSet パラメーターは非推奨となり、専用の固定されたワークフロー用の NovaComputeCpuDedicatedSet に置き換えられています。

  • IsolCpusList
  • KernelArgs
  • NovaReservedHostMemory
  • NovaComputeCpuDedicatedSet
  • OvsDpdkSocketMemory
  • OvsPmdCoreList
注記

エラーを回避するには、ロール固有のパラメーターにロール固有のタグ付けを設定する必要があります。

OvsDpdkMemoryChannels パラメーターは、イントロスペクションのメモリーバンクデータからは派生できません。これは、メモリースロット名の形式がハードウェア環境ごとに異なるためです。

多くの場合、OvsDpdkMemoryChannels のデフォルト値は 4 です。ハードウェアのマニュアルを参照して 1 ソケットあたりのメモリーチャネル数を確認し、デフォルト値をその値で更新してください。

ワークフローパラメーターの詳細は、ワークフローを使用した DPDK パラメーターの算出 を参照してください。

8.4. OVS-DPDK パラメーター

本項では、OVS-DPDK が director の network_environment.yaml heat テンプレート内のパラメーターを使用して CPU とメモリーを設定し、パフォーマンスを最適化する方法について説明します。この情報を使用して、Compute ノードでのハードウェアサポートを評価すると共に、ハードウェアを分割して OVS-DPDK デプロイメントを最適化する方法を評価します。

注記

derived_parameters.yaml ワークフローを使用して代わりにこれらの値を生成する方法の詳細は、ワークフローと派生パラメーター を参照してください。

注記

CPU コアを割り当てる際には必ず、同じ物理コア上の CPU シブリングスレッド (あるいは論理 CPU) をペアにしてください。

Compute ノード上の CPU と NUMA ノードを特定する方法の詳細は、NUMA ノードのトポロジーについての理解 を参照してください。この情報を使用して、CPU と他のパラメーターをマッピングして、ホスト、ゲストインスタンス、OVS-DPDK プロセスのニーズに対応します。

8.4.1. CPU パラメーター

OVS-DPDK では、以下に示す CPU の分割用パラメーターが使用されます。

OvsPmdCoreList

DPDK Poll Mode Driver (PMD) に使用する CPU コアを提供します。DPDK インターフェイスのローカルの NUMA ノードに関連付けられた CPU コアを選択します。OVS の pmd-cpu-mask の値に OvsPmdCoreList を使用します。OvsPmdCoreList に関する以下の推奨事項に従ってください。

  • シブリングスレッドをペアにします。
  • パフォーマンスは、この PMD コアリストに割り当てられている物理コアの数によって異なります。DPDK NIC に関連付けられている NUMA ノードで、必要なコアを割り当てます。
  • DPDK NIC を持つ NUMA ノードの場合には、パフォーマンス要件に基づいて、必要な物理コア数を決定し、各物理コアの全シブリングスレッド (あるいは論理 CPU) を追加します。
  • DPDK NIC を持たない NUMA ノードの場合には、任意の物理コア (ただし NUMA ノードの 1 番目の物理コアを除く) のシブリングスレッド (あるいは論理 CPU) を割り当てます。
注記

NUMA ノードに DPDK NIC が関連付けられていない場合でも、両方の NUMA ノードで DPDK PMD スレッドを確保する必要があります。

NovaComputeCpuDedicatedSet

ピニングされたインスタンス CPU のプロセスをスケジューリングできる物理ホスト CPU 番号のコンマ区切りリストまたは範囲。たとえば、NovaComputeCpuDedicatedSet: [4-12,^8,15] は、コア 4 - 12 の範囲 (ただし 8 を除く) および 15 を確保します。

  • OvsPmdCoreList のコアをすべて除外します。
  • 残りのコアをすべて追加します。
  • シブリングスレッドをペアにします。
NovaComputeCpuSharedSet
物理ホスト CPU 番号のコンマ区切りリストまたは範囲。インスタンスエミュレータースレッド用のホスト CPU を決定するのに使用します。
IsolCpusList

ホストのプロセスから分離される CPU コアのセット。IsolCpusList は、tuned-profiles-cpu-partitioning コンポーネント用の cpu-partitioning-variable.conf ファイルの isolated_cores の値として使用されます。IsolCpusList に関する以下の推奨事項に従ってください。

  • OvsPmdCoreList および NovaComputeCpuDedicatedSet のコアリストと一致するようにします。
  • シブリングスレッドをペアにします。
DerivePciWhitelistEnabled

仮想マシン用に Virtual Function (VF) を確保するには、NovaPCIPassthrough パラメーターを使用して Nova に渡される VF のリストを作成します。リストから除外された VF は、引き続きホスト用に利用することができます。

リスト内の VF ごとに、アドレス値に解決する正規表現でアドレスパラメーターを反映させます。

手動でリストを作成するプロセスの例を以下に示します。eno2 という名前のデバイスで NIC の分割が有効な場合は、以下のコマンドで VF の PCI アドレスをリスト表示します。

[tripleo-admin@compute-0 ~]$ ls -lh /sys/class/net/eno2/device/ | grep virtfn
lrwxrwxrwx. 1 root root    0 Apr 16 09:58 virtfn0 -> ../0000:18:06.0
lrwxrwxrwx. 1 root root    0 Apr 16 09:58 virtfn1 -> ../0000:18:06.1
lrwxrwxrwx. 1 root root    0 Apr 16 09:58 virtfn2 -> ../0000:18:06.2
lrwxrwxrwx. 1 root root    0 Apr 16 09:58 virtfn3 -> ../0000:18:06.3
lrwxrwxrwx. 1 root root    0 Apr 16 09:58 virtfn4 -> ../0000:18:06.4
lrwxrwxrwx. 1 root root    0 Apr 16 09:58 virtfn5 -> ../0000:18:06.5
lrwxrwxrwx. 1 root root    0 Apr 16 09:58 virtfn6 -> ../0000:18:06.6
lrwxrwxrwx. 1 root root    0 Apr 16 09:58 virtfn7 -> ../0000:18:06.7

この場合、VF 0、4、および 6 が NIC の分割用に eno2 で使用されます。以下の例に示すように、NovaPCIPassthrough を手動で設定して VF 1 - 3、5、および 7 を含めます。したがって、VF 0、4、および 6 は除外します。

NovaPCIPassthrough:
  - physical_network: "sriovnet2"
  address: {"domain": ".*", "bus": "18", "slot": "06", "function": "[1-3]"}
  - physical_network: "sriovnet2"
  address: {"domain": ".*", "bus": "18", "slot": "06", "function": "[5]"}
  - physical_network: "sriovnet2"
  address: {"domain": ".*", "bus": "18", "slot": "06", "function": "[7]"}

8.4.2. メモリーパラメーター

OVS-DPDK は、以下のメモリーパラメーターを使用します。

OvsDpdkMemoryChannels

NUMA ノードごとに、CPU 内のメモリーチャネルをマッピングします。OvsDpdkMemoryChannels は、OVS の other_config:dpdk-extra="-n <value>" の値に使用されます。OvsDpdkMemoryChannels に関する以下の推奨事項を確認してください。

  • dmidecode -t memory のコマンドを使用するか、お使いのハードウェアのマニュアルを参照して、利用可能なメモリーチャネルの数を確認します。
  • ls /sys/devices/system/node/node* -d のコマンドで NUMA ノードの数を確認します。
  • 利用可能なメモリーチャネル数を NUMA ノード数で除算します。
NovaReservedHostMemory

ホスト上のタスク用にメモリーを MB 単位で確保します。NovaReservedHostMemory は、Compute ノードの nova.confreserved_host_memory_mb の値に使用されます。NovaReservedHostMemory に関する以下の推奨事項を確認してください。

  • 静的な推奨値 4096 MB を使用します。
OvsDpdkSocketMemory

NUMA ノードごとにヒュージページプールから事前に割り当てるメモリーの容量を MB 単位で指定します。OvsDpdkSocketMemory は、OVS の other_config:dpdk-socket-mem の値に使用されます。OvsDpdkSocketMemory に関する以下の推奨事項を確認してください。

  • コンマ区切りリストで指定します。
  • DPDK NIC のない NUMA ノードの場合は、推奨される静的な値である 1024 MB (1 GB) を使用します。
  • NUMA ノード上の各 NIC の MTU 値から、OvsDpdkSocketMemory の値を計算します。
  • OvsDpdkSocketMemory の値は、以下の式で概算します。

    • MEMORY_REQD_PER_MTU = (ROUNDUP_PER_MTU + 800) x (4096 x 64) バイト

      • 800 はオーバーヘッドの値です。
      • 4096 x 64 は mempool 内のパケット数です。
  • NUMA ノードで設定される各 MTU 値の MEMORY_REQD_PER_MTU を追加し、バッファーとして 512 MB をさらに加算します。その値を 1024 の倍数に丸めます。

計算例: MTU 2000 および MTU 9000

DPDK NIC dpdk0 と dpdk1 は同じ NUMA ノード 0 上にあり、それぞれ MTU 9000 と MTU 2000 で設定されています。必要なメモリーを算出する計算例を以下に示します。

  1. MTU 値を 1024 バイトの倍数に丸めます。

    The MTU value of 9000 becomes 9216 bytes.
    The MTU value of 2000 becomes 2048 bytes.
  2. それらの丸めたバイト値に基づいて、各 MTU 値に必要なメモリーを計算します。

    Memory required for 9000 MTU = (9216 + 800) * (4096*64) = 2625634304
    Memory required for 2000 MTU = (2048 + 800) * (4096*64) = 746586112
  3. それらを合わせた必要なメモリーの合計を計算します (バイト単位)。

    2625634304 + 746586112 + 536870912 = 3909091328 bytes.

    この計算は、(MTU 値 9000 に必要なメモリー) + (MTU 値 2000 に必要なメモリー) + (512 MB バッファー) を示しています。

  4. 必要合計メモリーを MB に変換します。

    3909091328 / (1024*1024) = 3728 MB.
  5. この値を 1024 の倍数に丸めます。

    3724 MB rounds up to 4096 MB.
  6. この値を使用して OvsDpdkSocketMemory を設定します。

        OvsDpdkSocketMemory: "4096,1024"

計算例: MTU 2000

DPDK NIC dpdk0 と dpdk1 は同じ NUMA ノード 0 上にあり、共に 2000 の MTU が設定されています。必要なメモリーを算出する計算例を以下に示します。

  1. MTU 値を 1024 バイトの倍数に丸めます。

    The MTU value of 2000 becomes 2048 bytes.
  2. それらの丸めたバイト値に基づいて、各 MTU 値に必要なメモリーを計算します。

    Memory required for 2000 MTU = (2048 + 800) * (4096*64) = 746586112
  3. それらを合わせた必要なメモリーの合計を計算します (バイト単位)。

    746586112 + 536870912 = 1283457024 bytes.

    この計算は、(MTU 値 2000 に必要なメモリー) + (512 MB バッファー) を示しています。

  4. 必要合計メモリーを MB に変換します。

    1283457024 / (1024*1024) = 1224 MB.
  5. この値を 1024 の倍数に丸めます。

    1224 MB rounds up to 2048 MB.
  6. この値を使用して OvsDpdkSocketMemory を設定します。

        OvsDpdkSocketMemory: "2048,1024"

8.4.3. ネットワークパラメーター

OvsDpdkDriverType
DPDK によって使用されるドライバーの種別を設定します。vfio-pci のデフォルト値を使用してください。
NeutronDatapathType
OVS ブリッジ用のデータパスの種別を設定します。DPDK は netdev のデフォルト値を使用してください。
NeutronVhostuserSocketDir
OVS 向けに vhost-user ソケットディレクトリーを設定します。vhost クライアントモード用の /var/lib/vhost_sockets を使用してください。

8.4.4. その他のパラメーター

NovaSchedulerEnabledFilters
要求されたゲストインスタンスに対して Compute ノードが使用するフィルターの順序付きリストを指定します。
VhostuserSocketGroup

vhost-user ソケットディレクトリーのグループを設定します。デフォルト値は qemu です。VhostuserSocketGrouphugetlbfs に設定します。これにより、ovs-vswitchd および qemu プロセスが、共有ヒュージページおよび virtio-net デバイスを設定する unix ソケットにアクセスすることができます。この値はロールに固有で、OVS-DPDK を利用するすべてのロールに適用する必要があります。

重要

パラメーター VhostuserSocketGroup を使用するには、NeutronVhostuserSocketDir も設定する必要があります。詳細は、「ネットワークパラメーター」 を参照してください。

KernelArgs

Compute ノードのブート時用に、複数のカーネル引数を /etc/default/grub に指定します。設定に応じて、以下の値を追加します。

  • hugepagesz: CPU 上のヒュージページのサイズを設定します。この値は、CPU のハードウェアによって異なります。OVS-DPDK デプロイメントには 1G に指定します (default_hugepagesz=1GB hugepagesz=1G)。このコマンドを使用して pdpe1gb CPU フラグが出力されるかどうかをチェックして、CPU が 1 G をサポートしていることを確認してください。

    lshw -class processor | grep pdpe1gb
  • hugepages count: 利用可能なホストメモリーに基づいてヒュージページの数を設定します。利用可能なメモリーの大半を使用してください (NovaReservedHostMemory を除く)。ヒュージページ数の値は、Compute ノードのフレーバーの範囲内で設定する必要もあります。
  • iommu: Intel CPU の場合は、"intel_iommu=on iommu=pt" を追加します。
  • isolcpus: チューニングする CPU コアを設定します。この値は IsolCpusList と一致します。

CPU 分離の詳細は、Red Hat ナレッジベースのソリューション記事 OpenStack CPU isolation guidance for RHEL 8 and RHEL 9 を参照してください。

DdpPackage

Dynamic Device Personalization (DDP) を設定して、デプロイメント時にプロファイルパッケージをデバイスに適用し、デバイスのパケット処理パイプラインを変更します。次の行を network_environment.yaml テンプレートに追加して、DDP パッケージを含めます。

parameter_defaults:
  ComputeOvsDpdkSriovParameters:
    DdpPackage: "ddp-comms"

8.4.5. VM インスタンスフレーバーの仕様

NFV 環境で VM インスタンスをデプロイする前に、CPU ピニング、ヒュージページ、およびエミュレータースレッドピニングを活用するフレーバーを作成します。

hw:cpu_policy
このパラメーターを dedicated に設定すると、ゲストはピニングされた CPU を使用します。このパラメーターセットのフレーバーから作成したインスタンスの有効オーバーコミット比は、1 : 1 です。デフォルト値は shared です。
hw:mem_page_size

このパラメーターを、特定の値と標準の単位からなる有効な文字列に設定します (例: 4KB8MB、または 1GB)。hugepagesz ブートパラメーターに一致させるには、1GB を使用します。ブートパラメーターから OvsDpdkSocketMemory を減算して、仮想マシンが利用可能なヒュージページ数を計算します。以下の値も有効です。

  • small (デフォルト): 最少のページサイズが使用されます。
  • large: 大型のページサイズだけを使用します。x86 アーキテクチャーでは、ページサイズは 2 MB または 1 GB です。
  • any: Compute ドライバーは大型ページの使用を試みることができますが、利用できるページがない場合にはデフォルトの小型ページが使用されます。
hw:emulator_threads_policy
heat パラメーター NovaComputeCpuSharedSet で識別した CPU にエミュレータースレッドが固定されるように、このパラメーターの値を share に設定します。エミュレータースレッドが Poll Mode Driver (PMD) またはリアルタイム処理用の仮想 CPU 上で実行されている場合には、パケットロスなどの悪影響が生じる場合があります。

8.5. 2 NUMA ノード設定の OVS-DPDK デプロイメントの例

以下の例に示す Compute ノードは、2 つの NUMA ノードで設定されます。

  • NUMA 0 にはコア 0 - 7 があり、シブリングスレッドペアは (0,1)、(2,3)、(4,5)、および (6,7) の設定。
  • NUMA 1 にはコア 8 - 15 があり、シブリングスレッドペアは (8,9)、(10,11)、(12,13)、および (14,15) の設定。
  • 各 NUMA ノードが物理 NIC (具体的には NUMA 0 上の NIC1 および NUMA 1 上の NIC2) に接続されている。

図8.2 OVS-DPDK: 2 つの NUMA ノードの例

OpenStack NFV NUMA Nodes 453316 0717 ECE OVS DPDK Deployment
注記

各 NUMA ノード上の 1 番目の物理コアまたは両スレッドペア (0、1 および 8、9) は、データパス以外の DPDK プロセス用に確保します。

この例では、MTU が 1500 に設定されており、全ユースケースで OvsDpdkSocketMemory が同じであることも前提です。

OvsDpdkSocketMemory: "1024,1024"

NIC 1 は DPDK 用で、1 つの物理コアは PMD 用

このユースケースでは、NUMA 0 の物理コアの 1 つを PMD 用に割り当てます。NUMA 1 の NIC では DPDK は有効化されていませんが、その NUMA ノードの物理コアの 1 つも割り当てる必要があります。残りのコアはゲストインスタンスに割り当てられます。その結果、パラメーターの設定は以下のようになります。

OvsPmdCoreList: "2,3,10,11"
NovaComputeCpuDedicatedSet: "4,5,6,7,12,13,14,15"

NIC 1 は DPDK 用で、2 つの物理コアは PMD 用

このユースケースでは、NUMA 0 の物理コアの 2 つを PMD 用に割り当てます。NUMA 1 の NIC では DPDK は有効化されていませんが、その NUMA ノードの物理コアの 1 つも割り当てる必要があります。残りのコアはゲストインスタンスに割り当てられます。その結果、パラメーターの設定は以下のようになります。

OvsPmdCoreList: "2,3,4,5,10,11"
NovaComputeCpuDedicatedSet: "6,7,12,13,14,15"

NIC 2 は DPDK 用で、1 つの物理コアは PMD 用

このユースケースでは、NUMA 1 の物理コアの 1 つを PMD 用に割り当てます。NUMA 0 の NIC では DPDK は有効化されていませんが、その NUMA ノードの物理コアの 1 つも割り当てる必要があります。残りのコアはゲストインスタンスに割り当てられます。その結果、パラメーターの設定は以下のようになります。

OvsPmdCoreList: "2,3,10,11"
NovaComputeCpuDedicatedSet: "4,5,6,7,12,13,14,15"

NIC 2 は DPDK 用で、2 つの物理コアは PMD 用

このユースケースでは、NUMA 1 の物理コアの 2 つを PMD 用に割り当てます。NUMA 0 の NIC では DPDK は有効化されていませんが、その NUMA ノードの物理コアの 1 つも割り当てる必要があります。残りのコアはゲストインスタンスに割り当てられます。その結果、パラメーターの設定は以下のようになります。

OvsPmdCoreList: "2,3,10,11,12,13"
NovaComputeCpuDedicatedSet: "4,5,6,7,14,15"

NIC 1 と NIC2 は DPDK 用で、2 つの物理コアは PMD 用

このユースケースでは、各 NUMA ノードの物理コアの 2 つを PMD 用に割り当てます。残りのコアはゲストインスタンスに割り当てられます。その結果、パラメーターの設定は以下のようになります。

OvsPmdCoreList: "2,3,4,5,10,11,12,13"
NovaComputeCpuDedicatedSet: "6,7,14,15"

8.6. NFV OVS-DPDK デプロイメントのトポロジー

以下のデプロイメント例は、2 つの仮想ネットワーク機能 (VNF) からなる OVS-DPDK 設定を示しています。それぞれの NVF は、次の 2 つのインターフェイスを持ちます。

  • mgt で表される管理インターフェイス
  • データプレーンインターフェイス

OVS-DPDK デプロイメントでは、VNF は物理インターフェイスをサポートする組み込みの DPDK で動作します。OVS-DPDK は、vSwitch レベルでボンディングを有効にします。OVS-DPDK デプロイメントでのパフォーマンスを向上させるには、カーネルと OVS-DPDK NIC を分離することを推奨します。仮想マシン向けのベースプロバイダーネットワークに接続された管理 (mgt) ネットワークを分離するには、追加の NIC を利用できるようにします。Compute ノードは、Red Hat OpenStack Platform API 管理向けの標準 NIC 2 つで設定されます。これは、Ceph API で再利用できますが、OpenStack プロジェクトとは一切共有できません。

図8.3 Compute ノード: NFV OVS-DPDK

NFV OVS-DPDK deployment

NFV OVS-DPDK のトポロジー

以下の図には、NFV 向けの OVS_DPDK のトポロジーを示しています。この環境は、1 または 10 Gbps の NIC を搭載した Compute ノードおよびコントローラーノードと、director ノードで設定されます。

図8.4 NFV トポロジー: OVS-DPDK

NFV OVS-DPDK のトポロジー

第9章 OVS-DPDK デプロイメントの設定

本項では、OVS-DPDK を Red Hat OpenStack Platform 環境内にデプロイします。オーバークラウドは、通常コントローラーノードや Compute ノードなどの事前定義済みロールのノードと、異なる種別のストレージノードで設定されます。これらのデフォルトロールにはそれぞれ、director ノード上のコア heat テンプレートで定義されている一式のサービスが含まれます。

以下の図は、コントロールプレーンとデータプレーン用にポートが 2 つボンディングされている OVS-DPDK トポロジーを示しています。

図9.1 OVS-DPDK トポロジーの例

OpenStack NFV Config Guide Topology 450694 0617 ECE OVS DPDK

本ガイドでは、CPU の割り当て、メモリーの確保、NIC の設定の例を紹介します。これらは、トポロジーとユースケースによって異なる場合があります。ハードウェアと設定オプションの詳細は、NFV のハードウェア要件 を参照してください。

9.1. ワークフローを使用した DPDK パラメーターの算出

重要

この機能は、本リリースでは テクノロジープレビュー として提供しているため、Red Hat では全面的にはサポートしていません。これは、テスト用途にのみご利用いただく機能です。実稼働環境にはデプロイしないでください。テクノロジープレビュー機能についての詳しい情報は、対象範囲の詳細 を参照してください。

DPDK の Mistral ワークフローの概要については、ワークフローと派生パラメーター を参照してください。

前提条件

このワークフローで取得されるデータを提供するには、ハードウェア検査で追加情報を取得するための追加のパラメーター (inspection_extras) を含むベアメタルのイントロスペクションを有効化しておく必要があります。ハードウェア検査の追加パラメーターはデフォルトで有効化されます。ノードのハードウェアの詳細は、ベアメタルノードハードウェアのインベントリーの作成 を参照してください。

DPDK 向けのワークフローと入力パラメーターの定義

OVS-DPDK ワークフローで指定することができる入力パラメーターの概要を、リストにして以下に示します。

num_phy_cores_per_numa_node_for_pmd
この入力パラメーターは、DPDK NIC に関連付けられた NUMA ノードの必要最小限のコア数を指定します。DPDK NIC に関連付けられていないその他の NUMA ノードには、物理コアが 1 つ割り当てられます。このパラメーターは 1 に設定するようにしてください。
huge_page_allocation_percentage
この入力パラメーターは、NovaReservedHostMemory を除く合計メモリーに対して、ヒュージページとして設定可能な必要パーセンテージを指定します。KernelArgs パラメーターは、指定した huge_page_allocation_percentage に基づいて計算されたヒュージページを使用して派生されます。このパラメーターは 50 に設定するようにしてください。

ワークフローは、これらの入力パラメーターとベアメタルのイントロスペクションの情報から、適切な DPDK パラメーター値を算出します。

DPDK 用のワークフローと入力パラメーターを定義するには、以下の手順を実行します。

  1. usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/plan-samples/plan-environment-derived-params.yaml ファイルをローカルディレクトリーにコピーし、ご自分の環境に合わせて入力パラメーターを設定します。

      workflow_parameters:
        tripleo.derive_params.v1.derive_parameters:
          # DPDK Parameters #
          # Specifies the minimum number of CPU physical cores to be allocated for DPDK
          # PMD threads. The actual allocation will be based on network config, if
          # the a DPDK port is associated with a numa node, then this configuration
          # will be used, else 1.
          num_phy_cores_per_numa_node_for_pmd: 1
          # Amount of memory to be configured as huge pages in percentage. Ouf the
          # total available memory (excluding the NovaReservedHostMemory), the
          # specified percentage of the remaining is configured as huge pages.
          huge_page_allocation_percentage: 50
  2. openstack overcloud deploy コマンドを実行し、以下の情報を追加します。

    • update-plan-only オプション
    • ロールファイルおよびご自分の環境に固有の全環境ファイル
    • plan-environment-derived-parms.yaml ファイル (--plan-environment-file オプションの引数)

      $ openstack overcloud deploy --templates --update-plan-only \
      -r /home/stack/roles_data.yaml \
      -e /home/stack/<environment-file> \
      ... _#repeat as necessary_ ...
      **-p /home/stack/plan-environment-derived-params.yaml**

このコマンドの出力には、派生した結果が表示されます。これは、plan-environment.yaml ファイルにもマージされます。

Started Mistral Workflow tripleo.validations.v1.check_pre_deployment_validations. Execution ID: 55ba73f2-2ef4-4da1-94e9-eae2fdc35535
Waiting for messages on queue '472a4180-e91b-4f9e-bd4c-1fbdfbcf414f' with no timeout.
Removing the current plan files
Uploading new plan files
Started Mistral Workflow tripleo.plan_management.v1.update_deployment_plan. Execution ID: 7fa995f3-7e0f-4c9e-9234-dd5292e8c722
Plan updated.
Processing templates in the directory /tmp/tripleoclient-SY6RcY/tripleo-heat-templates
Invoking workflow (tripleo.derive_params.v1.derive_parameters) specified in plan-environment file
Started Mistral Workflow tripleo.derive_params.v1.derive_parameters. Execution ID: 2d4572bf-4c5b-41f8-8981-c84a363dd95b
Workflow execution is completed. result:
ComputeOvsDpdkParameters:
 IsolCpusList: 1,2,3,4,5,6,7,9,10,17,18,19,20,21,22,23,11,12,13,14,15,25,26,27,28,29,30,31
 KernelArgs: default_hugepagesz=1GB hugepagesz=1G hugepages=32 iommu=pt intel_iommu=on
   isolcpus=1,2,3,4,5,6,7,9,10,17,18,19,20,21,22,23,11,12,13,14,15,25,26,27,28,29,30,31
 NovaReservedHostMemory: 4096
 NovaComputeCpuDedicatedSet: 2,3,4,5,6,7,18,19,20,21,22,23,10,11,12,13,14,15,26,27,28,29,30,31
 OvsDpdkMemoryChannels: 4
 OvsDpdkSocketMemory: 1024,1024
 OvsPmdCoreList: 1,17,9,25
注記

OvsDpdkMemoryChannels パラメーターはイントロスペクションの情報からは派生できません。大半の場合、この値は 4 に設定すべきです。

派生パラメーターを使用したオーバークラウドのデプロイ

これらの派生パラメーターを使用してオーバークラウドをデプロイするには、以下の手順を実行します。

  1. 派生パラメーターをデプロイコマンドの出力から network-environment.yaml ファイルにコピーします。

      # DPDK compute node.
      ComputeOvsDpdkParameters:
        KernelArgs: default_hugepagesz=1GB hugepagesz=1G hugepages=32 iommu=pt intel_iommu=on
        TunedProfileName: "cpu-partitioning"
        IsolCpusList: "1,2,3,4,5,6,7,9,10,17,18,19,20,21,22,23,11,12,13,14,15,25,26,27,28,29,30,31"
        NovaComputeCpuDedicatedSet: ['2,3,4,5,6,7,18,19,20,21,22,23,10,11,12,13,14,15,26,27,28,29,30,31']
        NovaReservedHostMemory: 4096
        OvsDpdkSocketMemory: "1024,1024"
        OvsDpdkMemoryChannels: "4"
        OvsPmdCoreList: "1,17,9,25"
    注記

    これらのパラメーターは、特定のロール ComputeOvsDpdk に適用されます。これらのパラメーターをグローバルに適用することはできますが、グローバルパラメーターはロール固有のパラメーターによってオーバーライドされます。

  2. ロールファイルおよびご自分の環境に固有の全環境ファイルを使用して、オーバークラウドをデプロイします。
 openstack overcloud deploy --templates \
 -r /home/stack/roles_data.yaml \
 -e /home/stack/<environment-file> \
... #repeat as necessary ...
注記

Compute、ComputeOvsDpdk、および ComputeSriov ロールが含まれるクラスターでは、ワークフローは ComputeOvsDpdk ロールにだけ式を適用し、Compute または ComputeSriovs には適用しません。

9.2. コンポーザブルロールを使用した OVS-DPDK トポロジーのデプロイ

Red Hat OpenStack Platform では、カスタムのデプロイメントロールを作成して、各ロールにサービスを追加または削除できます。

注記

OVS-DPDK デプロイメントでは、Red Hat OpenStack Platform は、OVS クライアントモードで稼働します。

前提条件

  • OVS 2.10
  • DPDK 17
  • サポートされている NIC。

    NFV 向けにサポートされている NIC のリストを表示するには、NFV 向けのテスト済み NIC を参照してください。

  • RHOSP アンダークラウド。

    オーバークラウドをデプロイする前に、アンダークラウドのインストールと設定が完了している必要があります。詳しくは、director のインストールと使用方法 ガイドを参照してください。

    注記

    etc/tuned/cpu-partitioning-variables.confisolated_cores や他の値を手動で編集したり変更したりしないでください。これらは director の heat テンプレートにより変更されます。

手順

OVS-DPDK を設定するには、以下のタスクを実行します。

  1. コンポーザブルロールを使用する場合には、roles_data.yaml ファイルをコピーして編集し、OVS-DPDK 用のカスタムロールを追加します。
  2. 適切な network-environment.yaml ファイルを更新して、カーネル引数と DPDK 引数のパラメーターを追加します。
  3. compute.yaml ファイルを更新して、DPDK インターフェイス用のブリッジを追加します。
  4. controller.yaml ファイルを更新して、DPDK インターフェイスパラメーター用の同じブリッジ情報を追加します。
  5. overcloud_deploy.sh スクリプトを実行して、DPDK パラメーターを使用してオーバークラウドをデプロイします。

関連情報

9.3. OVS-DPDK インターフェイスの MTU 値の設定

Red Hat OpenStack Platform は OVS-DPDK 向けにジャンボフレームをサポートしています。ジャンボフレーム用の最大伝送単位 (MTU) 値を設定するには、以下の操作を行う必要があります。

  • network-environment.yaml ファイルで、ネットワークのグローバル MTU 値を設定する。
  • compute.yaml ファイルで、物理 DPDK ポートの MTU 値を設定する。この値は、vhost のユーザーインターフェイスでも使用されます。
  • Compute ノード上の任意のゲストインスタンスで MTU 値を設定し、設定内でエンドツーエンドに同等の MTU 値が設定されるようにする。
注記

VXLAN パケットには追加で 50 バイトがヘッダーに含まれます。MTU の必要値は、ヘッダーの追加バイト値に基づいて計算してください。たとえば、MTU 値 が 9000 の場合には、これらの追加バイト値を計算に入れると、VXLAN トンネルの MTU 値は 8950 となります。

注記

物理 NIC は DPDK PMD によって制御され、compute.yaml ファイルで設定されているのを同じ MTU 値が適用されるので、特別な設定は必要ありません。MTU 値には、物理 NIC でサポートされているよりも高い値を設定することはできません。

OVS-DPDK インターフェイスの MTU 値を設定するには、以下の手順を実行します。

  1. network-environment.yaml ファイルで NeutronGlobalPhysnetMtu パラメーターを設定します。

    parameter_defaults:
      # MTU global configuration
      NeutronGlobalPhysnetMtu: 9000
    注記

    network-environment.yaml ファイルの OvsDpdkSocketMemory の値がジャンボフレームをサポートするのに十分に大きな値であることを確認します。詳細は、メモリーパラメーター を参照してください。

  2. controller.yaml ファイルで Compute ノードへのブリッジ上の MTU 値を設定します。

      -
        type: ovs_bridge
        name: br-link0
        use_dhcp: false
        members:
          -
            type: interface
            name: nic3
            mtu: 9000
  3. compute.yaml ファイルで OVS-DPDK ボンディング用の MTU 値を設定します。

    - type: ovs_user_bridge
      name: br-link0
      use_dhcp: false
      members:
        - type: ovs_dpdk_bond
          name: dpdkbond0
          mtu: 9000
          rx_queue: 2
          members:
            - type: ovs_dpdk_port
              name: dpdk0
              mtu: 9000
              members:
                - type: interface
                  name: nic4
            - type: ovs_dpdk_port
              name: dpdk1
              mtu: 9000
              members:
                - type: interface
                  name: nic5

9.4. セキュリティーグループのファイアウォールの設定

データプレーンインターフェイスのステートフルファイアウォールには、高いパフォーマンスが要求されます。これらのインターフェイスを保護するためには、仮想ネットワーク機能 (VNF) として通信業界グレードのファイアウォールをデプロイすることを検討してください。

ML2/OVS のデプロイメントでコントロールプレーンのインターフェイスを設定するには、NeutronOVSFirewallDriverパラメーターをopenvswitchに設定します。フローベースの OVS ファイアウォールドライバーを使用するには、network-environment.yaml ファイルの parameter_defaults セクションを変更します。OVN のデプロイメントでは、アクセスコントロールリスト (ACL) を使用してセキュリティーグループを実装することができます。

オフロードパスではフローの接続追跡プロパティーがサポートされていないため、OVS ファイアウォールドライバーを HW オフロードで使用することはできません。

以下に例を示します。

parameter_defaults:
  NeutronOVSFirewallDriver: openvswitch

データプレーンインターフェイスの OVS ファイアウォールドライバーを無効にするには、openstack port set コマンドを使用します。

以下に例を示します。

openstack port set --no-security-group  --disable-port-security ${PORT}

9.5. OVS-DPDK インターフェイス向けのマルチキューの設定

注記

マルチキューは実験的な機能で、手動によるキューの固定でのみサポートされます。

手順

  • Compute ノード上の OVS-DPDK のインターフェイスに同じ数のキューを設定するには、compute.yaml ファイルを変更します。

    - type: ovs_user_bridge
      name: br-link0
      use_dhcp: false
      members:
        - type: ovs_dpdk_bond
          name: dpdkbond0
          mtu: 9000
          rx_queue: 2
          members:
            - type: ovs_dpdk_port
              name: dpdk0
              mtu: 9000
              members:
                - type: interface
                  name: nic4
            - type: ovs_dpdk_port
              name: dpdk1
              mtu: 9000
              members:
                - type: interface
                  name: nic5

9.6. OVS PMD 自動ロードバランスの設定

重要

この機能は、本リリースでは テクノロジープレビュー として提供しているため、Red Hat では全面的にはサポートしていません。これは、テスト用途にのみご利用いただく機能です。実稼働環境にはデプロイしないでください。テクノロジープレビュー機能についての詳しい情報は、対象範囲の詳細 を参照してください。

Open vSwitch (OVS) の Poll Mode Driver (PMD) スレッドを使用して、ユーザースペースのコンテキスト切り替えのために以下のタスクを実行できます。

  • 入力ポートを連続的にポーリングしてパケットを取得する。
  • 受信したパケットを分類する。
  • 分類後のパケットに対してアクションを実行する。

ベアメタルノードの事前プロビジョニングとオーバークラウドのデプロイメントのパラメーターを編集して、OVS PMD スレッドのロードバランシングを自動的に行うように RHOSP デプロイメントを設定します。現時点では、ノードの事前プロビジョニングとオーバークラウドのデプロイメントの両方でこの機能を設定する必要があります。重複設定を不要にする取り組みの進捗状況は、BZ2139352 で確認できます。

手順

  1. baremetal_deployment.yaml ファイルまたはカスタムファイルで、次のベアメタルノードの事前プロビジョニングパラメーターを設定します。

    pmd_auto_lb
    PMD 自動ロードバランシングを有効にするには、true に設定します。
    pmd_load_threshold
    PMD ロードバランスをトリガーする前に、1 つの PMD スレッドで一貫して使用する必要がある処理サイクルの割合。0 - 100 の範囲の整数。
    pmd_improvement_threshold

    PMD 自動ロードバランシングをトリガーする、非分離 PMD スレッド全体で評価された改善の最小パーセンテージ。0 - 100 の範囲の整数。

    推定される改善を計算するために、再割り当てのドライランを実行し、推定不可分散と現在の分散を比較します。デフォルトは 25% です。

    pmd_rebal_interval

    2 つの連続する PMD 自動ロードバランシングが実施される間の最小時間 (分単位)。範囲は 0 - 20,000 分です。

    トラフィックパターンが変更可能な場合に、再割り当てが頻繁に発生しないようにするには、この値を設定します。たとえば、10 分に 1 回、または数時間に 1 回、再割り当てをトリガーできます。

    ansible_playbooks:
    …
      - playbook: /usr/share/ansible/tripleo-playbooks/cli-overcloud-openvswitch-dpdk.yaml
      extra_vars:
       …
       pmd_auto_lb: true
       pmd_load_threshold: "70"
       pmd_improvement_threshold: "25"
       pmd_rebal_interval: "2"

  2. 次の例に示すように openstack overcloud node provision コマンドにベアメタルデプロイメントファイルを追加します。

     openstack overcloud node provision \
        --stack overcloud \
        --network-config \
        --templates /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates \
        --output ~/templates/overcloud-baremetal-deployed.yaml   \
        home/stack/$OSP17REF/network/baremetal_deployment.yaml

  3. dpdk-config.yaml またはカスタムファイルで、次のオーバークラウドデプロイメントパラメーターを設定します。

    OvsPmdAutoLb

    pmd_auto_lb と同等の heat。

    PMD 自動ロードバランシングを有効にするには、true に設定します。

    OvsPmdLoadThreshold

    pmd_load_threshold と同等の heat。

    PMD ロードバランスをトリガーする前に、1 つの PMD スレッドで一貫して使用する必要がある処理サイクルの割合。0 - 100 の範囲の整数。

    OvsPmdImprovementThreshold

    pmd_improvement_threshold と同等の heat。

    PMD 自動ロードバランシングをトリガーする、非分離 PMD スレッド全体で評価された改善の最小パーセンテージ。0 - 100 の範囲の整数。

    推定される改善を計算するために、再割り当てのドライランを実行し、推定不可分散と現在の分散を比較します。デフォルトは 25% です。

    OvsPmdRebalInterval

    pmd_rebal_interval と同等の heat。

    2 つの連続する PMD 自動ロードバランシングが実施される間の最小時間 (分単位)。範囲は 0 - 20,000 分です。

    トラフィックパターンが変更可能な場合に、再割り当てが頻繁に発生しないようにするには、この値を設定します。たとえば、10 分に 1 回、または数時間に 1 回、再割り当てをトリガーできます。

    parameter_merge_strategies:
      ComputeOvsDpdkSriovParameters:merge
    …
    parameter_defaults:
      ComputeOvsDpdkSriovParameters:
       …
       OvsPmdAutoLb: true
       OvsPmdLoadThreshold: 70
       OvsPmdImprovementThreshold: 25
       OvsPmdRebalInterval: 2

  4. dpdk-config.yaml または dpdk 設定ファイルを他の環境ファイルとともにスタックに追加し、オーバークラウドをデプロイします。

    (undercloud)$ openstack overcloud deploy --templates \
    -e <your_environment_files> \
    -e /home/stack/templates/dpdk-config.yaml

9.7. OVS-DPDK の既知の制限

NFV 向けに Red Hat OpenStack Platform で OVS-DPDK を設定する場合には、以下の制限事項を確認してください。

  • 非 DPDK トラフィックおよびコントロールプレーンネットワーク (内部、管理、ストレージ、ストレージ管理、テナント等) には、Linux ボンディングを使用します。パフォーマンスを最適化するには、ボンディングに使用されている両方の PCI デバイスが同じ NUMA ノード上にあることを確認してください。Red Hat では、Neutron の Linux ブリッジ設定はサポートしていません。
  • OVS-DPDK を使用するホスト上で実行される全インスタンスにヒュージページが必要です。ゲストのヒュージページがない場合には、インターフェイスは表示されても機能しません。
  • OVS-DPDK を使用する場合には、分散仮想ルーター (DVR) 等の TAP デバイスを使用するサービスのパフォーマンスが低下します。得られるパフォーマンスは、実稼働環境に適するものではありません。
  • OVS-DPDK を使用する場合には、同じ Compute ノード上の全ブリッジが ovs_user_bridge の種別でなければなりません。同じノード上で ovs_bridgeovs_user_bridge が混在する設定は、director では受け入れ可能ですが、Red Hat OpenStack Platform ではサポートされていません。

9.8. OVS-DPDK 用のフレーバーの作成とインスタンスのデプロイ

NFV を実装する Red Hat OpenStack Platform デプロイメント向けに OVS-DPDK を設定したら、以下の手順に従ってフレーバーを作成してインスタンスをデプロイすることができます。

  1. OVS-DPDK 用のアグリゲートグループを作成し、適切なホストを追加します。定義するフレーバーメタデータに一致するメタデータを定義します (例: dpdk=true)。

     # openstack aggregate create dpdk_group
     # openstack aggregate add host dpdk_group [compute-host]
     # openstack aggregate set --property dpdk=true dpdk_group
    注記

    CPU ピニングを設定したインスタンスと設定していないインスタンスを、同じ Compute ノードに配置することができます。詳細は、Configuring the Compute Service for Instance CreationガイドのConfiguring CPU pinning on Compute nodes を参照してください。

  2. フレーバーを作成します。

    # openstack flavor create <flavor> --ram <MB> --disk <GB> --vcpus <#>
  3. フレーバーの属性を設定します。定義したメタデータ (dpdk=true) と DPDK アグリゲートで定義したメタデータが一致している点に注意してください。

    # openstack flavor set <flavor> --property dpdk=true --property hw:cpu_policy=dedicated --property hw:mem_page_size=1GB --property hw:emulator_threads_policy=isolate

    パフォーマンス向上のためのエミュレータースレッドポリシーの詳細は インスタンス作成のための Compute サービスの設定 ガイドの エミュレータースレッドの設定 を参照してください。

  4. ネットワークを作成します。

    # openstack network create net1 --provider-physical-network tenant --provider-network-type vlan --provider-segment <VLAN-ID>
    # openstack subnet create subnet1 --network net1 --subnet-range 192.0.2.0/24 --dhcp
  5. オプション: OVS-DPDK と共にマルチキューを使用する場合、インスタンスの作成に使用するイメージで hw_vif_multiqueue_enabled 属性を設定します。

    # openstack image set --property hw_vif_multiqueue_enabled=true <image>
  6. インスタンスをデプロイします。

    # openstack server create --flavor <flavor> --image <glance image> --nic net-id=<network ID> <server_name>

9.9. OVS-DPDK 設定のトラブルシューティング

本項では、OVS-DPDK 設定のトラブルシューティングの手順を説明します。

  1. ブリッジの詳細を調べ、datapath_type=netdev の設定を確認します。

    # ovs-vsctl list bridge br0
    _uuid               : bdce0825-e263-4d15-b256-f01222df96f3
    auto_attach         : []
    controller          : []
    datapath_id         : "00002608cebd154d"
    datapath_type       : netdev
    datapath_version    : "<built-in>"
    external_ids        : {}
    fail_mode           : []
    flood_vlans         : []
    flow_tables         : {}
    ipfix               : []
    mcast_snooping_enable: false
    mirrors             : []
    name                : "br0"
    netflow             : []
    other_config        : {}
    ports               : [52725b91-de7f-41e7-bb49-3b7e50354138]
    protocols           : []
    rstp_enable         : false
    rstp_status         : {}
    sflow               : []
    status              : {}
    stp_enable          : false
  2. オプションとして、コンテナーが起動に失敗したかどうかなど、エラーをログで確認することができます。

    # less /var/log/containers/neutron/openvswitch-agent.log
  3. ovs-dpdk の Poll Mode Driver CPU マスクが CPU にピニングされていることを確認します。ハイパースレッディングの場合は、シブリング CPU を使用します。

    たとえば、CPU4 のシブリングを確認するには、以下のコマンドを実行します。

    # cat /sys/devices/system/cpu/cpu4/topology/thread_siblings_list
    4,20

    CPU4 のシブリングは CPU20 なので、続いて以下のコマンドを実行します。

    # ovs-vsctl set Open_vSwitch . other_config:pmd-cpu-mask=0x100010

    ステータスを表示します。

    # tuna -t ovs-vswitchd -CP
    thread  ctxt_switches pid SCHED_ rtpri affinity voluntary nonvoluntary       cmd
    3161	OTHER 	0    	6	765023      	614	ovs-vswitchd
    3219   OTHER 	0    	6     	1        	0   	handler24
    3220   OTHER 	0    	6     	1        	0   	handler21
    3221   OTHER 	0    	6     	1        	0   	handler22
    3222   OTHER 	0    	6     	1        	0   	handler23
    3223   OTHER 	0    	6     	1        	0   	handler25
    3224   OTHER 	0    	6     	1        	0   	handler26
    3225   OTHER 	0    	6     	1        	0   	handler27
    3226   OTHER 	0    	6     	1        	0   	handler28
    3227   OTHER 	0    	6     	2        	0   	handler31
    3228   OTHER 	0    	6     	2        	4   	handler30
    3229   OTHER 	0    	6     	2        	5   	handler32
    3230   OTHER 	0    	6	953538      	431   revalidator29
    3231   OTHER 	0    	6   1424258      	976   revalidator33
    3232   OTHER 	0    	6   1424693      	836   revalidator34
    3233   OTHER 	0    	6	951678      	503   revalidator36
    3234   OTHER 	0    	6   1425128      	498   revalidator35
    *3235   OTHER 	0    	4	151123       	51       	pmd37*
    *3236   OTHER 	0   	20	298967       	48       	pmd38*
    3164   OTHER 	0    	6 	47575        	0  dpdk_watchdog3
    3165   OTHER 	0    	6	237634        	0   vhost_thread1
    3166   OTHER 	0    	6  	3665        	0       	urcu2

第10章 Red Hat OpenStack Platform 環境の調整

10.1. エミュレータースレッドの固定

エミュレータースレッドは、仮想マシンのハードウェアエミュレーションの割り込み要求およびノンブロッキングプロセスを処理します。これらのスレッドは、ゲストが処理用に使用する CPU 全体に存在します。Poll Mode Driver (PMD) またはリアルタイム処理に使用されるスレッドがこれらのゲスト CPU 上で実行される場合、パケットロスまたはデッドラインの超過が生じる可能性があります。

エミュレータースレッドを専用のゲスト CPU に固定して、スレッドを仮想マシン処理のタスクから分離することができます。その結果、パフォーマンスが向上します。

パフォーマンスを向上させるには、エミュレータースレッドをホストするためにホスト CPU のサブセットを確保します。

手順

  1. 特定のロールに NovaComputeCpuSharedSet を定義してオーバークラウドをデプロイします。NovaComputeCpuSharedSet の値は、そのロール内のホストの nova.conf ファイルの cpu_shared_set パラメーターに適用されます。

    parameter_defaults:
        ComputeOvsDpdkParameters:
            NovaComputeCpuSharedSet: "0-1,16-17"
            NovaComputeCpuDedicatedSet: "2-15,18-31"
  2. エミュレータースレッドが共有プールに分離されたインスタンスをビルドするためのフレーバーを作成します。

    openstack flavor create --ram <size_mb> --disk <size_gb> --vcpus <vcpus> <flavor>
  3. hw:emulator_threads_policy 追加仕様を追加し、値を share に設定します。このフレーバーで作成されたインスタンスは、nova.conf ファイルの cpu_share_set パラメーターで定義されたインスタンス CPU を使用します。

    openstack flavor set <flavor> --property hw:emulator_threads_policy=share
注記

この追加仕様の共有ポリシーを有効にするには、nova.conf ファイルで cpu_share_set パラメーターを設定する必要があります。nova.conf を手動で編集した内容は再デプロイ後は維持されないので、この設定には可能な限り heat を使用するべきです。

検証

  1. 対象インスタンスのホストおよび名前を特定します。

    openstack server show <instance_id>
  2. SSH を使用して、識別されたホストに tripleo-admin としてログオンします。

    ssh tripleo-admin@compute-1
    [compute-1]$ sudo virsh dumpxml instance-00001 | grep `'emulatorpin cpuset'`

10.2. Virtual Function と Physical Function 間の信頼の設定

Virtual Function (VF) がプロミスキャスモードの有効化やハードウェアアドレスの変更などの特権を必要とする操作を実施できるように、Physical Function (PF) と VF 間に信頼を設定することができます。

前提条件

  • 稼働状態にある Red Hat OpenStack Platform のインストール環境 (director を含む)

手順

Physical Function と Virtual Function 間の信頼が設定されたオーバークラウドを設定およびデプロイするには、以下の手順を実施します。

  1. parameter_defaults セクションに NeutronPhysicalDevMappings パラメーターを追加して、論理ネットワーク名と物理インターフェイス間をリンクさせます。

    parameter_defaults:
      NeutronPhysicalDevMappings:
        - sriov2:p5p2
  2. SR-IOV パラメーターに新たな属性 trusted を追加します。

    parameter_defaults:
      NeutronPhysicalDevMappings:
        - sriov2:p5p2
      NovaPCIPassthrough:
        - vendor_id: "8086"
          product_id: "1572"
          physical_network: "sriov2"
          trusted: "true"
    注記

    "true" のように、値を二重引用符で囲む必要があります。

10.3. 信頼済み VF ネットワークの活用

  1. 種別 vlan のネットワークを作成します。

    openstack network create trusted_vf_network  --provider-network-type vlan \
     --provider-segment 111 --provider-physical-network sriov2 \
     --external --disable-port-security
  2. サブネットを作成します。

    openstack subnet create --network trusted_vf_network \
      --ip-version 4 --subnet-range 192.168.111.0/24 --no-dhcp \
     subnet-trusted_vf_network
  3. ポートを作成します。vnic-type オプションを direct に、binding-profile オプションを true に、それぞれ設定します。

    openstack port create --network sriov111 \
    --vnic-type direct --binding-profile trusted=true \
    sriov111_port_trusted
  4. インスタンスを作成し、それを前のステップで作成した信頼済みポートにバインドします。

    openstack server create --image rhel --flavor dpdk  --network internal --port trusted_vf_network_port_trusted --config-drive True --wait rhel-dpdk-sriov_trusted

検証

ハイパーバイザー上での信頼済み VF 設定の確認

  1. インスタンスを作成した Compute ノード上で、以下のコマンドを入力します。

    # ip link
    7: p5p2: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 9000 qdisc mq state UP mode DEFAULT group default qlen 1000
        link/ether b4:96:91:1c:40:fa brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
        vf 6 MAC fa:16:3e:b8:91:c2, vlan 111, spoof checking off, link-state auto, trust on, query_rss off
        vf 7 MAC fa:16:3e:84:cf:c8, vlan 111, spoof checking off, link-state auto, trust off, query_rss off
  2. VF の信頼ステータスが trust on であることを確認します。上記の出力例には、2 つのポートが含まれる環境の詳細が示されています。vf 6trust on のテキストが含まれている点に注意してください。
  3. Networking サービス (neutron) ネットワークで port_security_enabled: false を設定した場合、あるいは openstack port create コマンドの実行時に引数 --disable-port-security を含める場合には、スプーフィングの確認を無効にできます。

10.4. RX-TX キューサイズ管理によるパケット損失の防止

以下に示す理由により、3.5 百万パケット毎秒 (mpps) を超える高いパケットレートでは、パケットロスが生じる場合があります。

  • ネットワークの中断
  • SMI
  • 仮想ネットワーク機能におけるパケット処理のレイテンシー

パケットロスを防ぐには、キューサイズをデフォルトの 512 から最大の 1024 に増やします。

前提条件

  • アンダークラウドホストへのアクセスと stack ユーザーの認証情報。

手順

  1. アンダークラウドホストに stack ユーザーとしてログインします。
  2. stackrc アンダークラウド認証情報ファイルを入手します。

    $ source ~/stackrc
  3. カスタム環境 YAML ファイルを作成し、parameter_defaults の下に次の定義を追加して、RX および TX キューのサイズを増やします。

    parameter_defaults:
      NovaLibvirtRxQueueSize: 1024
      NovaLibvirtTxQueueSize: 1024
  4. デプロイコマンドを実行します。コア Heat テンプレート、その他の環境ファイル、RX および TX キューサイズの変更を含む環境ファイルをコマンドに追加します。

    $ openstack overcloud deploy --templates \
    -e <other_environment_files> \
    -e /home/stack/my_tx-rx_queue_sizes.yaml

検証

  1. nova.conf ファイル内の RX キューサイズと TX キューサイズの値を確認します。

    $ egrep "^[rt]x_queue_size" /var/lib/config-data/puppet-generated/\
    nova_libvirt/etc/nova/nova.conf

    以下のメッセージが表示されるはずです。

    rx_queue_size=1024
    tx_queue_size=1024
  2. Compute ホストの libvirt により生成された仮想マシンインスタンスの XML ファイルで、RX キューサイズと TX キューサイズの値を確認します。

    1. 新規インスタンスを作成します。
    2. Compute ホストとインスタンス名を取得します。

      $ openstack server show testvm-queue-sizes -c OS-EXT-SRV-ATTR:\
      hypervisor_hostname -c OS-EXT-SRV-ATTR:instance_name

      出力例

      以下のような出力が表示されるはずです。

      +-------------------------------------+------------------------------------+
      | Field                               | Value                              |
      +-------------------------------------+------------------------------------+
      | OS-EXT-SRV-ATTR:hypervisor_hostname | overcloud-novacompute-1.sales      |
      | OS-EXT-SRV-ATTR:instance_name       | instance-00000059                  |
      +-------------------------------------+------------------------------------+
    3. Compute ホストにログインし、インスタンス定義をダンプします。

      $ podman exec nova_libvirt virsh dumpxml instance-00000059

      出力例

      以下のような出力が表示されるはずです。

      ...
         <interface type='vhostuser'>
           <mac address='56:48:4f:4d:5e:6f'/>
           <source type='unix' path='/tmp/vhost-user1' mode='server'/>
           <model type='virtio'/>
           <driver name='vhost' rx_queue_size='1024'   tx_queue_size='1024' />
           <address type='pci' domain='0x0000' bus='0x00' slot='0x10' function='0x0'/>
         </interface>
      ...

10.5. NUMA 対応 vSwitch の設定

この機能は、本リリースでは テクノロジープレビュー として提供しているため、Red Hat では全面的にはサポートしていません。これは、テスト用途にのみご利用いただく機能です。実稼働環境にはデプロイしないでください。テクノロジープレビュー機能についての詳しい情報は、対象範囲の詳細 を参照してください。

NUMA 対応 vSwitch を実装するには、ご自分のハードウェア設定の以下のコンポーネントを確認してください。

  • 物理ネットワークの数
  • PCI カードの配置
  • サーバーの物理アーキテクチャー

PCIe NIC 等のメモリーマップト I/O (MMIO) デバイスは、特定の NUMA ノードに関連付けられます。仮想マシンと NIC が異なる NUMA ノードにあると、パフォーマンスが大幅に低下します。パフォーマンスを向上させるためには、PCIe NIC の配置とインスタンスの処理を同じ NUMA ノードに一致させます。

この機能を使用して、物理ネットワークを共有するインスタンスが同じ NUMA ノードに配置されるようにします。データセンターのハードウェア使用率を最適化するには、複数の物理ネットワークを使用する必要があります。

警告

サーバー使用率を最適化するために NUMA 対応ネットワークを設定するには、PCIe スロットと NUMA ノードのマッピングを把握する必要があります。お使いの特定ハードウェアの詳細情報は、ベンダーのドキュメントを参照してください。NUMA 対応 vSwitch の正しいプランニングまたは実装に失敗する場合は、サーバーが 1 つの NUMA ノードだけを使用するように設定することができます。

複数 NUMA にまたがる設定を防ぐためには、NIC の場所を Nova に提供して、仮想マシンを正しい NUMA ノードに配置します。

前提条件

  • フィルター NUMATopologyFilter を有効にしている。

手順

  1. 新たに NeutronPhysnetNUMANodesMapping パラメーターを設定して、物理ネットワークと物理ネットワークに関連付ける NUMA ノードをマッピングします。
  2. VxLAN や GRE 等のトンネルを使用する場合には、NeutronTunnelNUMANodes パラメーターも設定する必要があります。

    parameter_defaults:
      NeutronPhysnetNUMANodesMapping: {<physnet_name>: [<NUMA_NODE>]}
      NeutronTunnelNUMANodes: <NUMA_NODE>,<NUMA_NODE>

    2 つの物理ネットワークを NUMA ノード 0 にトンネリングする例を以下に示します。

    • NUMA ノード 0 に関連付けられた 1 つのプロジェクトネットワーク
    • アフィニティーが設定されていない 1 つの管理ネットワーク

      parameter_defaults:
        NeutronBridgeMappings:
          - tenant:br-link0
        NeutronPhysnetNUMANodesMapping: {tenant: [1], mgmt: [0,1]}
        NeutronTunnelNUMANodes: 0
    • この例では、eno2 という名前のデバイスの物理ネットワークを NUMA 番号 0 に割り当てます。

      # ethtool -i eno2
      bus-info: 0000:18:00.1
      
      # cat /sys/devices/pci0000:16/0000:16:02.0/0000:18:00.1/numa_node
      0

      heat テンプレートのサンプルで物理ネットワークの設定を確認します。

      NeutronBridgeMappings: 'physnet1:br-physnet1'
      NeutronPhysnetNUMANodesMapping: {physnet1: [0] }
      
      - type: ovs_user_bridge
                      name: br-physnet1
                      mtu: 9000
                      members:
                        - type: ovs_dpdk_port
                          name: dpdk2
                          members:
                            - type: interface
                              name: eno2

検証

NUMA 対応 vSwitch をテストするには、以下の手順に従います。

  1. /var/lib/config-data/puppet-generated/nova_libvirt/etc/nova/nova.conf ファイルの設定を確認します。

    [neutron_physnet_tenant]
    numa_nodes=1
    [neutron_tunnel]
    numa_nodes=1
  2. lscpu コマンドで新たな設定を確認します。

    $ lscpu
  3. NIC が適切なネットワークに接続された仮想マシンを起動します。

10.6. NUMA 対応 vSwitch の既知の制限

この機能は、本リリースでは テクノロジープレビュー として提供しているため、Red Hat では全面的にはサポートしていません。これは、テスト用途にのみご利用いただく機能です。実稼働環境にはデプロイしないでください。テクノロジープレビュー機能についての詳しい情報は、対象範囲の詳細 を参照してください。

このセクションでは、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) ネットワーク機能仮想化インフラストラクチャー (NFVi) に NUMA 対応の vSwitch を実装する際の制約について記載しています。

  • 2 ノードのゲスト NUMA トポロジーを指定しなかった場合、2 つの NIC が異なる NUMA ノード上の物理ネットワークに接続された仮想マシンを起動することはできません。
  • 2 ノードのゲスト NUMA トポロジーを指定しなかった場合、1 つの NIC が物理ネットワークに接続され、別の NIC が異なる NUMA ノード上のトンネル化ネットワークに接続された仮想マシンを起動することはできません。
  • 2 ノードのゲスト NUMA トポロジーを指定しなかった場合、異なる NUMA ノード上にある 1 つの仮想ホストポートおよび 1 つの Virtual Function を持つ仮想マシンを起動することはできません。
  • NUMA 対応 vSwitch のパラメーターは、オーバークラウドロールごとに固有です。たとえば、Compute ノード 1 と Compute ノード 2 に、異なる NUMA トポロジーを設定することができます。
  • 仮想マシンのインターフェイスに NUMA アフィニティーを設定する場合は、アフィニティーが単一の NUMA ノードだけを対象にするようにします。NUMA アフィニティーが設定されないインターフェイスは、任意の NUMA ノードに配置することができます。
  • 管理ネットワークではなく、データプレーンネットワークに NUMA アフィニティーを設定します。
  • トンネル化ネットワークの NUMA アフィニティーは、すべての仮想マシンに適用されるグローバルの設定です。

10.7. NFVi 環境における Quality of Service (QoS)

Quality of Service (QoS) を使用して、ネットワーク機能仮想化インフラストラクチャー (NFVi) 内にある Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) ネットワークの egress および ingress トラフィックにレート制限を適用することで、VM インスタンスにさまざまなサービスレベルを提供できます。

NFVi 環境では、QoS のサポートは以下のルール種別に制限されます。

  • SR-IOV での minimum bandwidth (ベンダーによりサポートされる場合)
  • SR-IOV および OVS-DPDK 送信インターフェイスでの bandwidth limit

10.8. DPDK を使用する HCI オーバークラウドの作成

ハイパーコンバージドノードと共に NFV インフラストラクチャーをデプロイするには、リソースの使用率を最適化するために Compute サービスと Ceph Storage サービスを共存させて設定します。

ハイパーコンバージドインフラストラクチャー (HCI) の詳細は、ハイパーコンバージドインフラストラクチャーガイド を参照してください。

次のセクションでは、さまざまな設定の例を説明します。

10.8.1. NUMA ノード設定の例

パフォーマンスを向上させるために、テナントネットワークおよび Ceph オブジェクトサービスデーモン (OSD) を 1 つの NUMA ノード (例: NUMA-0) に配置し、VNF および NFV 以外の仮想マシンを別の NUMA ノード (例: NUMA-1) に配置します。

CPU の割り当て
NUMA-0NUMA-1

Ceph OSD 数 * 4 HT

VNF および NFV 以外の仮想マシン用のゲスト仮想 CPU

DPDK lcore - 2 HT

DPDK lcore - 2 HT

DPDK PMD - 2 HT

DPDK PMD - 2 HT

CPU 割り当ての例
 NUMA-0NUMA-1

Ceph OSD

32,34,36,38,40,42,76,78,80,82,84,86

 

DPDK-lcore

0,44

1,45

DPDK-pmd

2,46

3,47

nova

 

5,7,9,11,13,15,17,19,21,23,25,27,29,31,33,35,37,39,41,43,49,51,53,55,57,59,61,63,65,67,69,71,73,75,77,79,81,83,85,87

10.8.2. ceph 設定ファイルの例

parameter_defaults:
  CephPoolDefaultSize: 3
  CephPoolDefaultPgNum: 64
  CephPools:
    - {"name": backups, "pg_num": 128, "pgp_num": 128, "application": "rbd"}
    - {"name": volumes, "pg_num": 256, "pgp_num": 256, "application": "rbd"}
    - {"name": vms, "pg_num": 64, "pgp_num": 64, "application": "rbd"}
    - {"name": images, "pg_num": 32, "pgp_num": 32, "application": "rbd"}
  CephConfigOverrides:
    osd_recovery_op_priority: 3
    osd_recovery_max_active: 3
    osd_max_backfills: 1
  CephAnsibleExtraConfig:
    nb_retry_wait_osd_up: 60
    delay_wait_osd_up: 20
    is_hci: true
    # 3 OSDs * 4 vCPUs per SSD = 12 vCPUs (list below not used for VNF)
    ceph_osd_docker_cpuset_cpus: "32,34,36,38,40,42,76,78,80,82,84,86" # 1
    # cpu_limit 0 means no limit as we are limiting CPUs with cpuset above
    ceph_osd_docker_cpu_limit: 0                                       # 2
    # numactl preferred to cross the numa boundary if we have to
    # but try to only use memory from numa node0
    # cpuset-mems would not let it cross numa boundary
    # lots of memory so NUMA boundary crossing unlikely
    ceph_osd_numactl_opts: "-N 0 --preferred=0"                        # 3
  CephAnsibleDisksConfig:
    osds_per_device: 1
    osd_scenario: lvm
    osd_objectstore: bluestore
    devices:
      - /dev/sda
      - /dev/sdb
      - /dev/sdc

以下のパラメーターを使用して、ceph OSD プロセスの CPU リソースを割り当てます。ワークロードおよびこのハイパーコンバージド環境のハードウェアに基づいて、値を調整します。

1
ceph_osd_docker_cpuset_cpus: SSD ディスクの場合は、OSD ごとに 4 つの CPU スレッドを割り当てます。HDD ディスクの場合は、OSD ごとに 1 つの CPU を割り当てます。ceph に関連付けられた NUMA ノードからのコアおよびシブリングスレッド、ならびに 3 つのリスト NovaComputeCpuDedicatedSet および OvsPmdCoreList に記載されていない CPU のリストを含めます。
2
ceph_osd_docker_cpu_limit: ceph OSD を ceph_osd_docker_cpuset_cpus からの CPU リストにピニングするには、この値を 0 に設定します。
3
ceph_osd_numactl_opts: 念のため、複数 NUMA にまたがる操作用にこの値を preferred に設定します。

10.8.3. DPDK 設定ファイルの例

parameter_defaults:
  ComputeHCIParameters:
    KernelArgs: "default_hugepagesz=1GB hugepagesz=1G hugepages=240 intel_iommu=on iommu=pt                                           # 1
      isolcpus=2,46,3,47,5,7,9,11,13,15,17,19,21,23,25,27,29,31,33,35,37,39,41,43,49,51,53,55,57,59,61,63,65,67,69,71,73,75,77,79,81,83,85,87"
    TunedProfileName: "cpu-partitioning"
    IsolCpusList:                                               # 2
      ”2,46,3,47,5,7,9,11,13,15,17,19,21,23,25,27,29,31,33,35,37,39,41,43,49,51,
      53,55,57,59,61,63,65,67,69,71,73,75,77,79,81,83,85,87"
    VhostuserSocketGroup: hugetlbfs
    OvsDpdkSocketMemory: "4096,4096"                            # 3
    OvsDpdkMemoryChannels: "4"

    OvsPmdCoreList: "2,46,3,47"                                 # 4
1
KernelArgs: hugepages を算出するには、合計メモリーから NovaReservedHostMemory パラメーターの値を減算します。
2
IsolCpusList: このパラメーターを使用して、ホストプロセスから分離する CPU コアのセットを割り当てます。IsolCpusList パラメーターの値を算出するには、NovaComputeCpuDedicatedSet パラメーターの値に OvsPmdCoreList パラメーターの値を加えます。
3
OvsDpdkSocketMemory: OvsDpdkSocketMemory パラメーターを使用して、NUMA ノードごとにヒュージページプールから事前に割り当てるメモリー容量を指定します (MB 単位)。OVS-DPDK パラメーターの計算に関する詳細は、OVS-DPDK パラメーター を参照してください。
4
OvsPmdCoreList: このパラメーターを使用して、DPDK Poll Mode Driver (PMD) に使用される CPU コアを指定します。DPDK インターフェイスのローカルの NUMA ノードに関連付けられた CPU コアを選択します。OvsPmdCoreList パラメーターの値を算出するには、NUMA ノードごとに 2 つの HT シブリングスレッドを割り当てます。

10.8.4. nova 設定ファイルの例

parameter_defaults:
  ComputeHCIExtraConfig:
    nova::cpu_allocation_ratio: 16 # 2
    NovaReservedHugePages:                                         # 1
        - node:0,size:1GB,count:4
        - node:1,size:1GB,count:4
  NovaReservedHostMemory: 123904                                   # 2
  # All left over cpus from NUMA-1
  NovaComputeCpuDedicatedSet:                                                  # 3
  ['5','7','9','11','13','15','17','19','21','23','25','27','29','31','33','35','37','39','41','43','49','51','|
  53','55','57','59','61','63','65','67','69','71','73','75','77','79','81','83','85','87
1
NovaReservedHugePages: NovaReservedHugePages パラメーターを使用して、ヒュージページプールからメモリーを事前に割り当てます (MB 単位)。これは、OvsDpdkSocketMemory パラメーターの値と同じ合計メモリーです。
2
NovaReservedHostMemory: NovaReservedHostMemory パラメーターを使用して、ホスト上のタスク用にメモリーを確保します (MB 単位)。確保しなければならないメモリー容量を算出するには、以下のガイドラインを使用します。
  • OSD ごとに 5 GB
  • 仮想マシンごとに 0.5 GB のオーバーヘッド
  • 一般的なホストプロセス用に 4 GB。複数 NUMA にまたがる OSD 操作によって生じるパフォーマンスの低下を防ぐために、十分なメモリーを割り当てるようにしてください。
3
NovaComputeCpuDedicatedSet: NovaComputeCpuDedicatedSet パラメーターを使用して、OvsPmdCoreList または Ceph_osd_docker_cpuset_cpus に記載されていない CPU のリストを指定します。CPU は DPDK NIC と同じ NUMA ノードになければなりません。

10.8.5. HCI-DPDK デプロイメントに推奨される設定

表10.1 HCI デプロイメント用の調整可能なパラメーター
ブロックデバイスの種別メモリー、デバイスごとの OSD および仮想 CPU

NVMe

メモリー : OSD ごとに 5 GB
デバイスごとの OSD 数: 4
デバイスごとの仮想 CPU 数: 3

SSD

メモリー : OSD ごとに 5 GB
デバイスごとの OSD 数: 1
デバイスごとの仮想 CPU 数: 4

HDD

メモリー : OSD ごとに 5 GB
デバイスごとの OSD 数: 1
デバイスごとの仮想 CPU 数: 1

以下の機能には、同じ NUMA ノードを使用します。

  • ディスクコントローラー
  • ストレージネットワーク
  • ストレージ CPU およびメモリー

DPDK プロバイダーネットワークの以下の機能には、別の NUMA ノードを割り当てます。

  • NIC
  • PMD CPU
  • ソケットメモリー

10.8.6. HCI-DPDK オーバークラウドのデプロイ

以下の手順に従って、DPDK を使用するハイパーコンバージドオーバークラウドをデプロイします。

前提条件

  • Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 16.2
  • Red Hat Ceph Storage 4 の最新バージョン
  • rhceph-4-tools-for-rhel-8-x86_64-rpms リポジトリーで提供される ceph-ansible 4 の最新バージョン

手順

  1. アンダークラウドに ceph-ansible をインストールします。

    $ sudo yum install ceph-ansible -y
  2. コントローラーロールと ComputeHCIOvsDpdk ロールの role_data.yaml ファイルを生成します。

    $ openstack overcloud roles generate -o ~/<templates>/roles_data.yaml \
    Controller ComputeHCIOvsDpdk
  3. openstack flavor create および openstack flavor set コマンドを使用して、新規フレーバーを作成および設定します。

    詳細は、オーバークラウドの高度なカスタマイズ ガイドの 新しいロールの作成 を参照してください。

  4. 生成したカスタムの roles_data.yaml ファイルを使用して、オーバークラウドをデプロイします。

    $ openstack overcloud deploy --templates \
      --timeout 360 \
      -r ~/<templates>/roles_data.yaml \
      -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/\
      cephadm/cephadm-rbd-only.yaml \
      -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/network-isolation.yaml \
      -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services-docker/neutron-ovs-dpdk.yaml \
      -e ~/<templates>/<custom environment file>

    重要

    この例では、Ceph RGW (オブジェクトストレージ) を使用せずに Ceph RBD (ブロックストレージ) をデプロイします。デプロイメントに RGW を含めるには、cephadm-rbd-only.yaml の代わりに cephadm.yaml を使用します。

10.9. Compute ノードの Timemaster との同期

この機能は、本リリースでは テクノロジープレビュー として提供しているため、Red Hat では全面的にはサポートしていません。これは、テスト用途にのみご利用いただく機能です。実稼働環境にはデプロイしないでください。テクノロジープレビュー機能についての詳しい情報は、対象範囲の詳細 を参照してください。

時刻プロトコルを使用して、システム間で一貫性のあるタイムスタンプを維持します。

Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) には、Precision Time Protocol (PTP) および Network Time Protocol (NTP) のサポートが含まれています。

NTP を使用して、ネットワークのクロックをミリ秒の範囲で同期できます。また、PTP を使用して、クロックをより高いサブマイクロ秒単位の正確さで同期できます。PTP のユースケースの例として、高いスループットと高い干渉のリスクを提供する複数のアンテナが含まれる仮想ラジオアクセスネットワーク (vRAN) があります。

Timemaster は、ptp4lphc2syschronydまたはntpdと組み合わせて使用し、システムクロックを NTP や PTP タイムソースに同期させるプログラムです。phc2sysおよびptp4lプログラムは、SHM (Shared Memory Driver) 基準クロックを使用して PTP 時間をchronydまたはntpdに送信し、タイムソースを比較してシステムクロックを同期させます。

Red Hat Enterprise Linux (RHEL) カーネルにおける PTPv2 プロトコルの実装はlinuxptpです。

linuxptpパッケージには、PTP バウンダリクロックと通常クロック同期用のptp4lプログラムと、ハードウェアタイムスタンプ用のphc2sysプログラムが含まれています。PTP の詳細は、Red Hat Enterprise Linux システム管理者のガイドPTP の概要 を参照してください。

Chrony は NTP プロトコルの実装です。Chrony の主な設定要素は、Chrony デーモンであるchronydと、Chrony コマンドラインインターフェイスであるchonycの 2 つです。

Chrony の詳細は、基本システムの設定 ガイドの Chrony スイートを使用した NTP の設定 を参照してください。

以下の図は、PTP 設定でのパケット移動の概要です。

図10.1 PTP パケット移動の概要

PTP パケット移動の概要

以下の図は、PTP 設定の Compute ノードでのパケット移動の概要です。

図10.2 PTP パケット移動の詳細

PTP パケット移動の詳細

10.9.1. Timemaster のハードウェア要件

以下のハードウェア機能があることを確認します。

  • NIC にハードウェアのタイムスタンプ機能を設定している。
  • マルチキャストパケットを許可するようスイッチを設定している。
  • スイッチが境界または透過的なクロックとしても機能するように設定している。

ハードウェアのタイムスタンプを確認するには、ethtool -T <device>というコマンドを使用します。

$ ethtool -T p5p1
Time stamping parameters for p5p1:
Capabilities:
        hardware-transmit     (SOF_TIMESTAMPING_TX_HARDWARE)
        software-transmit     (SOF_TIMESTAMPING_TX_SOFTWARE)
        hardware-receive      (SOF_TIMESTAMPING_RX_HARDWARE)
        software-receive      (SOF_TIMESTAMPING_RX_SOFTWARE)
        software-system-clock (SOF_TIMESTAMPING_SOFTWARE)
        hardware-raw-clock    (SOF_TIMESTAMPING_RAW_HARDWARE)
PTP Hardware Clock: 6
Hardware Transmit Timestamp Modes:
        off                   (HWTSTAMP_TX_OFF)
        on                    (HWTSTAMP_TX_ON)
Hardware Receive Filter Modes:
        none                  (HWTSTAMP_FILTER_NONE)
        ptpv1-l4-sync         (HWTSTAMP_FILTER_PTP_V1_L4_SYNC)
        ptpv1-l4-delay-req    (HWTSTAMP_FILTER_PTP_V1_L4_DELAY_REQ)
        ptpv2-event           (HWTSTAMP_FILTER_PTP_V2_EVENT)

透過型または境界クロックのスイッチを使用して、正確性が高く、レイテンシーを低くすることができます。境界クロックにアップリンクスイッチを使用できます。バウンダリクロックスイッチは、PTPv2 ヘッダーの 8 ビットのcorrectionFieldを使用して、遅延の変動を補正し、エンドクロックの精度を高めます。透過的なクロックスイッチでは、correctionFieldではなく、エンドクロックが遅延変動を計算します。

10.9.2. Timemaster の設定

オーバークラウドノードの時刻同期に使用するデフォルトの Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) サービスは OS::TripleO::Services::Timesync です。

既知の制限

  • 仮想コントローラー向けに NTP を有効にし、ベアメタルノード用に PTP を有効にします。
  • ptp4l には互換性のある PTP デバイスが必要なため、virtio インターフェイスには互換性がありません。
  • SR-IOV を使用する仮想マシンに Physical Function (PF) を使用します。Virtual Function (VF) は PTP に必要なレジスターを公開せず、仮想マシンは kvm_ptp を使用して時刻を計算します。
  • 複数のソースと複数のネットワークパスを持つ高可用性 (HA) インターフェイスには互換性がありません。

手順

  1. 選択したロールに属するノードで Timemaster サービスを有効にするには、そのロールの roles_data.yaml ファイルセクションで、OS::TripleO::Services::Timesync が含まれる行をOS::TripleO::Services::TimeMaster 行に置き換えます。

    #- OS::TripleO::Services::Timesync
    - OS::TripleO::Services::TimeMaster
  2. 使用する Compute ロールの heat パラメーターを設定します。

    #Example
    ComputeSriovParameters:
      PTPInterfaces: ‘0:eno1,1:eno2’
      PTPMessageTransport: ‘UDPv4’
  3. ご自分の環境に該当するその他の環境ファイルと共に、新しい環境ファイルを openstack overcloud deploy コマンドに追加します。

    $ openstack overcloud deploy \
    --templates \
    
    …
    -e <existing_overcloud_environment_files> \
    -e <new_environment_file1> \
    -e <new_environment_file2> \
    …
    • <existing_overcloud_environment_files> を既存のデプロイメントに含まれる環境ファイルのリストに置き換えます。
    • <new_environment_file> を、オーバークラウドのデプロイメントプロセスに追加する新しい環境ファイルに置き換えます。

検証

  • ptp4linux と共にインストールされたコマンド phc_ctl を使用して NIC ハードウェアクロックにクエリーを実行します。

    # phc_ctl <clock_name> get
    # phc_ctl <clock_name> cmp

10.9.3. Timemaster 設定の例

$ cat /etc/timemaster.conf
# Configuration file for timemaster

#[ntp_server ntp-server.local]
#minpoll 4
#maxpoll 4

[ptp_domain 0]
interfaces eno1
#ptp4l_setting network_transport l2
#delay 10e-6

[timemaster]
ntp_program chronyd

[chrony.conf]
#include /etc/chrony.conf
server clock.redhat.com iburst minpoll 6 maxpoll 10

[ntp.conf]
includefile /etc/ntp.conf

[ptp4l.conf]
#includefile /etc/ptp4l.conf
network_transport L2

[chronyd]
path /usr/sbin/chronyd

[ntpd]
path /usr/sbin/ntpd
options -u ntp:ntp -g

[phc2sys]
path /usr/sbin/phc2sys
#options -w

[ptp4l]
path /usr/sbin/ptp4l
#options -2 -i eno1

10.9.4. Timemaster 操作の例

$ systemctl status timemaster
● timemaster.service - Synchronize system clock to NTP and PTP time sources
   Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/timemaster.service; enabled; vendor preset: disabled)
   Active: active (running) since Tue 2020-08-25 19:10:18 UTC; 2min 6s ago
 Main PID: 2573 (timemaster)
    Tasks: 6 (limit: 357097)
   Memory: 5.1M
   CGroup: /system.slice/timemaster.service
           ├─2573 /usr/sbin/timemaster -f /etc/timemaster.conf
           ├─2577 /usr/sbin/chronyd -n -f /var/run/timemaster/chrony.conf
           ├─2582 /usr/sbin/ptp4l -l 5 -f /var/run/timemaster/ptp4l.0.conf -H -i eno1
           ├─2583 /usr/sbin/phc2sys -l 5 -a -r -R 1.00 -z /var/run/timemaster/ptp4l.0.socket -t [0:eno1] -n 0 -E ntpshm -M 0
           ├─2587 /usr/sbin/ptp4l -l 5 -f /var/run/timemaster/ptp4l.1.conf -H -i eno2
           └─2588 /usr/sbin/phc2sys -l 5 -a -r -R 1.00 -z /var/run/timemaster/ptp4l.1.socket -t [0:eno2] -n 0 -E ntpshm -M 1

Aug 25 19:11:53 computesriov-0 ptp4l[2587]: [152.562] [0:eno2] selected local clock e4434b.fffe.4a0c24 as best master

第11章 NFV ワークロードに向けた RT-KVM の有効化

Red Hat Enterprise Linux Real Time KVM (RT-KVM) を容易にインストールおよび設定するために、Red Hat OpenStack Platform では以下の機能を使用することができます。

  • Red Hat Enterprise Linux for Real Time をプロビジョニングする、real-time Compute ノードロール
  • 追加の RT-KVM カーネルモジュール
  • Compute ノードの自動設定

11.1. RT-KVM Compute ノードのプランニング

RT-KVM Compute ノードを計画する際には、以下のタスクが完了していることを確認してください。

  • RT-KVM Compute ノードには、Red Hat 認定済みサーバーを使用する必要があります。

    詳細は、Red Hat Enterprise Linux for Real Time 用認定サーバー を参照してください。

  • アンダークラウドを登録し、有効な Red Hat OpenStack Platform サブスクリプションをアタッチします。

    詳細は、director のインストールと使用方法 ガイドの アンダークラウドの登録とサブスクリプションのアタッチ を参照してください。

  • RT-KVM 用の rhel-9-server-nfv-rpms リポジトリーなど、アンダークラウドに必要なリポジトリーを有効にし、システムパッケージを最新バージョンに更新します。

    注記

    このリポジトリーにアクセスするには、別途 Red Hat OpenStack Platform for Real Time SKU のサブスクリプションが必要です。

    詳細は、director のインストールと使用方法 ガイドの アンダークラウドのリポジトリーの有効化 を参照してください。

real-time のイメージのビルド

  1. アンダークラウドに libguestfs-tools パッケージをインストールして、virt-customize ツールを取得します。

    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ sudo dnf install libguestfs-tools
    重要

    アンダークラウドに libguestfs-tools パッケージをインストールする場合は、アンダークラウドの tripleo_iscsid サービスとのポートの競合を避けるために iscsid.socket を無効にします。

    $ sudo systemctl disable --now iscsid.socket
  2. イメージを抽出します。

    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ tar -xf /usr/share/rhosp-director-images/overcloud-full.tar
    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ tar -xf /usr/share/rhosp-director-images/ironic-python-agent.tar
  3. デフォルトのイメージをコピーします。

    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ cp overcloud-hardened-uefi-full.qcow2 overcloud-realtime-compute.qcow2
  4. イメージを登録して、カスタマイズに適切な Red Hat のリポジトリーを有効にします。以下の例の [username] および [password] を有効な認証情報に置き換えてください。

    virt-customize -a overcloud-realtime-compute.qcow2 --run-command \
    'subscription-manager register --username=[username] --password=[password]' \
    subscription-manager release --set 8.4
    注記

    コマンドプロンプトで認証情報を使用したら、履歴ファイルから認証情報を削除してセキュリティーを確保することができます。history -d コマンドの後に行番号を指定して、履歴内の個々の行を削除することができます。

  5. アカウントのサブスクリプションからプール ID のリストを検索し、適切なプール ID をイメージにアタッチします。

    sudo subscription-manager list --all --available | less
    ...
    virt-customize -a overcloud-realtime-compute.qcow2 --run-command \
    'subscription-manager attach --pool [pool-ID]'
  6. Red Hat OpenStack Platform で NFV を使用するのに必要なリポジトリーを追加します。

    virt-customize -a overcloud-realtime-compute.qcow2 --run-command \
    'sudo subscription-manager repos --enable=rhel-8-for-x86_64-baseos-eus-rpms \
    --enable=rhel-8-for-x86_64-appstream-eus-rpms \
    --enable=rhel-8-for-x86_64-highavailability-eus-rpms \
    --enable=ansible-2.9-for-rhel-8-x86_64-rpms \
    --enable=openstack-16.2-for-rhel-8-x86_64-rpms \
    --enable=rhel-8-for-x86_64-nfv-rpms \
    --enable=fast-datapath-for-rhel-8-x86_64-rpms'
  7. イメージ上でリアルタイム機能を設定するためのスクリプトを作成します。

    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ cat <<'EOF' > rt.sh
      #!/bin/bash
    
      set -eux
    
      dnf -v -y --setopt=protected_packages= erase kernel.$(uname -m)
      dnf -v -y install kernel-rt kernel-rt-kvm tuned-profiles-nfv-host
      grubby --set-default /boot/vmlinuz*rt*
      EOF
  8. リアルタイムイメージを設定するスクリプトを実行します。

    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ virt-customize -a overcloud-realtime-compute.qcow2 -v --run rt.sh 2>&1 | tee virt-customize.log
    注記

    rt.sh スクリプトの出力に grubby fatal error: unable to find a suitable template という行が表示されても、このエラーは無視してかまいません。

  9. 前のステップで作成された virt-customize.log ファイルを調べ、rt.sh スクリプトによりパッケージが正しくインストールされたことを確認します。

    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ cat virt-customize.log | grep Verifying
    
      Verifying  : kernel-3.10.0-957.el7.x86_64                                 1/1
      Verifying  : 10:qemu-kvm-tools-rhev-2.12.0-18.el7_6.1.x86_64              1/8
      Verifying  : tuned-profiles-realtime-2.10.0-6.el7_6.3.noarch              2/8
      Verifying  : linux-firmware-20180911-69.git85c5d90.el7.noarch             3/8
      Verifying  : tuned-profiles-nfv-host-2.10.0-6.el7_6.3.noarch              4/8
      Verifying  : kernel-rt-kvm-3.10.0-957.10.1.rt56.921.el7.x86_64            5/8
      Verifying  : tuna-0.13-6.el7.noarch                                       6/8
      Verifying  : kernel-rt-3.10.0-957.10.1.rt56.921.el7.x86_64                7/8
      Verifying  : rt-setup-2.0-6.el7.x86_64                                    8/8
  10. SELinux の再ラベル付けをします。

    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ virt-customize -a overcloud-realtime-compute.qcow2 --selinux-relabel
  11. vmlinuz および initrd を抽出します。

    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ mkdir image
    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ guestmount -a overcloud-realtime-compute.qcow2 -i --ro image
    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ cp image/boot/vmlinuz-3.10.0-862.rt56.804.el7.x86_64 ./overcloud-realtime-compute.vmlinuz
    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ cp image/boot/initramfs-3.10.0-862.rt56.804.el7.x86_64.img ./overcloud-realtime-compute.initrd
    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ guestunmount image
    注記

    vmlinuz および initramfs のファイル名に含まれるソフトウェアバージョンは、カーネルバージョンによって異なります。

  12. イメージをアップロードします。

    (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ openstack overcloud image upload --update-existing --os-image-name overcloud-realtime-compute.qcow2

これで、選択した Compute ノード上の ComputeOvsDpdkRT コンポーザブルロールで使用することのできる real-time イメージの準備ができました。

RT-KVM Compute ノード上での BIOS 設定の変更

RT-KVM Compute ノードのレイテンシーを低減するには、Compute ノードの BIOS 設定で、以下のパラメーターのオプションをすべて無効にします。

  • 電源管理
  • ハイパースレッディング
  • CPU のスリープ状態
  • 論理プロセッサー

11.2. RT-KVM 対応の OVS-DPDK の設定

注記

OVS-DPDK 向けの OpenStack ネットワークを最適化するには、network-environment.yaml ファイルで設定する OVS-DPDK パラメーターの最も適切な値を決定する必要があります。詳細は、ワークフローを使用した DPDK パラメーターの算出 を参照してください。

11.2.1. ComputeOvsDpdk コンポーザブルロールの生成

ComputeOvsDpdkRT ロールを使用して、real-time の Compute イメージ用の Compute ノードを指定します。

ComputeOvsDpdkRT ロール向けに roles_data.yaml を生成します。

# (undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ openstack overcloud roles generate -o roles_data.yaml Controller ComputeOvsDpdkRT

11.2.2. OVS-DPDK パラメーターの設定

重要

デプロイメントを最適化するには、network-environment.yaml ファイルの OVS-DPDK パラメーターの最適な値を判断します。詳細は、「ワークフローを使用した DPDK パラメーターの算出」 を参照してください。

  1. resource_registry セクションに、使用する OVS-DPDK ロールの NIC 設定を追加します。

    resource_registry:
      # Specify the relative/absolute path to the config files you want to use for override the default.
      OS::TripleO::ComputeOvsDpdkRT::Net::SoftwareConfig: nic-configs/compute-ovs-dpdk.yaml
      OS::TripleO::Controller::Net::SoftwareConfig: nic-configs/controller.yaml
  2. parameter_defaults セクションで、OVS-DPDK および RT-KVM のパラメーターを設定します。

      # DPDK compute node.
      ComputeOvsDpdkRTParameters:
        KernelArgs: "default_hugepagesz=1GB hugepagesz=1G hugepages=32 iommu=pt intel_iommu=on isolcpus=1-7,17-23,9-15,25-31"
        TunedProfileName: "realtime-virtual-host"
        IsolCpusList: "1,2,3,4,5,6,7,9,10,17,18,19,20,21,22,23,11,12,13,14,15,25,26,27,28,29,30,31"
        NovaComputeCpuDedicatedSet: ['2,3,4,5,6,7,18,19,20,21,22,23,10,11,12,13,14,15,26,27,28,29,30,31']
        NovaReservedHostMemory: 4096
        OvsDpdkSocketMemory: "1024,1024"
        OvsDpdkMemoryChannels: "4"
        OvsPmdCoreList: "1,17,9,25"
        VhostuserSocketGroup: "hugetlbfs"
      ComputeOvsDpdkRTImage: "overcloud-realtime-compute"

11.2.3. オーバークラウドのデプロイ

ML2-OVS 向けのオーバークラウドをデプロイします。

(undercloud) [stack@undercloud-0 ~]$ openstack overcloud deploy \
--templates \
-r /home/stack/ospd-16-vlan-dpdk-ctlplane-bonding-rt/roles_data.yaml \
-e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/network-isolation.yaml \
-e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services/neutron-ovs.yaml \
-e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services/neutron-ovs-dpdk.yaml \
-e /home/stack/ospd-16-vxlan-dpdk-data-bonding-rt-hybrid/containers-prepare-parameter.yaml \
-e /home/stack/ospd-16-vxlan-dpdk-data-bonding-rt-hybrid/network-environment.yaml

11.3. RT-KVM インスタンスの起動

リアルタイム対応の Compute ノードで RT-KVM インスタンスを起動するには、以下の手順を実施します。

  1. オーバークラウド上に RT-KVM フレーバーを作成します。

    # openstack flavor create  r1.small 99 4096 20 4
    # openstack flavor set --property hw:cpu_policy=dedicated 99
    # openstack flavor set --property hw:cpu_realtime=yes 99
    # openstack flavor set --property hw:mem_page_size=1GB 99
    # openstack flavor set --property hw:cpu_realtime_mask="^0-1" 99
    # openstack flavor set --property hw:cpu_emulator_threads=isolate 99
  2. RT-KVM インスタンスを起動します。

    # openstack server create  --image <rhel> --flavor r1.small --nic net-id=<dpdk-net> test-rt
  3. 割り当てられたエミュレータースレッドをインスタンスが使用していることを確認するには、以下のコマンドを実行します。

    # virsh dumpxml <instance-id> | grep vcpu -A1
    <vcpu placement='static'>4</vcpu>
    <cputune>
      <vcpupin vcpu='0' cpuset='1'/>
      <vcpupin vcpu='1' cpuset='3'/>
      <vcpupin vcpu='2' cpuset='5'/>
      <vcpupin vcpu='3' cpuset='7'/>
      <emulatorpin cpuset='0-1'/>
      <vcpusched vcpus='2-3' scheduler='fifo'
      priority='1'/>
    </cputune>

第12章 例: OVS-DPDK および SR-IOV ならびに VXLAN トンネリングの設定

OVS-DPDK および SR-IOV インターフェイスの両方を持つ Compute ノードをデプロイすることができます。クラスターには ML2/OVS および VXLAN トンネリングが含まれます。

重要

オーバークラウドロールを生成する際に、ロール設定ファイル (例: roles_data.yaml) で、OS::TripleO::Services::Tuned が含まれる行をコメントアウトまたは削除します。

ServicesDefault:
# - OS::TripleO::Services::Tuned

OS::TripleO::Services::Tuned をコメントアウトまたは削除した場合は、要件に合わせて TunedProfileName パラメーターを設定することができます (例: "cpu-partitioning")。OS::TripleO::Services::Tuned 行をコメントアウトまたは削除せずに再デプロイすると、TunedProfileName パラメーターには、設定した他の値ではなく "throughput-performance" のデフォルト値が設定されます。

12.1. ロールデータの設定

Red Hat OpenStack Platform では、roles_data.yaml ファイルにデフォルトロールのセットが用意されています。独自の roles_data.yaml ファイルを作成して、必要なロールをサポートすることができます。

以下の例では、ComputeOvsDpdkSriov ロールを作成します。

関連情報

12.2. OVS-DPDK パラメーターの設定

注記

OVS-DPDK 向けの OpenStack ネットワークを最適化するには、network-environment.yaml ファイルで設定する OVS-DPDK パラメーターの最も適切な値を決定する必要があります。詳細は、ワークフローを使用した DPDK パラメーターの算出 を参照してください。

  1. resource_registry セクションに OVS-DPDK 用のカスタムリソースを追加します。

      resource_registry:
        # Specify the relative/absolute path to the config files you want to use for override the default.
        OS::TripleO::ComputeOvsDpdkSriov::Net::SoftwareConfig: nic-configs/computeovsdpdksriov.yaml
        OS::TripleO::Controller::Net::SoftwareConfig: nic-configs/controller.yaml
  2. parameter_defaults セクションで、トンネル種別を vxlan に、ネットワーク種別を vxlan,vlan に、それぞれ設定します。

    NeutronTunnelTypes: 'vxlan'
    NeutronNetworkType: 'vxlan,vlan'
  3. parameters_defaults セクションで、ブリッジマッピングを設定します。

    # The OVS logical->physical bridge mappings to use.
    NeutronBridgeMappings:
      - dpdk-mgmt:br-link0
  4. parameter_defaults セクションで、ComputeOvsDpdkSriov ロール向けにロール固有のパラメーターを設定します。

      ##########################
      # OVS DPDK configuration #
      ##########################
      ComputeOvsDpdkSriovParameters:
        KernelArgs: "default_hugepagesz=1GB hugepagesz=1G hugepages=32 iommu=pt intel_iommu=on isolcpus=2-19,22-39"
        TunedProfileName: "cpu-partitioning"
        IsolCpusList: "2-19,22-39"
        NovaComputeCpuDedicatedSet: ['4-19,24-39']
        NovaReservedHostMemory: 4096
        OvsDpdkSocketMemory: "3072,1024"
        OvsDpdkMemoryChannels: "4"
        OvsPmdCoreList: "2,22,3,23"
        NovaComputeCpuSharedSet: [0,20,1,21]
        NovaLibvirtRxQueueSize: 1024
        NovaLibvirtTxQueueSize: 1024
    注記

    ゲストの作成時にエラーが発生するのを防ぐためには、各 NUMA ノードで少なくとも 1 つの CPU を (シブリングスレッドと共に) 割り当てます。上記の例では、OvsPmdCoreList パラメーターの値は NUMA 0 からのコア 2 および 22 ならびに NUMA 1 からのコア 3 および 23 です。

    注記

    本手順に示したとおり、これらのヒュージページは仮想マシンと、OvsDpdkSocketMemory パラメーターを使用する OVS-DPDK によって消費されます。仮想マシンが利用可能なヒュージページの数は、boot パラメーターから OvsDpdkSocketMemory を減算した値です。

    DPDK インスタンスに関連付けるフレーバーに hw:mem_page_size=1GB も追加する必要があります。

    注記

    OvsDpdkMemoryChannels は、この手順に必須の設定です。最大限の機能を得るためには、適切なパラメーターおよび値で DPDK をデプロイするようにしてください。

  5. SR-IOV 向けにロール固有のパラメーターを設定します。

      NovaPCIPassthrough:
        - vendor_id: "8086"
          product_id: "1528"
          address: "0000:06:00.0"
          trusted: "true"
          physical_network: "sriov-1"
        - vendor_id: "8086"
          product_id: "1528"
          address: "0000:06:00.1"
          trusted: "true"
          physical_network: "sriov-2"

12.3. コントローラーノードの設定

  1. 分離ネットワーク用のコントロールプレーンの Linux ボンディングを作成します。

      - type: linux_bond
        name: bond_api
        bonding_options: "mode=active-backup"
        use_dhcp: false
        dns_servers:
          get_param: DnsServers
        members:
        - type: interface
          name: nic2
          primary: true
  2. この Linux ボンディングに VLAN を割り当てます。

      - type: vlan
        vlan_id:
          get_param: InternalApiNetworkVlanID
        device: bond_api
        addresses:
        - ip_netmask:
            get_param: InternalApiIpSubnet
    
      - type: vlan
        vlan_id:
          get_param: StorageNetworkVlanID
        device: bond_api
        addresses:
        - ip_netmask:
            get_param: StorageIpSubnet
    
      - type: vlan
        vlan_id:
          get_param: StorageMgmtNetworkVlanID
        device: bond_api
        addresses:
        - ip_netmask:
            get_param: StorageMgmtIpSubnet
    
      - type: vlan
        vlan_id:
          get_param: ExternalNetworkVlanID
        device: bond_api
        addresses:
        - ip_netmask:
            get_param: ExternalIpSubnet
        routes:
        - default: true
          next_hop:
            get_param: ExternalInterfaceDefaultRoute
  3. neutron-dhcp-agent および neutron-metadata-agent サービスにアクセスするための OVS ブリッジを作成します。

      - type: ovs_bridge
        name: br-link0
        use_dhcp: false
        mtu: 9000
        members:
        - type: interface
          name: nic3
          mtu: 9000
        - type: vlan
          vlan_id:
            get_param: TenantNetworkVlanID
          mtu: 9000
          addresses:
          - ip_netmask:
              get_param: TenantIpSubnet

12.4. DPDK および SR-IOV 用 Compute ノードの設定

デフォルトの compute.yaml ファイルから computeovsdpdksriov.yaml ファイルを作成し、以下のように変更します。

  1. 分離ネットワーク用のコントロールプレーンの Linux ボンディングを作成します。

      - type: linux_bond
        name: bond_api
        bonding_options: "mode=active-backup"
        use_dhcp: false
        dns_servers:
          get_param: DnsServers
        members:
        - type: interface
          name: nic3
          primary: true
        - type: interface
          name: nic4
  2. この Linux ボンディングに VLAN を割り当てます。

      - type: vlan
        vlan_id:
          get_param: InternalApiNetworkVlanID
        device: bond_api
        addresses:
        - ip_netmask:
            get_param: InternalApiIpSubnet
    
      - type: vlan
        vlan_id:
          get_param: StorageNetworkVlanID
        device: bond_api
        addresses:
        - ip_netmask:
            get_param: StorageIpSubnet
  3. コントローラーにリンクする DPDK ポートを備えたブリッジを設定します。

      - type: ovs_user_bridge
        name: br-link0
        use_dhcp: false
        ovs_extra:
          - str_replace:
              template: set port br-link0 tag=_VLAN_TAG_
              params:
                _VLAN_TAG_:
                   get_param: TenantNetworkVlanID
        addresses:
          - ip_netmask:
              get_param: TenantIpSubnet
        members:
          - type: ovs_dpdk_bond
            name: dpdkbond0
            mtu: 9000
            rx_queue: 2
            members:
              - type: ovs_dpdk_port
                name: dpdk0
                members:
                  - type: interface
                    name: nic7
              - type: ovs_dpdk_port
                name: dpdk1
                members:
                  - type: interface
                    name: nic8
    注記

    複数の DPDK デバイスを含めるには、追加する DPDK デバイスごとに type のコードセクションを繰り返します。

    注記

    OVS-DPDK を使用する場合には、同じ Compute ノード上の全ブリッジが ovs_user_bridge の種別でなければなりません。Red Hat OpenStack Platform では、ovs_bridgeovs_user_bridge の両方が同じノード上に存在する設定はサポートされません。

12.5. オーバークラウドのデプロイ

第13章 NFV を実装した Red Hat OpenStack Platform のアップグレード

OVS-DPDK が設定された Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) のアップグレードに関する詳細は、13 から 16.2 へのアップグレードフレームワークネットワーク機能仮想化 (NFV) の準備 を参照してください。

第14章 DPDK SR-IOV YAML ファイルのサンプル

本項では、同じ Compute ノードに Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) と Data Plane Development Kit (DPDK) インターフェイスを追加する際の参考として、yaml ファイルの例を示します。

注記

以下のテンプレートは完全に設定された環境から取得したもので、NFV とは関係の無いパラメーターが含まれています。したがって、これらのパラメーターは、ご自分のデプロイメントには該当しない場合があります。コンポーネントのサポートレベルのリストは、Red Hat ナレッジベースのアーティクルComponent Support Graduationを参照してください。

14.1. roles_data.yaml

  • openstack overcloud roles generate コマンドを実行して、roles_data.yaml ファイルを生成します。

    実際の環境にデプロイするロールに応じて、コマンドにロール名を追加します (例: ControllerComputeSriovComputeOvsDpdkRTComputeOvsDpdkSriov、またはその他のロール)。

    たとえば、Controller ロールおよび ComputeHCIOvsDpdkSriov ロールが含まれる roles_data.yaml ファイルを生成するには、以下のコマンドを実行します。

     $ openstack overcloud roles generate -o roles_data.yaml \
     Controller ComputeHCIOvsDpdkSriov
    ###############################################################################
    # File generated by TripleO
    ###############################################################################
    ###############################################################################
    # Role: Controller                                                            #
    ###############################################################################
    - name: Controller
      description: |
        Controller role that has all the controller services loaded and handles
        Database, Messaging and Network functions.
      CountDefault: 1
      tags:
        - primary
        - controller
      networks:
        External:
          subnet: external_subnet
        InternalApi:
          subnet: internal_api_subnet
        Storage:
          subnet: storage_subnet
        StorageMgmt:
          subnet: storage_mgmt_subnet
        Tenant:
          subnet: tenant_subnet
      # For systems with both IPv4 and IPv6, you may specify a gateway network for
      # each, such as ['ControlPlane', 'External']
      default_route_networks: ['External']
      HostnameFormatDefault: '%stackname%-controller-%index%'
      # Deprecated & backward-compatible values (FIXME: Make parameters consistent)
      # Set uses_deprecated_params to True if any deprecated params are used.
      uses_deprecated_params: True
      deprecated_param_extraconfig: 'controllerExtraConfig'
      deprecated_param_flavor: 'OvercloudControlFlavor'
      deprecated_param_image: 'controllerImage'
      deprecated_nic_config_name: 'controller.yaml'
      update_serial: 1
      ServicesDefault:
        - OS::TripleO::Services::Aide
        - OS::TripleO::Services::AodhApi
        - OS::TripleO::Services::AodhEvaluator
        - OS::TripleO::Services::AodhListener
        - OS::TripleO::Services::AodhNotifier
        - OS::TripleO::Services::AuditD
        - OS::TripleO::Services::BarbicanApi
        - OS::TripleO::Services::BarbicanBackendSimpleCrypto
        - OS::TripleO::Services::BarbicanBackendDogtag
        - OS::TripleO::Services::BarbicanBackendKmip
        - OS::TripleO::Services::BarbicanBackendPkcs11Crypto
        - OS::TripleO::Services::BootParams
        - OS::TripleO::Services::CACerts
        - OS::TripleO::Services::CeilometerAgentCentral
        - OS::TripleO::Services::CeilometerAgentNotification
        - OS::TripleO::Services::CephExternal
        - OS::TripleO::Services::CephGrafana
        - OS::TripleO::Services::CephMds
        - OS::TripleO::Services::CephMgr
        - OS::TripleO::Services::CephMon
        - OS::TripleO::Services::CephRbdMirror
        - OS::TripleO::Services::CephRgw
        - OS::TripleO::Services::CertmongerUser
        - OS::TripleO::Services::CinderApi
        - OS::TripleO::Services::CinderBackendDellPs
        - OS::TripleO::Services::CinderBackendDellSc
        - OS::TripleO::Services::CinderBackendDellEMCPowermax
        - OS::TripleO::Services::CinderBackendDellEMCPowerStore
        - OS::TripleO::Services::CinderBackendDellEMCSc
        - OS::TripleO::Services::CinderBackendDellEMCUnity
        - OS::TripleO::Services::CinderBackendDellEMCVMAXISCSI
        - OS::TripleO::Services::CinderBackendDellEMCVNX
        - OS::TripleO::Services::CinderBackendDellEMCVxFlexOS
        - OS::TripleO::Services::CinderBackendDellEMCXtremio
        - OS::TripleO::Services::CinderBackendDellEMCXTREMIOISCSI
        - OS::TripleO::Services::CinderBackendNetApp
        - OS::TripleO::Services::CinderBackendPure
        - OS::TripleO::Services::CinderBackendScaleIO
        - OS::TripleO::Services::CinderBackendVRTSHyperScale
        - OS::TripleO::Services::CinderBackendNVMeOF
        - OS::TripleO::Services::CinderBackup
        - OS::TripleO::Services::CinderHPELeftHandISCSI
        - OS::TripleO::Services::CinderScheduler
        - OS::TripleO::Services::CinderVolume
        - OS::TripleO::Services::Clustercheck
        - OS::TripleO::Services::Collectd
        - OS::TripleO::Services::ContainerImagePrepare
        - OS::TripleO::Services::DesignateApi
        - OS::TripleO::Services::DesignateCentral
        - OS::TripleO::Services::DesignateProducer
        - OS::TripleO::Services::DesignateWorker
        - OS::TripleO::Services::DesignateMDNS
        - OS::TripleO::Services::DesignateSink
        - OS::TripleO::Services::Docker
        - OS::TripleO::Services::Ec2Api
        - OS::TripleO::Services::Etcd
        - OS::TripleO::Services::ExternalSwiftProxy
        - OS::TripleO::Services::GlanceApi
        - OS::TripleO::Services::GnocchiApi
        - OS::TripleO::Services::GnocchiMetricd
        - OS::TripleO::Services::GnocchiStatsd
        - OS::TripleO::Services::HAproxy
        - OS::TripleO::Services::HeatApi
        - OS::TripleO::Services::HeatApiCloudwatch
        - OS::TripleO::Services::HeatApiCfn
        - OS::TripleO::Services::HeatEngine
        - OS::TripleO::Services::Horizon
        - OS::TripleO::Services::IpaClient
        - OS::TripleO::Services::Ipsec
        - OS::TripleO::Services::IronicApi
        - OS::TripleO::Services::IronicConductor
        - OS::TripleO::Services::IronicInspector
        - OS::TripleO::Services::IronicPxe
        - OS::TripleO::Services::IronicNeutronAgent
        - OS::TripleO::Services::Iscsid
        - OS::TripleO::Services::Keepalived
        - OS::TripleO::Services::Kernel
        - OS::TripleO::Services::Keystone
        - OS::TripleO::Services::LoginDefs
        - OS::TripleO::Services::ManilaApi
        - OS::TripleO::Services::ManilaBackendCephFs
        - OS::TripleO::Services::ManilaBackendIsilon
        - OS::TripleO::Services::ManilaBackendNetapp
        - OS::TripleO::Services::ManilaBackendUnity
        - OS::TripleO::Services::ManilaBackendVNX
        - OS::TripleO::Services::ManilaBackendVMAX
        - OS::TripleO::Services::ManilaScheduler
        - OS::TripleO::Services::ManilaShare
        - OS::TripleO::Services::Memcached
        - OS::TripleO::Services::MetricsQdr
        - OS::TripleO::Services::MistralApi
        - OS::TripleO::Services::MistralEngine
        - OS::TripleO::Services::MistralExecutor
        - OS::TripleO::Services::MistralEventEngine
        - OS::TripleO::Services::Multipathd
        - OS::TripleO::Services::MySQL
        - OS::TripleO::Services::MySQLClient
        - OS::TripleO::Services::NeutronApi
        - OS::TripleO::Services::NeutronBgpVpnApi
        - OS::TripleO::Services::NeutronSfcApi
        - OS::TripleO::Services::NeutronCorePlugin
        - OS::TripleO::Services::NeutronDhcpAgent
        - OS::TripleO::Services::NeutronL2gwAgent
        - OS::TripleO::Services::NeutronL2gwApi
        - OS::TripleO::Services::NeutronL3Agent
        - OS::TripleO::Services::NeutronLinuxbridgeAgent
        - OS::TripleO::Services::NeutronMetadataAgent
        - OS::TripleO::Services::NeutronML2FujitsuCfab
        - OS::TripleO::Services::NeutronML2FujitsuFossw
        - OS::TripleO::Services::NeutronOvsAgent
        - OS::TripleO::Services::NeutronVppAgent
        - OS::TripleO::Services::NeutronAgentsIBConfig
        - OS::TripleO::Services::NovaApi
        - OS::TripleO::Services::NovaConductor
        - OS::TripleO::Services::NovaIronic
        - OS::TripleO::Services::NovaMetadata
        - OS::TripleO::Services::NovaScheduler
        - OS::TripleO::Services::NovaVncProxy
        - OS::TripleO::Services::ContainersLogrotateCrond
        - OS::TripleO::Services::OctaviaApi
        - OS::TripleO::Services::OctaviaDeploymentConfig
        - OS::TripleO::Services::OctaviaHealthManager
        - OS::TripleO::Services::OctaviaHousekeeping
        - OS::TripleO::Services::OctaviaWorker
        - OS::TripleO::Services::OpenStackClients
        - OS::TripleO::Services::OVNDBs
        - OS::TripleO::Services::OVNController
        - OS::TripleO::Services::Pacemaker
        - OS::TripleO::Services::PankoApi
        - OS::TripleO::Services::PlacementApi
        - OS::TripleO::Services::OsloMessagingRpc
        - OS::TripleO::Services::OsloMessagingNotify
        - OS::TripleO::Services::Podman
        - OS::TripleO::Services::Rear
        - OS::TripleO::Services::Redis
        - OS::TripleO::Services::Rhsm
        - OS::TripleO::Services::Rsyslog
        - OS::TripleO::Services::RsyslogSidecar
        - OS::TripleO::Services::SaharaApi
        - OS::TripleO::Services::SaharaEngine
        - OS::TripleO::Services::Securetty
        - OS::TripleO::Services::Snmp
        - OS::TripleO::Services::Sshd
        - OS::TripleO::Services::SwiftProxy
        - OS::TripleO::Services::SwiftDispersion
        - OS::TripleO::Services::SwiftRingBuilder
        - OS::TripleO::Services::SwiftStorage
        - OS::TripleO::Services::Timesync
        - OS::TripleO::Services::Timezone
        - OS::TripleO::Services::TripleoFirewall
        - OS::TripleO::Services::TripleoPackages
        - OS::TripleO::Services::Tuned
        - OS::TripleO::Services::Vpp
        - OS::TripleO::Services::Zaqar
    ###############################################################################
    # Role: ComputeHCIOvsDpdkSriov                                                #
    ###############################################################################
    - name: ComputeHCIOvsDpdkSriov
      description: |
        ComputeOvsDpdkSriov Node role hosting Ceph OSD too
      networks:
        InternalApi:
          subnet: internal_api_subnet
        Tenant:
          subnet: tenant_subnet
        Storage:
          subnet: storage_subnet
        StorageMgmt:
          subnet: storage_mgmt_subnet
      # CephOSD present so serial has to be 1
      update_serial: 1
      RoleParametersDefault:
        TunedProfileName: "cpu-partitioning"
        VhostuserSocketGroup: "hugetlbfs"
        NovaLibvirtRxQueueSize: 1024
        NovaLibvirtTxQueueSize: 1024
      ServicesDefault:
        - OS::TripleO::Services::Aide
        - OS::TripleO::Services::AuditD
        - OS::TripleO::Services::BootParams
        - OS::TripleO::Services::CACerts
        - OS::TripleO::Services::CephClient
        - OS::TripleO::Services::CephExternal
        - OS::TripleO::Services::CephOSD
        - OS::TripleO::Services::CertmongerUser
        - OS::TripleO::Services::Collectd
        - OS::TripleO::Services::ComputeCeilometerAgent
        - OS::TripleO::Services::ComputeNeutronCorePlugin
        - OS::TripleO::Services::ComputeNeutronL3Agent
        - OS::TripleO::Services::ComputeNeutronMetadataAgent
        - OS::TripleO::Services::ComputeNeutronOvsDpdk
        - OS::TripleO::Services::Docker
        - OS::TripleO::Services::IpaClient
        - OS::TripleO::Services::Ipsec
        - OS::TripleO::Services::Iscsid
        - OS::TripleO::Services::Kernel
        - OS::TripleO::Services::LoginDefs
        - OS::TripleO::Services::MetricsQdr
        - OS::TripleO::Services::Multipathd
        - OS::TripleO::Services::MySQLClient
        - OS::TripleO::Services::NeutronBgpVpnBagpipe
        - OS::TripleO::Services::NeutronSriovAgent
        - OS::TripleO::Services::NeutronSriovHostConfig
        - OS::TripleO::Services::NovaAZConfig
        - OS::TripleO::Services::NovaCompute
        - OS::TripleO::Services::NovaLibvirt
        - OS::TripleO::Services::NovaLibvirtGuests
        - OS::TripleO::Services::NovaMigrationTarget
        - OS::TripleO::Services::OvsDpdkNetcontrold
        - OS::TripleO::Services::ContainersLogrotateCrond
        - OS::TripleO::Services::Podman
        - OS::TripleO::Services::Rear
        - OS::TripleO::Services::Rhsm
        - OS::TripleO::Services::Rsyslog
        - OS::TripleO::Services::RsyslogSidecar
        - OS::TripleO::Services::Securetty
        - OS::TripleO::Services::Snmp
        - OS::TripleO::Services::Sshd
        - OS::TripleO::Services::Timesync
        - OS::TripleO::Services::Timezone
        - OS::TripleO::Services::TripleoFirewall
        - OS::TripleO::Services::TripleoPackages
        - OS::TripleO::Services::OVNController
        - OS::TripleO::Services::OVNMetadataAgent
        - OS::TripleO::Services::Ptp

14.2. network-environment-overrides.yaml

resource_registry:
  # Specify the relative/absolute path to the config files you want to use for override the default.
  OS::TripleO::ComputeOvsDpdkSriov::Net::SoftwareConfig: nic-configs/computeovsdpdksriov.yaml
  OS::TripleO::Controller::Net::SoftwareConfig: nic-configs/controller.yaml

# Customize all these values to match the local environment
parameter_defaults:
  # The tunnel type for the project network (vxlan or gre). Set to '' to disable tunneling.
  NeutronTunnelTypes: 'vxlan'
  # The project network type for Neutron (vlan or vxlan).
  NeutronNetworkType: 'vxlan,vlan'
  # The OVS logical->physical bridge mappings to use.
  NeutronBridgeMappings: 'access:br-access,dpdk-mgmt:br-link0'
  # The Neutron ML2 and OpenVSwitch vlan mapping range to support.
  NeutronNetworkVLANRanges: 'access:423:423,dpdk-mgmt:134:137,sriov-1:138:139,sriov-2:138:139'
  # Define the DNS servers (maximum 2) for the overcloud nodes
  DnsServers: ["10.46.0.31","10.46.0.32"]
  # Nova flavor to use.
  OvercloudControllerFlavor: controller
  OvercloudComputeOvsDpdkSriovFlavor: computeovsdpdksriov
  # Number of nodes to deploy.
  ControllerCount: 3
  ComputeOvsDpdkSriovCount: 2
  # NTP server configuration.
  NtpServer: ['clock.redhat.com']
  # MTU global configuration
  NeutronGlobalPhysnetMtu: 9000
  # Configure the classname of the firewall driver to use for implementing security groups.
  NeutronOVSFirewallDriver: openvswitch
  SshServerOptions:
    UseDns: 'no'
  # Enable log level DEBUG for supported components
  Debug: True

  ControllerHostnameFormat: 'controller-%index%'
  ControllerSchedulerHints:
    'capabilities:node': 'controller-%index%'
  ComputeOvsDpdkSriovHostnameFormat: 'computeovsdpdksriov-%index%'
  ComputeOvsDpdkSriovSchedulerHints:
    'capabilities:node': 'computeovsdpdksriov-%index%'

  # From Rocky live migration with NumaTopologyFilter disabled by default
  # https://bugs.launchpad.net/nova/+bug/1289064
  NovaEnableNUMALiveMigration: true

  ##########################
  # OVS DPDK configuration #
  ##########################

  # In the future, most parameters will be derived by mistral plan.
  # Currently mistral derive parameters is blocked:
  # https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=1777841
  # https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=1777844
  ComputeOvsDpdkSriovParameters:
    KernelArgs: "default_hugepagesz=1GB hugepagesz=1G hugepages=64 iommu=pt intel_iommu=on isolcpus=2-19,22-39"
    TunedProfileName: "cpu-partitioning"
    IsolCpusList: "2-19,22-39"
    NovaComputeCpuDedicatedSet: ['2-10,12-17,19,22-30,32-37,39']
    NovaReservedHostMemory: 4096
    OvsDpdkSocketMemory: "1024,3072"
    OvsDpdkMemoryChannels: "4"
    OvsPmdCoreList: "11,18,31,38"
    NovaComputeCpuSharedSet: [0,20,1,21]
    # When using NIC partitioning on SR-IOV enabled setups, 'derive_pci_passthrough_whitelist.py'
    # script will be executed which will override NovaPCIPassthrough.
    # No option to disable as of now - https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=1774403
    NovaPCIPassthrough:
      - address: "0000:19:0e.3"
        trusted: "true"
        physical_network: "sriov1"
      - address: "0000:19:0e.0"
        trusted: "true"
        physical_network: "sriov-2"
    # NUMA aware vswitch
    NeutronPhysnetNUMANodesMapping: {dpdk-mgmt: [0]}
    NeutronTunnelNUMANodes: [0]
    NeutronPhysicalDevMappings:
    - sriov1:enp6s0f2
    - sriov2:enp6s0f3

  ############################
  #  Scheduler configuration #
  ############################
  NovaSchedulerDefaultFilters:
    - "AvailabilityZoneFilter"
    - "ComputeFilter"
    - "ComputeCapabilitiesFilter"
    - "ImagePropertiesFilter"
    - "ServerGroupAntiAffinityFilter"
    - "ServerGroupAffinityFilter"
    - "PciPassthroughFilter"
    - "NUMATopologyFilter"
    - "AggregateInstanceExtraSpecsFilter"

14.3. controller.yaml

heat_template_version: rocky
description: >
  Software Config to drive os-net-config to configure VLANs for the controller role.
parameters:
  ControlPlaneIp:
    default: ''
    description: IP address/subnet on the ctlplane network
    type: string
  ExternalIpSubnet:
    default: ''
    description: IP address/subnet on the external network
    type: string
  ExternalInterfaceRoutes:
    default: []
    description: >
      Routes for the external network traffic. JSON route e.g. [{'destination':'10.0.0.0/16', 'nexthop':'10.0.0.1'}] Unless
      the default is changed, the parameter is automatically resolved from the subnet host_routes attribute.
    type: json
  InternalApiIpSubnet:
    default: ''
    description: IP address/subnet on the internal_api network
    type: string
  InternalApiInterfaceRoutes:
    default: []
    description: >
      Routes for the internal_api network traffic. JSON route e.g. [{'destination':'10.0.0.0/16', 'nexthop':'10.0.0.1'}] Unless
      the default is changed, the parameter is automatically resolved from the subnet host_routes attribute.
    type: json
  StorageIpSubnet:
    default: ''
    description: IP address/subnet on the storage network
    type: string
  StorageInterfaceRoutes:
    default: []
    description: >
      Routes for the storage network traffic. JSON route e.g. [{'destination':'10.0.0.0/16', 'nexthop':'10.0.0.1'}] Unless
      the default is changed, the parameter is automatically resolved from the subnet host_routes attribute.
    type: json
  StorageMgmtIpSubnet:
    default: ''
    description: IP address/subnet on the storage_mgmt network
    type: string
  StorageMgmtInterfaceRoutes:
    default: []
    description: >
      Routes for the storage_mgmt network traffic. JSON route e.g. [{'destination':'10.0.0.0/16', 'nexthop':'10.0.0.1'}] Unless
      the default is changed, the parameter is automatically resolved from the subnet host_routes attribute.
    type: json
  TenantIpSubnet:
    default: ''
    description: IP address/subnet on the tenant network
    type: string
  TenantInterfaceRoutes:
    default: []
    description: >
      Routes for the tenant network traffic. JSON route e.g. [{'destination':'10.0.0.0/16', 'nexthop':'10.0.0.1'}] Unless
      the default is changed, the parameter is automatically resolved from the subnet host_routes attribute.
    type: json
  ManagementIpSubnet: # Only populated when including environments/network-management.yaml
    default: ''
    description: IP address/subnet on the management network
    type: string
  ManagementInterfaceRoutes:
    default: []
    description: >
      Routes for the management network traffic. JSON route e.g. [{'destination':'10.0.0.0/16', 'nexthop':'10.0.0.1'}] Unless
      the default is changed, the parameter is automatically resolved from the subnet host_routes attribute.
    type: json
  BondInterfaceOvsOptions:
    default: bond_mode=active-backup
    description: >-
      The ovs_options string for the bond interface. Set things like lacp=active and/or bond_mode=balance-slb using this option.
    type: string
  ExternalNetworkVlanID:
    default: 10
    description: Vlan ID for the external network traffic.
    type: number
  InternalApiNetworkVlanID:
    default: 20
    description: Vlan ID for the internal_api network traffic.
    type: number
  StorageNetworkVlanID:
    default: 30
    description: Vlan ID for the storage network traffic.
    type: number
  StorageMgmtNetworkVlanID:
    default: 40
    description: Vlan ID for the storage_mgmt network traffic.
    type: number
  TenantNetworkVlanID:
    default: 50
    description: Vlan ID for the tenant network traffic.
    type: number
  ManagementNetworkVlanID:
    default: 60
    description: Vlan ID for the management network traffic.
    type: number
  ExternalInterfaceDefaultRoute:
    default: 10.0.0.1
    description: default route for the external network
    type: string
  ControlPlaneSubnetCidr:
    default: ''
    description: >
      The subnet CIDR of the control plane network. (The parameter is automatically resolved from the ctlplane subnet's cidr
      attribute.)
    type: string
  ControlPlaneDefaultRoute:
    default: ''
    description: >-
      The default route of the control plane network. (The parameter is automatically resolved from the ctlplane subnet's
      gateway_ip attribute.)
    type: string
  DnsServers: # Override this via parameter_defaults
    default: []
    description: >
      DNS servers to use for the Overcloud (2 max for some implementations). If not set the nameservers configured in the
      ctlplane subnet's dns_nameservers attribute will be used.
    type: comma_delimited_list
  EC2MetadataIp:
    default: ''
    description: >-
      The IP address of the EC2 metadata server. (The parameter is automatically resolved from the ctlplane subnet's host_routes
      attribute.)
    type: string
  ControlPlaneStaticRoutes:
    default: []
    description: >
      Routes for the ctlplane network traffic. JSON route e.g. [{'destination':'10.0.0.0/16', 'nexthop':'10.0.0.1'}] Unless
      the default is changed, the parameter is automatically resolved from the subnet host_routes attribute.
    type: json
  ControlPlaneMtu:
    default: 1500
    description: >-
      The maximum transmission unit (MTU) size(in bytes) that is guaranteed to pass through the data path of the segments
      in the network. (The parameter is automatically resolved from the ctlplane network's mtu attribute.)
    type: number
  StorageMtu:
    default: 1500
    description: >-
      The maximum transmission unit (MTU) size(in bytes) that is guaranteed to pass through the data path of the segments
      in the Storage network.
    type: number
  StorageMgmtMtu:
    default: 1500
    description: >-
      The maximum transmission unit (MTU) size(in bytes) that is guaranteed to pass through the data path of the segments
      in the StorageMgmt network.
    type: number
  InternalApiMtu:
    default: 1500
    description: >-
      The maximum transmission unit (MTU) size(in bytes) that is guaranteed to pass through the data path of the segments
      in the InternalApi network.
    type: number
  TenantMtu:
    default: 1500
    description: >-
      The maximum transmission unit (MTU) size(in bytes) that is guaranteed to pass through the data path of the segments
      in the Tenant network.
    type: number
  ExternalMtu:
    default: 1500
    description: >-
      The maximum transmission unit (MTU) size(in bytes) that is guaranteed to pass through the data path of the segments
      in the External network.
    type: number
resources:
  OsNetConfigImpl:
    type: OS::Heat::SoftwareConfig
    properties:
      group: script
      config:
        str_replace:
          template:
            get_file: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/scripts/run-os-net-config.sh
          params:
            $network_config:
              network_config:
              - type: interface
                name: nic1
                use_dhcp: false
                addresses:
                - ip_netmask:
                    list_join:
                    - /
                    - - get_param: ControlPlaneIp
                      - get_param: ControlPlaneSubnetCidr
                routes:
                - ip_netmask: 169.254.169.254/32
                  next_hop:
                    get_param: EC2MetadataIp

              - type: ovs_bridge
                name: br-link0
                use_dhcp: false
                mtu: 9000
                members:
                - type: interface
                  name: nic2
                  mtu: 9000

                - type: vlan
                  vlan_id:
                    get_param: TenantNetworkVlanID
                  mtu: 9000
                  addresses:
                  - ip_netmask:
                      get_param: TenantIpSubnet

                - type: vlan
                  vlan_id:
                    get_param: InternalApiNetworkVlanID
                  addresses:
                  - ip_netmask:
                      get_param: InternalApiIpSubnet

                - type: vlan
                  vlan_id:
                    get_param: StorageNetworkVlanID
                  addresses:
                  - ip_netmask:
                      get_param: StorageIpSubnet

                - type: vlan
                  vlan_id:
                    get_param: StorageMgmtNetworkVlanID
                  addresses:
                  - ip_netmask:
                      get_param: StorageMgmtIpSubnet

              - type: ovs_bridge
                name: br-access
                use_dhcp: false
                mtu: 9000
                members:
                - type: interface
                  name: nic3
                  mtu: 9000
                - type: vlan
                  vlan_id:
                    get_param: ExternalNetworkVlanID
                  mtu: 9000
                  addresses:
                  - ip_netmask:
                      get_param: ExternalIpSubnet
                  routes:
                  - default: true
                    next_hop:
                      get_param: ExternalInterfaceDefaultRoute
outputs:
  OS::stack_id:
    description: The OsNetConfigImpl resource.
    value:
      get_resource: OsNetConfigImpl

14.4. compute-ovs-dpdk.yaml

heat_template_version: rocky

description: >
  Software Config to drive os-net-config to configure VLANs for the
  compute role.

parameters:
  ControlPlaneIp:
    default: ''
    description: IP address/subnet on the ctlplane network
    type: string
  ExternalIpSubnet:
    default: ''
    description: IP address/subnet on the external network
    type: string
  ExternalInterfaceRoutes:
    default: []
    description: >
      Routes for the external network traffic.
      JSON route e.g. [{'destination':'10.0.0.0/16', 'nexthop':'10.0.0.1'}]
      Unless the default is changed, the parameter is automatically resolved
      from the subnet host_routes attribute.
    type: json
  InternalApiIpSubnet:
    default: ''
    description: IP address/subnet on the internal_api network
    type: string
  InternalApiInterfaceRoutes:
    default: []
    description: >
      Routes for the internal_api network traffic.
      JSON route e.g. [{'destination':'10.0.0.0/16', 'nexthop':'10.0.0.1'}]
      Unless the default is changed, the parameter is automatically resolved
      from the subnet host_routes attribute.
    type: json
  StorageIpSubnet:
    default: ''
    description: IP address/subnet on the storage network
    type: string
  StorageInterfaceRoutes:
    default: []
    description: >
      Routes for the storage network traffic.
      JSON route e.g. [{'destination':'10.0.0.0/16', 'nexthop':'10.0.0.1'}]
      Unless the default is changed, the parameter is automatically resolved
      from the subnet host_routes attribute.
    type: json
  StorageMgmtIpSubnet:
    default: ''
    description: IP address/subnet on the storage_mgmt network
    type: string
  StorageMgmtInterfaceRoutes:
    default: []
    description: >
      Routes for the storage_mgmt network traffic.
      JSON route e.g. [{'destination':'10.0.0.0/16', 'nexthop':'10.0.0.1'}]
      Unless the default is changed, the parameter is automatically resolved
      from the subnet host_routes attribute.
    type: json
  TenantIpSubnet:
    default: ''
    description: IP address/subnet on the tenant network
    type: string
  TenantInterfaceRoutes:
    default: []
    description: >
      Routes for the tenant network traffic.
      JSON route e.g. [{'destination':'10.0.0.0/16', 'nexthop':'10.0.0.1'}]
      Unless the default is changed, the parameter is automatically resolved
      from the subnet host_routes attribute.
    type: json
  ManagementIpSubnet: # Only populated when including environments/network-management.yaml
    default: ''
    description: IP address/subnet on the management network
    type: string
  ManagementInterfaceRoutes:
    default: []
    description: >
      Routes for the management network traffic.
      JSON route e.g. [{'destination':'10.0.0.0/16', 'nexthop':'10.0.0.1'}]
      Unless the default is changed, the parameter is automatically resolved
      from the subnet host_routes attribute.
    type: json
  BondInterfaceOvsOptions:
    default: 'bond_mode=active-backup'
    description: The ovs_options string for the bond interface. Set things like
                 lacp=active and/or bond_mode=balance-slb using this option.
    type: string
  ExternalNetworkVlanID:
    default: 10
    description: Vlan ID for the external network traffic.
    type: number
  InternalApiNetworkVlanID:
    default: 20
    description: Vlan ID for the internal_api network traffic.
    type: number
  StorageNetworkVlanID:
    default: 30
    description: Vlan ID for the storage network traffic.
    type: number
  StorageMgmtNetworkVlanID:
    default: 40
    description: Vlan ID for the storage_mgmt network traffic.
    type: number
  TenantNetworkVlanID:
    default: 50
    description: Vlan ID for the tenant network traffic.
    type: number
  ManagementNetworkVlanID:
    default: 60
    description: Vlan ID for the management network traffic.
    type: number
  ExternalInterfaceDefaultRoute:
    default: '10.0.0.1'
    description: default route for the external network
    type: string
  ControlPlaneSubnetCidr:
    default: ''
    description: >
      The subnet CIDR of the control plane network. (The parameter is
      automatically resolved from the ctlplane subnet's cidr attribute.)
    type: string
  ControlPlaneDefaultRoute:
    default: ''
    description: The default route of the control plane network. (The parameter
      is automatically resolved from the ctlplane subnet's gateway_ip attribute.)
    type: string
  DnsServers: # Override this via parameter_defaults
    default: []
    description: >
      DNS servers to use for the Overcloud (2 max for some implementations).
      If not set the nameservers configured in the ctlplane subnet's
      dns_nameservers attribute will be used.
    type: comma_delimited_list
  EC2MetadataIp:
    default: ''
    description: The IP address of the EC2 metadata server. (The parameter
      is automatically resolved from the ctlplane subnet's host_routes attribute.)
    type: string
  ControlPlaneStaticRoutes:
    default: []
    description: >
      Routes for the ctlplane network traffic. JSON route e.g. [{'destination':'10.0.0.0/16', 'nexthop':'10.0.0.1'}] Unless
      the default is changed, the parameter is automatically resolved from the subnet host_routes attribute.
    type: json
  ControlPlaneMtu:
    default: 1500
    description: >-
      The maximum transmission unit (MTU) size(in bytes) that is guaranteed to pass through the data path of the segments
      in the network. (The parameter is automatically resolved from the ctlplane network's mtu attribute.)
    type: number
  StorageMtu:
    default: 1500
    description: >-
      The maximum transmission unit (MTU) size(in bytes) that is guaranteed to pass through the data path of the segments
      in the Storage network.
    type: number
  InternalApiMtu:
    default: 1500
    description: >-
      The maximum transmission unit (MTU) size(in bytes) that is guaranteed to pass through the data path of the segments
      in the InternalApi network.
    type: number
  TenantMtu:
    default: 1500
    description: >-
      The maximum transmission unit (MTU) size(in bytes) that is guaranteed to pass through the data path of the segments
      in the Tenant network.
    type: number

resources:
  OsNetConfigImpl:
    type: OS::Heat::SoftwareConfig
    properties:
      group: script
      config:
        str_replace:
          template:
            get_file: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/scripts/run-os-net-config.sh
          params:
            $network_config:
              network_config:
              - type: interface
                name: nic1
                use_dhcp: false
                defroute: false

              - type: interface
                name: nic2
                use_dhcp: false
                addresses:
                - ip_netmask:
                    list_join:
                    - /
                    - - get_param: ControlPlaneIp
                      - get_param: ControlPlaneSubnetCidr
                routes:
                - ip_netmask: 169.254.169.254/32
                  next_hop:
                    get_param: EC2MetadataIp
                - default: true
                  next_hop:
                    get_param: ControlPlaneDefaultRoute

              - type: linux_bond
                name: bond_api
                bonding_options: mode=active-backup
                use_dhcp: false
                dns_servers:
                  get_param: DnsServers
                members:
                - type: interface
                  name: nic3
                  primary: true
                - type: interface
                  name: nic4

              - type: vlan
                vlan_id:
                  get_param: InternalApiNetworkVlanID
                device: bond_api
                addresses:
                - ip_netmask:
                    get_param: InternalApiIpSubnet

              - type: vlan
                vlan_id:
                  get_param: StorageNetworkVlanID
                device: bond_api
                addresses:
                - ip_netmask:
                    get_param: StorageIpSubnet

              - type: ovs_user_bridge
                name: br-link0
                use_dhcp: false
                ovs_extra:
                - str_replace:
                    template: set port br-link0 tag=_VLAN_TAG_
                    params:
                      _VLAN_TAG_:
                        get_param: TenantNetworkVlanID
                addresses:
                - ip_netmask:
                    get_param: TenantIpSubnet
                members:
                - type: ovs_dpdk_bond
                  name: dpdkbond0
                  mtu: 9000
                  rx_queue: 2
                  members:
                  - type: ovs_dpdk_port
                    name: dpdk0
                    members:
                    - type: interface
                      name: nic7
                  - type: ovs_dpdk_port
                    name: dpdk1
                    members:
                    - type: interface
                      name: nic8

              - type: sriov_pf
                name: nic9
                mtu: 9000
                numvfs: 10
                use_dhcp: false
                defroute: false
                nm_controlled: true
                hotplug: true
                promisc: false

              - type: sriov_pf
                name: nic10
                mtu: 9000
                numvfs: 10
                use_dhcp: false
                defroute: false
                nm_controlled: true
                hotplug: true
                promisc: false
outputs:
  OS::stack_id:
    description: The OsNetConfigImpl resource.
    value:
      get_resource: OsNetConfigImpl

14.5. overcloud_deploy.sh

#!/bin/bash

THT_PATH='/home/stack/ospd-16-vxlan-dpdk-sriov-ctlplane-dataplane-bonding-hybrid'

openstack overcloud deploy \
--templates \
-e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/network-environment.yaml \
-e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/network-isolation.yaml \
-e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services/neutron-ovs.yaml \
-e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services/neutron-ovs-dpdk.yaml \
-e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services/neutron-sriov.yaml \
-e /home/stack/containers-prepare-parameter.yaml \
-r $THT_PATH/roles_data.yaml \
-e $THT_PATH/network-environment-overrides.yaml \
-n $THT_PATH/network-data.yaml

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