3.2. アンダークラウドおよびオーバークラウドのシャットダウン順序
Red Hat OpenStack Platform 環境をシャットダウンするには、オーバークラウドおよびアンダークラウドを以下の順序でシャットダウンする必要があります。
- オーバークラウド Compute ノード上のインスタンスをシャットダウンします。
- Compute ノードをシャットダウンします。
- Controller ノードの高可用性サービスおよび OpenStack Platform のサービスをすべて停止します。
- Ceph Storage ノードをシャットダウンします。
- Controller ノードをシャットダウンします。
- アンダークラウドをシャットダウンします。
3.2.1. オーバークラウド Compute ノード上のインスタンスのシャットダウン
Red Hat OpenStack Platform 環境のシャットダウンのサブタスクとして、Compute ノードをシャットダウンする前に Compute ノード上のインスタンスをすべてシャットダウンします。
前提条件
- Compute サービスがアクティブなオーバークラウド
手順
-
アンダークラウドに
stack
ユーザーとしてログインします。 source コマンドでオーバークラウドの認証情報ファイルを読み込みます。
$ source ~/overcloudrc
オーバークラウドで実行中のインスタンスを表示します。
$ openstack server list --all-projects
オーバークラウドのそれぞれのインスタンスを停止します。
$ openstack server stop <INSTANCE>
オーバークラウド内のすべてのインスタンスを停止するまで、それぞれのインスタンスでこのステップを繰り返します。
3.2.2. オーバークラウドコンピュートノードのインスタンス HA サービスの停止
Red Hat OpenStack Platform 環境のシャットダウンのサブタスクとして、インスタンスを停止してコンピュートノードをシャットダウンする前に、コンピュートノードのインスタンス HA サービスをすべてシャットダウンする必要があります。
前提条件
- Compute サービスがアクティブなオーバークラウド
- コンピュートノードで有効化されているインスタンス HA
手順
-
Pacemaker を実行するオーバークラウドノードに
root
ユーザーとしてログインします。 それぞれのコンピュートノードの Pacemaker リモートリソースを無効にします。
コンピュートノードの Pacemaker リモートリソースを特定します。
# pcs resource status
これらのリソースは
ocf::pacemaker:remote
エージェントを使用し、通常はコンピュートノードのホストの形式に基づく名前が付けられます (例:overcloud-novacomputeiha-0
)。それぞれの Pacemaker リモートリソースを無効にします。
overcloud-novacomputeiha-0
のリソースを無効にする方法を、以下の例に示します。# pcs resource disable overcloud-novacomputeiha-0
コンピュートノードの STONITH デバイスを無効にします。
コンピュートノードの STONITH デバイスを特定します。
# pcs stonith status
それぞれのコンピュートノードの STONITH デバイスを無効にします。
# pcs stonith disable <STONITH_DEVICE>
3.2.3. コンピュートノードのシャットダウン
Red Hat OpenStack Platform 環境をシャットダウンする際のサブタスクとして、それぞれの Compute ノードにログインしてシャットダウンします。
前提条件
- Compute ノード上のすべてのインスタンスがシャットダウンされている。
手順
-
Compute ノードに
root
ユーザーとしてログインします。 ノードをシャットダウンします。
# shutdown -h now
- すべての Compute ノードをシャットダウンするまで、それぞれの Compute ノードでこの手順を実施します。
3.2.4. Controller ノードのサービスの停止
Red Hat OpenStack Platform 環境のシャットダウンする際のサブタスクとして、Controller ノードをシャットダウンする前にノードのサービスを停止します。これには Pacemaker サービスおよび systemd サービスが含まれます。
前提条件
- Pacemaker サービスがアクティブなオーバークラウド
手順
-
Controller ノードに
root
ユーザーとしてログインします。 Pacemaker クラスターを停止します。
# pcs cluster stop --all
このコマンドにより、すべてのノード上のクラスターが停止します。
Pacemaker サービスが停止するまで待ち、サービスが停止したことを確認します。
Pacemaker のステータスを確認します。
# pcs status
Pacemaker サービスが実行されていないことを Podman で確認します。
# podman ps --filter "name=.*-bundle.*"
Red Hat OpenStack Platform のサービスを停止します。
# systemctl stop 'tripleo_*'
サービスが停止するまで待ち、サービスが実行されなくなったことを Podman で確認します。
# podman ps
3.2.5. Ceph Storage ノードのシャットダウン
Red Hat OpenStack Platform 環境のシャットダウンのサブタスクとして、Ceph Storage サービスを無効にし、続いてそれぞれの Ceph Storage ノードにログインしてシャットダウンします。
前提条件
- 正常な Ceph Storage クラスター。
- Ceph MON サービスがスタンドアロンの Ceph MON ノードまたは Controller ノードで動作している。
手順
-
Ceph MON サービスを実行するノード (例: Controller ノードまたはスタンドアロンの Ceph MON ノード) に
root
ユーザーとしてログインします。 クラスターが正常であることを確認します。以下の例の
podman
コマンドにより、Controller ノード上の Ceph MON コンテナー内でステータス確認が実施されます。# sudo podman exec -it ceph-mon-controller-0 ceph status
ステータスが
HEALTH_OK
であることを確認します。クラスターの
noout
、norecover
、norebalance
、nobackfill
、nodown
、およびpause
フラグを設定します。以下の例のpodman
コマンドにより、Controller ノード上の Ceph MON コンテナーを通じてこれらのフラグが設定されます。# sudo podman exec -it ceph-mon-controller-0 ceph osd set noout # sudo podman exec -it ceph-mon-controller-0 ceph osd set norecover # sudo podman exec -it ceph-mon-controller-0 ceph osd set norebalance # sudo podman exec -it ceph-mon-controller-0 ceph osd set nobackfill # sudo podman exec -it ceph-mon-controller-0 ceph osd set nodown # sudo podman exec -it ceph-mon-controller-0 ceph osd set pause
それぞれの Ceph Storage ノードをシャットダウンします。
-
Ceph Storage ノードに
root
ユーザーとしてログインします。 ノードをシャットダウンします。
# shutdown -h now
- すべての Ceph Storage ノードをシャットダウンするまで、それぞれの Ceph Storage ノードでこの手順を実施します。
-
Ceph Storage ノードに
スタンドアロンの Ceph MON ノードをすべてシャットダウンします。
-
スタンドアロンの Ceph MON ノードに
root
ユーザーとしてログインします。 ノードをシャットダウンします。
# shutdown -h now
- スタンドアロンの Ceph MON ノードをすべてシャットダウンするまで、それぞれのスタンドアロンの Ceph MON ノードでこの手順を実施します。
-
スタンドアロンの Ceph MON ノードに
3.2.6. Controller ノードのシャットダウン
Red Hat OpenStack Platform 環境のシャットダウンのサブタスクとして、それぞれの Controller ノードにログインしてシャットダウンします。
前提条件
- Pacemaker クラスターが停止している。
- Controller ノードのすべての Red Hat OpenStack Platform サービスが停止している。
手順
-
Controller ノードに
root
ユーザーとしてログインします。 ノードをシャットダウンします。
# shutdown -h now
- すべての Controller ノードをシャットダウンするまで、それぞれの Controller ノードでこの手順を実施します。
3.2.7. アンダークラウドのシャットダウン
Red Hat OpenStack Platform 環境のシャットダウンのサブタスクとして、アンダークラウドノードにログインしてアンダーグラウンドをシャットダウンします。
前提条件
- 動作中のアンダークラウド
手順
-
アンダークラウドに
stack
ユーザーとしてログインします。 アンダークラウドをシャットダウンします。
$ sudo shutdown -h now