第17章 ストレージの設定
本章では、オーバークラウドのストレージオプションを設定するためのさまざまな方法について説明します。
オーバークラウドは、デフォルトのストレージオプションとして、ローカルの一時ストレージと論理ボリュームマネージャー (LVM) ストレージを使用します。ローカルの一時ストレージは実稼働環境でサポートされますが、LVM ストレージはサポートされません。
17.1. NFS ストレージの設定
共有 NFS ストレージを使用するようにオーバークラウドを設定できます。
17.1.1. サポートされる設定および制限
サポートされる NFS ストレージ
- Red Hat では、認定済みのストレージバックエンドおよびドライバーを使用することを推奨します。Red Hat では、汎用 NFS バックエンドの NFS ストレージを使用することを推奨していません。認定済みのストレージバックエンドおよびドライバーと比較すると、その機能に制限があるためです。たとえば、汎用 NFS バックエンドは、ボリュームの暗号化やボリュームのマルチアタッチなどの機能をサポートしません。サポート対象のドライバーについての情報は、Red Hat Ecosystem Catalog を参照してください。
- Block Storage (cinder) サービスおよび Compute (nova) サービスには、NFS バージョン 4.0 以降を使用する必要があります。Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) は、以前のバージョンの NFS をサポートしません。
サポートされていない NFS 設定
RHOSP は、通常のボリューム操作を妨げるため、NetApp 機能の NAS セキュアをサポートしていません。Director はデフォルトでこの機能を無効にします。したがって、NFS バックエンドまたは NetApp NFS Block Storage バックエンドが NAS セキュアをサポートするかどうかを制御する次の heat パラメーターは編集しないでください。
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CinderNetappNasSecureFileOperations
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CinderNetappNasSecureFilePermissions
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CinderNasSecureFileOperations
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CinderNasSecureFilePermissions
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NFS 共有を使用する場合の制限
- バックエンドが NFS 共有の場合、スワップディスクを持つインスタンスはサイズ変更または再構築できません。
17.1.2. NFS ストレージの設定
共有 NFS ストレージを使用するようにオーバークラウドを設定できます。
手順
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nfs_storage.yaml
などの NFS ストレージを設定するための環境ファイルを作成します。 次のパラメーターを新しい環境ファイルに追加して、NFS ストレージを設定します。
parameter_defaults: CinderEnableIscsiBackend: false CinderEnableNfsBackend: true GlanceBackend: file CinderNfsServers: 192.0.2.230:/cinder GlanceNfsEnabled: true GlanceNfsShare: 192.0.2.230:/glance
注記CinderNfsMountOptions
パラメーターおよびGlanceNfsOptions
パラメーターは設定しないでください。これらのパラメーターのデフォルト値は、ほとんどの Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 環境に適した NFS マウントオプションを有効にするためです。environment/storage/glance-nfs.yaml
ファイルでGlanceNfsOptions
パラメーターの値を確認できます。同じ NFS サーバーを共有するように複数のサービスを設定する際に問題が発生した場合は、Red Hat サポートにお問い合わせください。その他の環境ファイルと共に NFS ストレージ環境ファイルをスタックに追加して、オーバークラウドをデプロイします。
(undercloud)$ openstack overcloud deploy --templates \ -e [your environment files] \ -e /home/stack/templates/nfs_storage.yaml