3.4. イメージ変換の有効化
GlanceImageImportPlugins
パラメーターを有効にすることで、QCOW2 イメージを Image サービス (glance) にアップロードできます。その後、QCOW2 イメージを RAW 形式に変換できます。
Red Hat Ceph Storage RADOS Block Device (RBD) を使用してイメージを保存し、Nova インスタンスを起動すると、イメージ変換が自動的に有効になります。
イメージ変換を有効にするには、次のパラメーター値を含む環境ファイルを作成します。-e
オプションを使用して新しい環境ファイルを openstack overcloud deploy
コマンドに含めます。
parameter_defaults: GlanceImageImportPlugins:'image_conversion'
イメージ管理には Image service コマンドラインクライアントを使用します。
3.4.1. RAW 形式へのイメージの変換
Red Hat Ceph Storage は QCOW2 イメージを保管することはできますが、そのイメージを使用して仮想マシン (VM) のディスクをホストすることはできません。
アップロードした QCOW2 イメージから仮想マシンを作成する場合には、コンピュートノードはイメージをダウンロードして RAW に変換し、それを Ceph にアップロードし直してからでないと使用することができません。このプロセスは仮想マシンの作成時間に影響を及ぼします (特に、並行して仮想マシンを作成する場合)。
たとえば、複数の仮想マシンを同時に作成する場合には、Ceph クラスターへの変換済みイメージのアップロードが、すでに実行中の負荷に影響を及ぼす可能性があります。IOPS のこれらの負荷に対するリソースがアップロードプロセスにより枯渇し、ストレージの反応が遅くなる場合があります。
Ceph において仮想マシンをより効率的に起動するには (一時バックエンドまたはボリュームからの起動)、glance イメージの形式を RAW にする必要があります。
手順
イメージを RAW に変換すると、イメージサイズが元の QCOW2 イメージファイルより大きくなる場合があります。最終的な RAW イメージのサイズを確認するには、変換前に以下のコマンドを実行します。
$ qemu-img info <image>.qcow2
イメージを QCOW2 から RAW 形式に変換します。
$ qemu-img convert -p -f qcow2 -O raw <original qcow2 image>.qcow2 <new raw image>.raw
3.4.2. GlanceDiskFormats
パラメーターを使用してディスクフォーマットを設定する
GlanceDiskFormats
パラメーターを使用して、ディスクフォーマットを有効または拒否するように Image サービス (glance) を設定することができます。
手順
-
アンダークラウドホストに
stack
ユーザーとしてログインします。 source コマンドでアンダークラウドの認証情報ファイルを読み込みます。
$ source ~/stackrc
環境ファイルに
GlanceDiskFormats
パラメーターを追加します (例:glance_disk_formats.yaml
)。parameter_defaults: GlanceDiskFormats: - <disk_format>
たとえば、RAW および ISO ディスクフォーマットだけを有効にするには、以下の設定を使用します。
parameter_defaults: GlanceDiskFormats: - raw - iso
QCOW2 ディスクイメージを拒否するには、以下の設定例を使用します。
parameter_defaults: GlanceDiskFormats: - raw - iso - aki - ari - ami
ご自分の環境に該当するその他の環境ファイルと共に、新しい設定が含まれる環境ファイルを
openstack overcloud deploy
コマンドに追加します。$ openstack overcloud deploy --templates \ -e <overcloud_environment_files> \ -e <new_environment_file> \ …
-
<overcloud_environment_files>
をデプロイメントに追加する環境ファイルのリストに置き換えます。 -
<new_environment_file>
を新しい設定が含まれる環境ファイルに置き換えます。
-
RHOSP で利用可能なディスクフォーマットの詳細は、イメージ設定パラメーター を参照してください。
3.4.3. RAW 形式でのイメージの保存
以前に作成したイメージを RAW 形式で保存するには、GlanceImageImportPlugins
パラメーターを有効にして以下のコマンドを実行します。
$ glance image-create-via-import \ --disk-format qcow2 \ --container-format bare \ --name <name> \ --visibility public \ --import-method web-download \ --uri <http://server/image.qcow2>
-
<name>
は、イメージ名に置き換えます。この名前がglance image-list
に表示されます。 -
<http://server/image.qcow2>
を、QCOW2 イメージの場所とファイル名に置き換えます。
このコマンド例では、イメージレコードを作成し、web-download
メソッドを使用してそのイメージレコードをインポートします。glance-api は、インポートプロセス中に --uri
で定義した場所からイメージをダウンロードします。web-download
が利用できない場合、glanceclient
はイメージデータを自動的にダウンロードすることができません。利用可能なイメージのインポート方法をリスト表示するには、glance import-info
コマンドを実行します。