第13章 インスタンスのセキュリティーを設定する
クラウド管理者は、クラウド上で実行されるインスタンスに対して、次のセキュリティー機能を設定できます。
-
UEFI Secure boot: プロパティーキー
os:secure_boot
を有効にして、UEFI Secure Boot フレーバーを作成できます。クラウドユーザーは、このフレーバーを使用して、UEFI Secure Boot で保護されたインスタンスを作成できます。詳細は、UEFI Secure Boot を参照してください。 - VNC console security: VNC プロキシーサービスへの受信クライアントの接続用に適用する許可される TLS 暗号と最小プロトコルバージョンを設定することで、インスタンスの VNC コンソールへの接続を保護できます。詳細は、インスタンスの VNC コンソールへの接続を保護する を参照してください。
- Emulated virtual Trusted Platform Module (vTPM): クラウド管理者は、エミュレートされた vTPM デバイスを持つインスタンスを作成できる機能をクラウドユーザーに提供できます。詳細は、インスタンスにエミュレートされた Trusted Platform Module (TPM) デバイスを提供するためのコンピュートノード設定 を参照してください。
- SEV: クラウドユーザーが、メモリー暗号化を使用するインスタンスを作成できるようにするために使用します。詳細は、インスタンスのメモリー暗号化を提供するための AMD SEV コンピュートノードの設定 を参照してください。
13.1. インスタンスの VNC コンソールへの接続のセキュリティー保護
VNC プロキシーサービスへの受信クライアントの接続用に適用する許可される TLS 暗号と最小プロトコルバージョンを設定することで、インスタンスの VNC コンソールへの接続をセキュアにすることができます。
手順
-
アンダークラウドに
stack
ユーザーとしてログインします。 stackrc
ファイルを取得します。source ~/stackrc
[stack@director ~]$ source ~/stackrc
Copy to Clipboard Copied! - Compute 環境ファイルを開きます。
インスタンスへの VNC コンソール接続に使用する最小プロトコルバージョンを設定します。
parameter_defaults: ... NovaVNCProxySSLMinimumVersion: <version>
parameter_defaults: ... NovaVNCProxySSLMinimumVersion: <version>
Copy to Clipboard Copied! <version>
を、許可される最小の SSL/TLS プロトコルバージョンに置き換えます。以下の有効な値のいずれかに設定します。-
default
: 基礎となるシステム OpenSSL のデフォルトを使用します。 tlsv1_1
: 新しいバージョンをサポートしていないクライアントがある場合に使用します。注記TLS 1.0 および TLS 1.1 は RHEL 8 で廃止され、RHEL 9 ではサポートされていません。
-
tlsv1_2
: インスタンスへの VNC コンソール接続に使用する SSL/TLS 暗号を設定する場合に使用します。 -
tlsv1_3
: TLSv1.3 の標準暗号ライブラリーを使用する場合に使用します。NovaVNCProxySSLCiphers
パラメーターの設定は無視されます。
-
使用可能な最小の SSL/TLS プロトコルバージョンを
tlsv1_2
に設定する場合は、インスタンスへの VNC コンソール接続に使用する SSL/TLS 暗号を設定します。parameter_defaults: NovaVNCProxySSLCiphers: <ciphers>
parameter_defaults: NovaVNCProxySSLCiphers: <ciphers>
Copy to Clipboard Copied! <ciphers>
を、許可する暗号スイートのコロン区切りリストに置き換えます。openssl
から利用可能な暗号のリストを取得します。その他の環境ファイルと共に Compute 環境ファイルをスタックに追加して、オーバークラウドをデプロイします。
openstack overcloud deploy --templates \ -e [your environment files] \ -e /home/stack/templates/<compute_environment_file>.yaml
(undercloud)$ openstack overcloud deploy --templates \ -e [your environment files] \ -e /home/stack/templates/<compute_environment_file>.yaml
Copy to Clipboard Copied!