5.3. イメージを複数のストアにインポートする
相互運用可能なイメージのインポートワークフローを使用して、イメージデータを複数の Red Hat Ceph Storage クラスターにインポートします。ローカルファイルシステムで、または Web サーバーから利用可能なイメージを、Image サービス (glance) にインポートすることができます。
Web サーバーからイメージをインポートする場合、イメージを複数のストアに一度にインポートすることができます。イメージが Web サーバーで利用できない場合は、イメージをローカルファイルシステムから中央のストアにインポートし、それをさらに別のストアにコピーすることができます。詳細は、複数ストアへの既存イメージのコピー を参照してください。
イメージ管理には Image service コマンドラインクライアントを使用します。
中央サイトにイメージを使用するインスタンスがない場合でも、必ず中央サイトにイメージのコピーを保存してください。Image サービスへのイメージのインポートの詳細は、分散コンピュートノードのアーキテクチャー ガイドを参照してください。
5.3.1. イメージのインポート失敗時の対応
--allow-failure
パラメーターを使用して、イメージインポート操作の失敗に対応することができます。
-
--allow-failure
パラメーターの値をtrue
に設定した場合、最初のストアにデータが正常にインポートされると、イメージのステータスはactive
になります。これがデフォルトの設定です。os_glance_failed_import
イメージ属性を使用して、イメージデータのインポートに失敗したストアのリストを表示することができます。 -
--allow-failure
パラメーターの値をfalse
に設定すると、指定したすべてのストアにデータが正常にインポートされた場合に限り、イメージのステータスがactive
になります。いずれかのストアでイメージデータのインポートが失敗した場合、イメージのステータスはfailed
になります。イメージは指定されたどのストアにもインポートされません。
5.3.2. 複数ストアへのイメージデータのインポート
--allow-failure
パラメーターのデフォルト設定は true
なので、一部のストアがイメージデータのインポートに失敗するのを許容するのであれば、コマンドにパラメーターを追加する必要はありません。
この手順では、すべてのストアがイメージデータを正常にインポートすることは求められせん。
手順
指定した複数のストアにイメージデータをインポートします。
$ glance image-create-via-import \ --container-format bare \ --name <image-name> \ --import-method web-download \ --uri <uri> \ --stores <store-1>,<store-2>,<store-3>
-
<image-name>
をインポートするイメージの名前に置き換えます。 -
<uri>
をイメージの URI に置き換えます。 -
<store-1>
、<store-2>
、<store-3>
を、イメージデータをインポートするストアの名前に置き換えます。 -
あるいは、
--stores
を--all-stores true
に置き換え、すべてのストアにイメージをアップロードします。
-
QCOW2 イメージを自動的に RAW 形式に変換する glance image-create-via-import
コマンドは、web-download
メソッドでのみ機能します。glance-direct
メソッドを使用することはできますが、共有ファイルシステムが設定されたデプロイメントでのみ機能します。
5.3.3. 複数ストアへのイメージデータのインポート (失敗を許容しない)
この手順では、すべてのストアがイメージデータを正常にインポートすることが求められます。
手順
指定した複数のストアにイメージデータをインポートします。
$ glance image-create-via-import \ --container-format bare \ --name <image-name> \ --import-method web-download \ --uri <uri> \ --stores <store-1>,<store-2>,<store-3>
-
<image-name>
をインポートするイメージの名前に置き換えます。 -
<uri>
をイメージの URI に置き換えます。 -
<store-1>
、<store-2>
、<store-3>
を、イメージデータをコピーするストアの名前に置き換えます。 あるいは、
--stores
を--all-stores true
に置き換え、すべてのストアにイメージをアップロードします。注記--allow-failure
パラメーターをfalse
に設定すると、Image サービス (glance) はイメージデータのインポートに失敗したストアを無視しません。イメージ属性os_glance_failed_import
を使用して、失敗したストアのリストを表示することができます。詳細は、「イメージインポート操作の進捗の確認」 を参照してください。
-
イメージデータが特定のストアに追加されたことを確認します。
$ glance image-show <image-id> | grep stores
<image-id>
を元の既存イメージの ID に置き換えます。出力には、ストアのコンマ区切りリストが表示されます。
5.3.4. 1 つのストアへのイメージデータのインポート
Image サービス (glance) を使用して、イメージデータを単一のストアにインポートできます。
手順
イメージデータを 1 つのストアにインポートします。
$ glance image-create-via-import \ --container-format bare \ --name <image-name> \ --import-method web-download \ --uri <uri> \ --store <store>
-
<image-name>
をインポートするイメージの名前に置き換えます。 -
<uri>
をイメージの URI に置き換えます。 <store>
をイメージデータをコピーするストアの名前に置き換えます。注記コマンドに
--stores
、--all-stores
、または--store
オプションを指定しないと、Image サービスは中央ストアにイメージを作成します。
-
イメージデータが特定のストアに追加されたことを確認します。
$ glance image-show <image-id> | grep stores
<image-id>
を元の既存イメージの ID に置き換えます。出力には、ストアのコンマ区切りリストが表示されます。