4.10. 動的ルーティング環境への Ceph のデプロイ
通常の設定をいくつか調整すると、動的ルーティングを使用する Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 環境に Red Hat Ceph Storage をデプロイできます。
動的ルーティングを使用する Red Hat OpenStack Platform 環境に Red Hat Ceph Storage をインストールする場合は、オーバークラウドをデプロイする前に Ceph をインストールする必要があります。次の設定例では、プロビジョニングネットワークを使用して Ceph をデプロイします。最適なパフォーマンスを得るために、RHOSP 動的ルーティング環境に Ceph Storage をデプロイする場合は、専用の NIC とネットワークハードウェアを使用することを推奨します。
手順
- Red Hat Ceph Storage をインストールする方法については、director を使用した Red Hat Ceph Storage および Red Hat OpenStack Platform のデプロイ 手順に従ってください。Ceph Storage クラスターを設定するステップで、次の追加のステップを実行します。
Ceph 設定ファイルを作成し、
[global]
という名前のセクションを追加します。例
この例では、Ceph 設定ファイルの名前は、
initial-ceph.conf
です。$ echo "[global]" > initial-ceph.conf
[global]
セクションに、public_network
パラメーターとcluster_network
パラメーターを追加し、undercloud.conf
ファイルにリストされているサブネット CIDR をそれぞれに追加します。オーバークラウドノードに対応するサブネット CIDR のみを含めてください。ヒント追加するサブネット CIDR は、RHOSP 動的ルーティング用のアンダークラウドのインストールと設定 で説明されているものです。
例
この例では、オーバークラウドノードに対応する
undercloud.conf
ファイル内のサブネットをpublic_network
パラメーターとcluster_network
パラメーターに追加します。[global] public_network="192.168.1.0/24,192.168.2.0/24,192.168.3.0/24" cluster_network="192.168.1.0/24,192.168.2.0/24,192.168.3.0/24"
Ceph をデプロイする準備ができたら、
overcloud ceph deploy
コマンドに必ずinitial-ceph.conf
を含めます。例
$ openstack overcloud ceph deploy --config initial-ceph.conf \ <other_arguments> \ /home/stack/templates/overcloud-baremetal-deployed.yaml
重要動的ルーティングはまだ利用できません。したがって、Ceph ノードが NTP サーバーに到達するためにルーティングを必要とする場合、Ceph ノードの NTP 設定が遅れる可能性があります。
サイトで NTP サーバーを使用している場合は、
openstack overcloud ceph deploy
コマンドに--skip-ntp
を追加してください。Ceph が必要な NTP サーバーに到達できるように BGP ルートが確立されるまでは、Ceph クラスターを実稼働環境に導入しないでください。オーバークラウドがデプロイされ NTP が設定されないと、NTP が設定されていない Ceph クラスターにより、さまざまな異常が発生する可能性があります。たとえば、デーモンが受信したメッセージを無視したり、タイムスタンプが古かったり、メッセージが時間内に受信されなかった場合にトリガーされるタイムアウトが早すぎたり遅すぎたりすることがあります。
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overcloud ceph deploy
コマンドの実行により生成された出力ファイルのパスとファイル名をメモします。この例では、/home/stack/templates/overcloud-baremetal-deployed.yaml
です。この情報は、後でオーバークラウドをデプロイするときに必要になります。
次のステップ
- 次のステップ スパイン/リーフ対応オーバークラウドのデプロイ に進みます。