3.8. コンテナーイメージタグ付けのガイドライン
Red Hat コンテナーレジストリーでは、すべての Red Hat OpenStack Platform コンテナーイメージをタグ付けするのに、特定のバージョン形式が使用されます。この形式は、version-release
のように各コンテナーのラベルのメタデータに従います。
- version
- Red Hat OpenStack Platform のメジャーおよびマイナーバージョンに対応します。これらのバージョンは、1 つまたは複数のリリースが含まれるストリームとして機能します。
- release
- バージョンストリーム内の、特定コンテナーイメージバージョンのリリースに対応します。
たとえば、Red Hat OpenStack Platform の最新バージョンが 16.2.3 で、コンテナーイメージのリリースが 5.161
の場合、コンテナーイメージのタグは 16.2.3-5.161 となります。
Red Hat コンテナーレジストリーでは、コンテナーイメージバージョンの最新リリースとリンクするメジャーおよびマイナー version
タグのセットも使用されます。たとえば、16.2 と 16.2.3 の両方が、16.2.3 コンテナーストリームの最新 release
とリンクします。16.2 の新規マイナーリリースが公開されると、16.2 タグは新規マイナーリリースストリームの最新 release
とリンクします。一方、16.2.3 タグは、引き続き 16.2.3 ストリーム内の最新 release
とリンクします。
ContainerImagePrepare
パラメーターには 2 つのサブパラメーターが含まれ、これを使用してダウンロードするコンテナーイメージを定義することができます。これらのサブパラメーターは、set
ディクショナリー内の tag
パラメーターおよび tag_from_label
パラメーターです。以下のガイドラインを使用して、tag
または tag_from_label
のどちらを使用するかを判断してください。
tag
のデフォルト値は、お使いの OpenStack Platform のメジャーバージョンです。本バージョンでは、16.2 です。これは常に最新のマイナーバージョンおよびリリースに対応します。parameter_defaults: ContainerImagePrepare: - set: ... tag: 16.2 ...
OpenStack Platform コンテナーイメージの特定マイナーバージョンに変更するには、タグをマイナーバージョンに設定します。たとえば、16.2.2 に変更するには、
tag
を 16.2.2 に設定します。parameter_defaults: ContainerImagePrepare: - set: ... tag: 16.2.2 ...
-
tag
を設定すると、インストールおよび更新時に、director は必ずtag
で設定したバージョンの最新のコンテナーイメージrelease
をダウンロードします。 tag
を設定しないと、director は最新のメジャーバージョンと共にtag_from_label
の値を使用します。parameter_defaults: ContainerImagePrepare: - set: ... # tag: 16.2 ... tag_from_label: '{version}-{release}'
tag_from_label
パラメーターは、Red Hat コンテナーレジストリーから検査する最新コンテナーイメージリリースのラベルメタデータからタグを生成します。たとえば、特定のコンテナーのラベルは、以下のversion
およびrelease
メタデータを使用します。"Labels": { "release": "5.161", "version": "16.2.3", ... }
-
tag_from_label
のデフォルト値は{version}-{release}
です。これは、各コンテナーイメージのバージョンおよびリリースのメタデータラベルに対応します。たとえば、コンテナーイメージのversion
に 16.2.3 が、release
に 5.161 が、それぞれ設定されている場合、コンテナーイメージのタグは 16.2.3-5.161 となります。 -
tag
パラメーターは、常にtag_from_label
パラメーターよりも優先されます。tag_from_label
を使用するには、コンテナー準備の設定でtag
パラメーターを省略します。 -
tag
およびtag_from_label
の主な相違点は、次のとおりです。director がtag
を使用してイメージをプルする場合は、Red Hat コンテナーレジストリーがバージョンストリーム内の最新イメージリリースとリンクするメジャーまたはマイナーバージョンのタグだけに基づきます。一方、tag_from_label
を使用する場合は、director がタグを生成して対応するイメージをプルできるように、各コンテナーイメージのメタデータの検査を行います。