17.8. ファイル共有へのアクセスの制御


ユーザーは、作成するファイル共有にアクセスできる特定のクライアントを指定できます。keystone サービスにより、個別ユーザーが作成したファイル共有は、作成したユーザーおよび同じプロジェクト内のユーザーだけに表示されます。Manila により、ユーザーは "パブリック" に表示されるファイル共有を作成することができます。所有者がアクセス権を付与した場合、これらのファイル共有は、他の OpenStack プロジェクトに属するユーザーのダッシュボードに表示されます。ネットワーク上でアクセス可能な場合、これらの共有をマウントできる場合もあります。

ファイル共有の作成時に、キー --public を使用して、他のプロジェクトに対してファイル共有をパブリックにし、ファイル共有のリストにその共有を表示し、詳細情報を表示します。

policy.json ファイルに従って、ファイル共有の所有者として、管理者およびユーザーは、アクセスルールを作成することにより、ファイル共有へのアクセスを管理できます。manila access-allowmanila access-deny、および manila access-list コマンドを使用すると、指定されたファイル共有へのアクセスを許可、拒否、およびリスト表示することができます。

注記

manila は、ストレージシステムのエンドツーエンド管理を提供しません。したがって、別途バックエンドシステムを承認されていないアクセスから保護する必要があります。その結果、アウトオブバンドアクセスを取得することでバックエンドストレージデバイスが侵害された場合、manila API が提供する保護は損なわれる可能性があります。

ファイル共有が作成されたままの状態では、それに関連付けられたデフォルトのアクセスルールとマウントパーミッションはありません。これは、使用中のエクスポートプロトコルのマウント設定で確認できます。たとえば、NFS コマンド exportfs またはストレージの /etc/exports ファイルがあり、各リモートファイル共有を制御し、アクセスできるホストを定義します。誰もファイル共有をマウントできない場合、これは空です。リモート CIFS サーバーでは、設定を表示する net conf list コマンドがあります。hosts deny パラメーターは、共有ドライバーにより 0.0.0.0/0 に設定する必要があります。これは、いずれのホストも、ファイル共有のマウントを拒されることを意味します。

manila を使用して、サポートされるファイル共有へのアクセスレベルのいずれかを指定して、ファイル共有へのアクセスを許可または拒否できます。

  • rw: 読み取りおよび書き込み (RW) アクセス。これはデフォルト値です。
  • ro: 読み取り専用 (RO) アクセス
注記

RO アクセスレベルは、パブリックなファイル共有で役立ちます。この場合、管理者が特定のエディターまたはコントリビューターに対して読み取りおよび書き込み (RW) アクセスを提供し、残りのユーザー (ビューアー) には読み取り専用 (RO) アクセスを提供します。

サポートされる認証方法のいずれかも指定する必要があります。

  • IP: インスタンスの認証に IP アドレスを使用します。IP アクセスは、適切に形成された IPv4 アドレスまたは IPv6 アドレスで指定可能なクライアント、または CIDR 表記で指定されるサブネットに提供できます。
  • cert: インスタンスの認証に TLS 証明書を使用します。TLS アイデンティティーを IDENTKEY として指定します。有効な値は、証明書の共通名 (CN) の 64 文字までの任意の文字列です。
  • user: 指定したユーザーまたはグループ名で認証します。有効な値は、特殊文字を含む 4 から 32 文字の長さの英数字の文字列です。
注記

サポートされる認証方法は、使用する共有ドライバー、セキュリティーサービス、および共有ファイルシステムプロトコルにより異なります。サポート対象の共有ファイルシステムプロトコルは、MapRFS、CEPHFS、NFS、CIFS、GlusterFS、および HDFS です。サポートされるセキュリティーサービスは、LDAP、Kerberos プロトコル、または Microsoft Active Directory サービスです。

アクセスルール (ACL) がファイル共有に対して正しく設定されていることを確認するには、そのパーミッションをリスト表示できます。

注記

ファイル共有にセキュリティーサービスを選択する場合は、共有ドライバーが利用可能な認証方法を使用してアクセスルールを作成できるかどうかを考慮する必要があります。サポートされるセキュリティーサービスは、LDAP、Kerberos、および Microsoft Active Directory です。

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