第10章 OVS-DPDK デプロイメントの設定
このセクションでは、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 環境向けの Open vSwitch Data Plane Development Kit (OVS-DPDK) をデプロイ、使用、およびトラブルシューティングする方法を説明します。RHOSP は、OVS-DPDK デプロイメントでは OVS クライアントモードで動作します。
以下の図は、コントロールプレーンとデータプレーン用にポートが 2 つボンディングされている OVS-DPDK トポロジーを示しています。
図10.1 OVS-DPDK トポロジーの例
このセクションには、トポロジーとユースケースに合わせて変更する必要がある例が含まれています。詳細は、NFV のハードウェア要件 を参照してください。
前提条件
RHOSP アンダークラウド。
オーバークラウドをデプロイする前に、アンダークラウドのインストールと設定が完了している必要があります。詳細は、director を使用した Red Hat OpenStack Platform のインストールおよび管理 を参照してください。
注記RHOSP director は、テンプレートとカスタム環境ファイルで指定したキーと値のペアを通じて OVS-DPDK 設定ファイルを変更します。OVS-DPDK ファイルを直接変更しないでください。
-
アンダークラウドホストへのアクセスと
stack
ユーザーの認証情報。
手順
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) director を使用して、RHOSP 環境に OVS-DPDK をインストールおよび設定します。大まかな手順は次のとおりです。
- OVS-DPDK の既知の制限事項を確認します。
- ロールとイメージファイルを生成します。
- OVS-DPDK カスタマイズ用の環境ファイルを作成します。
- セキュリティーグループのファイアウォールを設定します。
- ベアメタルノード定義ファイルを作成します。
- NIC 設定テンプレートを作成します。
- OVS-DPDK インターフェイスの MTU 値の設定。
- OVS-DPDK インターフェイス向けのマルチキューの設定。
- ノードのプロビジョニング用の DPDK パラメーターを設定します。
オーバークラウドネットワークと仮想 IP をプロビジョニングします。
詳細は以下を参照してください。
- director を使用した Red Hat OpenStack Platform のインストールと管理 ガイドの オーバークラウドのネットワーク定義の設定とプロビジョニング
- director を使用した Red Hat OpenStack Platform のインストールと管理 ガイドの オーバークラウドのネットワーク仮想 IP の設定とプロビジョニング
ベアメタルノードをプロビジョニングします。
director を使用した Red Hat OpenStack Platform のインストールと管理 ガイドの オーバークラウドのベアメタルノードのプロビジョニング
- OVS-DPDK オーバークラウドをデプロイします。
10.1. OVS-DPDK の既知の制限
Open vSwitch Data Plane Development Kit (OVS-DPDK) 環境で Red Hat OpenStack Platform を設定する場合は、次の制限事項に従ってください。
- 非 DPDK トラフィックおよびコントロールプレーンネットワーク (内部、管理、ストレージ、ストレージ管理、テナント等) には、Linux ボンディングを使用します。パフォーマンスを最適化するには、ボンディングに使用されている両方の PCI デバイスが同じ NUMA ノード上にあることを確認してください。Red Hat では、Neutron の Linux ブリッジ設定はサポートしていません。
- OVS-DPDK を使用するホスト上で実行される全インスタンスにヒュージページが必要です。ゲストのヒュージページがない場合には、インターフェイスは表示されても機能しません。
- OVS-DPDK を使用する場合には、分散仮想ルーター (DVR) 等の TAP デバイスを使用するサービスのパフォーマンスが低下します。得られるパフォーマンスは、実稼働環境に適するものではありません。
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OVS-DPDK を使用する場合には、同じ Compute ノード上の全ブリッジが
ovs_user_bridge
の種別でなければなりません。同じノード上でovs_bridge
とovs_user_bridge
が混在する設定は、director では受け入れ可能ですが、Red Hat OpenStack Platform ではサポートされていません。
次のステップ
- 「ロールとイメージファイルの生成」 に進みます。