第3章 director インストールの準備
director をインストールおよび設定するには、アンダークラウドを Red Hat Customer Portal または Red Hat Satellite サーバーに登録し、director パッケージをインストールし、インストール中にコンテナーイメージを取得するために director のコンテナーイメージソースを設定するなどの準備作業を完了する必要があります。
3.1. アンダークラウドの準備
director をインストールする前に、ホストマシンでいくつかの基本設定を完了する必要があります。
手順
-
お使いのアンダークラウドに
root
ユーザーとしてログインします。 stack
ユーザーを作成します。[root@director ~]# useradd stack
ユーザーのパスワードを設定します。
[root@director ~]# passwd stack
sudo
を使用する場合にパスワードを要求されないようにします。[root@director ~]# echo "stack ALL=(root) NOPASSWD:ALL" | tee -a /etc/sudoers.d/stack [root@director ~]# chmod 0440 /etc/sudoers.d/stack
新規作成した
stack
ユーザーに切り替えます。[root@director ~]# su - stack [stack@director ~]$
システムイメージおよび heat テンプレート用のディレクトリーを作成します。
[stack@director ~]$ mkdir ~/images [stack@director ~]$ mkdir ~/templates
director はシステムのイメージと heat テンプレートを使用して、オーバークラウド環境を構築します。ローカルファイルシステムの管理を容易にするために、Red Hat ではこれらのディレクトリーを作成することを推奨します。
アンダークラウドのベースおよび完全なホスト名を確認します。
[stack@director ~]$ hostname [stack@director ~]$ hostname -f
上記のコマンドのいずれかで正しい完全修飾ホスト名が出力されない、またはエラーが表示される場合には、
hostnamectl
でホスト名を設定します。[stack@director ~]$ sudo hostnamectl set-hostname undercloud.example.com [stack@director ~]$ sudo hostnamectl set-hostname --transient undercloud.example.com
アンダークラウドホストの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を解決できる DNS サーバーを使用していない場合は、
/etc/hosts
を編集してシステムホスト名のエントリーを追加します。/etc/hosts
の IP アドレスは、アンダークラウドのパブリック API に使用する予定のアドレスと一致する必要があります。たとえば、システムの FQDN にundercloud.example.com
が使用され、IP アドレスに10.0.0.1
を使用する場合には、/etc/hosts
ファイルに以下の行を追加します。10.0.0.1 undercloud.example.com undercloud
Red Hat OpenStack Platform director をオーバークラウドまたはその認証プロバイダーとは別のドメインに配置する予定の場合には、追加のドメインを /etc/resolv.conf に加える必要があります。
search overcloud.com idp.overcloud.com
重要RHOSP 環境でポートの名前を内部的に解決するには、DNS のポートエクステンションの DNS ドメイン (
dns_domain_ports
) を有効にする必要があります。NeutronDnsDomain
のデフォルト値 (openstacklocal
) を使用する場合、Networking サービスは DNS のポート名を内部的に解決しません。詳細は、ネットワーキングガイド の DNS がポートに割り当てる名前の指定 を参照してください。