1.5. 外部ロードバランサーを使用するオーバークラウドのデプロイ
外部のロードバランサーを使用するオーバークラウドをデプロイするには、外部ロードバランサー用の追加の環境ファイルおよび設定ファイルを指定して、openstack overcloud deploy
を実行します。
前提条件
- 外部ロードバランサー用に環境が準備されている。環境の準備方法の詳細は、「外部ロードバランサーに向けた環境の準備」を参照してください。
- 外部ロードバランサー用に、オーバークラウドのネットワークが設定されている。ネットワークの設定方法に関する情報は、「外部ロードバランサー用のオーバークラウドネットワークの設定」を参照してください。
- 外部ロードバランサーの環境ファイルが準備されている。環境ファイルの作成方法についての情報は、「外部ロードバランサーの環境ファイルの作成」を参照してください。
- 外部負荷分散用に、SSL が設定されている。外部負荷分散用に SSL を設定する方法は、「外部負荷分散のための SSL の設定」を参照してください。
手順
外部ロードバランサー用のすべての環境ファイルおよび設定ファイルと共にオーバークラウドをデプロイします。
$ openstack overcloud deploy --templates / -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/network-isolation.yaml / -e ~/network-environment.yaml / -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/external-loadbalancer-vip.yaml / -e ~/external-lb.yaml --control-scale 3 --compute-scale 1 --control-flavor control --compute-flavor compute / -e <SSL/TLS endpoint environment file> / -e <DNS hostname environment file> / -e <root certificate injection environment file> / -e <additional_options_if_needed>
山かっこ
<>
内の値を、実際の環境用に定義したファイルパスに置き換えます。重要この例に記載されている順序で、ネットワーク環境ファイルをコマンドに追加する必要があります。
このコマンドには、以下の環境ファイルが含まれます。
-
network-isolation.yaml
: ネットワーク分離設定ファイル -
network-environment.yaml
: ネットワーク設定ファイル。 -
external-loadbalancer-vip.yaml
: 外部負荷分散仮想 IP アドレス設定ファイル external-lb.yaml
: 外部ロードバランサー設定ファイル。このファイルに以下のオプションを設定して、実際の環境用に値を調整することもできます。-
--control-scale 3
: コントローラーノードを 3 つにスケーリングします。 -
--compute-scale 3
: コンピュートノードを 3 つにスケーリングします。 -
--control-flavor control
: コントローラーノードに特定のフレーバーを使用します。 -
--compute-flavor compute
: コンピュートノードに特定のフレーバーを使用します。
-
SSL/TLS 環境ファイル:
-
SSL/TLS endpoint environment file
: パブリックエンドポイントへの接続方法を定義する環境ファイル。tls-endpoints-public-dns.yaml
またはtls-endpoints-public-ip.yaml
を使用します。 -
(オプション)
DNS hostname environment file
: DNS ホスト名を設定するための環境ファイル。 -
Root certificate injection environment file
: ルート認証局を挿入するための環境ファイル。
-
オーバークラウドのデプロイメントプロセス中に、Red Hat OpenStack Platform director によりノードがプロビジョニングされます。このプロセスは完了するまで多少時間がかかります。
-
オーバークラウドのデプロイメントステータスを確認するには、以下のコマンドを入力します。
$ source ~/stackrc $ openstack stack list --nested