第16章 オーバークラウドノードのスケーリング
オーバークラウドの作成後にノードを追加または削除する場合は、オーバークラウドを更新する必要があります。
オーバークラウドからノードを削除する場合は、openstack server delete
を使用しないでください。本項の手順に従って、適切にノードの削除/置き換えを行ってください。
オーバークラウドノードのスケールアウトまたは削除を開始する前に、ベアメタルノードがメンテナンスモードに設定されていないことを確認してください。
以下の表を使用して、各ノード種別のスケーリングに対するサポートを判断してください。
ノード種別 | スケールアップ | スケールダウン | 備考 |
Controller | 非対応 | 非対応 | 17章Controller ノードの置き換え に記載の手順を使用して、Controller ノードを置き換えることができます。 |
Compute | 対応 | 対応 | |
Ceph Storage ノード | 対応 | 非対応 | オーバークラウドを最初に作成する際に Ceph Storage ノードを 1 つ以上設定する必要があります。 |
Object Storage ノード | 対応 | 対応 |
オーバークラウドをスケーリングする前に、空き領域が少なくとも 10 GB あることを確認してください。この空き領域は、イメージの変換やノードのプロビジョニングプロセスのキャッシュに使用されます。
16.1. オーバークラウドへのノード追加
director のノードプールにさらにノードを追加するには、以下の手順を実施します。
Red Hat OpenStack Platform の新規インストールには、セキュリティーエラータやバグ修正などの特定の更新が含まれていません。その結果、Red Hat Customer Portal または Red Hat Satellite Server を使用する接続環境をスケールアップすると、RPM 更新は新しいノードに適用されません。最新の更新をオーバークラウドノードに適用するには、以下のいずれかを実行する必要があります。
- スケールアウト操作後にノードのオーバークラウド更新を完了します。
-
virt-customize
ツールを使用して、スケールアウト操作の前にパッケージをベースのオーバークラウドイメージに変更します。詳細は、Red Hat ナレッジベースで Modifying the Red Hat Linux OpenStack Platform Overcloud Image with virt-customize のソリューションを参照してください。
手順
登録する新規ノードの詳細を記載した新しい JSON ファイル (
newnodes.json
) を作成します。{ "nodes":[ { "mac":[ "dd:dd:dd:dd:dd:dd" ], "cpu":"4", "memory":"6144", "disk":"40", "arch":"x86_64", "pm_type":"ipmi", "pm_user":"admin", "pm_password":"p@55w0rd!", "pm_addr":"192.168.24.207" }, { "mac":[ "ee:ee:ee:ee:ee:ee" ], "cpu":"4", "memory":"6144", "disk":"40", "arch":"x86_64", "pm_type":"ipmi", "pm_user":"admin", "pm_password":"p@55w0rd!", "pm_addr":"192.168.24.208" } ] }
新しいノードを登録します。
$ source ~/stackrc (undercloud) $ openstack overcloud node import newnodes.json
新しいノードを登録したら、新しいノードごとにイントロスペクションプロセスを起動します。
(undercloud) $ openstack overcloud node introspect [NODE UUID] --provide
このプロセスにより、ノードのハードウェア属性の検出とベンチマークが実行されます。
ノードのイメージプロパティーを設定します。
(undercloud) $ openstack overcloud node configure [NODE UUID]