3.3. アンダークラウドのチューニング
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) のデプロイメントをスケーリングする予定があり、デフォルトのアンダークラウド設定を指定する場合は、このセクションを確認してください。
- より大きなメッセージサイズをサポートするために HA Services を調整する
- 大規模なデプロイメントでは、mariadb および rabbitmq HA サービスに設定されているデフォルト値よりも大きなメッセージサイズが必要になります。アンダークラウドをデプロイする前に、カスタム環境ファイルと hieradata オーバーライドファイルを使用してこれらの値を増やします。
custom_env_files.yaml
parameter_defaults: max_message_size: 536870912 MySQLServerOptions: mysqld: max_allowed_packet: "512M"
hieradata_override.yaml
rabbitmq_config_variables: max_message_size: 536870912 cluster_partition_handling: 'ignore' queue_master_locator: '<<"min-masters">>'
undercloud.conf
custom_env_files = /home/stack/custom-undercloud-params.yaml hieradata_override = /home/stack/hieradata.yaml
- オープンファイルの制限を 4096 に増やす
-
/etc/security/limits.conf
ファイル内の次のパラメーターを編集して、必ずアンダークラウドのオープンファイル制限を 4096 に増やしてください。
* soft nofile 4096 * hard nofile 4096
- プロビジョニングプロセスと設定プロセスを分離する
-
スタックおよび関連する RHOSP リソースのみを作成するには、
--stack-only
オプションを指定してデプロイメントコマンドを実行できます。 -
Red Hat は、100 を超えるノードをデプロイする場合に、スタックと
config-download
の手順を分離することを推奨しています。
-
スタックおよび関連する RHOSP リソースのみを作成するには、
オーバークラウドに必要なすべての環境ファイルを追加します。
$ openstack overcloud deploy \ --templates \ -e <environment-file1.yaml> \ -e <environment-file2.yaml> \ ... --stack-only
スタックのプロビジョニングが完了したら、
tripleo-admin
ユーザーのアンダークラウドからオーバークラウドへの SSH アクセスを有効にできます。config-download
プロセスでは、tripleo-admin
ユーザーを使用して Ansible ベースの設定を実施します。$ openstack overcloud admin authorize
オーバークラウドスタックの作成を無効にして、
config-download
ワークフローをソフトウェア設定にのみ適用するには、--config-download-only
オプションを指定してデプロイコマンドを実行します。オーバークラウドに必要なすべての環境ファイルを追加します。$ openstack overcloud deploy \ --templates \ -e <environment-file1.yaml> \ -e <environment-file2.yaml> \ ... --config-download-only
-
config-download
Playbook の実行を特定のノードまたはノードセットに制限するには、--limit
オプションを使用します。 スケールアップ操作の場合、新しいノードにのみソフトウェア設定を適用するには、
--limit
オプションを--config-download-only
オプションを併せて使用します。$ openstack overcloud deploy \ --templates \ -e <environment-file1.yaml> \ -e <environment-file2.yaml> \ ... --config-download-only --config-download-timeout --limit <Undercloud>,<Controller>,<Compute-1>,<Compute-2>
--limit
オプションを使用する場合は、必ず、リストに<Controller>
と<Undercloud>
を含めるようにしてください。external_deploy_steps
インターフェイスを使用するタスク (すべての Ceph 設定など) は、<Undercloud>
がオプションリストに含まれている場合に実行されます。すべてのexternal_deploy_steps
タスクはアンダークラウドで実行されます。たとえば、スケールアップタスクを実行して Ceph への接続を必要とするコンピュートノードを追加する場合、リストに
<Undercloud>
が含まれてないと、このタスクは失敗します。Ceph 設定ファイルとcephx
キーファイルが指定されていないためです。--skip-tags external_deploy_steps
オプションを使用しなければ、タスクは失敗します。